トップへ戻る
シン・ウルトラマン
cinemandrake.com
中国アニメが業界の青写真を改変する…アニメシリーズ『時光代理人 -LINK CLICK-』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 英題:Link Click 製作国:中国(2021年) シーズン1:2022年に各サービスで放送・配信(日本) 監督:李豪凌 性暴力描写(セクハラ) 児童虐待描写 自然災害描写(地震) じこうだいりにん りんくくりっく 『時光代理人 LINK CLICK』あらすじとある街にある「時光写真館」。トキ(程小時)は大家であるリン(喬苓)に借金を返済するため、ヒカル(陸光)とともに特殊な仕事を請け負っていた。それは依頼人から預かった写真の中にダイブして撮影者の精神に乗り移り任務を遂行すること。トキが写真の過去に潜入し、ヒカルがナビゲートする。このチームワークで2人は写真の中に残存する世界に触れていく。決して何も改変してはならないとい
あらゆる期待を裏切った実業家エリザベス・ホームズを描く…「Disney+」ドラマシリーズ『ドロップアウト シリコンバレーを騙した女』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:The Dropout 製作国:アメリカ(2022年) シーズン1:2022年にDisney+で配信(日本) 原案:エリザベス・メリウェザー 性描写 恋愛描写 どろっぷあうと しりこんばれーをだましたおんな 『ドロップアウト シリコンバレーを騙した女』あらすじ2015年の米フォーブス誌の「女性長者番付」で首位を獲得し、黒のタートルネックをトレードマークとしていたことから「女性版スティーブ・ジョブズ」と評された実業家のエリザベス・ホームズ。しかし、その輝かしい人生は一瞬にして転落した。そのエリザベス・ホームズの幼少期、夢に賭ける純真な熱意が全ての始まりだった。競争が激しすぎるスタ
ミュージカルのパロディが盛りだくさんの痛快作…「Apple TV+」ドラマシリーズ『シュミガドーン!』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Schmigadoon! 製作国:アメリカ(2021年) シーズン1:2021年にApple TV+で配信 原案:シンコ・ポール、ケン・ダウリオ 恋愛描写 しゅみがどーん 『シュミガドーン!』あらすじメリッサとジョシュは職場の病院で偶然に出会い、そのまま恋に落ちた。しかし、その愛は年月とともに冷めていく。この関係性の危機を打開するため、バックパック旅行に出かけて心機一転しようと試みるも、そう上手くはいかない。そんなとき、シュミガドゥーンと呼ばれる町を発見する。そこは黄金時代のミュージカルの中の世界で、2人は真実の愛を見つけるまでその町を去ることができないと気づき…。 『シュミガドーン!』感想(ネタバレなし)
アイザック・アシモフの世界を重厚に実写化する…「Apple TV+」ドラマシリーズ『ファウンデーション』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Foundation 製作国:アメリカ(2021年~) シーズン1:2021年にApple TV+で配信 原案:デヴィッド・S・ゴイヤー、ジョシュ・フリードマン 性描写 恋愛描写 ふぁうんでーしょん 『ファウンデーション』あらすじ1万年にわたって栄える銀河帝国を築いた時代。独自の理論である心理歴史学によって帝国の崩壊が不可避であることを悟った天才科学者ハリ・セルダンは、帝国の終焉後に訪れるであろう数万年の暗黒時代を千年まで短縮するため、人類文明の存続を保証し復興の基盤となるべき組織「ファウンデーション」を発足させることを提案する。その計画に運命を委ねたひとりの若き数学者を始め、多くの者の人生が交錯する。
あーく 『Arc アーク』あらすじ放浪生活を送っていた10代のリナは、やがて師となるエマと出会う。リナは大手化粧品会社で、最愛の人を亡くした人のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する「ボディワークス」という仕事を手がけていた。一方、エマの弟で天才科学者の天音は、姉と対立しながら、ボディワークスの技術を発展させた死を克服する研究を進めていた。30歳になったリナは天音とともに不老不死の処置を受け、人類史上初の永遠の命を得るが…。 『Arc アーク』感想(ネタバレなし) ケン・リュウと石川慶が繋がって人間には倫理観というものがあり、これが社会を築くうえでの絶対不動の柱となります。その倫理を厳守することで「何が良くて、何が悪いのか」を判断し、社会を健全に保とうとするのです。もちろんこの倫理が絶対に正しいとは限りません。ときには修正することも必要でしょう。でもそうやって少しずつ変更
