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2017 - 05 - 11 ドゥッカ・エスペランサ 随筆・漫文 「苦しみの正体を教えてやろう、あほんだら」 「誰やねんお前、 きゃりーぱみゅぱみゅ みたいな格好しやがって、けったいなじじいやのう」 「黙れ、くそがきめ、苦しみの正体を教えてやろうって言うとんねん、知りたいやろ」 「お前みたいな奴に何がわかるねん」 「わしみたいな奴だからわかるんだよ。君はそうやって偏見を持って世界を観ているから何にもわからないんだよ。君は今苦しんでいるね。当たり前だよ、この世の一切は苦しみだからね。一切は苦しみ。 一切皆苦 。それなのに君は苦しみじゃないものがあると思って、苦しみと楽しみを分別している。だから知らず知らず楽しみに期待してしまう。そんなものあるはず無いのに」 「苦しみがあったら楽しみもあるやんけ、何を言うとんねんじじい」 「苦しみも楽しみも、正体は同じものなんだよ。夜と朝は違うものか?夜と朝は
2017 - 05 - 10 無明坊主今際の際で何想う 随筆・漫文 欲望は限りないけど、人間はいつか死ぬなあ。 あれこれ欲しがって苦労して手に入れても、それはあの世にはもっていけないなあ。 今際の際に何を想うんだろうなあ。 あの日見たスズメが可愛かったなあ。 仲良くしていた野良猫はもう会えなくなってしまったなあ。 夏の夜に河原であの子と並んで食べたアイスクリームが美味しかったなあ。 認められたくて珍妙なポーズをとったけどアホだから結局醜態をさらしたなあ。 ダサかったなあ。情けなかったなあ。 思い出したくない 黒歴史 ばっかりだなあ。 傷付くのが怖くて自分の殻に閉じこもったなあ。 それでも甲殻類は食べたなあ。 自動車工場の寮の共用洗面所で オナホール を洗ってる19歳のチェリーボーイを見つけたなあ。 旭川で同棲してた人の実家で熱燗を飲み過ぎて吐きまくったなあ。 どうしようもなく愚かだったなあ
2017 - 05 - 09 風薫る午後の詩想 随筆・漫文 私は ポケモン を捕まえた事は無いが、万引きで捕まっている爺さんを観た事はある。 爺さんは警備員にポケットの中のものを出せと言われ、爺さんのポケットの中からは百円のガムが5個くらい出てきた。 「この紙に住所と電話番号を書きなはれ」 「やだやだ、金払うから許してくれ、家族には言わんといてくれ、ヒヒーン」 みたいなやり取りがあった。私はそれを見ながら、唐揚げ弁当を食べていた。学生時代、私がバイトをしていたスーパーの従業員用の休憩室での事である。 あの頃私がレジの仕事をしているとき、お客さんとして現れて、メールアドレスを書いた紙を渡してくれたあの人は、六月に私の知らない誰かと結婚するらしい。 私たちの アイデンティティ は、家族、会社、同好会、ファンクラブ、組合、クラス、町内会とか、そんなところに帰属する事で保たれているのだろう。 それ
2017 - 05 - 08 悔恨のOne morning 随筆・漫文 朝、目が醒めて、身体の感覚を確かめる。肉体がある。疲労感がある。指先をタコのようにくにゃくにゃと動かす。くにゃくにゃ動く指を観て深海をイメージする。イソギンチャク、タコの捕食シーン、紺青、プルシアンブルー、白と濃紺のグラデーション。 布団から起き上がり、伸びをする。息を吸い込む。肺が膨らむ。全身に血がめぐる。今日も私が私である事に絶望して中腰で尻を振りながらフラダンスを踊る。記憶喪失になれば毎日が新しい輝きを取り戻すだろうか。 遮光カーテンを開ける。朝日が射し込む。太陽が万物を照らす。ビルを照らす。山を照らす。ゴミを照らす。アホを照らす。野良猫を照らす。苔を照らす。川面がキラキラと揺れる。 光の反対側には影ができる。日陰に小さな オオイヌノフグリ が咲いている。漢字で書くと大犬の陰嚢。大犬の陰嚢が微風に揺れている。日陰
