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レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど、世界的にも有名な芸術家を数多く生んでいるイタリア。美術館も多く、素敵な街並みに一度は訪れてみたいという方も多いことでしょう。そのようななか、17歳でイタリア・トスカーナ州にあるフィレンツェに留学し、「極貧の画学生時代に食べたピッツァの味が、今でも忘れられない」と語るのは、漫画家・文筆家・画家として活躍するヤマザキマリさん。マリさんいわく「イタリア料理は基本的に庶民の食文化として育まれてきたもの」だそうで――。 私の貧乏メシ 今から25年ほど前に遡るが、フィレンツェで産んだ子供を連れて日本へ戻ってきた直後からしばらく、札幌のローカルテレビ局のワイド番組でイタリア料理のコーナーを担当していたことがある。 当時はまだ漫画だけで生計をたてていくのが難しく、幼い子供を育てることを踏まえると仕事をあれこれ選り好んでいる場合ではなかった。 学生時代のチリ紙交
「ウィーン郊外のマルヒフェルド産のホワイトアスパラガスは春のご馳走です、ゲランドのお塩に胡椒、オリーブオイルとパルミジャーノだけで、思わず笑顔に」(『文はやりたし』(幻冬舎文庫)より) 2018年にドイツ人ヴィオラ奏者のティロ・フェヒナーさんと結婚した女優の中谷美紀さん。現在では一年の半分を日本で、残りをオーストリアで過ごすという二拠点生活を送っています。オーストリアでは庭造りにご近所付き合いなど、ちょっと不便だけれど自由な日々を楽しんでいるという中谷さん、実はこのところの体脂肪の増加に危機感を覚えているそうで――。 メタボの大食い かつては「痩せの大食い」で通っていたものの、このところ体脂肪率が25%を優に超えることも多くなり、「メタボの大食い」と呼ばれる日も決して遠くはないと危機感を覚えている。 もう10年近く前のことではあるけれど、魚介や卵は時おり口にするペスコ・オボベジタリアンを6
1982年、年5週間(年間30日間)の有給休暇を法制化したフランス。有給取得率も100%に近いと言われるほど高く、「バカンス大国」として、国民は豊かな暮らしを謳歌している印象があります。一方、フランス・ブルターニュ地方で生活しながら、田舎暮らしをブログで発信しているのが旅行ジャーナリストのシャルバーグ八千代さん。八千代さんいわく「定年を過ぎてまで働くフランス人はほとんどいない」だそうで――。 年金受給年齢の引き上げに紛糾 2022年末から23年にかけて、フランス政府が年金制度の改革に着手し、巷では連日反対デモやストライキが巻き起こり紛糾しました。大ストライキが12回以上もあり、主にマクロン大統領のやり方への反発が大きかったようです。 改革のなかで最も注目を集めたのが、年金受給年齢の引き上げです。それまでの62歳を64歳に。数年長く働かないと年金生活に入れない。これが大反対の理由でした。 フ
2022年に文章生成AIである「ChatGPT」や画像生成AIの「Stable Diffusion」など、一般ユーザーが気軽に使える生成AIサービスが次々と現れました。生成AIサービスについて「その特性を正しく知って使えば、生活やビジネスの効率が大幅に上がるのは確実である」と語るのは、人工知能研究の第一人者である清水亮さん。清水さん「今のうちにAIの使い方をマスターしておけば、その経験は未来永劫生きることになります」と言っていて――。 大規模言語モデルとは何か ChatGPTが登場したのは、2022年の11月でした。 それまで、GPTのような大規模言語モデルは、研究者の間では存在も性能もよく知られていたものの、一般の人々が広く使えるようにはなっていませんでした。 ChatGPTは、まるでメッセンジャーアプリでやりとりするように、GPTと人間が会話することができるwebアプリです。このような
