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GWの過ごし方
keizai-dousureba.hatenablog.jp
成長には設備投資が必要で、設備投資の決定的要因は、技術や資金ではなくて、売れるかどうかである。売れるには、可処分所得が伸びている必要があるので、成長には成長が必要という循環論法に陥る。こうした経済学者が看過しているショウモナイ現実が産業政策や成長戦略のネックなのだ。高市首相は、成長のスイッチを押しまくるらしいが、たぶん、何がスイッチなのかは分かっていない。 ……… ルネサスが先端半導体の開発を断念したのは、国内の需要が見込めなかったからである。こうして、日本は国際競争から脱落した。おそらく、そこで必要な産業政策は、技術や資金ではなく、市場の提供だったろう。リスクマネーを提供していたら、多大な損失になっていたはずだ。官は技術や資金の支援は得意でも、売上を保障することができない。 リージョナルジェットでは、日本は挫折し、中国は成功した。失敗の直接の原因は、米国の型式証明を取れなかったことだが、
1-3月期のGDPは、年率2.0%超になりそうだね。これだけ景気のベースが強いと、イラン戦争の影響も、供給制約に陥らず、原油価格が上がるだけなら、挫折せずに済むだろう。第二次オイルショックで成長が墜落しなかったのは、早くに金融を引き締めた一方で、それまで財政で景気を持ち上げて来ていた余熱があったからだ。むろん、財政金融の適切な舵取りはしなければならず、受けと面子で的外れなことをやりそうで、こちらの方が心配だ。 ……… 1-3月期は、鉱工業生産が前期比+2.5、第3次産業活動指数の1,2月平均が前期比+1.3で、日銀実質輸出入が輸出+3.5と輸入+1.1だから、高めの成長になるのは当然だ。ただし、肝心の消費が良いわけではなく、CTIマクロからすると、実質で前期比+0.2といったところだ。商業動態・小売業の前期比は+1.8もあるが、物価を勘案すると、3期前の水準に戻したくらいにとどまる。 設備
国民会議で、消費減税なら半年でできて、給付控除が2年かかると聞かされると、またもや的外れな負担減が実行されるのかと、暗い気持ちになる。労使のような理屈のわかる国民がまったく望まないことが実行されるのは、これが受けるだろうという政治家の愚民観によるものだろう。貧民の歓心を買うポピュリズムとは似て非なるものだ。出生数の急低下で危機的な状況なのに、手詰まりにしてしまった「独身税」の二の舞になるのかね。 ……… 2月の人口動態速報の出生は、前年同月比-0.4%で下げ止まりを見せている。いかんせん、合計特殊出生率が1.13人の低レベルでは、年金財政へのテコ入れが必要な危機的な状況だ。そうかと言って「独身税」の不評ぶりでは、打ち手が限られる。「育児休業給付がなくて、どうして非正規の女性が子供を持てるのか」という矛盾の解消を狙ったのに、「独身税」という負担のみの残骸にしたことが、返すがえすも悔やまれる。
国民会議では、負担と給付のそもそも論のような説明が事務方からなされているが、事の本質である日本の社会保険料に課税最低限がないことは慎重に避けられている。社会保険料が軽減の対象になると世間に知れたら、減税ポピュリズムで、どんな酷い扱いになるかも知れないから、分からないでもない。ただ、会議メンバーには理解してもらわないと、的外れな制度設計になってしまう。 ……… 「専業主婦は保険料を払わないのに年金をもらえるのはズルい、それで就業が抑制されるのはマズい」というのは、よくある批判だ。実は、この問題は、社会保険料に課税最低限がないために生じている。専業主婦を優遇するとかしないとかの問題ではない。専業主婦は、個人単位で見れば、無収入者である。夫が養っているにせよ、収入は世帯単位でしか生じていない。無収入者の扱いの問題なのである。 他方、一般的な無収入者の国民年金は、保険料が全免になり、給付は半分にな
10-12月期の家計GDPは、名目の可処分所得が前期比+0.94%だった。雇用者報酬の寄与度+0.92とほぼ同じだが、公的な負担が-0.38で、給付の+0.52が打ち消した結果である。すなわち、名目成長の下で、税や保険料が自然にかさんでおり、負担減や給付増の政策を打たないと、家計を締めて消費を抑制する構造にあるということである。物価対策の評判は良くないが、バランスを保つために必要なものになっている。 2025年で可処分所得を見ると、雇用者報酬の寄与度が+3.74、財産所得が+1.60もあるのに、公的な負担が-2.37、給付が-0.12となっているため、可処分所得の伸びは半分の+2.54にとどまっている。その結果、物価上昇を加味した実質の可処分所得が-0.4とマイナスに沈むことになった。こうした状況が「手取りを増やしてほしい、現役世代の負担を軽減してほしい」という世論につながっていると思われ
10-12月期の資金循環では、資金過不足の4四半期移動合計の名目GDP比は、補正予算が前年より大きかったせいか、一般政府が-0.7%と、前期比では少し赤字が拡大したものの、2025年の前年比は0.8%の改善と、順調に財政再建が進んだ。注目すべきは、社会保障の改善ぶりで、2年連続で前年比0.5%の改善となり、黒字はGDP比で1.6%、10.6兆円まで膨らんだ。現実の経済は、貯蓄するほど投資されるように都合良くなっておらず、家計を苦しめるだけでなく、消費や成長を抑制するように働くから、喜んでばかりはいられない。 (図) ……… この国には、社会保険ならいくら緊縮しても良いという変な常識がある。将来の年金給付に備えたいのだろうが、札束を金庫に入れとけば済むミクロの貯蓄とは違い、マクロの貯蓄は、設備投資に結びつけないと、価値の維持という本当の意味の貯蓄にならない。設備投資の増強は、鉦や太鼓で促進し
