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おうちレシピ
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営業という仕事を続けてきて、やっと契約(仕事)が取れるコツがつかめた気がする。会社員生活を終えるまでに体系化し、意識高いnoteユーザー向けに販売して金にしたいものだ。 僕は法人営業を中心に30年間営業という仕事を続けている。今は給食業界で新規開発営業に携わっている。よくここまで…というのが嘘偽りのない感想だ。新卒で働きはじめたときから現在まで営業職が向いていると思ったことはないからだ。30年前、営業部に配属されたとき「とんでもないところへ来てしまった」と後悔した。精神論がまかり通っていて、上司や先輩は化け物のようなバイタリティーを持ち、話がうまく、独自の情報網を持つ怪物ばかりだった。彼らと競っていくなど無理だと絶望した。僕はもともと口がうまい方ではない。そのうえ生来の怠け者。省エネで物事をこなしたいタイプだ。モーレツ営業マンにはなれないと自覚していた。 しかし、食べていくにはどうにかしな
銀行をはじめとする金融機関は出向という名で中小企業にゴミを送り付けるのはやめてほしい。僕が勤めている給食会社は銀行から融資を受けている。そのかわりに、出向を受け入れている。送られてくる方々はバブル期に入社した世代で、当時大量採用されたものだから、銀行内で役職が足りず、出向という名目で融資先に送り込んでいる。出向してくる方々に足りないのは役職ではない。能力だ。マジでポンコツばかり。有能であれば銀行内で役職を得ているか、本部栄転を約束されて大手有力融資先へ出向しているか、どちらかだ。 なぜ当社のような中小規模の給食会社にポンコツが送られてくるのか。それは給食業というものがローリスク・ローリターンなビジネスモデルで、ホームラン級のバカをやらないかぎり潰れないからだ。利益が見込める企業であれば、さらなる成長と事業拡大を見込んで有能な人物を送り込みガンガン融資ズンズン利益という流れをつくる。残念なが
僕は給食会社の営業部長だ。政府による備蓄米の買い取りが大きなニュースになっている。一般向けのお米については皆さんご存知のとおりだが、業務用の米の状況はあまり知られていないようだ。業務用は他人事ではないはずだ。社員食堂や外食レストランで使われているので生活に直結しているのだから。ひとことでいって業務用のお米(業務米)の価格設定は一般向けよりおかしなことになっている。 このブログでも何回か取り上げてきたように業務米も、一般向けのお米と同様に、昨年の夏前から価格が高騰していた。業務米は安心して使える品質のものを、大量かつ安定的に用意しなければならないため、取引のある米業者の提示する金額で納品してもらっていた。キロ400円台が900円前後まで高騰していた。当時、米業者の担当が「とにかく品薄でお金をつんで何とか確保している。買ってもらえないのなら、他の取引先に回してしまうけれどよろしいか。一度、取引
僕は給食会社の営業部長だ。先日、法人から給食業務委託契約の解約通知を受けた。悲しいけど解約は給食ビジネスの一部である。だが、今回の事案はただの解約ではなく、給食のビジネスモデルを揺るがしかねない事案であった。 解約されるのは某法人が経営する施設における給食業務だ。昨春の施設開設時から当社が受託して、一年半になる。施設の立地が事業圏外だったので、当初、契約するつもりはなかった。それでも契約したのは法人のお偉方から、どうかどうかと懇願されたからだ。それが一転して解約。彼らに人の心はあるのだろうか。 事業圏外のため、現地スタッフの採用やマネジメントの面で苦戦した。ようやく安定運営できるようになったら解約。不意を突かれた。競合他社の匂いがまったくなかったからだ。それもそのはず、法人が直接給食提供を行う、いわゆる自営方式への移行だからだ。「スタッフはどうするつもりだろう?」という謎はすぐに解けた。法