“命を救う”という理念のもとで理解を広げてきた慈恵病院(蓮田太二理事*当時、熊本市)の「赤ちゃんポスト」。しかし2020年3月までに預けられた155人のうち、早期新生児は85人にすぎず、残りがある程度育った赤ちゃんだったとされる。取材を続けてきた元熊本日日新聞社記者でジャーナリストの森本修代さんによれば、現場は想定外の事態ばかりで、それこそ初日から驚くような出来事があったそうで――。 開設日に預けられたのは3歳児だった 2007年5月10日。赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」が設置された。 蓮田は新しく整備したポストの前で、数十人の報道陣を前に「緊張しています。命を守ることが一番大切。理解が深まるよう頑張っていきたい」と話した。 それからわずか数時間後、病院職員は驚愕する。最初の子どもが預けられたのだ。 「赤ちゃん」ではなく、3歳児だった。キョトンとしてベッドに座っていた。男児は「新幹
高齢の親が自立できない子を養う「8050問題」。その負担は、きょうだいにまで及ぶことが少なくありません。取材を続ける池上正樹さんにも、ひきこもりの末に亡くなった弟がいました。当時を振り返って感じた「家族としてできること」とは(構成:古川美穂 撮影:藤澤靖子) 親が健在なうちは問題が表面化しない 自立できないきょうだいに関する相談は、私が携わっている「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」にもたくさん寄せられています。メディアなどで「8050問題」を知ったのをきっかけに、連絡をくれる方もいるようです。 一番多い悩みは、「親が亡くなったら、自分がきょうだいの世話をしなければいけないのか」ということ。親が健在なうちは、問題はなかなか表に出てきません。しかし親が認知症になったり、病気で入院、あるいは亡くなったりすると、問題や負担が一気にきょうだいに降りかかってくるのです。 たとえば、ひきこもる本人に医
新型コロナウイルスの蔓延で、窮地にたたされた業界は多々ありますが「ゲームセンター」業界も例外ではありません。中小店が苦境に立たされる中、多彩なラインナップと企画力で注目されているのが「ゲーセンミカド」です。同店を開店した池田稔さんいわく「1995年はいま思い返してもゲーセンに熱気がある時代だった」そうで――。 ゲーセンに熱気があった1995年 1995年はいま思い返してもゲーセンに熱気がある時代だった。 オウム真理教の地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災、エヴァンゲリオンブームなど、サブカルチャーと社会的な大事件がまじり合って、世の中が混沌と熱気にあふれていたこの時期、ゲームセンターでは、あるタイトルがとてつもないブームを巻き起こしていた。『バーチャファイター2』(1994年)である。 1993年に稼働を始めた『バーチャファイター』は、世界初の3Dグラフィック対戦格闘ゲームであり、ポリゴンと
シングルマザーと娘、スリランカ人の彼、という小さな家族を中心に、入管行政の問題点に光を当て、「読売新聞」の連載時から話題を集めていた中島京子さんの『やさしい猫』(2021年8月刊)が、NHK土曜ドラマに。優香さんが主人公のミユキを演じています。中島さんのドラマ化についてのコメントとともに、入国管理施設の問題などについて、小林美穂子さんと意見を交わした『婦人公論』2021年11月24日号の対談を再配信します。(構成=古川美穂) ******** 生活保護受給者や路上生活者。在留資格を失って入国管理の施設に収容された外国人。コロナ禍でますます困窮する人たちの身に今、何が起きているのか。小説『やさしい猫』で入管行政の問題に焦点を当てた中島京子さんと、生活困窮者支援を長年続けてきた小林美穂子さんが語り合った。 原作のドラマ化にあたって 『やさしい猫』ドラマ化にあたって 中島京子 NHKで『やさしい
