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ピース先生の新作「占領都市 TOKYO YEAR ZERO2」の書評を、共同通信に書きました。いろんな地方紙に掲載されるのではないかと思います。 すでに秋田や富山の新聞に掲載されたようで、近々山形新聞にも載ると思います。どうぞよろしく。カルモチンを1錠、2錠。 「占領都市」はピース先生の最高傑作で、じつのところまた「ひどい猟奇事件を目の当たりにして、主人公の男がとち狂う」といった、おなじみの展開だったらどうしようという心配をしていたのですが、芥川龍之介「藪の中」であり、日本的なドロドロとした怪談でありました。カルモチンを10錠、11錠。 今回は帝銀事件を12話構成で扱ってるのだが、1話目の視点が「毒殺されて墓の中ですすり泣く被害者たち」。一気にしびれましたね。カルモチンを20錠、21錠。刑事、ヤクザ、生存者、犯人とされた平沢貞道、調査を命じられたアメリカ人医師、そして真犯人。731部隊によ
10日あたりに、「ダブル」の文庫版が発売されます。 2年前に書いた小説ですが、ゲラで改めて見直したところ、文章がたいへん甘かったため、(それだけ筆力が上がったと……思いたい)かなり文章を書き直して、アップグレードを行った次第です。香港黒社会映画みたいな話であります。 解説は書評家の杉江松恋さん。私も編集者もびっくりの、作品に関する鋭い分析と「深町秋生」論を書いてくださいました。 価格は720円。どうかどうかよろしくお願いいたします。
明日の「小説トリッパー」(朝日新聞出版)に、殺し屋ロードノベル『ショットガン・ロード』の二回目が掲載されます。 どうぞよろしく。 殺し屋グループを抜けて、庄内で漁師していた男が、暴力団に人質とられて、かつての仲間と師匠を殺しにいく話です。 二回目は那須や群馬といった北関東が舞台ですが、そのうち北海道とかを描く予定です。今月はそんなわけで釧路に行ってきました。とにかくメシがうまかったです。 釧路はけっこう夜が早い街ですが、景気のいい時代は朝までやっている店が多かったらしいです。炉端焼きの有名店「万年青」(おもと)に通いました。じゃがバター、北海道流のでかいサンマ、超やわらかい豚肉、焼き牡蠣、長時間煮込まれたおでんを食いました。たのもしいのは、朝までやっているという点でしょうか。夜12時を過ぎてから、メシを食べる人間にとって、大変心強い存在でした。こちらが詳しい。 http://blog.li
明日あたり、映画秘宝EX「爆裂!アナーキー日本映画史1980〜2011」が発売されます。 「鮮烈!アナーキー日本映画史1959〜1979」の後編といったところでしょうか。 こちらには、まだ記憶に新しい「冷たい熱帯魚」について書いております。 どうぞよろしく。 ちなみに見た当時はこのように感想を書いてました。 http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20101206 「狂い咲きサンダーロード」や「四角いジャングル」「仁義の墓場」といった映画で埋め尽くされる時代がくればいいのになと思います。日本よ、これが映画だ。なんつって。 そんな「アベンジャーズ」もめちゃくちゃおもしろかったです。
小説すばる9月号が発売されました。 短編小説を寄稿しております。 http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/(小説すばる) 今月号は「バイオレンス小説特集 血と暴力の恍惚」つーことで(なんともすばらしい企画ではないでしょうか)、わりとそうはいいつつも軽快なアクション小説を書いてます。「クレイジーフォース」というタイトルです。 後ろ暗い民間軍事会社に所属する元自衛官の中年男が、暴力団の裏カジノの集金人をやることに。そこへ凶悪な中国人系強盗団が青竜刀と黒星で襲いかかってくるという話です。ドンパチとカーチェイスを特盛でお届けできればと。 よろしくお願いいたします。 それと昔、ポプラ社の冊子に寄稿した方言エッセイ「とっさの方言」が文庫化。 北海道から沖縄まで 人気作家64名による方言エッセイ! 静岡では上司が「おれっち」と言い、京都では「あしあらい」に誘われる。