フィジカルAIが100m走で世界新を超える記録で走ったり、長距離走を走ったりするニュースを見た。素人の僕でも技術の凄さはわかるし、「すごいな」「未来キター」と興奮するけれども、「僕の人生には間に合わなかったなぁ…」という落胆の方が大きい。僕は今、52歳。AIやロボットに仕事をまかせて、セクシーなロボと熱い時間を過ごす…そんな未来を夢見ていたのだけど…その夢はついに叶わなかったのだ。 僕は給食会社の営業部長だ。リストラを愛してやまない会社上層部の老人たちが、フィジカルAIやロボットの導入によって大規模なリストラが断行できると主張していた。リストラで人件費を削減すれば利益になるという主張だ。給食業界をまったく知らない人間らしい考えだ。 現時点では給食事業においてフィジカルAIやロボットに人間の代役は難しい。給食事業の現場業務は時間によって細々したタスクを切り替えてこなしていかなければならない。
ヒッチハイカーを乗せたことが一度だけある。2001年8月の終わり、27歳の夏だ。そのころ僕は、不眠に悩まされていた。夜が更けても眠くならない。運動をしても、日が沈んでからのコーヒーを控えても効果はなかった。深い悩みはなかった。「何もないことが悩みだ」と医者に言ったら「贅沢だね」と笑われた。若く体力が有り余っていたので、そのうち眠るのをあきらめ、毎晩のようにドライブに出かけるようになった。仕事を終え、帰宅してから深夜0時すぎに車に乗り込む。日産ウイングロードのオーテック製ライダー仕様だ。パワーのないウイングロードで、海沿いの国道を流したり、峠を登って夜景や夜空を眺めたり、海岸や堤防で波音や川のせせらぎを聞いたりして朝まで時間をつぶしてから帰ると少しだけ眠ることができた。音域やレベルにあわせてグラフや模様が煌びやかに光るカーオーディオが流行っていた。カーオーディオは、ミニディスクに録ったスティ
カレンダー通りに働いていて夏らしいことをしていないので読書感想文を書いて夏気分を味わってみることにした。で、河合太郎著『ヤバい日本の住所』を読んでみたのであります。 「日本の住所のヤバさを紹介する本」という先入観が裏切られて、ちょっと感動してしまった。僕は自分と違う世界で生きている人の苦労話や失敗談が大好物。だから本書も「日本の住所はメチャクチャでツッコミどころだらけだろうなー」「トンデモなケースもあるんだろうなー」と地図を生業にしている人の苦労話を読んで笑おうと思っていたのだが…。 著者は、地図ソフトの開発からインターネットの地図サービスの開発を経て、今はAppleでマップを担当する住所専門家。その立場から「なぜ日本の住所がヤバいのか」、その理由と原因から、数々のヤバい事例を紹介していくという流れ。特徴的なのは、住所の「表記」にとことんこだわっているところ。なぜこんなアホな表記になるのか
僕は給食会社の営業部長だ。中小企業なので営業以外の仕事もこなさなければならない。先日、会社上層部から「なんで相手が激怒しているのかわからない。何とかしてくれ」と泣きつかれて後処理を任された。「あなたが相手から嫌われているだけでは?」という意味のことを言ってみたけど、反応はなかった。都合の悪いことは聞こえないみたいだ。話を聞くと、クレーム対応で向かった客先で理不尽なほど激烈に怒られたらしい。 問題はS県で給食業務を受託している施設で起きた。某日の夕食で提供した生姜焼きに火が十分に通ってなくて赤いままだったのだ。施設利用者に届く前の検食で発覚したので実害はなかった。指摘されてその場で謝罪、ただちに調理し直して提供した。施設からは原因の究明と対応策を求められた。ところが謝罪と報告に赴いたその場で客先法人理事のひとりが大激怒して収拾がつかなくなったというのだ。適切な対応がなされないなら解約も考える