うつ病、ADHDなどの発達障害、PTSD、統合失調症、双極性障害…多くの現代人を苦しめる「心の病」は、脳のちょっとした変化から生まれます。誰にでも起こりうるこの病は、何が原因で、どのようなメカニズムで生じるのでしょうか。様々な角度から精神疾患の解明に挑むのは理化学研究所の研究者・林(高木)朗子さん。その林先生いわく「統合失調症は、100人に1人ほどがかかる頻度の高い疾患です」だそうで――。 100人に1人ほどがかかる統合失調症 私の研究室では、シナプスと精神疾患の関係、とくに統合失調症を中心に研究を進めています。 統合失調症は、100人に1人ほどがかかる頻度の高い疾患です。多くは思春期に、不安、感覚過敏、集中力の欠如などの症状とともに、統合失調症に特有の「幻覚」や「妄想」が現れはじめます。 幻覚とは実際にはないものが知覚されることで、とりわけ統合失調症の幻聴はとてもはっきりと聞こえ、周囲が
「新聞は専門用語ばかりで難しい」「ニュースはネットで見るから、新聞なんていらない」など…。新聞離れが進み、新聞の読み方がわからなくなっている若者も増えています。そんななか、「新聞を読む人が減ったことで、新聞を読んでいるだけで他人に差をつけることが可能になった」と語るのはジャーナリストの池上彰さん。その池上さん「あなたがネットで得られるニュースの多くは、新聞社が取材した記事です」と言いますが――。
人以外の生物にとっては棲みにくいはずの都市に、近年多くの野鳥が進出しています。希少種として保護活動が行われていたタカ類までも、都心で繁殖するようになりました。ヒヨドリやキジバト、キツツキ類のコゲラや磯にすむイソヒヨドリまで都会で子育てをはじめました。東京都心や千葉県市川市を中心に、半世紀以上にわたって都市鳥を観察してきたNPO法人自然観察大学学長の唐沢孝一さんが分析した、人と鳥との関係性の変化とは――。 「ロンドンと東京」のスズメ スズメは日本人をどう見ているのだろうか? そんなことが気になったのは、都市鳥研究のためにロンドンを訪ねた1990年夏のことであった。 ロンドン中心部のセント・ジェームズ公園の一角で大勢の人が手を差し出している。いったい何をしているのだろうか。しばらくすると、スズメ(イエスズメ)が飛来し、手に乗って餌を食べはじめた。人を恐れずに手に乗るなど1990年代の日本では考
現代のインターネット社会では、「本音を言うのが正義」、「論破するのが最上」といった雰囲気が形成されてきましたが、場合によっては相手との関係性が壊れてしまいますよね。脳科学者の中野信子先生は、言いたいことを言うけれども、相手を直接傷つけたり、関係性を破壊してしまったりしないコミュニケーション方法を提案しています。その中野先生「論破よりも、言葉をうまく使って相手を懐柔できることのほうがずっと重要」と言いますが――。 脳は調和よりも論破を好むようにできている 相手と良好な関係を長続きさせるよりも、論破したり、打ち負かしたりすることに喜びを感じがちな人間の脳の性質をどう制御するかは大きな課題です。 人間の性質というよりは、ある程度の社会性を持つ生物全般の性質といえます。 この性質は言い換えれば、ヒエラルキーのある構造を持った集団をつくる生物の性質かもしれません。 たとえば犬はその代表格になるでしょ
イギリス在住のブレイディみかこさんが『婦人公論』で連載している好評エッセイ「転がる珠玉のように」。Webオリジナルでお送りする35.5回は「世界の終わりとブレインフォグワンダーランド」。3回目のコロナにかかり、ようやく熱がさがったと思ったら思わぬ不調に悩まされることになり―― 谷川俊太郎さんの鋭い洞察 冬の終わりに3回目のコロナにかかった。高橋源一郎さんとリモートで対談した3月初めにようやく熱がさがったぐらいの状態だったので、「3度目です。もうプロです」と笑っていたのだったが、なんとそのときの動画を谷川俊太郎さんがご覧になったという。いま岩波書店の『図書』で谷川さんとの往復書簡を連載しているのだが、谷川さんからのお便りに、わたしがあんなに笑う人間だとは思わなかったと記されていた。あそこまで笑っていると深読みしたくなる、という実に鋭い洞察も添えて……。 さすがである。PCの前で、わたしはその
