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マンガ大賞候補作は
active-galactic.hatenablog.com
「しりとり」は経験者人口が極めて多いゲームだけど、鬼神のごとき強さで他を圧倒するしりとりプレイヤーを私は知らない。ちょっと真剣に戦ってみたところで、 そんな程度のレベルで満足していやしないか。 さいしょは「る」の同字返しでガッチリ組み合う。先に「る→る」のストックが切れて、「る」で返せなくなったほうがひたすら「る攻め」で投げられ続ける。 小学生の時から進歩していないような、こんな大雑把でマンネリな「る攻め」戦略から脱却できないものか。 攻撃防御比最大の最強文字「る」 復習。周知の事実だが「る」は強い。 下の表は、[A](文字Xで終わる単語)と、[B](文字Xではじまる単語)をその比[A/B]の高いものから順にリストしたものである。標本の単語数は20万語であり豚辞書から、伸ばし棒をトリムした上で抽出した。*1 文字X[A]Xで終わる単語[B]Xで始まる単語[A/B] 1位る43235208.
最近、オリオン座のベテルギウスに関して"刺激的な"タイトルのニュースが流れた。オリオン座は覚えやすく都会でも楽しめる手軽な星座だ。そのオリオンが肩を壊すかもしれないとなれば書かざるを得ない。 重い星の死 天蓋にぶら下がる星々は永遠の存在ではなく、だいたい数百万年から数兆年の寿命で移ろいゆく。ヒトの死が多様であるように、星の死にもまた個性がある。それは体重や組成、相方の有無などによって決まり、静かに冷たくなることもあれば、木っ端微塵に吹き飛ぶこともある。ベテルギウスのような重い星は、超新星と呼ばれる大爆発によって焼死する。爆発の閃光はひとつの銀河に匹敵するほどであり、ベテルギウスのような至近爆発ともなればどのような状況が生じるのか興味は尽きない。そして、爆発はどのくらい差し迫っているのだろう。 どのような超新星を起こすのか ベテルギウスは水素をたっぷり含んだ赤色超巨星なので、もし今爆発するな
複雑な地形で知られるドバイの海岸、まさにバブル大自然の驚異である。 世界最高のビル:Burj Dubai http://www.burjdubai.com/ ドバイの超高層ビルの中では最も知名度が高いビル。地上800m、来年完成予定。 http://tinyurl.com/4z58nk 拡大写真 世界初の海中ホテル:HYDROPOLIS http://www.hydropolis.com/ 海底都市が許されるのはSFの中だけ、そう思っていた時期が私にもありました。 動くビル:Dynamic Architecture http://www.dynamicarchitecture.net/ ドバイには回転するビルというジャンルが存在するそうだ。これからのビルデザインは時間軸を加えて四次元で考える必要がある。せっかくなので動画で なめくじに見えるんだが。 宇宙港:The Ras Al Khaim
同じ質量の綿と鉄はどちらが重いか。 この問題は簡単ではない。どんな質量の綿や鉄を想定するかによって答えは違う。例えば、1000億太陽質量の鉄と綿だったら両者とも即座にブラックホールだ。両者の終状態はほとんど変わらない。ブラックホールは元の天体が持っていた個性をベリベリと引き剥がしてしまう。 では、もっと質量を減らして1億地球質量だったらどうか。 1億地球質量の綿と1億地球質量の鉄、どちらが重い? だいたい恒星質量の上限域に相当する。300太陽質量だ。 綿は自己重力で潰れていき、位置エネルギーの解放によってどんどん温度を上げる。中心部の温度は100万Kを超え水素の核融合が起こる。巨大な赤ちゃん星の誕生だ。莫大なエネルギーが発生し物質が宇宙空間に激しく流出する。ただし、綿は質量の大部分を炭素と酸素が占めており、恒星と白色矮星の中間のような組成だ。わずかな水素を使い果たすまでは延命すると予想はし