今日、発売される「『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK」という作品集に、短編小説を寄稿しております。 ナイフが得意なズべ公少女“切り裂き”マヤの3作目。「ストリート・ファイティング・マン」というタイトルです。 街娼が次々と行方不明になる事件が発生。街娼の依頼を受けて、ボディーガードを請け負うマヤだったが、縄張りとしている地元ヤクザと対立。ヤクザのなかには、刑務所を出たばかりで、ステゴロ無敗の伝説の喧嘩屋がいた。熾烈なストリート・ファイトの末、マヤは真相を突き止める。 ……という話です。 どうぞよろしく。 追記。今月17日発売「小説すばる」の特集は、なんと「血と暴力の小説」。というわけで、こちらにも短編小説を寄稿しております。そっちもよろしく。 http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/next/index.html
昭和30年代が好きだ。 なぜならそこにあるのは混沌と暗黒の世界。右翼はいつ起きるかわからない革命に怯えて政治家や出版社を襲い、左翼は大勢で道端や国会や大学で暴れまくった。長嶋が天皇の前でホームランを打っていた頃に、熊本の漁民は有機水銀たっぷりの魚を食べて苦悶していた。正義のヒーロー力道山はドラッグと酒にトチ狂い、目の前にあるものすべてをぶん殴った。 高度成長期の東京はオリンピックに向けて大工事。騒音と埃と神風トラック、神風タクシーが行きかうやかましい街だった。増える車の台数に道がおっつかず、そこいらで大渋滞が起きていた。環境保護という概念は確立されてはいないために、煙突からは有害な黒い煙がもくもくと吐かれ、東京湾には得体の知れない物質の混じった廃液が垂れ流し。 輸送に明け暮れる国鉄は鶴見と三河島と宇和島で大事故を起こし、100人単位で乗客をあの世に送った。戦争の苦しみを知っていた規律正しい
光文社の文芸誌「ジャーロ」に短編を寄稿しております。 簡単に要約すると、山形を舞台に、女探偵(というか便利屋さん)が、さくらんぼ窃盗犯を追うという話です。 50枚ぐらいの話です。今回のジャーロ誌は「東北へ思う」というテーマなので、自分の地元を舞台にしました。 さくらんぼの収穫で賑わう6月下旬〜7月下旬を書いております。「紅い宝石」というタイトルっす。 こちらのほうも、どうぞよろしく。 https://twitter.com/#!/ash0966
さて、今月30日(28日ぐらいから発売が始まる感じです)に、新作『アウトクラッシュ 組織犯罪対策課八神瑛子2』(幻冬舎文庫 630円)が発売されます。どうぞよろしく。 上野署のマル暴女刑事、八神瑛子の第二弾です。『アウトバーン』の続編になりますね。 相変わらず警棒で悪党をぶん殴ったり、違法捜査でワナにはめたり、ワルとつるんだりと、そういう話でございます。 壊滅された北朝鮮ルートに代わり、東京都内には急激にメキシコ産覚せい剤が出回っていた。メキシコ最大の麻薬カルテル“ソノラ・カルテル”が日本に販路を見出したのだ。需給バランスが崩れるほど、秘密かつ大量に出回るシャブに、縄張りを荒らされている関東の広域暴力団印旛会は、八神にある依頼を持ちかける。「カルテルのルートを潰すために協力してくれ。死んだ夫の真相を知りたければ」 印旛会は販路を潰すためにある秘策を練っていたが、メキシコ麻薬組織と提携し、メ
うんざりするほどの大雪と寒さに耐えかねて、先週は博多中州で過ごしましたが、博多は博多なりに寒かったので、がっくりしました。 サラリーマン時代に二年ほど過ごし、七年ぶりに訪れたのですが、自分が通っていた天神のダイエー(タワレコがあった)は改装中で、同地区にある「まんだらけ」は泌尿器科のクリニックかなんかに変わっておりました。岩田屋がパルコに変わってたりと、いろいろと時代の変化を感じます。しかし、「いつだろうと、どこであろうとうまい」という往時の猪木みたいな強みがこの町にはあり、どの居酒屋や立ち呑み屋に行っても料理がうまく、やはり訪れてよかったと思いました。 博多ラーメン店を通りかかると、「おお、この臭い。たまらんね」とうれしくなり、鼻の曲がるような獣臭さも愛おしく思えました。 さて、今日発売の「週刊SPA!」に、インタビューが載っております。「昭和ノスタルジーが日本を滅ぼす」という、まあ某映