2017 - 05 - 07 『黄昏の公衆便所』セイ・ロガン(著)、青波幻次(訳) 随筆・漫文 むかし、ふたりのボクサーが英会話学習のために駅前に行く途中、一匹のオランウータンが場末のラブホテルに入って行くのを見た。するとまもなく、七匹の 皇帝ペンギン が追われるようにしてラブホテルから飛びだして来た。そしてその後から大きなりんご飴を持ったひとりの就活生が出て来て、指名手配犯のようにきょろきょろあたりを見ていたが、またあわててラブホテルへ戻って行ったので、ラブホテルに何かあるのではないかと、ボクサーたちもその後を追って入ってみた。 木工用ボンドを塗られてカピカピになったモネの水彩画を私が手に取り上げましたら、先生が ロメインレタス をかじりながら、録画していた深夜番組についての感想を夜明けまで語ってくれるのでした。 つけっぱなしの プラズマテレビ には青い猫や、大きなパンダや、ブルドーザー
2017 - 05 - 06 下痢文学とは 随筆・漫文 下痢文学とは、下痢をした人間が腹痛と便意に耐えながら書いた小説の総称である。純文学や大衆小説に対して下痢文学は、「娯楽性」や「芸術性」よりも、「ただただ腹痛と便意に耐えながら書ききる事」、「文字数を稼ぐ事」に重点を置いている。そのため、支離滅裂で論理的に破綻している作品が多い。 下痢文学の執筆中に洩らしてしまう者も数知れずあるが、そうすると純粋な下痢文学ではなくなってしまい、玄人や熱烈なファンは微妙な文体の変化から「あ、ここで洩らしたんだな」と気づいてしまい興醒めしてしまう。 そのため、一般的に作家に求められる能力としては想像力や表現力、構成力、語彙力などが挙げられるが、下痢文学を書くにあたって求められる能力として最も重要なのは、肛門括約筋の筋力である。 下痢文学の第一人者セイ・ロガンは、 「俺には言いたいことなど何もない、書きたいこ
2017 - 05 - 05 インサイド・オブ・ザ・ピーチ【僕はもう二度と桃から生まれたりしない】 随筆・漫文 山間の農村地帯を流れる緩やかな川に大きな桃が流れていた。 桃の中には小さな赤子がいた。 赤子は桃の中で考えていた。 *** もう何回目やねん、桃に入ってこの川を流れんのは。最初の頃は桃がどんぶらどんぶら揺れるからえらい酔って吐いてもうて、桃の中ゲロまみれで臭あなった事もあったけど、もう慣れてもうたわ。 どうせもうすぐ洗濯中の婆さんに拾われて、桃割られて、桃太郎とかいうなんのひねりもないしょーもない名前付けられるんやろな、なんかもっと変わった粋な名前付けてくれへんやろか、桃之丞とか、桃時雨とか、 ピーチ・ジョン とか。 いや、でもなんかしっくりこおへんな。やっぱ桃太郎が一番しっくりくると思てしまうのは慣習によって刷り込まれたイメージが脳内にこびりついとるんやろな、因果なもんやな。
2017 - 05 - 04 流転の尻地獄 漢字検定 準1級の試験が終わった。試験中、隣席の男の鼻息がうるさくてかなり集中力を削がれた。鼻息のリズムが一定していれば次第に慣れてくるのかもしれないが、フンスー、フンスー、フフフフンスー、とトリッキーな 変拍子 を入れてくるので最後まで慣れなかった。 周囲の仲間にモールス信号的な感じで答えを伝達する新手の カンニング か?と邪推したりもした。 しかしそうして集中力は削がれたものの、日頃の勉強の甲斐もあって試験はよくできた。あとは結果を待つのみだ。座席を片付け、帰り支度を終え、さあ帰ろうと思っていたら、隣席の鼻息男が声をかけてきた。 「あのー、お酒好きそうですよね、今から暇ですか?もし良かったら一緒に軽く呑みに行きませんか?フンスー」 阿呆かと思った。こいつはホモか?とも思った。しかし俺は酒が好きだ。俺は今から缶ビール片手に街を徘徊して適当な店で