高度1万メートル:エベレスト/チョモランマより高く対流圏の終わるところ、気温は零下50度、大気は地上の4分の1、ジェット機が飛ぶ高さまで聳え立ち、関東一円の人口を吸収できる建造物のプロジェクトをご存知だろうか。 バブル期の黒歴史になってしまったのかもしれないけど、東京バベルタワー(Tokyo Babel Tower)に関する情報ってネット上でほとんどないよね。ゼネコンの考えたSkyCity (清水建設)やXeed4000 (大林組)大成建設の資料は残っているのに、バブルの極北たる東京バベルタワーの解説ページが皆無だとはね。あの時代の独特の空気を代表するプロジェクトがこのまま歴史の闇に葬られるのは忍びないし、ちょうど発案者が今年で退任なされるということで記念に基礎データいくつか資料を引用しておく。 プロジェクト名:東京バベルタワー 提案者:尾島俊雄 早稲田大学教授 提案:ブラジル環境サミット
人類の質量はどのくらいだろう。 仮に70億人x70kgで見積もったとして4.9億トン 人類の平均体重を70kgで見積もっても大きく超過することは無いだろう。人類の歴史を紐解くと700kgを超えるような個体もあるが例外的だ。世界を見渡してみると質量の小さな未成年が結構な割合をしめているし,肥満に悩まされているのは一部の先進国だ。おそらく真の平均は70kgより低い。 直径1kmの球形容器を水で満たすと約5.2億トンであり,肺の空気を抜くと人間の比重は1を超えることから,挽肉か何かにして隙間を完全に無くせば,恐らく地上にいるすべての人類は直径1kmの真球に納まるだろう。 直径1kmに納まる有機体を支えるために必要なもの 人類が2013年に消費した一次エネルギーは石油換算で127億トンで,直径3kmの球体に相当する。*1 水の年間消費量は,4兆トンくらいで直径20kmの球体に相当する。人類は農業や
海洋惑星の候補となるスーパーアース(GJ 1214b)が発見されたようだ。その話題で気づいたのだが「大きな惑星は当然重力が強い。人間が住むには不適だ。」そう漠然とイメージされているケースが多い印象を受けた。 小天体はともかく大型惑星の地表重力をその大きさだけでイメージすることはあまり望ましくない。例えば、太陽系の惑星の表面重力は以下の通りだ。 木星は300地球質量という莫大な物質を集積した惑星だが、それでも高々2.4Gしかない。人間が耐えられるレベルだ。他の大型惑星は地球と同等か、むしろ地球より表面重力が小さい天体さえある。系外惑星の例では木星より一回り大きな(HD 209458 b)の表面重力が0.9G程度だ*1。「比較対象がガス惑星ばっかりじゃねーか」という物言いは当然あるだろうが、地球型惑星でもそう事情はかわらない。今回発見されたGJ 1214bは地球よりずっと巨大な惑星だが表面重力
図0. 地球に衝突する小惑星の想像図(直径10km) 最近、ロシアの大火球で1000人以上の負傷者が出た。直後に小惑星2012 DA14が地球をニアミスするなど天が慌ただしい。 天体衝突は小さな天体でも巨大な擾乱を引き起こす。生み出された衝撃波の威力に驚いた方も多いだろう(図1)。原子爆弾と同程度のエネルギーが解放されたが、高高度で爆発したため数十キロ圏に薄まった影響で済んでいる。 居住地に落ちることは珍しいが、今回の衝突は20年に1回くらい地球のどこかで起きている。日本に限定するなら20000年に1回くらいの事象だろう。*1 図1. 爆風の強度 (上) 響き渡る衝撃波の轟音 (下) 音はないが、物を吹き飛ばして屋内に吹き込む爆風の強さがみてとれる。この風の強さから衝撃波のエネルギーを類推することが出来る。 天体衝突は流れ星から大量絶滅まで幅広いが、ハザードの規模やリスクについて大まかに触