つーわけで、お仕事の話です。 3年前の拙著「東京デッドクルージング」が文庫化されるのであります。 11月5日発売ということで、ぼちぼちお目見えするころでしょうか。 表紙は、単行本は高橋ヨシキ氏による超コワモテのすばらしい表紙だったわけですが、いろいろと諸事情があり、最近だした刑事小説とわりと近い感じになっております。タイトルも「東京」が取れました。 解説は香山二三郎さん。「寡作なやつだけれど、これからはそうじゃなくなるであろう」という予測と激励をいただいております。踏ん張りどきであります。 さて、バイオレンス小説なわけなのですが、一番ドンパチが激しい内容となっております。簡潔に言うと、 「オリンピック開催間近の近未来東京(首相は元お笑いタレント)で、脱北者の殺人兵器のおねえさんと、右翼の民兵となった下流出身の若者たちと、中国の諜報組織が三つ巴でぶっ殺しあう」 そんな感じのハードアクション物
つーわけで、今もっとも活躍しているハゲメン、ジェイソン・ステイサムの最新作が今週末に公開されるわけです。 「ブリッツ」という英国発の刑事映画。これのパンフレットに寄稿しております。 今回のステイサムさんは、簡単にいえば英国ダーティハリー風の凶暴腕づく刑事であります。やはり女暴力刑事小説を書いてるっつーことで、お原稿の依頼をいただいたわけです。(最近、もうずっと東陽片岡のマンガばかり読んでいるので、自然と口調がお東陽先生ふうになってしまうのだった) ステイサム映画らしく、たしか90分くらいのタイトな仕上がりなわけですが、この作品の最大の特徴は、今年の大暴動ロンドン・バーニングな気配を濃厚に取り入れていたことでしょう。むろん「この先、ロンドンがえらいことになるぞ」と予測したはずはないでしょうが、タチの悪い自動車窃盗や強盗、ヤクの売人や移民を目の敵にする貧乏な若者などがうろちょろする荒廃したロン
さて、お仕事の話。 今日あたりから発売される封印ライター・安藤健二さんの「ミッキーマウスはなぜ消されたか」(河出文庫)に、解説を書かせていただきました。 これは「封印されたミッキーマウス」(洋泉社)の文庫化作品なのですが、文庫のまえがきで、「単行本は玉石混交だった」と率直に語っており(そういう率直さが安藤さんの偉いところ)、半分くらい原稿を差し替えております。ほとんどオリジナルのような作品に仕上がっております。 私がお気に入りなのは、第四章の「捏造された日本人差別――タイタニック生還者が美談になるまで」というエピソード。あの細野晴臣の祖父があのタイタニック号に乗っていて、かろうじて救助ボートに乗って助かったものの、偏見丸出しのイギリス人が手記で「女子供を押しのけてまで、ボートに乗ってきた卑しい日本人がいた」と書いたもんだからさあ大変。祖父さんは「日本人の恥」と非難をあびまくり、職を辞めざる
つーわけで、「ピラニア3D」がついに、山形にもやってきたのですよ。 相変わらず胃が痛くなるほど時間がないのだけれど、無理やり時間を作って(さぼってとも言う)、小生も山形駅前の映画館「ソラリス」に行ってまいりやした。 長々と書く余裕はないのですが、やっぱりジェームズ・キャメロンが何百億という金を投じて、どんなに意匠をこらしにこらしたところで、飛び出すパイオツ、飛び出すケツに勝てるものなんか、この世にはなにもないんだなと、なんかこう真理ってもんが見えたような気がしました。まさか「ピラニア3D」で悟りが開けるとは思わなかったな。しかし、本当にそういうものだと思います。 それほど立派なものでしたよ。じつにすばらしい映画でした。「10代のころから楽しく愉快にセックスしてそうなやつなんか、みんなチンポコ食いちぎられて死んじまえ! あといちゃついてる高校生みんな死ね!」と、常日頃から思っている私のような
