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今では「社会主義がだめだ」というのは常識だが、つい20年ほど前までは、世界の人口の半分近くを社会主義国が占め、日本でも「社会党」が野党第一党だった。「資本主義から社会主義に移行するのが歴史の必然だ」と信じる人がかなりいて、朝日新聞などは中国の文化大革命を賞賛していた。 特に知識人の世界では、こういう「進歩派」が多数を占めていた。それは欧米でも同じで、共産党の勢力はそれほど大きくなかったが、社会民主主義は広く支持を受けていた。1930年代には、資本主義の世界が大恐慌に沈む一方、ロシアは順調に成長を続けているように見えた。だから今ではとても想像がつかないが、そのころ社会主義を批判するのは非常に勇気のいることだった。 戦前の日本では、共産党が軍国主義に抵抗する勢力として(ごく少数ではあるが)最後まで残ったため、戦後その権威は高かった。ハイエクどころか、ワルラスもメンガーも「近代経済学」という特殊
「構造改革は清算主義だ」という類の話が、よくリフレ派から出てくる。これはフーバーの回顧録(1952)にある、メロン財務長官の次のような言葉が根拠だ: First was the “leave it alone liquidationists” headed by Secretary of the Treasury Mellon, who felt that government must keep its hands off and let the slump liquidate itself. Mr. Mellon had only one formula: “Liquidate labor, liquidate stocks, liquidate the farmers, liquidate real estate.”しかし、これを裏づける1次資料はない。それどころかメロンは、次のよう
『なぜ世界は不況に陥ったのか』 エグゼクティブ・サマリー 池尾和人 第 1 講では、 サブプライムローン問題から全般的な信用危機へと今回の金融危機が深化し、 拡大していったプロセスをたどります。ただし、多くの読者にとって既知となっているよ うな事実関係について詳細に述べることは省略して、何が本質的なポイントであるかにつ いてもっぱら論じることにしています。 問題の発端となったサブプライムローン問題については、2 つの点を押さえる必要があり ます。 1 つは、 住宅バブルが発生して崩壊したという点で、 この点に関しては、 われわれがか つて日本で経験したことと共通しています。 しかし、 もう 1 つ、 そのバブルの生成と崩壊が どのような金融システムの下で起こったのかという点を押さえておかなければなりませ ん。 日本の場合には、 伝統的な銀行中心の間接金融体制の下で問題が起きました。 これに
ウィーンの中心部、ケルントナー通りをオペラ座からシュテファン寺院に向かって歩くと、まるで一八世紀で時が止まったままのような印象を受ける。街全体が博物館の展示物のように古く重苦しく、人を威圧する。建物は老朽化して使いにくく、人々は遺跡のような街で、歴史の重みにあえぎながら暮らしているようにみえる。それが本当に中世に建てられた建物なのか、それとも昔の様式を模して新たに建てられたのかはわからないが、街全体に変わるまいという意志が感じられる。それはウィーンのもっともよき時代が、遠く過ぎ去ったことを人々が知っているからだろう。 道端では大道芸人が芸をし、若いミュージシャンがモーツァルトを演奏している。ここは何といっても、モーツァルトの街なのだ。彼の音楽は、ほとんどバックグラウンド・ミュージックのように、いつもウィーンのどこかで聞こえている。彼は、この街のもっとも華やかだった時代の記憶でもある。 ウィ
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