SFに出て来る純白の宇宙戦艦って、カラフル兵士なみに違和感ある。なんでそんな目立つ色なの?見つけてほしいの?的になりたいの?映像表現と大人の事情だから不問なの?そんな風に突っかかった年頃があったような気がするが、懐かしすぎて何歳のころだったかすら思い出せない。 黒い宇宙船(左)と、白い宇宙船(右):左の輪郭はイメージ。 上の画像(左)では輪郭をつけているが、黒い宇宙船は宇宙空間に完全に溶け込んでしまう。輪郭線を取り払ってしまえばただの何も無い空間だ。 作品空間でのご都合設定ならともかく、現実の延長線上としての軍用システムが迷彩を意識しないとは考えがたい。ただ黒く塗るだけでなく、レーダー波吸収構造から液体ヘリウムによる表面冷却まで、あらゆる手を使って検出を逃れようとしても不思議ではない。 でも、リアルで黒い宇宙船なんて聞かないよね 現実世界で軌道上にある宇宙船や人工衛星はことごとく真っ白だっ
ひと月ほど前に流れた「負の絶対温度」のニュースに関して、興味をそそった反応をリストアップしておこう。 最初に、「永久機関が実現する!!!」みたいな反応は >/dev/null 2番目に、「負の温度がわからん」と言っている人がいる。ただ、このうち何パーセントが「正の温度」の定義を説明できるだろう。 3番目に、物理クラスターの一部だが、永久機関の実現といった誤解を打ち消すために、「レーザーの反転分布と同じ(笑)」などと、この研究の新奇性や研究グループ自体を過小評価する方々がいる。 この研究グループは、光格子を操ることにかけては世界最強クラスの実績がある。光格子における超流動Mott絶縁体転移や、量子気体顕微鏡による光格子1サイト内の原子観測といった、数々の偉業を達成している。また、多数の理論屋が在籍しており、理論面の基礎でミスを犯す可能性は低いだろう。既存体系を覆すような大発見ではないとはいえ
予定が詰まるとこれだから困る。「今日こそは書こう」「いや、これを終わらせてから」と、ネタがガリレオ温度計のように浮かんでは沈みはや2週間が経過した。*1 「ぷよぷよのしょぼしょぼ対戦動画をあげる。」「ノーベル賞の続き:素粒子って何?」「水星探査機メッセンジャーが世間的に無視されている件」「テトリスでひとり宇宙人いるよね」とオプションはいろいろあるが、とりあえず世間の話題から消えうせた感のあるノーベル賞の続き。 素粒子の大きさと位置づけ 現時点で我々が実験的に確認している限りの範囲で、「素粒子」は私たちの世界を構成する基本要素だ。それは力であり、物質であり、その振る舞いは素粒子のもつ基本的な対称性によって説明される。 素粒子は限りなく小さい。標準理論では大きさがゼロで構造をもたない点粒子として計算される。また実験上も完全な点とした模型からのズレは確認されていない。ZEUS実験では仮に大きさが
今回のノーベル物理学賞は大方の人に予想されたように、ヒッグス機構、あるいは特に貢献した人の名前をとってBrout-Englert-Higgs機構(以下BEH機構)に関するものだった。そのうちの一人であるBroutは残念ながら2011年に亡くなってしまったが、50年近い歳月を生き延びたEnglertとHiggsの2人が見事栄冠を勝ち取った。 「ものにはなぜ質量があるのか」という問いに対する重要な解答であり、実験的検証とその理論的な柱であるBEH機構は当然ノーベル賞に値する。 受賞自体に学術上の意味は無く、成人式のように予定された社会的通過儀礼だ。受賞したことで理論の精度が高まるわけではないし、2012年の「発見」も人間が決めた基準にすぎない。数日前と今で理論の輝きに変化はないが、それでも一区切りついたようで実に感慨深い。 標準理論:恐るべき理論の怪物 BEH機構は素粒子標準理論の重要な一角を