大人の女性をメインターゲットにした「女子マンガ」。マンガ研究者のトミヤマユキコさんいわく、「恋愛だけではなく女の人生の大変さなども描かれるなかで、現代女子が生きていくためのヒントを見出せることも特徴の一つ」とのこと。トミヤマさんとマンガ作家の山本美希さんが、女性用マンガと男性用マンガの主人公の違いについて語ります。 読者の現実に近い設定 山本 幅広い年代の作品を取り上げた結果、描かれる女性像の変化などは感じましたか? トミヤマ キャラクターたちの経済状況は時代によって大きく変わりますし、年々リアルになってきていますね。最近の作品だと、『プリンセスメゾン』の沼ちゃんが典型的ですが、年収300万円いかないくらい、というのは、読者の現実にかなり近いのではないかと。 憧れを刺激するキラキラした生活ではなく、地に足のついた生活がかえって魅力的に見えてくるという逆転現象が起こっていると感じます。
自分の子どもが最初に話す言葉は親にとって気になるものですが、そもそもどうやって子どもたちは言葉を覚えていくのでしょうか。慶應義塾大学環境情報学部教授の今井むつみさん、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の秋田喜美さんいわく、言語を習得するときには、オノマトペが重要な働きをするとのことで――。 子どもの発達にオノマトペが必要? しーん もこ もこもこ にょき もこもこもこ にょきにょき…… 詩人の谷川俊太郎と画家の元永定正(もとながさだまさ)のコンビによる、超ロング・ベストセラー絵本『もこ もこもこ』に登場するフレーズである。 「しーん」という、音のない静寂を表すオノマトペ。そこから「もこ」と一言。地面がちょっとだけ盛り上がる。ページをめくると盛り上がりが何倍にもなって、「もこもこ」と。 次に「にょき」と、小さいモノが顔を出す。盛り上がりはさらに巨大になり、「もこもこもこ」と。にょきっと伸びた
イギリス在住のブレイディみかこさんが『婦人公論』で連載している好評エッセイ「転がる珠玉のように」。Webオリジナルでお送りする34.5回は「迷惑とコスパとタイパ」。英国でストライキは、もはや生活の一部になっている。日本でもストライキが起こり始めているが、人々の反応が英国とは大きく違っているようで―― 英国ではストが生活の一部に 最近、日本のラジオに出るときも、対談するときも英国のストライキの話ばかりしている。もはや生活の一部になっているので、「いま、そちらはどんな感じですか?」と聞かれたら、ストの話をしないわけにはいかないからだ。 息子のカレッジの教員もストを打っているので昨日も一昨日も休みになったし、先日、所要でロンドンに出かけたときも地下鉄がストで動いていなかった。『ガーディアン』という新聞のサイトには、ストライキ・カレンダーなるものが出現していて、どの日にどの業種の人々がストを打って
元編集長・鳥嶋さんいわく、ライバルを『マガジン』から『コロコロ』から置き換えたことで『ジャンプ』に大きな変化が生まれたそうで――(写真提供:Photo AC) 『電波少年』『ドラゴンボール』『ドラゴンクエスト』。エンタメ史に輝くヒット作の裏にはいつも天才編集者やプロデューサーの存在がありました。しかし、彼らも初めから「天才」だったわけではありません。今回、元・週刊少年ジャンプ編集長で『ドラゴンボール』などに携わった鳥嶋和彦さんが、エンタメ社会学者の中山淳雄さんと対談。鳥嶋さんいわく「編集長なんて現場仕事は半分で、残り半分は社内政治」なのだそうで――。 異例の事態で編集長に「ならなかった」 中山 第3代編集長の西村繁男さん*1が「600万部達成の快挙は、鳥山明の破壊的なパワーを借りて初めて実現し得たことは、誰も否定できないだろう」と書いているように、それを新人時代から作り上げた鳥嶋さんは当然