あらすじ(序盤):審理を始めますクリスマスムードな夜の街並み。その喧騒の中、フードを被った人がトボトボと歩きながら、「携帯を貸してください」と通りすがりの人に呟きます。その不審な人物には血がついており、誰も近寄ろうとしません。その人物は警察署の前まで来て、たまたまそこにいた刑事の男が声をかけます。「署で話そう。まずは病院か、誰にやられたんだ」と訊ねると、「違うんです。人を殺したんです」と小さい斧を取り出し…。 韓国では少年法の厳罰化を求める世論の声が高まっていました。メディアの関心も高く、少年保護事件を担当する判事となったシム・ウンソクは取材を受けていました。 少年法の判事はたった20名しかおらず、この人数で3万人以上の少年を扱わなければならない。少年保護事件の審判に検察官は出席しないため、判事が直接罪を犯した子どもたちに尋問をし、保護処分を決定する。その処分は非行少年の処罰が目的ではなく
何度も失敗しても人は宇宙へ戻る…Netflixドキュメンタリー映画『リターン・トゥ・スペース』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Return to Space 製作国:アメリカ(2022年) 日本では劇場未公開:2022年にNetflixで配信 監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ りたーんとぅすぺーす 『リターン・トゥ・スペース』あらすじ地球の人類は再び宇宙を目指そうとしていた。過去のNASA主導の宇宙開発に代わり、そのリーダーとなったのはイーロン・マスク率いる新興企業「スペースX」。全く新しい技術を開発し、ゼロからロケットを考案し、何度も実験を繰り返し、多くの失敗を重ねながらも、着実に一歩を踏み出していく。人はなぜ宇宙へ行かなければならないのか。この大いなるプロジェクトに関わる人々の姿を追いかけていく。 『リターン・ト
おーるどないぶす 『オールド・ナイブス』あらすじCIAの諜報員で元恋人同士の男女は久しぶりの再会を果たしていた。しかし、それは懐かしい思い出話に浸っているわけにはいかなかった。事の発端は8年前の事件。ウィーンの空港で起きたハイジャック事件が最悪の結末を迎えてしまい、その真実を解き明かす時が来たのである。道徳的ジレンマに苦しみながらも互いに真意を探り合う2人は、対話が進むにつれて決断しなければいけない境界線へと接近していく。 『オールド・ナイブス』感想(ネタバレなし) その邦題でいいんですか?映画の邦題で「むむむ…」とその題名センスに引っかかることは多々あるのですが(そうは言っても私もセンスがない人間なので代わりのベストな邦題なんて思いつかないのですけど)、よくありがちな事例として英題をそのままカタカナにして邦題にしているのに、なぜか英題全部ではなく一部を省略しているケースがあります。 例え
それでも私はお前を殴る…映画『シャドウ・イン・クラウド』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Shadow in the Cloud 製作国:ニュージーランド・アメリカ(2021年) 日本公開日:2022年4月1日 監督:ロザンヌ・リャン 性暴力描写(セクハラ) LGBTQ差別描写 『シャドウ・イン・クラウド』あらすじ1943年。ニュージーランドからサモアへ最高機密を運ぶ密命を受けたというひとりの女性航空士官のモード・ギャレットは、B-17爆撃機に乗って空へ飛び立つ。モードは男性乗組員たちから心無い言葉を浴びせられながらも、ひたむきに任務を遂行しようとする。やがて彼女は高度2500mの上空で、何かを目撃する。次から次へと試練に見舞われる中、大切な荷物を守りながら決死の戦いを繰り広げるモードだったが…。 『シャドウ・イン・クラウド』感想(ネタバレ
あねっと 『アネット』あらすじスタンダップ・コメディアンのヘンリーは絶妙な独自のユーモアを持つパフォーマンスで観衆を巧みに魅了し、調子づいていた。さらに国際的に有名なオペラ歌手のアンと恋に落ち、愛を深める。そしてアネットという娘も生まれる。順風満帆な道のりを歩んでいると思われた矢先、考えていなかったところで躓き、人生は狂い始める。ヘンリーにとってミステリアスで非凡な才能をもったアネットだけが心の拠り所だった…。 『アネット』感想(ネタバレなし) レオス・カラックス監督またまた再登場映画監督には毎年どころか年に何本も映画を製作する多作な人もいます。一方で、数年に1本どころか10年くらいの間隔でしか映画を手がけない寡作な人もいて、同じ映画監督という職業でもこんなに違うものなのかと思います。 その寡作な有名監督のひとりが“レオス・カラックス”です。 “レオス・カラックス”はフランスの映画監督。批
