現在公開中の「君の名は。」は、東京に住む男子高校生・立花瀧と山深い田舎町に暮らす女子高校生・宮水三葉の恋と奇跡を描く青春劇。神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみらが声を当てた。本作では劇伴だけでなく全4曲の主題歌もRADWIMPSが手がけており、新海は「音楽だけでなく、キャラクターの言葉やモノローグは洋次郎さんに任せてしまえばいいんだと思っていました」と明かす。さらに「キャラクターに言わせたい気持ちってたくさんあるけど、伝わりにくいから詩のような言葉にする必要がある。そこに関しては歌ってくれるだろうと思っていたし、もっと言うと(映画の)タイトルになる言葉も洋次郎さんの歌詞の中にあるんじゃないかと思っていた」と強い信頼を口にした。
これまでも新海作品には触れてきたし、そこで描かれる作品構造についてもいろいろと考えてきた自分としては、『君の名は。』が事前評判通りに大ヒットしていると聞いては見ないわけにいかないだろうということで、公開二週目の週末に鑑賞してきた。梅田の映画館は満席で、上映後にはあちこちからすすり泣きの声が聴こえるという状態。数字という面だけでなく、質的にも大ヒットと言っていいだろう。 僕の中で新海誠の作品は、いつも「セカイ系」という名前でくくられていたように思う。あえて雑な見方を提示するなら、ここで「セカイ系」は、「きみとぼくの物語が世界の危機に直結されており、二人の関係が成就することで世界もまた救われる」という構造を持つ一連の作品を指す。また、そうしたミクロなセカイの幸せがマクロな世界を救うという楽観的な発想も、ときに批判の対象となる。そこで新海作品は、『ほしのこえ』がそうであったように「設定としてあり
『秒速5センチメートル』(07年)、『言の葉の庭』(13年)など 意欲的な作品を数多く作り出してきた気鋭のアニメーション映画監督・新海誠。 精緻な風景描写とすれ違う男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉によって紡ぎ出す“新海ワールド”は、 世代や業界、国内外を問わず人々に大きな刺激と影響をおよぼしてきた。 新海誠監督の待望の新作となる『君の名は。』は、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語。 世界の違う二人の隔たりと繋がりから生まれる「距離」のドラマを圧倒的な映像美とスケールで描き出す。 作画監督を務めるのは『千と千尋の神隠し』(01年)など 数多くのスタジオジブリ作品を手掛けた、アニメーション界のレジェンド、安藤雅司。 また、『心が叫びたがってるんだ。』(15年)などで新時代を代表するアニメーターとなった 田中将賀をキャラクターデザインに迎えるなど、日本最高峰のスタッフがスタジオ
新海誠監督の最新劇場版アニメーション「君の名は。」を公開日(8月26日)に見てきました。 「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」「星を追う子ども」「言の葉の庭」と、今まで全ての新海誠作品を見てきましたが、「君の名は。」は上映前から大々的にテレビCMを打つなどし、これまでの作品と比べて各メディアへの露出度が明らかに違っています。 また、予告トレーラーを見る限りでは、今までとは大きく異なった作風であることにも興味と若干の不安がありましたが、いざ蓋を開けてみれば、やっぱり新海誠ワールドでした。しかも最高の。 ストーリーに関するネタバレは含まないように書いていますが、未視聴の方は一応ご注意ください。 予告編は青春ラブコメ? 田舎に済む女子高生・宮水三葉(みつは)と、東京に済む男子高校生・立花瀧(たき)が夢の中で入れ替わる。 最初に予告トレーラーを見た時は、相互の中身が交代
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