『電波少年』『ドラゴンボール』『ドラゴンクエスト』。エンタメ史に輝くヒット作の裏にはいつも天才編集者やプロデューサーの存在がありました。しかし、彼らも初めから「天才」だったわけではありません。今回、元・週刊少年ジャンプ編集長で『ドラゴンボール』などに携わった鳥嶋和彦さんが、社会学者の中山淳雄さんと対談。鳥嶋さんいわく、あの『ドラクエ』はある持ち込み企画から生まれたそうで――。 遊び仲間と始めた企画が『ドラゴンクエスト』に 中山 鳥嶋さんのゲームとの関わりをくわしくお聞きしたいです。『Dr.スランプ』が大盛況だった時代に、ジャンプの巻末の読者コーナー「ジャンプ放送局」を1982年に始めます。 鳥嶋 新宿でロケテスト*1をやっているゲームセンターがあったんだけど、2週間ごとにゲームが入れ替わるのでそこでよく遊んでいました。その遊び仲間がさくまあきらさん*2で、彼の紹介で一緒に遊ぶようになったの
70歳を目前に体力の限界を感じたという、作家のねじめ正一さん。東京・阿佐谷の商店街で愛された「ねじめ民芸店」を閉店することを決意しました。寂しさを感じたものの、心の風通しが良くなったといいます(構成=篠藤ゆり 撮影=本社・奥西義和) 詩も小説も書けなくなって 2019年8月7日、父から受け継いだ、民芸品や和風雑貨などを扱う「ねじめ民芸店」を閉店しました。71歳の時です。 僕はこれまで、現代詩、俳句、小説、エッセイ、児童書など、言葉にまつわるさまざまな仕事をしてきました。1989年に『高円寺純情商店街』で直木賞を受賞してからは仕事の量も幅も広がり、ラジオのDJもしたし、テレビにもずいぶん出たものです。そのすべての仕事が、ねじめ民芸店を土台にしていたといっても過言ではありません。 詩人のグループが訪ねてくると、店の2階でワイワイやりました。直木賞の受賞後は取材が殺到しましたが、2階でインタビュ
共働きが約7割を占める令和時代。改正介護・育児休業法により、男性育児の増加が期待される中、男性が育児をするには多くのハードルが存在します。一方で、産婦人科医として妊娠・出産・育児の現場を見てきた平野翔大さんは、父親たちが抱える悩み、今からできる解決策、そして今後望まれる社会体制について、各種メディアを通じて発信してきました。その平野さんいわく、父親たちが悩んでいる原因の一つとして「仕事関連時間が長い」という事情があるそうで――。 「日本の男性は(海外と比較して)家事・育児をしない」は本当か なぜ日本では、男性の育児参加が進んでいないのか。 もう少し深掘りすると、なぜイクメンプロジェクトによる「父親への啓発」はここまで成果を挙げられなかったのか。 「夫の家事・育児参加時間が短いと、第二子以降が誕生しにくくなる」ということが明らかになりながら、なぜ育児参加時間を増やせないのか。
36歳での初当選以来、7期20年にわたって国会議員を務め、国交副大臣・首相補佐官・国対委員長を歴任してきた辻元清美さん。2021年の衆議院議員選挙で落選し、政治家を引退することも考えたと話します。しかし、上野千鶴子さんから「落選から学ぶこともある」と助言を受け、自分を見つめなおし、もう一度自然体の自分に戻ろうと決意します。初心にかえり、全国行脚から見えたものとは――(構成:古川美穂 撮影:横山 純) 自然体の自分に戻って 2021年10月、私は衆議院議員選挙で落選しました。36歳での初当選以来、7期20年あまり国会議員を務めてきただけにショックは大きく、政治家を引退して新たな道を探すべきかと悩みました。そんなとき、先輩として慕う上野千鶴子さんから電話をいただいたんです。「なぜ落選したのか考えることで学ぶこともあると思う。本を書いてみたら?」と。 大阪では、維新旋風により自民党すら小選挙区は