僕は給食会社の営業部長。一ヶ月前に某案件の入札の指名を受けた。公的な施設の給食業務だ。競争入札なので最も低い金額を入れた業者が落札することになる。なお最低制限価格はなし。募集要項と仕様書を確認したところ「安全、安心の給食を提供してほしい」とあり、それを担保する決めごとがズラズラーっと記載されている。報告書が多い。目を通しながら「でも最安値の業者と契約するのだよね」と醒めた気持ちになる。「最高の安全・安心を最安で。提出報告書は多いから覚悟してね」と真顔で宣言している。すごい。学校給食で内容や食中毒の問題が起きると、すぐに物価高がー、安全衛生管理体制がー、という話になるけれども、僕は契約と仕様設計の問題だといつも思っております。 募集要項には、現在の業者が雇用している現場スタッフの雇用を考慮しろとある。短い準備期間で業者を切り替えるためには現スタッフの受け入れは必須である。今回は10月1日業務
僕は給食会社の営業部長。金融機関からやってきた会社上層部は、何年経っても給食や給食業界の知識がゼロのままである。業界知識と業界常識が皆無なので、会議などでわからないことがあると「何それ何それ」と質問を繰り返して進行の邪魔をする等々、業務に支障が出ることもしばしばである。放置してきたわけではない。注意喚起の意図をもって、なぜ給食や業界のことを学ばないのか質問したことがある。すると彼らは「あえて学ばないのだ。業界に染まらないほうが自由な発想で経営判断ができるから」と答えた。僕は、彼らは引退までの地位をゲットしたいだけなんだなーと諦めた。期待しなければ裏切られることもない。ところが、今年に入ってから、どういう風の吹き回しか会社上層部の一人が給食について学ぶ姿勢を見せ始めた。感無量だ。 現場視察をしているうちに、給食に興味を持ったようだ。特に厨房にある業務用食器洗浄機に感銘を受けた模様。新幹線を見
ここ数年、意識の高い人たちから一般層に波及して、「キャリアアップはいいよね」「良いキャリアを築かなきゃね」みたいな風潮だ。ネットはキャリアアップ、スタートアップという言葉が氾濫していて息苦しい。あっぷあっぷだ。キャリアアップとは技術・能力・専門性を高めて己の市場価値を高めること。そこから良い条件、待遇、異性からのモテ、社会的地位や立場を得るのである。高級車に乗ったり、ギャルと遊んだり、天下りできたり、キャリアアップは良いことばかりだ。しかしながら、大きな欠点もある。その根幹になる技術・能力・専門性の向上に労力と時間がかかることである。すなわち面倒くさいのである。 僕のような仕事を生活のための手段と割り切っている意識が低空飛行している人間にとって「時間と労力がかかる」「面倒くさい」は克服するのが不可能な極めて大きな問題である。一方で、良い暮らしがしたい、モテたい、ちやほやされたい、といった煩
また、就職氷河期世代という言葉を耳にしなくなった。選挙が始まるとどこからか聞こえてきて、選挙が終わると聞こえなくなり、そして誰も触れなくなる。その繰り返しだ。「救済は無理なので触れないでおこう」という考えが見え見えで興醒めだ。 僕は1974年2月生まれ。団塊ジュニア世代かつ就職氷河期世代だ。氷河期世代が被害者扱いされるのはモヤモヤする。僕自身はまあまあ楽しく生きてきた自覚があるので、世間で使い捨てとか救済と言われることに違和感を覚えるのだ。厳しさやキツさはあった。だが、そこにフォーカスされると、半生を否定されるような気持ちになる。氷河期世代のポジティブな面に着目したらどうだろう?ポジティブな部分も他の世代と比べていまひとつだったのかな?ふとそんなことを思った。 1980年、僕は小学生になった。再放送とガンプラでガンダムは大人気だった。ガンプラはなかなか買えなくて商売気の強い汚い大人が…とい