2017 - 05 - 03 僕にしかできない壊れかたで鬱のウユニ塩湖を滑り抜けていきたい 随筆・漫文 ベリーダンス をしながら両手に Kindle と文庫本を持って 松本清張 と 夏目漱石 を同時に読む。さらに ヒンドゥー スクワットをしながらノートPCとポータブルDVDプレイヤーで仁義なき闘いと スターウォーズ を同時に観賞する。 そんな事をしていたら脳髄に鬱が堆積して鬱のマラス塩田みたいな事になってしまって笑えなくなってしまった。 いまにも新緑の野山でバードウォッチングをしながら「死にたくて死にたくて震える」などと口ずさみそうな精神状態だった。 いまにも穏やかな海岸でアサリを拾いながら「ぼくはね、おじいちゃんみたいな、おほしさまになるんだ」と呟きそうな精神状態だった。 いまにも閉店間際のラーメン屋で1人でラーメンを啜りながら「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」と叫びだしそうな精神状
2017 - 05 - 02 ある小惑星の地下孤児院の夢 随筆・漫文 ある 小惑星 の地下孤児院に入所した。食堂で味気ない玉子丼を食べて、食べ終えた食器類をどうすればいいのか戸惑っていたら、体格のいい面倒見の良さそうな男の先輩が食器の返却方法と返す場所を教えてくれた。その先輩はアジア系ではあったが、日本人ではないようだった。見た感じ17か、18歳くらい。 食堂や事務所や商店街のあるエリアAから宿舎や浴場や小さな売店のあるエリアBまでその先輩と一緒に行った。エリアAからエリアBに向かう幅の広い渡り廊下のような連絡路を歩いていると、14歳前後の東南アジア系の褐色の美少女とすれ違った。その美少女は艶艶した黒髪のショートボブのような髪型で、身長は165センチ位で細身だが女性らしい肉付きをしていて、全裸だった。あまりにも美しいので僕は少し見惚れてしまってキョトンとしていたら、先輩が「ここには色んな民
2017 - 05 - 01 あおいまぼろし 随筆・漫文 或る少女の日記より。 私が ソープランド で働いてる事を知ってる男友達(彼女持ち)と二人で遊んだ。カラオケに行って、洋食屋に行って、オムライスを食べて、共通の友達の話とか、最近よく聴いている バン ドの話とか、とりとめもない話をした。 彼は私の話を柔らかい表情と優しい相槌でよく聞いてくれる。下心なんて微塵ものぞかせないけれど、それがもし下心からくる優しさだとしても、私は嬉しい。 それから彼の家に行って、それから・・・。もちろんお金はもらってない。いけないことをしてる感じですごくドキドキした。だけど何がいけないんだろう。彼は本当は誰のものでもないのに。 好きな人とだけするなんて、そんな理想はとうの昔に儚く散ってしまった。だけど、ときどきまだ戻れるんじゃないかって思う時がある。 日々変化して、いつか醜く萎びて朽ちてしまうこの若い身体を、
2017 - 04 - 30 まるでぼくらはエイリアン GW二日目。私は見知らぬ街を歩いていた。 その街は工業地帯にほど近い住宅街といった雰囲気の街で、プランドール奈落、という6階建てマンションの向かいに、定食屋アヘロンタス、牛頭 接骨院 、やすい!うまい!中華料理の店「最後の晩餐」、焼肉酒場「大叫喚」などといった店が軒を並べる通りの一角に私はいた。 人通りは皆無で、無機質な鉄筋コン クリート 造の建物ばかりで、晴天の昼間だというのにこの街だけ薄暗い。 なぜGWにわざわざそんな陰気な街に出向いたのか?それは、私がこの街でぶらり途中下車したからである。私は以前から、目的地を決めずに適当に降りたい駅で降りて見知らぬ街をぶらぶらするような気ままな電車旅に憧れていた。 本当は一つ前の駅で下車しようと思っていたが、その駅では結構多くの人が下車したので、こんな多くの人が降りる駅で降りてたまるか、私は誰