ながれをぶった切って久しぶりに「ぷよぷよ」の話をする。このゲーム、同じ色のぷよを4つつなげて消すという単純なルールでありながら、クレタ島の地下迷宮のように無限の奥行きがあり、数学的にも甘みがある。 偶然できた4連鎖に驚いたり、普通にみんなで互角にわいわい楽しんだ時期もあった気がするが、しんみりしてしまうのでそれはおこう。今となっては時々思い出したようにオンライン対戦をやる程度で、研究室で話題に出すこともない。もとより実力差とゲーム性の衝突を補正するのが難しい癖のある遊戯だ。一部の人のみにカミングアウトした隠れ趣味となってそれなりの月日が流れた。 人間に溶け込んだ鬼のはなし そんなある日、知り合いが鬼のように強いという噂を聞いた。 最初は「へえ」と、マンションの勧誘に対応するかのようなリアクションになった。これ以上カミングアウト枠を拡大するつもりもなかったし、強いといってもせいぜいで12〜1
っていうことを、今頃知った。みんなで使うパソコンの設定をしていた身としては、履歴やクッキー、パスワードやフォームの類を全削除にしておけば問題はなく、クリーンなブラウザを快適に使ってもらえると思ってた。 へぇ、Flashクッキーなんて楽しい手段があるんだ。マクロメディアのローカルフォルダにクッキーがばっちり残っているじゃないか。Adobe Flashにはブラウザのクッキーとは独立した個人情報保管システムがあるみたいだね。他のプラグインも独自にローカルフォルダにデータを保管していたりするのかな。ん、ニコニコ動画の前回検索タグ履歴なんてのがあるぞ。 多分、Windowsだとこの辺にあると思う。 >C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\Macromedia\Flash Player\#SharedObjects\ もちろん、これは特定のブ
メディアや他の方がいくつか報告を上げているが、土曜日に『ロボットは東大に入れるか』の講演を聞きに行ったので気づいたことなどをメモしておこう。 人工知能にとっては、センター数学よりも東大二次数学の方が解きやすいことや、図形や文の構造を理解することがどうしようもなく難しいことなど、AIと人間の違いに関するいくつかの側面を興味深く受け取った。 「人間のように思考する」といった曖昧で高すぎる目標ではなく到達度を客観的に評価しやすい入試問題をターゲットに選んだのはよい着眼点だと思う。もし2021年までに、東大入試クラスの読解力や問題処理能力を獲得したならば、技術文書を要約したり、国会答弁を自動生成したり、様々な産業応用が可能になるだろう。 模試の結果はもっと惨憺たる有り様になると思っていたが、センター試験では 387/900、2次試験は(今回は数学のみだが)合格者平均を超えるなど、予想していたより結
以下、気分転換に、適当に思いついたことをメモしただけ、話はまとまっていない 太陽から資源を採掘できるだろうか。 これから数億年後、あらゆる惑星のエネルギー資源が枯渇した超未来を考える。木星すら絞りつくされた状況で最後のエネルギーフロンティアになるのが太陽だ。太陽系の質量はその99.9%が太陽に集中しており、エネルギー生産量に関しては99.9999%をはるかに超える。太陽から放射されるエネルギーは4e26ワットに達しており、100万キロワット級原子炉40京機分になる。それほどのエネルギーを1000億年*1に渡って放出できるだけの水素が埋蔵されている。現在の核技術で扱いうる重水素に限定して5桁落としたとしても、現在の世界一次エネルギー消費にして3000京年はしのげる計算になる。 太陽にストローを刺せないだろうか 太陽の表面温度は高々6000Kしかない。黒点に限って言えば4000Kだ。 やや専門
これからの季節、大いなる正午の直射日光は、それに照らされた鉄路の小石ですらその一つ一つをギラギラと輝かせる。 太陽、この偉大な天体の明るさはさらに一段上の形容詞が必要なほどで、「死と太陽は直視できない」とまでいわれる。うそだと思ったらほんの1分ほど太陽を見てみよう、みごとに目から光をくりぬかれることになる。 それほど激烈な光を放つ太陽ではあるが、その明るさが無限ではない以上、十分な距離をとってしまえば、ずいぶん小さく頼りないものになってしまうだろう。太陽から離れ、果てしない旅路の果て、いずれは太陽の光を肉眼ではもう認められなくなる時がやってくる。 実視6等を限界とすれば、その距離は約50光年だ。 意外と近いと思った人も多いのではないだろうか。高々50光年、宇宙の話題ではまるでご近所のように書かれるが、それは太陽クラスの光がその方角にありながら視界か失せてしまうほどの距離だ。 夜空の深さを探