6月末で、半年間取り組んできた仕事が一段落した。結果には満足している。僕は給食会社の営業部長で、会社はバリバリの中小企業だ。半年間取り組んできたのは既存クライアント企業との契約解除交渉。現契約関連の交渉等は、本来、既存事業を担当する事業部の仕事であるが、新規開発営業が本業である僕にその仕事が回ってきたのは担当するべき人間が現場ヘルプを理由にエスケープしたからだ。会社上層部の僕に対する嫌がらせもあるかもしれない。契約解除交渉は胃が痛くなる仕事だ。なお、契約解除作戦はボスからの指令なので誰かが人柱となって遂行しなければならない。 対象とするクライアントは社員食堂を受託している企業だ。すべて当社からみれば大企業である。当社は現場の人材不足が続いていて、その穴を本社スタッフが埋めている状況だ。収益その他の要因から見合わないとされた現場から撤退することで人的資源を再編成することができると見込んだ。最
僕は給食会社の営業部長。当社参戦中の社員食堂のコンペがあったのだけれど、先方からお断りの連絡が来た。「当社が求めている基準に達していない」が断りの理由だった。まだ何もしていないのに失格。試食会をする予定だったのに。謎である。 先月末、担当者から6月中に当社が受託中の社員食堂の試食を依頼された。受託先の許可と調整を速攻で終わらせて、試食希望日を教えてほしいと担当者に連絡を入れた。ところが連絡が来ない。「6月中に実施するにはそろそろ日時を…」「6月中間に合わなくなりますよ」的な連絡を入れて対応を待っていたところ、担当者の上席の人からお断りの連絡が来たのである。「6月中に試食会を実施できるようなスピーディーな対応ができる給食会社を求めていて、残念ながら基準を満たしていないと判断しました」と告げられた。おかしい。担当者の日程調整待ちなのに、なぜこちらに非があることになっているのか。おそらく担当者が
僕は給食会社の営業部長だ。給食業界は、敷居が低いせいか、少し変わった経歴の人がやってくることがある。僕自身も他の業界から漂着して、脱出の機会を逃して働き続けている人間だが、給与水準が高いわけでもなく、地味で変な(ジミヘン)給食業界に「君はなぜここへ来てしまったのだ?」という人が結構多いのだ。たとえば、某国大使館の調理責任者だった人や、某プロ球団の元選手などが印象に残っている。 昨年退職した同僚も「君はなぜこんなジミヘンに?」な人だった。彼は10歳年下で他の部署に所属していたのだが、新規事業の立ち上げで一緒に働いた経験があるため、仕事ぶりや人となりはよく知っていた。仕事ぶりは及第点。上層部をはじめ及第点に至らない人材が多い当社のなかでは貴重だった。退職の挨拶の際の彼の言葉が気になった。彼は「もっと育ててもらえると思っていた」と言ったのだ。 彼は中途採用。即戦力であることを期待されていた。当社
1998年の夏、僕は人脈を捨てた。そのおかげでたいした才能もないのに営業という仕事を続けられた。僕は人脈を否定しない。人脈が必要な仕事や立場はある。ただ、人脈で得られるものが、コストに見合っているかは疑問だ。過大評価されているようにも見える。 仕事を円滑にすすめる手段のはずの人脈が、目的になっていやしないか。人脈つくりを名目に勉強会やセミナーと称して集まり「ウェ-イ!」と騒いでいる量産型画像を腐るほど見た。素晴らしい集会もあるだろうが、「ウェ-イ!」「伸びしろを実感できました!」「目からウロコが落ちました!」というコメントからは、実力が低すぎてごく平凡なことでさえも新鮮に見えているだけでは?と心配になる。目から落ちたのは乾いたコンタクトレンズだろう。そんな暇があるなら、見込み客を作ったり、企画案をまとめたりした方がよほどプラスになる。 僕が人脈否定論に傾いたのは新卒入社した会社で、先輩から
野球部が甲子園出場したこともあるスポーツ強豪校私立高知中央高校の200円食堂が5月に廃止されてコンビニになったことが話題になっている。news.yahoo.co.jp 保護者や学生が学校を選んだ理由に「リーズナブルな学食」を上げていたので批判の声が出るのも、食堂をウェブサイトでアピールしていた学校が批判されるのも仕方ないだろう。なお、食堂を運営していたのは近森産業(高知市)である。https://chikamori.co.jp/company/ サイトを見ると給食会社ではなく食品製造会社のようだ…。これポイントなので覚えておいてね。 ざっとニュースで前提条件を確認して給食業者は参入できないとわかった。参入してはいけない案件。学校側としては、学内コンビニで使える1人30,000円分のポイント配布で何とか収束を図りたいところだが、1日3食コンビニ飯は保護者には受け入れ難いところだろう。そこで今