2017 - 04 - 29 失意のボロネーゼと一条の光明 随筆・漫文 GW初日の昼。私は或るイタリア料理店の一席に腰掛け、私の白いシャツにべっとりとついたボロネーゼを見つめながら、我が行く末を案じ、途方に暮れていた。 そう、私はボロネーゼを白いシャツの腹の部分にこぼしたのである。 シャツの茶色いシミを見ると、私のGWはもう終わった、という感じがした。そのボロネーゼはシャツだけでなく私の人生にも消し去る事の出来ない深く暗いシミを残した感じがした。 私はボロネーゼすらこぼさずに食べることのできない愚鈍な男という烙印を押され、道行く人々から嘲笑され、一生女にもモテず孤独に死んでいくのだ。そんな人生なら今すぐ終わらせてしまった方がいい、今すぐ厨房に突入してピザ窯に飛び込んでやろうかと思った。 いや、しかしそんな事をすると、この美味しいボロネーゼを作ってくれたお店の方々に多大な迷惑がかかるし、その
2017 - 04 - 28 上善如糞 随筆・漫文 今週のお題 「 ゴールデンウィーク 2017」(ゴールデンうんこ2017) 最上の善とは、うんこのようなものだ。 うんこは、土に還れば栄養となり植物を育てる。 そしてその植物を動物が食べて、またうんこをする。 そうやってうんこは常に循環しているんだ。 うんこがあるから 食物連鎖 が成り立っているんだ。 うんこは、あらゆる生命を育む根源のようなものだ。 うんこは、人の見ていないところで、いつも何かの役に立っている。 それでいて、争ったり、自分の功績をひけらかしたりしない。 いつもへり下って、尻から出てきて、人の嫌がる低いところへ流れていく。 人はうんこを出すとき、きばったりするけれど、うんこは決していばったりしない。 人は富や名誉やいろんなものを欲しがったりするけれど、 うんこは決して何も欲しがらず、今の自分に満足している。 人はあーだこー
2017 - 04 - 27 それでも君はプリン欲を正当化するのか? 随筆・漫文 股間に ガトリングガン をつけて手にチェーンソーを持った 所ジョージ 、みたいなサイボーグが追いかけてくる。めっちゃ怖い。私は走って逃げる。 所ジョージ はどこまでも追いかけてくる。 股間の ガトリングガン があるのにそれを一切使わずチェーンソーを持って追いかけてくるところがクレイジーで尚更怖い。でも股間の ガトリングガン で撃たれて死ぬのもごっつ嫌や。生理的に嫌や。もうやだ。誰か助けてくださ〜い。 という悪夢から覚めた私は汗だくだった。サウナでコサックダンスを踊った時くらい汗だくだった。尿もちょっと漏れていたように思う。赤いふんどしが湿っていた。時計を見ると、深夜一時であった。私は唐突に、プリンが食べたいと思った。 ちょうど冷蔵庫にプリンがあったよな。と、立ち上がり、冷蔵庫を開ける。プリンがひとつある。ある
2017 - 04 - 26 望郷・オブ・ナッシング 随筆・漫文 今日、電車に乗り遅れそうだったので駅まで走っていたら、雨に濡れた犬の糞を踏んで足を滑らせて転んだ。服は泥泥になるし、ズボンは破けるし膝は擦り剥くし結局電車には乗り遅れるし最悪だった。しかしもっと早く家を出なかった自分が悪いのだ、今後はもっと時間に余裕をもって行動しよう。 駅に着いて、次の電車までまだ時間があったので自販機で缶コーヒーでも買って飲もうと思った。今日はホットかアイスか微妙な気候。でもさっき転んで服が濡れて少し寒いしホットにしようかな。自販機を見ると、「つめた~い」コーヒー、「あったか~い」コーヒー、「しんど~い」コーヒー。ん?「しんど~い」コーヒーとはなんだ? 今の私の気分を代弁しているようなコーヒーだ。よし、いっちょ買ってみたろかいな。チャリンチャリン、ポチッ。ガシャン。おー出てきた出てきた。これが「しんど~い
2017 - 04 - 25 ある宇宙の終わりと始まり 随筆・漫文 ありがとうごめんなさいありがとうごめんなさいごめんなさいありがとうありがとうごめんなさいありがとうありがとうありがとうごめんなさいごめんなさいごめんなさいありがとうごめんなさいありがとうごめんなさいありがとうありがとうごめんなさいありがとうごめんなさいありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいありがとうありがとうごめんなさいありがとう。 すみません、ちょっと脳にトラブルがありまして、ありがとうとごめんなさいの2進数になってました。日本語( UTF-8 )に変換します。 私は水中分娩された生まれたての赤子のようにふわふわと宇宙空間を漂っていた。 真っ暗な闇の中を、どこかへ向かって漂っていた。どこへ向かっている