もう最近は多忙のうえに不眠症。酒も飲めずにガタガタな日々が続いている。 けれど、大泉洋のファン(にわかだけどね)ということもあり、近所のムービーオン山形に駆け込んで、「探偵はBARにいる」を見てきたのだった。これがもうめちゃくちゃおもしろかった。魂を完全にカツアゲされたというか。こうしてブログを書いちゃうくらいに興奮している。それぐらいすばらしかったのだ。 おもしろいというよりも肌にぴったりくる。とてもとても愛すべき作品というべきかもしれない。探偵モノとしては、ベタすぎるほどベタである。一匹狼でその日暮らしの探偵。謎の依頼人と運命の女。調査を進めれば、どこからともなく現れる「警告のために小手調べな感じで主役をいたぶる悪役」(プロレスでいえばボディスラムみたいな挨拶系な技をきちんと放つ悪役)、そしてやっぱり絵に描いたような悪い大物も登場する。 しかししかし、ベタな様式美であっても、やっぱりき
さて、7月23日に新刊『アウトバーン 組織犯罪対策課八神瑛子』(幻冬舎文庫)が発売されます。 値段は560円。文庫なのでお手頃価格でございます。 シリーズになる予定で、飲んで、暴れて、癒着して、拷問して、逮捕するという、わりとフリーダムな美貌の女性刑事が主人公です。ざっくり言うと。 まじめな警官だったのですが、いろいろあって手段を選ばなくなってしまいましたというお話。1巻目は東京の暴力団と、女性ばかり狙う連続殺人鬼の間に横たわる謎を追うというストーリーです。 表紙デザインは片岡忠彦氏(http://nijisora.main.jp/k/novel/index.html) アウトバーンは「燃え尽きる」という意味です。(ドイツの高速道路ではなくて)燃え尽きるまで……という感じでしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。
ようやく引っ越し先のネット環境がよくなった。光回線はいいものだ。 さて、今月は私の文庫書下ろしが発売されるのだが(そのあたりの紹介は後日)、そんなわけで少し余裕ぶっこいてゾンビゲーム「龍が如く OF THE END」(以下、OTE)をプレイ。徹夜して一気にクリアしてしまった。ちょっとだけネタバレあります。 「極道ステゴロゲーム@歌舞伎町」から、いきなりバイオハザードみたいな「ゾンビガンシューティング@歌舞伎町」に変わったがゆえに、賛否両論の評価だけれど、私は大変おもしろくプレイした。 ガンシューティングというと、ずっとプチプチ敵を撃ち続けるばかりで、飽き飽きしてくることが多い。しかし「OTE」は無駄に個性の強い極道が、それぞれ二丁拳銃だのショットガンだの片腕ガトリンクガンだのを携えていたりして、最後までフレッシュに楽しめた。トリに登場する我らが桐生さんにいたっては、対戦車ライフルをかついで
久々に映画館に行った。もう「映画ファン」なんて、二度と言えないくらいに久しぶり。 ようやく「ザ・ファイター」が、山形にやってきた。駅前のフォーラムで見たっす。東京あたりの人はとっくに確認済みだろうが……。(あと文学フリマに行けなかったっす。申し訳ない) それにしても、重い腰を上げてでも見に行ってよかった。日本じゃ話題にならなかったようだが、ものすごい傑作だ。傑作というより、これほど肌に合って、愛おしく思えた作品もめずらしいというか。役者の演技、端役までしっかりキャラ立ちした脚本と演出、客の目をひきつけるストーリー展開、すべてが愛おしかったです。 もちろん男泣きしたけれど、隣で見ていたおばあちゃんなんか(最終日だったにもかかわらず、けっこう混んでいた)おいおい泣いていてびっくりしてしまった。ウェルメイドな感動作でありましたよ。 マサチューセッツ州の労働者階級の街・ローウェル在住のボクサー兄弟
地震以来、映画をさっぱり見てなかった。 ようやく見たのが香港映画の「ドリーム・ホーム」だ。今月28日から、ホラーの殿堂シアターNで公開される18禁なぶっ殺し映画である。一足先に見ることができたのだが、これがえらくすごかった。 弱った心にガツンとくる凶暴な映画で、「ああ、そうか。香港映画ってここまでやるんだっけ」と、限界を知らないスプラッタ演出に、ひたすら驚かされたのだった。 主演は超セレブ女優のジョシー・ホー。(この映画のプロデューサーでもある)マカオのカジノ王であるリスボアグループ総帥スタンレー・ホーの娘である。しかし、けっして親の七光りなどとは言わせない熱量と狂気を、フィルムに叩きつけることに成功した。セレブ娘につきまといがちな甘ったれたスイーツ度はゼロで、梶芽衣子や山田辰夫さん的なダークなオーラをまとっておりました。ただ者ではないと思ったら、なんでもカナダの陸軍士官学校出身なのだそう