ちたん 『TITANE チタン』あらすじ幼少時に交通事故に遭い、なんとか一命をとりとめたものの頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、抑えられないインモラルな衝動に駆られるようになってしまう。自身の犯した罪によって行き場を失ったアレクシアは、消防士ヴィンセントと出会う。ヴィンセントは10年前に息子が行方不明となり、現在はひとり孤独に暮らしていたが…。 『TITANE チタン』感想(ネタバレなし) 2021年のパルム・ドールは超衝撃作2020年のカンヌ国際映画祭はコロナ禍のせいで通常開催することができず、特別構成で部分的に実施されただけにとどまりましたが、2021年はしっかり本来の姿で開催されました。 カンヌ国際映画祭ってなに?という基本をおさらいすると、これはベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつで
もーびうす 『モービウス』あらすじ幼い頃から血液の難病を患っている天才医師のマイケル・モービウスは、同じ病に苦しみ、兄弟のように育った親友のマイロのためにも、一日も早く治療法を確立するべく研究に没頭していた。そして、未知のコウモリの血清を投与するという危険な治療法を自らの肉体を実験台にして試す。その結果、マイケルの肉体は激変し、超人的な身体能力や飛行能力などが身につくが、代償として血に対する果てしない渇望に苦しむこととなる。 『モービウス』感想(ネタバレなし) 吸血鬼とは言ってはいけない時代からやってきました人間の体内にはどれくらいの量の血液が流れているか知っているでしょうか。 日本血液製剤協会によれば、体重の約8%が血液だそうで、単純計算だと体重60kgの人には約5L弱の血液が流れているそうです。この全血液量の約20%以上が短時間で失われると出血性ショックを引き起こします。そう考えると血
ひっとまんずわいふずぼでぃがーど 『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』あらすじ以前とあるミッションでやむを得ずコンビを組んだボディガードのマイケルと殺し屋のダリウス。数年後、ダリウスの妻ソニアはマフィアに捕まった夫を救出するため、心の傷を癒すという目的で休暇中だったマイケルを無理やり駆り出す。ハチャメチャな作戦でダリウスの救出には成功したものの、彼らはなぜか謎のサイバーテロから世界を救う役目を負わされてしまい、まだ自信を取り戻せないマイケルは嫌々従うが…。 『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』感想(ネタバレなし) ビンタされるくらいならお手の物2022年3月28日、今年のアカデミー賞授賞式が行われました。それにしても前年が退屈で地味だったと言われていたからといって、今年はあんな炎上スキャンダルだらけの内容にしなくてもよかったのに…。受賞作品は大方の予想どおりのサプライズは無しでした
3作目はマッツと契りたい…映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore 製作国:アメリカ(2022年) 日本公開日:2022年4月8日 監督:デヴィッド・イェーツ 恋愛描写 ふぁんたすてぃっくびーすととだんぶるどあのひみつ 『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』あらすじ魔法動物を愛するシャイでおっちょこちょいな魔法使いニュート・スキャマンダーが、恩師のアルバス・ダンブルドアや魔法使いの仲間たち、そして人間(マグル)で構成される寄せ集めのチームを結成し、勢力を復活させた史上最悪の黒い魔法使いゲラート・グリンデルバルドに立ち向かう。しかし、世界はどんどんと闇深い不穏さに包まれていく。その中でダンブルド
救急車でカーチェイスして爆発します!英語で「パトカー」は「police car」、「消防車」は「fire truck」です。だったら「救急車」はきっと「メディカルなんとか」とか「ホスピタルなんとか」とか「エマージェンシーなんとか」になるに違いない!…そう考えるのも無理はないって思うじゃないですか。少なくとも英語力の浅い私は昔はそう純粋に想像してその心の中の正当を信じ切っていましたよ。 まさか英語で救急車を「ambulance」と呼ぶとは…。 なんだよ、アンビュランスって!と毒づきたい気分ですが、そもそもどういう語源の単語なのか。何でもこの単語はもともとは「歩き回る、巡回する」という意味があるらしいです。救急車って別に歩き回ったりしないよね?と疑問に思うでしょうけど、これは原点にあるのが大戦時の衛生兵なんですね。あの『ハクソー・リッジ』でも描かれていた、戦場をひたすらに歩き回って応急処置をし