2017 - 04 - 24 春のやさしい文法表現・例文集 随筆・漫文 【原文】 そそり立つ私の陰茎を見てください。 【疑問】 そそり立つ私の陰茎を見ますか? 【命令】 そそり立つ私の陰茎を見ろ。 【倒置法】 見てください、そそり立つ私の陰茎を。 【直喩法】 東京スカイツリー のようにそそり立つ私の陰茎を見てください。 【隠喩法】 立派に成長した私の息子を見てください。 【擬人法】 そそり立つ私の陰茎があなたに見られたがっている。 【擬態法】 ギンギンにそそり立つ私の陰茎を見てください。 【対句法】 君に陰茎を見せて、私は乳房を揉む。 【反復法】 そそり立つ私の陰茎を見せたくて見せたくて震える。 【体言止め】 見てください、そそり立つ私の陰茎。 【省略法】 見てください、そそり立つ私の・・・。 【 押韻 】 そそり立つ陰茎。踊りだす陰嚢。 【原始人】 おまえ、陰茎、みる。 【ラブソング】
2017 - 04 - 23 一夜の栄華と永劫の転落 随筆・漫文 夜中に酷い吐き気で目が醒め、急いでトイレに駆け込み便器の中に嘔吐した。間一髪のところだった。便器の水には吐瀉物に塗れた アンパンマン のソフトビニール人形が浮かんでいた。 この アンパンマン のソフトビニール人形は優しかった養母の形見で、身寄りのない私の孤独を癒す大切な宝物であり、家族のようなものだ。私はいつも食事をする時は彼を卓袱台に置き、風呂にも一緒に入り、寝る時は枕元に置いていた。 その人形を傍に置いているといつも養母が見守ってくれているような気がして安心した。自慰行為をするときはそれにタオルかなんかをかぶせて見えないようにしていた。 私はその大切な人形を食べた覚えは無かった。食べるなどという事はあり得なかった。 どうも最近、いくら寝ても疲れが取れないし、朝起きると部屋の調度品の配置が変わっていたり、身体に痣が出来てい
2017 - 04 - 22 運行していこう 随筆・漫文 うんこになって下水道をゆらゆらと流れていく夢をみた。 目が覚めてみると青波だった。 しかし青波がうんこの夢を見ていたのか、 うんこが青波の夢を見ているのか、 本当のところはわからない。 この世界はうんこが見ている夢なのかもしれない。 おおきなうんこがでた、 それはもう十年に一度出るか出ないかの立派なうんこであった。 写真を撮ってインスタグラムに投稿しようかと思ったが、 アカウントも無いし、 うんこのためだけにアカウントを作るのも面倒だと思ったので、 やめた。 死のうと思っていた。 今年の正月、よそからうんこを1トン貰った。 お年玉としてである。 うんこの中にはスイカの種が混じっていた。 これは夏に出したうんこであろう。 夏まで生きようと思った。 人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには 走らなければならない。 ( アイ
2017 - 04 - 20 西瓜、Suica、酸いか甘いか(必勝) 随筆・漫文 私はシダ植物や蔓草の鬱蒼と生い茂る薄暗い湿地林を歩いていた。 少し歩くだけで顔や手足に蜘蛛の巣や中華餡みたいなとろみのある汁が纏わりついてきて非常に気持ちが悪い。足元も泥濘んでいてお気に入りのモカションが泥泥だ。早く家に帰って洗いたい。しかしこの汚れはなかなか落ないだろうな。こんな泥泥の湿地林を歩くなんて想定してなかったから、撥水スプレーもしていないし。このモカションを買うときに靴屋の店員さんが勧めてくれたレジ横の撥水スプレーを買ってシュシュっとやっておけば良かった。俺のモカション。俺のモカション。オレノ・モカション、って言うモデル出身のハーフのタレントがいたっけ?いなかったっけ?などと考えながら湿地林を突き進んだ。 歩いていると時々、 あびょーん。あびょーん。 という得体の知れない生物の鳴き声も聞こえてくる