さて、また久々な更新になってしまった。 コミックストリートが更新されました。今回は谷口ジローの新刊「ふらり。」を取り上げました。 http://www.sakuranbo.co.jp/livres/cs/2011/05/post-24.html(マンガ界の魔術師が送る時間旅行。江戸放浪記「ふらり。」) 「いつかはきっと暇ができるはず。できるはず」と願って五ヶ月が経ってしまった。昨年の十二月以来、休みがまったく取れなくて、うるおいのない日々を過ごしております。せっかく二月には沖縄に行ったのに、喫茶店で仕事しているうちに終わってしまい、海さえも見ず、ホテルの近所にある“パチンコ”の“パ”の字が消えた“チンコ”看板を撮影して、うひゃうひゃ笑うぐらいの日々でした。 昨日はラーメン店で、みそラーメンをすすりながら「ミヤネ屋」をぼんやり眺めましたけれど、トップは二宮くんと佐々木希嬢(格闘技番組ではすば
さて地元さくらんぼテレビのコミックストリートが更新されました。 今回取り上げたのは、プロレス愛に満ちた内容で、プロレスファンのハートをがっちりつかんだギャグコミック「プロレスメン」です。 http://www.sakuranbo.co.jp/livres/cs/2011/04/post-22.html(プロレスという最強の叱咤激励「プロレスメン」 ) どうぞよろしく。 それと地震から6週間が経過しました。そろそろ時間が経ってくると、あの恐怖の大災害を「できれば忘れてしまいたい」「もう心の奥にしまって鍵をかけておきたい」と考えるのが、人間なのかもしれません。 先日、所用があって石巻へ行ってきました。あの地震以来、時間が止まったような地域をいくつも見ました。津波で打ち上げられた大量の魚が腐敗し、空を覆い尽くすような数のカモメが飛び交い、泥と瓦礫が山をなしている街。仙台もひどかったですが、そこに
宝島社の「オール・ミステリー」(発売中)に読み切り中編小説を寄稿しとります。 「スラッシュ&バーン」というタイトルで、東映スケバン映画と「マッドマックス」と「悪魔のいけにえ」とケッチャムをごちゃまぜにした話です。 荒廃した未来の東北(言い訳がましいが、校了したのは震災前)を舞台に、仙台のスケバン女子高生・桐崎マヤが、山形産のマリファナ目当てに、バイクで山形の山奥に来たら、おっかない悪党たちが待ち構えていたという展開。 マヤは仙台のワルいストリートで、「切り裂きマヤ」という異名を持つ刃物の使い手。一方、山形の悪党も一筋縄ではいかない連中。両者が激しく死闘を繰り広げる……と、頭のネジをかなり緩めて、勢いだけで書きました。 読んでくださると、たいへんうれしいです。どうぞよろしく。
翌日は美浜町の原発(敦賀市の隣)ともんじゅへ行った。 朝食は敦賀駅の立ちそば屋。そばやうどん以外にも、きしめんがある。もうここは西日本なんだなと実感。地元の人々の言葉も関西弁だ。なにか買うと「おおきに」と言われる。 昨日は敦賀半島の右側を進んだが、今日は敦賀半島の左側を行った。若狭湾のリアス式な浜辺は、津波に襲われた岩手県の沿岸とよく似ている。 濃厚なマリンブルーは、まるで南の島の浜辺のような色彩。文字通り「美浜」なのだと。美浜原発と目と鼻の先にある水晶浜の砂浜が美しい。RCサクセションの「サマータイム・ブルース」は、ここをモデルにしている……と、ウィキペディアに書いてあった。だから本当かどうかは知らない。 原発は美浜駅から車で30分進んだところにある。3つの原子炉があり、ここも1号機は大阪万博の時期に合わせて作られたため、老朽化が心配されている。「みなさまと歩み続けて40年」だ。 美浜原
しばらく「原発銀座」と呼ばれる福井県をうろついていた。また旅に出たのだ。 福島の原発事故で痛感させられたのは、自分の知識のなさだった。原発がドカンと爆発したその日、さすがにイソジンは「アホくさ」とスルーしたけれど、昆布は思わず買ってしまった。その日の夕食は、昆布ダシの鍋物だった。 隣県の土地がこの事故によって、あっという間に汚染されてしまった。浜通りは冬でも暖かく、いわき市などは東北なのにヤシの木が植えられている。雪で気が狂いそうなときは、とりあえず温暖な浜通りによく避難していた。 その豊かな土地が一瞬にして危機に陥った。その原因となった原子力発電所とはなんだったのだろう。今さらながら、一から勉強したくなって、日々の仕事をしつつ福井の敦賀市に向かった。 敦賀市には、敦賀原発や問題の多い「もんじゅ」や廃炉した「ふげん」がある。その隣の美浜町にも美浜原発がある。原発が集中している地域で、原発関