ギレルモ・デル・トロが名作ノワールを現代に…映画『ナイトメア・アリー』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Nightmare Alley 製作国:アメリカ(2021年) 日本公開日:2022年3月25日 監督:ギレルモ・デル・トロ DV-家庭内暴力-描写 ゴア描写 動物虐待描写(家畜屠殺) 性描写 恋愛描写 ないとめあありー 『ナイトメア・アリー』あらすじショービジネスでの成功を虎視眈々と狙う野心に溢れた青年スタンは、仰天の魑魅魍魎な見世物で客を楽しませるカーニバルの一座とめぐり合う。そこで読心術の技を学んだスタンは、人を惹きつける天性の才能とカリスマ性を武器に興行師として瞬く間に腕を磨いていく。しかし、しだいにさらなる高みへと昇り詰めたいと欲を抱き、一線を越える。その先には思いがけない闇が待ち受けているとも知らずに…。 『ナイトメア・アリー
『ベルファスト』あらすじベルファストの町で生まれ育った9歳の少年バディは、家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しんで充実した毎日を過ごしていた。しかし、1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだったバディの世界は突如として緊迫した環境へと変わってしまう。住民すべてが顔なじみで、ひとつの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断され、憎しみが連鎖していくことに…。 『ベルファスト』感想(ネタバレなし) 世界が戦争で引き離されている今だからこそ2022年2月24日、ウラジミール・プーチン大統領の指示のもとロシア軍がウクライナ侵攻を開始し、世界はこの報道で持ち切りとなりました。第2次世界大戦以降、最も核戦争の危機が切迫している状態です。 もともとロシアとウクライナは複雑な歴史を持っていますが、政治はさておき、市民レベルではロシア人もウクライナ人も混
アセクシュアルやアロマンティックのドラマがNHKに!日本でも性的少数者(セクシュアル・マイノリティとも呼び、その連帯を「LGBT」「LGBTQ」と呼んだりします)を題材にした作品は少しずつ手探り状態ではありますが作られ始めています。そんな中でこの2022年に放送されたドラマシリーズは特異な一作となったでしょう。 それが本作『恋せぬふたり』です。 この全8話のドラマの制作が発表された2021年10月、インターネット上でも一部界隈で話題となりました。というのも本作は「アセクシュアル」「アロマンティック」を題材にしたものだったからです。 大雑把に説明すると「アセクシュアル(アセクシャル;asexual)」というのは他者に性的に惹かれないという性的指向であり、「アロマンティック;aromantic)」というのは他者に恋愛的に惹かれないという恋愛的指向です。言葉の詳細について知りたいときは以下の私が
性的指向や性自認を治すのは救いなのか…Netflixドキュメンタリー映画『祈りのもとで: 脱同性愛運動がもたらしたもの』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Pray Away 製作国:アメリカ(2021年) 日本では劇場未公開:2021年にNetflixで配信 監督:クリスティン・ストラキス LGBTQ差別描写 いのりのもとで だつどうせいあいうんどうがもたらしたもの 『祈りのもとで:脱同性愛運動がもたらしたもの』あらすじ性的指向や性自認を矯正しようという転向療法を率先して推し進める宗教団体や活動家たち。それらに頼ってしまう当事者たち。その心の内側にはどんな思いがあるのか。政治・メディア・学者も巻き込みながら転向療法に中心的に関与した複数の人物の証言を基にしつつ、その信仰の裏に隠された実態に迫っていく。そこにいたのは、“救われている・救ってい
あんもないとのめざめ 『アンモナイトの目覚め』あらすじ1840年代、イギリス南西部の海沿いの町。古生物に詳しいメアリー・アニングは、世間とのつながりを絶ち、この町でひっそり暮らしている。かつて彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、大英博物館に展示されたが、女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。しかし、ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロットを数週間預かることになる。最初はよそよそしい関係性だった2人だが…。 『アンモナイトの目覚め』感想(ネタバレなし) メアリー・アニングの伝記映画…ではない「イクチオサウルス」という生き物をご存知でしょうか。 三畳紀からジュラ紀あたりの年代に地球に生息していた昔の生物です。「サウルス」と名前がついていますが、恐竜ではありません。「魚竜」と呼ばれる存在です。 魚竜は絶滅した海棲爬虫類であり、見た目はイルカにそっくりです。イク