2017 - 04 - 19 春らんまんまん妻らんらんらん(オラ、ワクワクすっぞ!) 随筆 *内容の陰鬱さを中和する為に、とにかく明るい サイヤ人 が紛れ込んでいますが、実在の人物、団体、 カカロット とは一切関係ありまへん。 生きていても、なんにもおもろいことなんかありまへん。 しんどい事や辛い事、めんどくさい事、悲しい事ばっかりやで、ほんまに。 (おら、ワクワクすっぞ!) 今から何処で縊死しようか、どうやってODしようかなんて考えると、ワクワクしまっせ。 (おらも、ワクワクすっぞ!) 大丈夫、つまらんから。 無理して生きんでもええ。 (おら、ワクワクすっぞ!) 何が ミニマリスト やねん。 凡ゆる道具が小型化、高性能化、多機能化しとるんやから、 そら当たり前にみんな ミニマリスト になるわな。 (おら、ワクワクすっぞ!) 所有せえへんのは、楽ですなー。 その肉体も ミニマリズム に則っ
2017 - 04 - 17 納豆がビニールに張り付いて私がバラバラになる *この物語はフィクションでありファンタジーであり実在の人物団体変態とは一切関係ありません。って文言すごい便利で無責任で打算的。 納豆の薄いビニールを剥がした時にビニールに納豆が一粒も残らなかった。今日は良い日かもしれない。だけどメーカー側の企業努力のおかげなのかもしれないし、単に私の納豆ビニール剥がし技術の向上に由るものかもしれない。 ってどうでもええわ。しかしどうでもよくない。ビニールに納豆の粒が残るといつも、ああ、ちょっともったいないかな、剥がして食べようかな、でもこれくらいならええかな、棄てようかな、どうしようかな、ってそんなみみっちい事で葛藤、逡巡する自分が惨めで情けなくなり、 三島由紀夫 を読みたくなり、 三島由紀夫 を読んだらますます自分が惨めで情けない気持ちになり、雨の中タンクトップ一枚で家を飛び出し
2017 - 04 - 17 和子の夢 貧しい農村から都会に出稼ぎに出たが都会の生活に馴染めず、結局直ぐに農村に帰ってきて母と仲良く暮らしている十九の娘の夢を見た。 娘の名前は和子、KAZUKO、カズコだ。 和子ははっきり言って、そんなに器量は良くない。頭も良くない。戦で父を亡くし、母親に女手一つで大事に育てられた。結構甘やかされて育ったので、柔和で、鷹揚としている。それが彼女の最大の魅力で、この 世知辛い 世の中において、和子のようなおっとりした娘は、そばにいるだけでなんとなく心が和む。癒されるのだ。 だから器量は良くないが、男にはもてるし、同性からも好かれる。犬や猫、イノシシやカバ、フクロウやコオロギ、カタツムリや ネアンデルタール人 にも好かれる。ロシア人もメキシコ人も、みんな和子を一目見たらなんとなく好きになって、ええやん、和子、なんかええわあ。 マイナスイオン っていうか、滝?滝
2017 - 04 - 16 そんな夜を探している 随筆 深夜一時、強烈な喉の渇きで目が覚めた。昨夜、残り物の権化みたいな焼き飯を大量に食した為か、肚が気持ち悪い。砂漠で砂を食いながら千本ノックしているような不快感だ。 苦しい。とても苦しい。私は信仰心も無いのに、菩薩とか、 如来 みたいなものを脳内にイメージして、それに救いを求めようとしたが、うまくイメージ出来ずに、頭頂部のハゲた フォークソング 歌手のおっさんみたいなおっさんが脳に浮かんで来たので、仏に救いを求めるのはやめて、自分でなんとかする事にした。そう、困った時は先ず自分でなんとかしようとして、それでも駄目なら、神や仏や ホトトギス などに救いを求めればいい。 という事で、私はこの苦しみから自分を救済する為に水を飲もうと思い、冷蔵庫を開けて、ミニョラルウォーターを探した。何故ミニョラルなどと変な発音をするのかと言うと、それは自分で
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