神奈川県相模原市緑区の藤野地区のとあるパン屋さんでは、3種類の地域通貨が使えます。なぜ、わざわざ管理する手間をかけてまで地域通貨を採用しているのでしょうか。小さなパン屋から見えてきた、貨幣や電子マネーや仮想通貨とは違う、「お金のかたち」とは? 藤野の知る人ぞ知る人気のパン屋さん 新宿から特快で約1時間の中央線藤野駅を降りて、ゆっくり歩いて30分。東京と山梨の県境に接する神奈川県相模原市緑区藤野地区の「ス・マートパン」は、移住して12年目を迎える池辺澄(すみ)さんが営む小さなパン屋さん。 夫であり建築家の池辺潤一さんが設計した自宅兼工房で、酵母を起こし、成形し、早朝4時から10時頃まで8時間もかけて、一人でもくもくとパンを焼き上げます。 シンプルな角食パンやバゲット。パイナップルやクランベリーなどのさわやかな夏の菓子パン。ときには春菊やハッカ、柚子など、地元で採れた季節の野菜が使われたものも