界隈では話題沸騰だった「ユリイカ2020年9月号 特集=女オタクの現在」を読みました。個人的には2020年に読んだ「オタク」&「ジェンダー」を扱った書籍の中でもダントツで読み応えのあるもので、とてもたくさんの刺激をもらいました。 印象的だったのは多くの筆者が各々で「女オタク」とは何かをその呼称の是非を含めて自己批判的に論じていたことです。あらためて思うことですが、社会的な抑圧や偏見があるゆえにか、女性は自分のジェンダーを自問自答することで未来を切り開いてきた歴史があり、こんなオタク的なニッチな分野でもそれが垣間見えました。 一方でやっぱり考えるのは、じゃあ「男オタク」はどうなんだということ。男性は逆に社会的なマジョリティゆえに自分のジェンダーをあえて見つめることをせずとも生きてこられた存在であり、自己批判が大きく不足しがちです。 そこで私もどっぷり属している映画ファンのコミュニティを例に、
「この人は、やっぱり、ズルい」「少女漫画もラブソングの歌詞も私にはキラキラとまぶしくて、でも、どうしても届かなくて…。意味なら辞書を引かなくてもわかるけど、私のものになってはくれない」 遠見東高校の1年生である小糸侑は1学期も始まり、学校生活に慣れ始めたにも関わらず、部活を決められずにいました。気になるものはあるし、友達からいろいろ誘われますが、どうもこれだという決心がつきません。 そんなとき、先生から生徒会に勧誘されます。「部活みたいで楽しいと思うぞ」という調子のいい言葉で上手く乗せられた感じですが、「興味はあるからいいか」と気軽にまずは見てみることにしました。 雑な地図をもとに生徒会室を探す小糸侑。そこは校舎とは少し離れた場所のようです。校舎裏をうろついていると、誰か女子が男子に愛の告白をされている現場に出くわしてしまいます。 「七海さん、俺と付き合ってください!」…そう勇気を振り絞っ
腐りきったヒーロー世界に絶望する…ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』の感想&考察です。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。 原題:The Boys 製作国:アメリカ(2019年) シーズン1:2019年にAmazonで配信 シーズン2:2020年にAmazonで配信 製作総指揮:セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ、ダン・トラクテンバーグ ほか 性暴力描写 ゴア描写 ざぼーいず 『ザ・ボーイズ』あらすじ超人的な能力を持ったヒーローたちが当たり前に活動している世界。このヒーローたちを一挙にまとめてマネジメントすることで一大企業に成長したヴォート社は、多角的なビジネス戦略のもと、各ヒーローを駆使して、大衆に希望を届けている。しかし、そんなヒーローを信じる世界には裏の顔があった。その闇を知ってしまったごく普通の青年に一体何ができるのか。
しんぶんきしゃ 『新聞記者』あらすじ東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。それは大学の新設が内閣府の影響力で作られたことを示すものだった。吉岡エリカは、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合な情報や人物をコントロールする職務に葛藤していた。 『新聞記者』感想(ネタバレなし) 映画もまた観客をのぞいている映画はいろいろな楽しみ方のできる最高の存在です。疲れた時、または嫌な気分になった時、そんな鬱屈を吹き飛ばすような爽快感を感じることもできます。ドラマチックな物語に感動して、感情を全開にすることもできます。はたまた自分の大好きなキャラクターを応援することもできます。 そうやって私も映画を満喫している人間のひとりですが、私にとってもうひとつ欠かせない“映画の楽しみ方”があって…それは「映画が自分を
ついに決着!愛に終わりはない…映画『アベンジャーズ エンドゲーム』の感想&考察です。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。 原題:Avengers: Endgame 製作国:アメリカ(2019年) 日本公開日:2019年4月26日 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ ▼ 『アベンジャーズ エンドゲーム』あらすじ宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、その圧倒的な強さに手も足も出ず、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズ。残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む。 『アベンジャーズ エンドゲーム』感想(ネタバレなし) 1年ぶりですね、覚えていますかサノス 様 拝啓 日本では大型連休と新元号の始まりの季節が間近に迫りましたが、お健やかにお過ごしのことと存じます。かなりいろいろな
