はじめに 「『風の谷のナウシカ』を読む」という企画にパネリストとして参加させてもらうことになり、今まではそのアニメ版しか見たことがなかったので、これを機会に漫画版の『ナウシカ』を読むことになった。最初の方はなんてことない、アニメと変わらんぞ!と思って読み進めていたが、ところがどっこい、なんとまあ奥の深いこと。「人間とは?」「生きるとは?」「科学とは?」「宗教とは?」様々の問いがこの物語に満ちており、そしてその答えはそれを読む読者自身に委ねられているようだ。つまり、『風の谷のナウシカ』は十分に「テクスト」(教科書ではないぞ!)として読むに値する作品といえるだろう。 そこで、僕はこの物語を「テクスト」としてどのように読んだのか、それについて以下に述べてみたい。 (力まなくていいよ。風が通り過ぎるように、加速度をつけて読むべし。) 宮崎駿はニーチェ読みだった!? 今までにいろんな宮崎駿の作品を見