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ジェフ・ベックが1978年にスタンリー・クラークを伴って来日した際に使用したストラトキャスターは、ホワイトのボディにローズ指板のネック、エレクトロニクスにはSCHECTER製のアッセンブリーが組み込まれた1本だった。キャリアのごくわずかな期間でしか登場していないため、本器の詳細は不明。現在得られている情報から、このストラトの仕様を考察していこう。 文=細川真平 Photo by Koh Hasebe/Shinko Music/Getty Images パーツの年代がバラバラな“SCHECTERアッセンブリー・ストラト” ジェフ・ベックは1978年に、ジャズ/フュージョン畑の超絶ベーシスト、スタンリー・クラークを伴って来日した(ドラムスはサイモン・フィリップス、キーボードはトニー・ハイマス)。ジェフはスタンリーの75年のアルバム『Journey To Love』で、タイトル曲のほかに「Hel
ジェフ・ベックの名盤『Wired』のジャケに写る、ストラトキャスターの謎を追え! 2024-08-07 Legends ジェフ・ベック『Wired』のジャケに写る、謎の白いストラトキャスター。ここでは本人の証言や当時の写真/映像などを手がかりに、この“謎ストラト”をアレコレと推測! はたして驚きの鑑定結果とは!? 文=細川真平 このジャケットのストラトは、何年製のどういった個体なのか? ギター名盤は数々あるが、ジャケットにギターが写っていないものも多いし、(ギター好きの視点からして)ジャケット写真が凄く良いと思えるものは、案外少ないように思う。その中で、文句なしに“死ぬほどかっこいい”ジャケットが、ジェフ・ベックの『Wired』(1976年)だ。 白のジャケットを着て、白/ローズのストラトキャスターを弾くジェフ。その躍動感のある写真をより生き生きと見せる、光の帯の加工。もとの写真が良いのは
毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今回はフレディ・キングの歌心あふれるプレイを支えたギブソン・ギターの名器、ゴールドトップのレス・ポール、ES-345、ES-355を紹介しよう。 文=久保木靖 Photo by Frans Schellekens/Redferns 【特集】フレディ・キング〜豪放磊落な“テキサス・キャノンボール” 特集を見る 活動初期を支えたゴールドトップのレス・ポール フレディ・キングがシーンの第一線に躍り出た1960年代初頭に手にしていたギターは、初期の代表作『Let’s Hide Away And Dance Away』(1961年)のジャケットで軽々と構えているギブソンのレス・ポールだ。 1953〜1954年製と思われるゴールドトップ期の個体で、P-90ピックアップを2つ搭載し、ブランコ・テールピース
65年製のネックとWarmothボディの組み合わせ レコーディングで使用したのは、Mummy-D(RHYMESTER)とのユニット“マボロシ”でもメイン器として愛用していたストラトキャスター。フェンダーの65年製ネックに様々なボディを付け替えており、現在は購入時と同じくWarmothのアッシュ・ボディを組みわせている。ボディはチェンバード構造になっているため非常に軽量。マスター・ボリューム&マスター・トーンというシンプルなコントロールにカスタマイズされているのもポイントだ。ギラついた音からイナたいサウンドまで作りやすいとのこと。 1977 Greco LP Type P-90に換装した国産ゴールドトップ 4〜5年ほど前に、ゴールドトップの見た目を気に入って手に入れたというGrecoのレス・ポール・タイプ。製造年は1977年だと思われる。もともとミニ・ハムバッカーが搭載されていたが、“シング
Q:そもそもDAWって何? A:歌や楽器の演奏を録音/打ち込んで楽曲制作ができるソフトウェアです。 DAWはDigital Audio Workstationの略で、ディーエーダブリューやダウと呼ばれます。 ギターを始めとする楽器の演奏を録音したオーディオ・データや、ソフトウェアの音源を使った打ち込みデータ=MIDIデータを扱って楽曲制作が可能です。 多くのDAWはPCで動作しますが、近年ではスマートフォンやタブレット用のアプリも登場し、その性能も上がってきています。 DAWの種類によって対応するOSが違うため、自身の使っているPCがWindowsなのかMacなのか、はたまたLinuxなのかによって、その環境に合ったDAWを選びましょう。 同じDAWでも、搭載する機能の違いによっていくつかのバージョンが存在することがあります。中には無償で使えるバージョンもあるので、まずは試してDAWに慣れ
