ソフトウェアを使わせたくない? 「使わせない」ライセンスは、若干の代償を覚悟すれば別に不可能ではない。しかし、その意義はどれほどのものだろう。八田氏が考察する。 はじめに 先日、次のような質問を受けた。 「あるソフトウェアを特定の人やグループに、あるいは特定用途で使わせたくないのだが、ライセンス的にどうにかならないか」 結論から言ってしまえば、できないこともない。ただ、それなりにいろいろ考えなければいけないことが多く、しかも考えただけの見返りがあるとも言い難いような気がする。いずれにせよ、以下では何を考えないといけないかを簡単にまとめてみることにしよう。 とりあえずざっくり場合分けをしておきたい。この話は、ソフトウェアの著作権を自分がすべて持っている場合と、一部しか持っていない場合とに分けて考えなければならないからだ。本稿では、とりあえず前者についてのみ言及することにする。後者まで含めると