物理の本ではよく, 「反変ベクトルとは~~という変換則をもち, 共変ベクトルは・・・という変換則をもつものとして定義される」と説明がなされますが, 初学者にとってはなぜ唐突にこのような定義がされるのか非常にわかりにくいと思います. そこでこのページでは数学的によりシンプルな定義を採用し, 一点の曇りなく自然に反変ベクトルと共変ベクトルが導入されることを説明します. さらに2つの拡張としてテンソルが自然に導入されることもみていきます. 以下では$${\left(e_i\right)_{1\leq i\leq n}}$$を$${n}$$次元実ベクトル空間$${V}$$の基底とします. 複素ベクトル空間の場合も以下の$${\mathbb{R}}$$を$${\mathbb{C}}$$に変えるだけで全て上手く成り立ちます. このページと同じ内容のPDFも用意していますので適宜ご利用ください. 前提知