ついに才能が開花! UKブルース・ロックへの大きな影響 1959年、ソニー・トンプソン(p)との出会いがフレディの運命を大きく変える。トンプソンは1940年代から活躍するR&B界のベテランで、当時はKing系Federalレーベルの看板ミュージシャンであった。 彼の口添えでフレディはFederalとの契約に漕ぎつける(同時期にフレディがバックを務めたシル・ジョンソンの口利きという説もある)。 当初は、レーベルからフレディの好みではない曲の演奏を押し付けられて窮屈な思いをしたようだ。 そんな中、もともと好きだったウェスタン・スウィングのインスト曲「Remington Ride」をジャムっていたところ、レーベル側に気に入られインスト路線を模索することに。すると「Hide Away」がR&Bチャートの5位、ポップ・チャートでも29位というヒットを記録。 これを受けて、歌入りの『Freddy Ki
綿花摘みの仕事で入手したお気に入りのギター インスト・ナンバーで女性ダンサーを狂ったようにシェイクさせたかと思えば、スロー・ブルースでは汗と唾を飛び散らしながら熱唱。横っ腹に構えられたギターのストラップは、たすき掛けではなく右肩にちょこんと引っ掛けられ、右手指先に注目してみると、サム・ピックとフィンガー・ピックで弦を爪弾くようにプレイしているが、チェリー・レッドのギブソン製ES-345から放たれる太く歪んだサウンドはドライヴ感満点だ。 アメリカのR&B専門のテレビ番組『The!!!! Beat』(1966年)のアーカイブには、そんな伝説的なライブ・パフォーマンスが残されている。その豪快なプレイ・スタイルから、彼はテキサス・キャノンボールと呼ばれていた──。 フレディ・キング(出生名はフレデリック・クリスチャン)は1934年9月3日、テキサス州ギルマーに生まれた(3大キングの中でもっとも若く
見るものを圧倒するマーシャルの壁! 実際に鳴らされているのはこの中の2台! 来日公演のステージには、31台のヘッド(!)と16台のキャビネットが用意されていた。写真はステージ上手(イングヴェイ立ち位置)側のアンプの壁である。結線はされていないが、31台すべてが通電されており、スタンバイ状態になっていた。 Marshall 1959SLP メイン・アンプは100W出力のリイシュー・モデル、1959SLPを使用。ドライ・サウンド用だ。背面のシリアルから1993年5月製造の個体と推測される。 インプットはHIGHの1を使用。各ツマミの位置は、LOUDNESS1がフル、TREBLE、MIDDLEが共に12時過ぎ、BASSゼロ、PRESENCE1時で、おそらくストラトのハイ・ミッドを意識したセッティングだと思われる。 また、側面には大量のピックが刺さっていた。イングウェイは頻繁にピックを交換するため
MR.BIGのニュー・アルバム『TEN』のリリース(2024年7月12日)が目前に迫る中、ギタマガではポール・ギルバートにインタビューを決行! 『TEN』でのギター・プレイや使用機材について、たっぷりと語ってもらった。その内容は“MR.BIG特集”として近日公開予定なので、お楽しみに! 本記事はそこから少し脱線し、取材時にポールが語ってくれたマキタのドリルについてのトークを抜粋してお届けしよう。 取材・翻訳=トミー・モリー Photo by Tim Mosenfelder/Getty Images ずっと気になっていた質問をさせて下さい! あなたとビリー・シーン(b)が使っている重要な機材に、マキタの電動ドリルがあります。そもそもなぜドリルでギターをプレイをしようと思ったのですか? レーサーXの頃の話なんだけど、バンドの人気が少し出てきて取材を受けるようになると、メディアから速弾きのことば
「天国への階段」を再現するための特注だった! ジミー・ペイジのダブル・ネックEDS-1275 2024-07-03 Legends 1961年の登場以来、世界中で長きにわたり愛され続けているギブソンSG。その逸話や魅力を、ギタリストとの物語をとおしてお届けする“ロックの歴史を作り上げた、伝説のSG特集”。今回は番外編として、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジを象徴するダブル・ネックのSG、EDS-1275を紹介しよう。 文=細川真平 Photo by Ed Perlstein/Redferns この世で最も有名なダブル・ネックのSG ジミー・ペイジが「天国への階段」(「Stairway To Heaven」)をライブで演奏する時に使用したことで有名なダブル・ネック・ギター、ギブソンのEDS-1275。“SGダブル・ネック”とも呼ばれるが、実際にはモデル名に“SG”とは付いていない。なので