首相を含む政府関係者の言葉として報道されている縛り条件について目についたものを列挙してみる。 ・漢字2文字 ・常用漢字を使う ・1文字の画数は多くても12〜15画 ・頭文字はMTSH以外 ・民間の言語予想ランキングの上位はなるべく避ける ・人名に多い2文字は避ける ・大企業と同じ名称も使わない ・国民の理想としてふさわしいような,よい漢字 ・これまでに元号または諡として用いられたものではない ・俗用されているものではない(広く一般に使われていない) ・俗用されていても,よい意味であれば総合評価で選ばれることもある ・広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根ざすもの ・漢籍だけでなく日本古典も候補 常用漢字2文字という条件で,2136^2 ≒ 456万が候補 パンダの名前のように同じ漢字を繰り返すものが候補から除かれているかは不明 15画縛りで372万,12画縛りを掛けるなら 231
南部の講演は、むかしNHKでやっていたリラクゼーション番組「宇宙デジタル図鑑」並みの寝心地。それはさておき、 人物評:南部陽一郎、伝説上の怪物 なぜ「大してうれしくないか」- 白のカピバラの逆極限 S144-3 「南部先生にノーベル賞が出せるとはノーベル賞も箔がついたなあ。」 まさかの在庫処分、もとい残弾撃ちつくしセールからはや2日がたった。何よりこのタイミングで南部さんが受賞した衝撃は世界中を駆け巡った。祝杯だの飲み会だので家に帰ったのは午前6時、ドイツの共同グループからお祝いのメールが届いていた。獲らせないと差し障りのある方々が本当に獲ってしまって、事後感というかなんだかポッカリと穴の空いた気分だ。来年からwktkできるか不安になる。 彼の格付けについては人によって色々な見方があるとはいえ、地球上に現存する物理学者の頂点、歴史上を含めても特に際立った業績を残した偉人と言って過言ではない
宇宙をのぞきこんだとき、最も深い世界はどう見えるだろうか。 Hubble Ultra Deep Field ちょうど2011年のノーベル物理学賞が『宇宙の加速膨張』になったので、現在観測される宇宙の全体像について簡単に触れてみよう。例えば次のような誤解を聞くが、実際はどうなのだろう。 誤解の例 同じ大きさの物体は遠くにあるほど小さく見える。 100億光年はなれた銀河は、100億年前に100億光年離れた場所にあった。 宇宙は光速で膨張している。 宇宙が2倍になると原子の大きさも2倍になる。 A. 超遠方宇宙の概要 宇宙といえど無限の奈落ではない。夜空を見上げた視線は観測可能な宇宙の果てにつきあたる。超遠方の天体は宇宙の果てに近いほど次の性質を示す。 若い 赤い 時の流れが遅い 大きく見える 暗い A1. 遠い宇宙は若い 遠い宇宙は太古の宇宙だ。遠い宇宙から地球に光が届くのには時間がかかる。遠
今年の東大数学が面白い。恐怖の数字連続問題だ。 次のような自然数Aが存在することを示せ。 Aは連続する3つの自然数の積 Aを10進法で表記したとき、1が連続して99回以上並ぶところがある 受験生は誘導つきだったようだけど、時間のあるはてなー諸氏には不要だろう。誘導に囚われないことで別解も見つかっている。 これをみて以下の問題を思い出した。 √2を1億桁まで10進法表示する。このときどの数字も6000万個以上連続して並ぶことはないことを示せ。 『ピーター・フランクルの中学生でも分かる大学生にも解けない数学問題集』が出典で、文字通り中学生にも問題文が理解できる良問だ。命題が正しいことも想像がつく。しかし、証明にはそれなりの模索が要求される。 あとは、この問題が面白い。 pを任意の素数、mを任意の自然数とする。このとき自然数nをうまく選べば、p^nを10進法で表したときその数字列に0が連続してm
