近年、中国でも花見の習慣が急速に広まりつつある。 もちろん中国にも花を愛でる習慣は古くからあったが、春の花見という行事として定着してきたのは、長くみても今世紀に入って以降、多くはこの10年ほどのことである。 その背景には社会の富裕化があり、スマホ社会の到来がある。そしてより直接的なきっかけとして日本の影響がある。サクラという本来は野生の植物を日本は自国風にアレンジして改めて海外に送り出した。中国は日本を通じて桜の意味を再発見したと言ってもいい 今回は桜の花をめぐる昨今のできごとから中国社会の変化について考えてみたい。 「クラウド花見」を7億5000万人が視聴 統計によると、花見など桜に関連する中国の行楽客はのべ3億4000万人(2019年)に達し、関連の消費支出は600億元(1元は約17円)を超えた。旅行以外にも「さくらフレーバーのコーヒー」とか「さくら味のソフトクリーム」など食品や菓子な