ほとんどの曲は、この10個のコードが基本! | ギター作曲100の裏ワザ:020 2024-07-02 ギタリストならではの、目からウロコな作曲法があふれ出す! 文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく *この記事は書籍『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』(2010年/リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。 使っていいコードが覚えにくい場合は? ➡ 「m」は隣と隣に住んでいる ここまでの連載で何となく知ったコードを、頭の中に順番に並べてみてください。これは、Cキーにおいてよく使うコードなので、このまま進行として弾くことに慣れてしまうといいでしょう。 Cコードの隣と隣をチェック! そして、気が付いてほしいのです。Cの隣とその隣が「m」ということに。覚えやすいでしょう? この進行の続きとして、Cに行く前にはGをセブンスのG7にすると、落ち着く
豪快でファンキーな持ち味のアルバート・キング。無骨とも言えるギター・プレイゆえ、ブルース界はもちろんのこと、ロック・フィールドへ与えたインパクトも大きかった。ありきたりのブルースではない、個性的なメロディやリフを持つ曲が多かったことも様々なカバー・バージョンを生んだ要因であろう。時代の流れに沿うようにソウルやファンクへも対応していったが、アルバートのプレイ・スタイルは“頑固一徹”に終始。そんな究極の15曲を堪能あれ! 文=久保木靖 アルバートの“頑固一徹”なプレイが吠える名曲15選 【プレイリスト収録曲】 ①「Let’s Have A Natural Ball」 ②「Don’t Throw Your Love On Me So Strong」 ③「Oh, Pretty Woman」 ④「The Hunter」 ⑤「As The Years Go Passing By」 ⑥「Personal
新世代のシンガー・ソングライター/ギタリスト、崎山蒼志の連載コラム。1人のミュージシャンとして、人間として、日々遭遇する未知を自由に綴っていきます。 月一更新です。 デザイン=MdN これからはリフが、来ます 前回の連載の際に綴った、Burnyのエクスプローラー・タイプ(エルボー・カット)を購入しました! 試奏した晩には購入を決意していました。憧れのエクスプローラーにテンションが上がります。 子どもの頃から父親の影響もあり聴いていたメタリカのジェイムズ・ヘットフィールドが、ESPのエクスプローラー型のモデルを弾いていることでその存在を知って、潔い見た目に子どもながらに心惹かれていました。 そこから10年弱経って、オーストラリアのバンド、キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードがスラッシュ・メタル調のアルバム『Infest The Rats’ Nest』(2019年)を出した時、メンバーの
1961年の登場以来、世界中で長きにわたり愛され続けているギブソンSG。その逸話や魅力を、ギタリストとの物語をとおしてお届けする“ロックの歴史を作り上げた、伝説のSG特集”。第4回は、ブラック・サバスのトニー・アイオミ。彼とギブソンSG&SGタイプの物語をお届けしよう。 文=細川真平 Photo by Ian Dickson/Redferns 偶然手に入れることが出来た左利き用のSGスペシャル ロックの楽曲において、リフの重要性は言うまでもない。リフこそがロックをロックたらしめていると言っても過言ではないほどだ。 だからこそ、ロックの名曲と名リフは切っても切れない関係性があるが、ブラック・サバスの楽曲群は、レッド・ツェッペリンと並ぶほどに名リフの宝庫と言っていいだろう。 リフ・メーカーとしてのジミー・ペイジとトニー・アイオミを大雑把に比較すると、ペイジのリフには躍動感があり、アイオミのリフ