最近知ったことなのだが,どうも高校物理の教科書には原子核より下のすべての構造を「素粒子」としている記述があるようで困惑している。 例えば第一学習社の教科書には以下の様な記述がある。 電子,陽子,中性子などの粒子は,物質を構成する最小単位として,素粒子として呼ばれている。 陽子や中性子(核子)はクォークからなるが,素粒子と呼ばれることが多い。 第一学習社: また,啓文社啓林館の記述ではこうだ。 原子核より下の階層の粒子(核子やクォークなど)を素粒子と呼ぶ。 啓文社啓林館: 無論,「内部構造をもたずこれ以上分解できない究極の構成要素」としている教科書もある。この場合,クォーク,レプトン,ゲージ粒子,ヒッグス粒子のみが現在確認されている素粒子となる。 どうも教科書によって素粒子の定義がばらついているようだ。 研究の現場での定義 私が知る限り,陽子や中性子が素粒子と呼ばれていたのは何十年も前の話だ
歴史上の世界最大都市をまとめてみた。最大都市は世界で最もホットだった場所の指標である。中世西洋史みたいな当時の田舎の記述はすべて省略した人口で追う世界史。 とはいえ、適当にサイト資料を集めてきただけの自分用メモ。適当に簡略化しているし、歴史は専門でもなんでもないのであまり記述を鵜呑みにしないように。 まず文明以前の超古代都市から。5000年以上前に人口1万人を超えた都市はほとんど存在しない。歴史に名を残す古代都市といえど現代の過疎で悩む市区町村よりも人口は少ない。 11000年前:Jericho (エリコ) [パレスチナ] BC9000-現代 1万1000年以上の歴史を誇る世界最古の都市、途中放棄された時期もあったが今もそこに存在する。10000年前には城壁があったことが確認されている正真正銘の「町」であり聖書や神話などにも登場する最古参だ。居住の形跡は氷河期が終わった直後の12000年前
大学生の25%が日没の方角を知らないというニュースだが、私も任意の天体における東西南北の定義をちゃんと把握していないので五十歩百歩だ。金星や天王星やトリトンみたいな例を即答できない。 北の定義とは? 何人が即答できるか 金星は自転と公転が逆だ。 (A)『一般に回転体の北極は角速度ベクトルの方向(その極からみると反時計回りに見える方向)として与えられる。自転軸(北)は公転面に対して177度傾いており、北極と南極の位置が地球からみて逆立ちしている。金星で太陽は西に沈む。』という解釈 (Fig1)が私にはしっくりくる。この北の定義は公転しない浮遊惑星にも適応できる。 Fig1. 金星と地球の自転公転関係 しかし、(B)『北極は公転面に対して地球と同じ側とする。自転軸の傾きは3度であり、周期マイナス243日の逆回転をしている。金星では太陽が西から昇って東に沈む。』みたいな解釈も見た記憶がある。北を
ブラックホールの衝突に伴う重力波が観測されたというニュースが世界中を駆け巡った。洞窟に残された簡素な暦にはじまる天文学3万年の歴史においても特別な瞬間だ。 今から約400年前,ガリレオが望遠鏡という発明品を使って天体観測を行い,肉眼の限界を超えた宇宙の深淵に至る扉を開いた。近代天文学の到来である。人類が知る宇宙は劇的に広くなった。 今から約100年前,可視光以外の電磁波を観測する望遠鏡がまったく異なる宇宙を人類に見せた。ブラックホール ,分子雲,星間磁場,さまざまなものに満ちた宇宙,20世紀を特徴づける全波長天文学のはじまりである。20世紀末には光子以外の粒子を使った天体観測も急速に発達した。 そしてついに究極の透過力を誇る重力波を使った新たな宇宙観測への扉が開かれた。 LIGOで観測された重力波 A. 重力波はどんなものか まず,電磁波を既知として,重力波がどのようなものか比較してみよう
