日本のコンピューター史に、また1つピリオドが増える。富士通がメインフレームとUNIXサーバーの事業からの撤退を決めた。事業を始めて60数年。国内市場の縮小にクラウドの台頭、デジタル変革への対応と、激変した事業環境を前にした決断だ。同社はクラウド事業に経営資源を集中する方針だが、行く手は険しい。 「社会課題解決と新たな価値を創出できるコネクテッドな社会を実現するデジタルインフラ基盤の提供について」。2022年2月14日、富士通のWebサイトにこんな文書がひっそりと掲載された。一見すると新サービスの発表と見まがうこの文書こそが、富士通がメインフレームとUNIXサーバーの撤退について触れた公式声明だ。 サステナブル(持続可能)、レジリエント(強じん)、セキュリティー、データの信ぴょう性――。声明では富士通が目指す新たなITインフラを象徴する言葉が並ぶ。それを実現する一環として、メインフレームやU