作曲では、コード進行のパターンを多く知ることが有利 | ギター作曲100の裏ワザ:005 2024-06-11 ギタリストならではの、目からウロコな作曲法があふれ出す! 文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく *この記事は書籍『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』(2010年/リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。 コードってたくさん知らないといけない? ➡ 「コード進行」をたくさん知ってた方がいい すべてのメロディには、コードを付けられます。あなたの作った楽曲を人に発表するには、コード進行はほぼ不可欠だと思ってください(コード概念のない曲もありますが)。「コードを全部覚えるの?しんどそう……」と思ったあなた。大丈夫、コードは暗記物ではありません。コードは無数にありますが、それを丸暗記する必要はないのです。必要なのは、コードの持つルールを
1961年の登場以来、世界中で長きにわたり愛され続けているギブソンSG。その逸話や魅力を、ギタリストとの物語をとおしてお届けする“ロックの歴史を作り上げた、伝説のSG特集”。第2回はザ・フーのピート・タウンゼント! 文=細川真平 Photo by David Warner Ellis/Redferns 1968年〜1972年ごろに使用した、ギブソンSGスペシャル 筆者が中学生のとき(昭和50年代頭という古い話で恐縮だが)、ギター雑誌にザ・フーのピート・タウンゼントの紹介が載っていて、そこには“彼がすべてステージで破壊したため、イギリスにはギブソンSGはもう残っていない”と書かれていて、驚きながら感心(?)した覚えがある。もちろん与太話だが(昔のギター誌にはけっこう眉唾物の話が載っていたものだ)、妙に納得させてしまうところがさすがピートだし、かなりの数のSGを(ほかのギターもだが)彼が破壊し
毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今週からアルバート・キングがスタート! まずは、頑固一徹のプレイ・スタイルを貫くこととなる巨人が、先輩格のB.Bキングに照準を合わせるところまでを見てみよう。 文=久保木靖 Photo by David Redfern/Redferns/Getty Images 右利き用ギターをそのままひっくり返して弾く豪快さ 弦が切れればステージでの演奏中でも堂々と張り替える、音が気に入らないとアンプのつまみをすべて最大にする、靴を履き替えるようにバンドのメンバーを入れ替える、ズボンのウエストバンドには45口径のピストルが……とにかく豪快ネタには事欠かないアルバート・キング。 プレイもとにかくシンプルかつダイナミックで、スティーヴィー・レイ・ヴォーンがデヴィッド・ボウイの「Let’s Dance」で見せた
アニメ『ガールズバンドクライ』の河原木桃香を演じる、ギタリスト/声優の夕莉インタビュー【後編】 2024-05-27 Pops Rock 4月から放送のアニメ『ガールズバンドクライ』は、高校を中退した主人公が5人組バンドを結成し、夢を追いかけていく熱い音楽ストーリー。ここでは河原木桃香役として声を演じるギタリスト/声優の夕莉(ゆり)のインタビュー後編をお届けしよう。今回は愛用しているギター本体や足元のエフェクター類の話題と、4月にリリースされたアルバムについて! 取材/文=鈴木健也 写真/イラスト提供=東映アニメーション 夕莉が声を演じる河原木桃香。バンドのリーダー的存在のギタリストだ。/©東映アニメーション ソロじゃなくてもサウンドで主張していたりとか、どの曲にも必ず輝くパートがあると思っています。 3月16日に横浜1000 CLUBで行なったワンマン・ライブ『1st ONE-MAN L
スマホがすっかり生活に浸透した昨今、正確なチューニングでギターを演奏するために欠かせないチューナーも、アプリとしてスマホにインストールできるようになって久しい。ここでは、厳選した3本の「ギタリストが入れておくべきチューナー・スマホアプリ」を紹介しよう。 文=ワタナベダイスケ ゼロから動画で教えてくれる、とにかく初心者に優しいアプリ おなじみのフェンダーによるチューナー・アプリが「Fender Tune」(iOS版)/「Fender Guitar Tuner」(Android版)だ。 ギターで鳴らした音をスマホのマイクで拾ってピッチを表示する「Auto Tuner」と「Pro Tuner」、アプリから各弦開放の音を出す「Manual Tuner」の3モードでチューニングを行なえる。初心者に優しいチューナー・アプリであることはもちろん、周波数が詳細に表示される上級者向けの「Pro Tuner」