さて、3月は大変な時期でありました。 4月も大変なわけだけれど、ともかく日常に戻ることが先決ということで告知を2つ。 平山夢明軍団の怪談FKBシリーズにおける、黒木あるじ君の新作「痕」(竹書房)に、解説を書いております。 山形在住の黒木君とのつきあいは十年以上になりますが、とくに仲がいいというわけでもなく、「黒木あるじはうさん臭いにやにや野郎」という正直な話を書いております。どうぞよろしく。 1日発売の別冊宝島「AKB48 推し!」にも寄稿しております。 さんざん「Perfumeが好きだ」と言っているのに、「AKB48について書いてください」というナナメ上な依頼をいただきました。世の中、よくわからないものです。でも、とてもありがたい話です。 その依頼をいただいたのは、昨年12月のこと。(もう、なんだか数年前の話に思える……)「平山さんと山崎ナオコーラさんと、一緒にAKBの公演をごらんになっ
仙台のワッシュ君(id:washburn1975)に会ってきた。 「高速道路も通ったし、ガスコンロか灯油を持ってこうか?」と言ったら、「電気も水道も復旧したし、うちは灯油を使ってないんですけど、とりあえず映画秘宝読みたいです」 という答えが返ってきたので、今月の秘宝やマンガを持って仙台に行ってきた。 仙台空港近くを通る仙台東部道路を通った。仙台平野の沿岸部を走る高速道路だが、巨大津波がこの道路にまで届いたらしく、道路周辺の田んぼや家は泥と瓦礫と化していた。東部道路自体も、あちこちに凸凹ができている。 ワッシュ君が「あの道路周辺はこの世の地獄です」と言ったが、本当に地獄だった。田んぼにはひっくり返った車や漁船、ねじれた自販機が転がり、油にまみれた粘つく泥が瓦礫と一緒にすべてを埋めつくしていた。 名取インターチェンジ周辺は瓦礫と泥の山に埋もれていた。それでもETCを出ると「割引1000円」とい
この大災害で、自然の獰猛さを嫌というほど思い知らされた。 しかし同時に人々の底力や隣人愛もたくさん目撃した一週間でもあった。もちろん残念な人もたくさん目撃した。悪意と善意の両方を一生分見てしまった。目を見張るような寄付金を出す企業や個人がいたと思えば、平時ではまともそうに見えた人物も、一気に化けの皮がはがれてしまったり。 情報もめまぐるしい。阪神大震災の教訓をもとに動こうとすれば、その教訓が足かせになっているとの意見もある。 http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20110317/p1(「被災地からの報告 阪神震災とは違う実情」を読んで気になったこと - 荻上式BLOG) しかし、遠く離れた素人でもわかるのは、被災地では想像を絶するような欠乏と苦しみが覆っているということ。被災地の窮状を知るたびに右往左往する日々が続いている。とにかくガソリン不足で、被災地どころか、
三陸の旅を終えて以来、虚脱状態が続いている。 山形が停電から復旧し、テレビやネットで情報を追い続けていたが、この世のものとは思えない津波の映像に震え、ぶらぶら歩いていた釜石の商店街が波に呑みこまれ、あとはもうひたすら恐ろしかった。 地震当日の午前中は、宮城県松島のカフェで原稿を書いていた。午後に山形で用があり、久々に帰郷したところで地震に遭った。その用事がなければ、「いいところだな」と、太平洋岸の町をうろついていたと思う。 最近は、ずっと旅をしていた。 三陸をうろつく前の週は、福島の郡山やいわき市に。海を見ていると、原稿執筆のモチベーションが維持できるという理由で、今年の冬は沖縄や福島、仙台、三陸をぶらつきながら、わりとストイックに原稿に向かっていた。旅をしながら、同時にカンヅメでもあったのだ。 プライベートな空間では原稿がまったく書けないので(個室に入るとロクなことをしない)、家には帰ら
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