「ぷよぷよ」関連エントリはどのくらい踏み込めるか距離感を掴めていない。「ぷよぷよ」タグのブクマや twitterを見ていると「折り返し」のような単語が平然とに出てくるし、シリーズ累計で1000万本は売れているので、ある程度は気の向くままに書いて問題はなさそうだが、平易に言い替えたつもりでも傍から見て前人未到のジャーゴン山脈になっているケースがある。 というわけで、ここに来る方々が「ぷよぷよ」についてどのくらい前提知識があるのか知りたいので、以下のようなテストを作ってみた。もし興味があれば挑戦してみてほしい。 知っている事柄であれば書かれた点数を加点 [各1点] おじゃまぷよ、連鎖、ばよえーん、サタン、アルル、フィーバー [各10点] GTR、かえる積み、階段積み、連鎖尾、挟み込み、ルイパンコ [各100点] kenny式、三強、接地キャンセル、凝視、ペルシャ、クロス [各1,000点] I
【告知】2012年7月4日16時(JST)に、欧州原子核研究機構CERNがヒッグス粒子探索の最新結果について記者会見をするそうです。2011年末の発表では、”大変興味をそそる示唆”がみられたため、はるかに統計を増した今回の記者会見は期待が高まります。【ヤッター】 単純に「物には質量という生来のパラメタがある」で終わらせずに、複雑怪奇な「質量の起源」を外から持ってくるのはなぜだろう。 「前者のほうがはるかにシンプルな説明だ。何のために?」そう思うかもしれない。 ところで、わかりやすい説明は難しい? A. たぶん難しい。 何かの拍子に、質量の起源やヒッグス粒子に興味をいだいて検索すると、原子炉に穴を開けてしまったかのように、よくわからないものが次から次へと吹き出してきて困惑することになる。 式で書けば数行で正確に表現できても、式を解説するには何冊も必要になる。自然言語で手短に話せばポエティック
3次元の結晶模型を使って、ブラックホールの内部構造を「紙と鉛筆」で解明することに成功 結晶の模型を使って、ブラックホールの量子情報を解読−IPMU大栗博司主任研究員と山崎雅人氏の研究成果がPhysical Review Lettersに掲載− YさんがGIGAZINEで取り上げられたと聞いてメモ。 何をやらせても超優秀な人っていますよね。物理も、数学も、語学も、研究も。だいぶ前に話をしたことがあるけど、何と言うかオーラのある人だった。 すこしでも物理を勉強したことがある人なら、下の文章を大学1年生が書いたことに衝撃を受けるだろう。 Seiberg-Wittenの仕事について 本稿では、1994年に出されたSeiberg-Wittenの衝撃的な論文[SW94a,SW94b]を中心にして、近年非常に大きな注目を集めるようになってきたDualityのうち、S-duality(またはStrong-
ドラゴンクエストIXの国勢調査によると、もっとも狩られているモンスターはメタルキングだ。その数は2億匹を越え、人類の強欲によっていかに簡単に生物が絶滅させられ……という話はさておき、現代でメタルスライム族を狩るとしたらどういう手法があるだろう。 磁場 導体が強磁場を横切ると誘導電流が発生して、大きな制動が生じる。水飴で満たしたようにうごきを鈍らせることができるかもしれない。 また、強力な磁石がまかれた場所を、高速で突破しようとすれば、天空に弾き飛ばされることになる。メタルボディには不快な環境だ。 鉄のように磁石にくっつく体質な場合、捕まえるのはより簡単になる。一方、デイン系でまったくダメージを受けないことから室温超伝導体だと仮定した場合*1、別の調理法がある。 液体金属脆化 水銀やガリウムなどの液体金属は、メタルスライム族にとって猛毒になりうるだろう。身体を侵蝕しボロボロにしてしまう可能性
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