2024年5月7日に逝去したスティーヴ・アルビニ。生涯オルタナティブを貫き続けた彼が愛用したギター、アンプ、エフェクターといった機材から、そのオリジナリティの源を探っていく。 文=村田善行 写真=Michael Ochs Archives/Getty Images “かなり偏屈な変人”、というイメージがついて回るスティーヴ・アルビニだが(有名な『恐怖の社会復帰講座』を読めばそう思わざるを得ない)、実際には物静かで、ハードコアで、インテリジェンスな人だったという。攻撃的な発言や、そのエキサイターをかましすぎたようなアウト・オブ・フェイズのギター・サウンドや、紙ヤスリのようなノイズは、1つの側面にすぎない。 猫を愛し、何年もの間クリスマスには貧困世帯への援助を続けていた。……若いバンドマンにも大物ミュージシャンにも同じように対応し、自分が“クソだ”と思う世界には容赦なくツバを吐く。知れば知るほ
“ブルース・ギターの常套句”となったB.B.キングの必殺フレーズ。|連載 ブルース・ギター・ヒーローズ 2024-05-21 Blues Legends 毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今回はB.B.キングが使う定番ギター・フレーズをモチーフにした譜例をご紹介。“ブルース・ギターの常套句”とも呼ばれる、黄金の必殺技をマスターしよう。 文/譜例作成:久保木靖 Photo by Leni Sinclair/Getty Images
アニメ『ガールズバンドクライ』の河原木桃香を演じる、ギタリスト/声優の夕莉インタビュー【前編】 2024-05-20 Pops Rock 4月から放送のアニメ『ガールズバンドクライ』は、高校を中退した主人公が5人組バンドを結成し、夢を追いかけていく熱い音楽ストーリーだ。その作中で、主人公にバンドを始めるきっかけを与えた重要キャラクターが、ギタリストの河原木桃香である。ここでは、河原木桃香役として声を演じるギタリスト/声優の夕莉(ゆり)に、ギターを始めたきっかけや『ガールズバンドクライ』プロジェクトに参加した経緯などを語ってもらった。 取材/文=鈴木健也 写真/イラスト提供=東映アニメーション 部活ではギターを全然弾けなかったので、1人で“弾いてみた動画”を始めて、ネットに上げていました。 まずはギターを始めたきっかけを教えていただけますか? 夕莉 中学3年生の時に高校をどこにするか進路で悩
2024年5月7日、スティーヴ・アルビニが心臓発作により、61歳という若さでこの世を去った。10年ぶりとなるシェラックの新作『To All Trains』のリリースを翌週に控えており、バンドはツアーの準備をしていたという中での悲しいニュースだった。彼はギタリストとして唯一のスタイルを打ち出していただけではなく、レコーディング・エンジニアとしてニルヴァーナの『In Utero』やピクシーズ『Sufer Rosa』なども手がけ、USオルタナティブ・ロックの土台を築き上げた偉人である。本記事では、彼が生涯貫き通した揺るぎのないオルタナティブな哲学を紹介する。 文=村田善行 写真=Paul Natkin/Getty Images 繊細な部屋鳴りまでも収める 優れたレコーディング・エンジニア スティーヴ・アルビニのことを知らなくても、90年代初頭あたりのアメリカン・アンダーグラウンド・ロックを聴いて
「いとしのレイラ」を奏でた、エリック・クラプトンの1956年製ストラトキャスター“ブラウニー” 2024-04-03 Blues Legends Rock エリック・クラプトンとストラトキャスターとの蜜月の関係──その始まりとも言える1本が、2トーン・サンバーストの1956年製ストラトキャスター=“ブラウニー”だ。初のソロ・アルバムやデレク&ザ・ドミノスの不朽の名盤『いとしのレイラ』を彩った伝説のギターについて、その詳細をじっくりと見ていこう。 文=細川真平 Photo by Koh Hasebe/Getty Images エリック・クラプトンを魅了した“ソフトV”ネック エリック・クラプトンは、1967年5月7日にロンドンの楽器店、サウンド・シティ(Sound City)で56年製のサンバースト・フィニッシュ/メイプル・ワンピース・ネック指板のストラトキャスターを400ドルで購入する(イ