新型コロナ下での生活も3年となり、これまでよりストレスを感じて暮らしている方も多いのではないでしょうか? ステイホームでも、一人でもできる、自分を癒したり元気づけたりする習慣をもっていることは、精神の安定や免疫UPにも役立ちます。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなどのヒット作品に携わり、アーティストやクリエイターの成功とメンタルの関連性について研究を続けている音楽プロデューサーの中脇雅裕さんの連載「美しくそして健康に 音楽のあるHappy Life」。第14回は「メディテーション(瞑想)」です。 マインドフルネスとメディテーションの違い 前回はマインドフルネスについてのお話をさせて頂きました。今回はその続きとして、メディテーション(瞑想)のお話です。もちろん音楽との関係もお伝えします! マインドフルネスとメディテーションはどう違うのか?マインドフルネス瞑想とも言いますからややこしいとこ
鎮目さんいわく、手間がかかっても、そのニュースにくわしい人がきちんと解説することこそ、テレビニュースの信頼回復につながるとのことで――(写真提供:Photo AC) ネットでは「テレビは終わった」といった声が見られるようになって久しく、実際、若者を中心にテレビ離れが進んでいると言われます。一方、テレビ局に27年間在籍し、数々の番組の制作現場に携わってきた鎮目博道さんは「中の人」だからこそわかる問題点を各種メディアを通じて主張してきました。その鎮目さんいわく、手間がかかっても、そのニュースにくわしい人がきちんと解説することこそ、テレビニュースの信頼回復につながるとのことで――。 気がつくと朝から晩までニュースかワイドショーだらけ ニュース番組の基本は、当然のことですが「ニュースを伝えること」です。 なにを当たり前のことを言ってるんだ! とおっしゃる方もいると思いますが、じつは最近のニュース番
『すべて真夜中の恋人たち』が、小説部門では日本で初めて、全米批評家協会賞の最終候補に選ばれている作家の川上未映子さん。生まれた環境ゆえに苦難が絶えず、生きてゆくために犯罪に手を染める少女たちを描いた川上さんの長篇小説『黄色い家』が話題を呼んでいます。家族問題に長年取り組んできた臨床心理士の信田さよ子さんと川上さんが、家族、お金、社会、そして善悪について語り合いました。 (構成=福永妙子 撮影=玉置順子(t.cube)) 手持ちのカードで生き抜く 信田 『黄色い家』、大変興味深く拝読しました。日本には、困窮しているのにどこからも支援の手が届かず、今いる環境から抜けられそうもない子ども、そして大人たちが確実に存在する。それは、私の仕事を通しても、メディアで見聞きする事件でも承知しています。そうした人たちのことをここまで書かれたのはすごいなと思いました。 川上 ありがとうございます。自分の体験に
作家の石井さんは子どもたちに向けて「苦しい時代を生きていくために、まず君たちが生きている『今』について理解してほしい」と主張します(写真提供:Photo AC) 子供が感じている精神的幸福度が、先進国38カ国のうち37位とされた日本(ユニセフ「レポートカード16」の「子どもたちの幸福度ランキング」より)。現実を見れば、子供のうち7人に1人が貧困、15人に1人がヤングケアラー、小中学生の不登校は24万人以上といったデータもあるなど、多くの子供たちが息苦しさに覆われているのは事実かもしれません。作家の石井光太さんはそんな子どもたちに向けて、「苦しい時代を生きていくために、まず君たちが生きている『今』について理解してほしい」と主張しますが――。 格差社会の中で求められるもの ――AI(人工知能)に負けないグローバル人材になろう。 君たちは、一度はそんな言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。学
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