読売巨人軍の阿部監督辞任騒動から一週間が経った。姉妹喧嘩を止めようとした阿部監督と揉めた娘がチャットGPTに相談して児相に連絡、児相が警察に通報して現行犯逮捕、翌日監督辞任というのが伝えられている流れだ。現役プロ野球監督の現行犯逮捕という衝撃の大きさもさることながら、チャットGPTへの相談という部分がフォーカスされたのは「AIに仕事を奪われる」という潜在的な恐怖が煽られたからだろう。阿部監督の辞任は「AIに仕事を奪われる」とはかなり違うが、ヘッドラインしか読まない短絡的な人、思考の柔軟性を欠いた人には、「AIに仕事を奪われる」がついに現実になったと受け取られているようだ。 長い歴史を持ち、球界の盟主を勝手に自称している読売巨人軍、その監督は相当なステータスのある地位・職業といえる。他のスポーツ球団の監督が現行犯逮捕されて地位を追われてもここまで大きく取り上げられない。J3の監督が同じ事態に
母は83歳になった。さいわい持病はない。そういえば僕が子供の頃から「体が弱い」と言いながら寝込んでいる姿を見たことはない。怪我をしたこともない。もともと元気で健康は人なのだ。母方の祖父は100歳で亡くなるまで杖もつかず、背筋もまっすぐ、歩き回っていた。その遺伝子を引き継いでいるのだろう…と思っていたのだけど、父から子へ伝える際に遺伝子のパワーは薄くなっていたようで、ここのところ母は老いを感じさせるようになった。記憶が曖昧になっているし、話が通じないことも増えてきたのだ。ときどき感情的になって…もともとの意固地と気の強さが意味不明なタイミングで表にどんと出てきて、強い言葉で僕をぶつけてくるようになった。それが不意打ちで、思い当たることがないから、受ける側からするとなかなかしんどいものがある。ムカつく。体感七割くらいの時間は落ち着いているので、暴れまくってる肉親と付き合っている人に比べればまだ
SNSにときどき流れてくる、賢くない人による賢くない人向けの番組の切り抜きと思われる「イケイケな経営者たちが起業家志望の若者にダメ出しをする動画」が苦手だ。「仕事サイコー!」な価値観から、上から目線で批判している構図が見ていられない。そもそも「仕事でサクセスした俺スゲー」っていう考えが古すぎる。余談だが、彼らの言葉づかいが荒く、黒っぽい服をお召しになられているのは、同じような格好でアルファードに乗ってイオンにあらわれるマイルドヤンキーに夢を与えるためだと僕は推測している。 四半世紀前(2000年代頭)、僕が転職してきた頃の給食業界にはびこっていた「仕事観」「仕事に対する意識」は酷かった。研修で現場を回ったときに上司から言われた言葉が今もはっきりと記憶に残っている。強烈だったからだ。上司は「委託給食の現場にいる調理師は、他の飲食業界で脱落したり、自分の店を潰したりしてきた人間だ。飲食業界の最
僕は給食会社の営業部長だ。勤めているのは中小企業である。当社は人材不足で、思うような新卒採用が出来ていない。良い人材は大手に刈り取られていてすでに焼野原である。焼野原からわずかな成長を信じて育てる余力もない。というわけで人材補充は中途採用に賭けているのが現状である。即戦力なら即採用だ。 ところが、きちんとした選考過程を経て採用したはずなのに、とんでもない人が中途採用されることがある。実際に働いてみると「あれ?即戦力なのにこんなものなの?」「どうやって前職で成果を出していたの?」というケースが多いのだ。職務経歴を確認すると、前職の実績が記載されている。確認のため、面接で実績について突っ込んだ質問をしても、的確な答えが返ってくる。ああこの人物は業界のことを良く知っていると判断する。実績についても当事者でないと分からないエピソードを交えて答えるので「これならいける」と判断して採用している。調査機