若き超絶ギタリスト=森 大翔が語る、ギターの楽しさを詰め込んだ1st作『69 Jewel Beetle』 2023-07-14 Pops Progressive Rock ポリフィアやCHON、Ichika Nitoやマテウス・アサトなど、新世代のテクニカル・ギタリストたちに影響を受けた森 大翔。10代にして世界レベルのテクニックを身につけた彼が、その技術やセンスを存分に発揮しながらも見事に“ポップス”へと昇華させた1stアルバム、『69 Jewel Beetle』を完成させた。今回は、その会心の作品で聴けるギターについて、森にたっぷりと語ってもらおう。 インタビュー=福崎敬太 写真=瀬能啓太 故郷を思い出しながらギターを弾く時間を確保しているんです デビュー・アルバム『69 Jewel Beetle』は歌モノのポップスとしてはかなりギター度が高い、我々としては大歓迎な1枚です。ギタリスト
ギブソンが“セオドア・スタンダード”を発売 テッド・マッカーティ考案のギターをレギュラー・ラインで製品化 2024-03-29 ギブソンより新製品“セオドア・スタンダード”(Theodore Standard)が発売された。 セオドア・スタンダード。中央の3本が完成品で、両側は塗装前のもの。 本モデルは、ギブソンの伝説的な元社長であるテッド・マッカーティが1957年にスケッチしたデザインを、現代の技術によって製品化したギターだ。 そのコンセプトは、2022年3月に限定モデルとして発売され、完売したギブソン・カスタムショップの“セオドア”と同様だが、今回の“セオドア・スタンダード”はギブソンUSA製で、なおかつレギュラー・ラインでの製品となる。 ちなみにスケッチが描かれた1957年の翌年には、ギブソンからフライングV、エクスプローラー、ES-335などの有名なモデルが発売されている。 では、
エリック・クラプトンにとって、フェンダー・ストラトキャスターとはどんな存在なのか 2024-03-26 Blues Legends Rock キャリアの初期には様々なギブソン・ギターを愛用したエリック・クラプトンだが、ソロ転向後の彼のそばには常にストラトキャスターがあった。今回はエリックがストラトキャスターを相棒として選んだ理由や、その切っても切り離せない関係性について深く考えてみたい。 文=細川真平 Photo by Ian Gavan/Getty Images なぜ初期にストラトキャスターを選ばなかったのか エリック・クラプトンは、ブルース・ブレイカーズ時代(1965〜66年)にギブソン・レス・ポール・スタンダードを使用し、ロック・ギター・サウンドの基礎を作り上げた。そして、その後のクリーム(1966〜68年)では、レス・ポール・スタンダード/カスタム以外にも、SGやES-335やファ
「こんな練習方法や考え方があったのか!」……読むだけで上達する魔法のギター講座 文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく *この記事は書籍『ギター上達100の裏ワザ 知ってトクする効果的な練習法&ヒント集』(リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。 小さな円、大きな円 音楽で最も大切なことはテンポとリズム、つまり時間です。時間は、譜面や図版で表わすには横に表示しますが、演奏時には、頭で“円”をイメージしましょう。小さなリズムの円をくり返すと共に、大きなリズムの円を回転させます。これが連動して、同時に回転しているわけです。ここにヒントがあります。 例を出すと“16ビートをプレイする際には1小節ごとの大きな円を意識する”、“4拍子をプレイするには16分音符の小さな円を意識する”ということです。簡単に言えば、小さな円と大きな円を同時に感じる、もしくは、プレイに対比する円を意識すれば
a flood of circleの新作『花降る空に不滅の歌を』に見る、 佐々木亮介&アオキテツの洗練されたロック・ギター哲学 2023-03-27 Rock Rock 'n' Roll 2006年の結成以来、無骨でストレートに響くロック・サウンドを武器に、精力的な活動を続ける実力派ロック・バンド、a flood of circle(AFOC)。彼らが最新アルバム『花降る空に不滅の歌を』を完成させた。フロントマンである佐々木亮介(vo,g)が、“歌っている人の唾が飛んできそうな生々しい作品にしたかった”と語るように、バンドマンとして死ぬまで音楽をやり続けていくという決意が込められた歌詞の世界観を、表情豊かなロック・サウンドで彩った快作に仕上がっている。注目の最新作について、佐々木とアオキテツ(g)に制作をふり返ってもらった。 取材・文:尾藤雅哉(ソウ・スウィート・パブリッシング) アルバム
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