ひったくりを30件も行ったため鑑別所に入れて、中等少年院へ送致した16歳の高校中退生の話の続きである。 少年が清書した「おわびの手紙」は、調査官と付添人弁護士の助言も多少効いて、まずまずの出来栄えであった。お母さんが、この手紙を持って被害者の方々の所を回ってくれることになった。 書記官が、被害者30人の名前、被害の日時と場所、被害金額(幸い、金銭だけを抜いたバッグは現場付近で発見され被害者に返っていたので、弁償すべき金額は平均1万円にとどまった)、被害者の携帯電話番号の一覧表を手渡した(住所は教えない)。 お母さんは、被害者方に電話して予約をとり、大体1週間に1件のぺースで、約半年で全員にお目にかかることができた。そして、その度に少年に手紙で詳しい内容の報告を書き送っていた。 後日、私が担当裁判官として少年院へ動向視察に行ったとき、この手紙の束を見せてもらったが、圧巻だった。 最後の30件
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く