悲劇は繰り返される。同僚から「結果に直結する仕事のやり方を具体的に教えて欲しい」と依頼されたのである。もともと具体的なものは役に立たないというのが僕の考えだが、これも仕事のうちと諦めて、依頼に応じるようにしている。「自分に教えられることなら…」と知識や経験をもとに具体的に教えるけれども、たどり着く先が「もっと自分に任せてほしい」「自分のやり方でやってみたい」という悲しい結末であることも知っている。そんな悲しい歴史が繰り返されている。 悲劇の元凶は、「具体的な方法」の意味するものが、実は「これだけやればいい」というシンプルかつ決定的な手法であったことにある。仕事にそんなものはない。あったとしてもすでに過去の遺物で、お金を稼げる仕事にはならない。自動電話交換機が普及するまでかつて存在していた電話交換手のようなものだ。僕は営業という仕事を30年やっているが、これだけやっていればオッケー的な決定打
商売における「お客様は神様だ」という考え方は過去のものになった。カスタマーハラスメント等の原因になるからだ。だが、営業という仕事に関しては、客が神という考え方でいい。そもそも契約を締結していただく、商品を買っていただくお客様と対等の関係にあると考えるのは思い上がりだろう。また、営業活動が無駄になるとき、たとえば親身に相談に乗っていたが契約に結びつかないときなどに頭に来る人を見かけるが、それは対等と考えているからだ。だけど、相手が神ならば「まあ神様だからね。人間のことなどわからないよ」と諦めがつくものだ。そういうとらえ方が仕事を続けるうえで有効だ。 僕の仕事は給食会社の新規営業開発。給食事業の特性から、困っている見込み客に解決策を提示できないことが多く、歯がゆい思いをすることも多い。たとえば、欠員が発生して給食が提供できないと困っている施設に対して「明日からは当社が給食をやりますよ」とは言え
ごみ袋やポリ袋などの主原料であるポリエチレン・ナフサが確保されているのかないのかが話題になっている。ナフサが足りているのか、それとも足りていないのか、わからない。そこに見え隠れする駆け引きや思惑にも興味はない。お菓子のパッケージや製品の包装が簡略化されたりモノクロになっても、実用面で支障がなければ問題はないでしょというのが僕の認識。だが、生活や仕事に支障が出れば話は別だ。僕が勤めている給食会社ではナフサを原料とした手袋やラップやビニールといった衛生用品や消耗品が事業継続には必要不可欠だ。ここ数年間値上げが続いている。大量購入も控えるよう要請されている。ナフサの調達状況によって、値上げが加速したら嫌だな、…と恐れていたところにそれらを納品してもらっている各業者からお願いの通知が届いた。具体的な金額を除けば各業者ほぼ同じ内容の文面だった。 各社の共通部分をまとめると《1.昨今の物価高・物流コス
ワイドショーを誤解していた。バカバカしく、くだらないものと決めつけていた。自分の浅はかさが恥ずかしい。僕は給食会社の営業部長で、ときどき人員不足の老人ホームと保育園の厨房にヘルプで入っている。昼食の提供が終わると休憩時間で、休憩室でパートさん達とワイドショーを連日見ている。パートさんたちとの「あらまあ」「やだあ」な雑談に参加するのも大事な仕事だ。共通の話題の源であるワイドショーは無視できない。これほど真剣にワイドショーを視聴したことはない。新鮮な経験だった。そして認識が変わったのである。ワイドショーはくだらないものではなかった。 連日のようにワイドショーで取り上げられている事件があった。京都で起きた痛ましい事件だ(今は部活動遠征バス事故に移行している)。毎日、毎日、これでもかといわんばかりの現場レポート、ご近所インタビュー、元警察官の考察。その日も現地緊急レポートという名目で容疑者の自宅前