真実を知りたいですか?私たち人類が住んでいる星…「地球」。地球は太陽系の惑星の一つで、「回転楕円体」の形をしており、赤道の半径は6378kmにも及びます。365日強で太陽の周囲をぐるっと一周して「公転」し、さらに24時間で1回の速度で「自転」しているため、この動きによって私たちの日々の生活は決まってきます。地軸の周りを回転する自転の動きは遠心力を発生させるので、私たちは引力と遠心力を合わせて「重力」と呼んでいます。また、地球は円に近い楕円形の軌道を描いて太陽の周りを回り、その公転速度は時速約10万7280kmにもなります。 世界初の有人宇宙飛行としてボストーク1号に単身搭乗し、ユーリイ・ガガーリンが「地球は青かった」の言葉を残したのは1961年。ニール・アームストロングが地球の周りを回る月に人類初の着陸をしてその土に足跡を残したのは1969年。この月面着陸は最近も映画になりました。
▼ 『グリーンブック』あらすじ1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。しばらくの間、仕事がなくなってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われ、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに車を走らせる。 『グリーンブック』感想(ネタバレなし) アカデミー賞作品賞を受賞!思い入れの差はあれど種々雑多な映画ファンがなんだかんだ言ってついつい気にしてしまうアメリカのアカデミー賞の受賞作の発表が今年も終わりました。 結果は…本作『グリーンブック』が強豪を押しのけて作品賞を受賞。今年は予想がしづらいと散々事前に言われていましたが、蓋を開けてみるとそこまで極端なサプライズもなく、定石な感じでしたね。最近のアカデミー賞はひとつの作品が多くの部門を
こんな目に遭いたくない…Netflixドキュメンタリー『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』の感想&考察です。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。 原題:Fyre: The Greatest Party That Never Happened 製作国:アメリカ(2019年) 日本では劇場未公開:2018年にNetflixで配信 監督:クリス・スミス ▼ 『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』あらすじオシャレな私有島に集う豪華な音楽フェスとして派手に売り出された「FYRE(ファイア)」。参加を申し込んだ者は誰もが夢のような時間を過ごせると確信し、興奮していた。しかし、その期待は、ある実業家の思い上がりとずさんな運営によって起きた未曾有の惨事で絶望に変わる。 『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』感想(ネタバレなし) 最悪の音楽フェス…その舞台裏先日
本物みたいなリアルさ物語はレバノンがまだ混沌の内戦に突入する前の1972年から始まります。実績を積み重ねてレバノンで不動のキャリアを手に入れていた外交人のメイソン・スカイルズは、自宅でパーティを開催していると、そこへ政府役人の友人カルがやってきます。そして、口にしたのはある宣告。メイソンが養子で育てている現地の子カリーム…この子には実は兄がいて、そのラフィードという名の兄は、あのミュンヘンオリンピック事件にも関与した相当な“ヤバい奴”という衝撃の事実。今すぐ尋問のためにカリームを引き渡せと言われ揉めていると、そこへ突然の銃声。ラフィード率いるテロリストグループが襲来、メイソンの妻ナディアを銃殺し、カリームを誘拐していったのでした。 それから10年後。あの衝撃の事件で現場から退いたメイソンは、本国に戻って法律事務所で労働争議の仲裁をする地味な仕事をしていましたが、そこへある仕事の依頼が。内戦
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『シネマンドレイク:映画感想&レビュー』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く