母を連れて家族で東京ディズニーシーへ遊びに行った。今回が母と訪れる最後のディズニーと決めていた。ランドではなくシーを選んだのは、開業25周年でお祝いムードだから。「最後だからお祝いしてもらわなきゃ」という母の前向きな言葉に僕は胸が詰まりそうになった。母は80歳を超えている。最近、目に見えて体力が落ちた。今回を最後のディズニーとしたのは、体力面からの判断である。母は、何度も「これで最後なんだね」と名残惜しそうに言った。一か月前。一週間前。前日。当日の車内。現地で。何度も、何度も。僕はそのたびに「そうだよ。最後のディズニーだよ。楽しもうね」と返した。最後という言葉をこれほどの重さを持って使ったことはない。「最後」と口にすればするほど重さが増していくような気がした。誰にでも最後はやってくる。その時が来たのだ。 東京ディズニーランドができた年、子供会のイベントで初めて訪れた。母と弟と一緒だった。ミ
先日、SNSを眺めていたら実業家の人が全裸の女性たちでつくられた人間シャンパンタワーに酒を浴びせて「これが資本主義だ」と叫ぶ動画が流れてきた。当初は生成AIで作成された悪戯動画と思ったが、並び重ねられた平凡な尻の造形にリアルと金の匂いを感じ取って、現実のものと判断した。僕は、その実業家をまったく知らない。動画もバカバカしく、良いのではないかと軽く流していた。真剣に取り合うものではないと考えていたのだ。実業家も撮影者も尻出しガールズも、くだらねーと笑われて終わるものと気楽に考えていたのではないか。 ところが世間様は右から左へ流すことを許さなかった。不謹慎。下品。何が面白いのかわからない。(実業家の)家族や子供が見たら悲しむぞ。そういった「いかがなものか」的な反応が大半であった。人間シャンパンタワーは法律に反していない。プライベートな場で尻を並べてはいけない、何人も許可なく尻にシャンパンをかけ
はてなが振り込み詐欺にあって11億円の資金が流出したと発表した。まず金額の大きさにも驚いたが、振り込み詐欺ってなんなんだよ。インターネット事業をやっている企業が振り込み詐欺に遭うって、なんなんだよ。セキュリティとガバナンスどうなっているんだよ。僕が働いている会社以下じゃないか、まったく。ひとりのユーザーとして2003年からはてなのサービスを使っている。はてなダイアリーからはてなブログへ移行して2007年からログが残っている。はてなブックマークも2005年から使っている。20年以上積み重ねてきた。無くなっても死んだりはしないけれどもなくなったら寂しい。はてなのサービスはそんな存在なのだ。20年以上続けているネットサービスは他にない。今でも毎日使っている。はてなにはそんな僕みたいなユーザーが珍しくない。noteが出てきてブームになったとき、完全に移ろうとしたけれども、やっぱはてなブログだよねっ
給食会社で働いている。会社は中小規模で、厳しい社会情勢のなか、何とか生き残っている感じだ。歴史は古く、創業は半世紀越えだ。顧客の信頼は厚く、五十年契約を継続していただいているお客様もいる。業界では解約率も低い(と思う)。ただ、長い歴史と成功体験に縛られ、組織や判断が硬直化していて、世の中の変化に対応できていない面もある。そこでなのか、偶然なのか、数年前から金融機関から人材を迎え入れて取締役に据えている。出向人事課長が、期が変わった途端に専務。マジで激動だ。 他業界から経営陣に人材を迎えるときに期待するのは、新しい発想や、他業界の成功モデル導入や、人材の多様性等々。つまり空気の入れ替え。新しい風だ。当社のように歴史が長いだけの企業は、体質が古く、変化を嫌うため業務の改革がなかなか進まない。新しいことをしようとすると既得権益のために団結した抵抗勢力があらわれる。そういうものを他業界からのしがら
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