トランプ関税をこなして、景気は上向いていたのに、イランへのトランプ開戦で、またブレーキと、振り回されっぱなしだ。原油高と円安でインフレ圧力がかかると、ますます消費減税は危険なものになる。それなのに、政府予算案を国民党の賛成を取らずに衆院を通過させたのは、給付つき税額控除の早期導入はせず、消費減税を見送らないことにつながる。高市首相は、やっぱり直観で走っちゃう人なのかね。 ……… 10-12月期GDP2次速報は、実質前期比+0.3%、年率1.3%への上方修正だった。消費は、7-9月期の前期比+0.5%に続き、10-12月期が+0.3%となり、設備投資は、7-9月期の-0.0%から+1.3%に伸長しているので、十分な成果と言えるだろう。鉱工業生産も、7-9月期の停滞から10-12月期の+0.8へと抜けており、トランプ関税に揺さぶられはしたものの、何とかこなした形になっている。 既に1,2月の指
国民会議に国民党が参加することになり、ようやく、社会保険料軽減への道が開かれた。しかし、国民党案は、ただの定額給付であり、「年収の壁」を撤去する型になっていない。ここが国民の過酷な痛みを除く「本丸」である。それなのに、国民党はおろか、勤労者の利益を代表する連合すら、ぼんやりとしている。いや、日経や学者も解像度が足りない。国民が救われるかは、今度こそ、的を外さず、本丸に突入できるかにかかっている。 ……… 国民党が一連の選挙で躍進できたのは、手取りを増やすと称し、所得控除の引上げを訴えたことだった。一定の所得までは税を課さない所得控除は、最低限の生活費には食い込ませないための工夫であり、インフレによって、実質的に課税最低限が下がったため、国民には強い痛みが生じていた。ここを衝いたから、勝利できたわけで、所得税と住民税の課税最低限の引き上げは実現した。 しかし、国民には、まだ痛みが残っていた。
ドカ貧になるのが分かっていながら、対米開戦に踏み切ってしまったのは、ジリ貧からの脱出路を示せなかったからである。消費減税という愚行を避けるには、社会保険料還付方式の給付つき税額控除に乗り換えるしかない。土曜の日経社説は、まったく甘く、社会の木鐸の役割を果たしていない。国民党の政策を支持するみたいな形になるが、不偏不党を超えて、良いものは良いとする論説が必要である。 ……… 12月の人口動態速報が公表され、2025年の出生は70.6万人と判明した。おそらく、合計特殊出生率は1.135人程だろう。減少速度は下がったが、将来人口推計の低位に近く、次の年金財政検証では、所得代替率が50%を切り、負担増を求めざるを得なくなる。保険料率アップなんて、とてもできないから、社会保険の適用拡大で対応するしかあるまい。そして、それには、対象になる低所得層の保険料軽減が欠かせない。 今回の消費減税騒動からの脱出
低所得者への重い社会保険料は、就労や結婚を抑圧する歪みを生んでいる。すなわち、給付つき税額控除によって軽減すれば、経済を成長させ、財政や社会保障を改善することにもなる。ここが他の負担軽減策とは決定的に異なる。まして、物価高、金利高、円安を呼び込みかねない食料品消費減税とは、比較にならない。「消費減税はやめ、保険料を下げるべし」という国民党の玉木代表の主張は正鵠を得たものだ。 ……… 所得控除のない社会保険料は、130万円を超えると、いきなり130万円全体に保険料がかかってくる。これが「年収の壁」だ。給付つき税額控除を使って、130万円までの本人負担分をゼロにし、130万円を超える部分について徐々に保険料をかける形にすると、壁はスロープになり、給料が増えたのに手取りが減る逆転現象がなくなる。こうしてパートの就労への抑圧が消え、経済は成長することになる。 パートと正規の「壁」がなくなると、勤労
貧乏人から税を取り立てるのは禁忌である。生活権を侵害し、経済行動に歪みを生じさせるからだ。所得税が所得控除を設けて一定以下の所得には税を課さないようにしているのは、それを体現している。そして、この禁忌を犯しているのが、消費税と社会保険料であり、これを是正する手段が給付つき税額控除になる。高市政権の国民会議において、給付でも税でもないのに、保険料の軽減が正解になるのは、そのためである。 禁忌の痛みは、インフレ時に強くなるので、国民が食料品消費減税や手取り増に惹かれるのは当然である。問題は、政治や行政が本質を見抜けず、周辺をさまよっていることだ。岸田政権が給付つき税額控除に似た定額減税をしたのに、あっさり止めたり、問題の少ない所得税の控除引き上げに熱中したり、消費減税の競争に走ったりである。今度こそ、理解の難しさを乗り越えて、格差是正という「本丸」を衝かなければ、救われない。 ……… 給付つき
12月の鉱工業生産は、前月比-0.1で、10-12月期は前期比+0.8と、まずまずの結果だった。ただし、一進一退の資本財によるもので、建設財や消費財は低調である。1月の予測は高いが、このまま順調に伸びていくかは、分からない。12月の労働力調査では、10-12月期の前期比が+25万人となり、2期続いた低調ぶりから抜け出した。1月の消費者態度は、雇用環境の改善もあって、前月比+0.7となっている。 消費は、12月のCTIマクロが実質前月比が-0.2となり、10-12月期の前期比は-0.3だった。名目は+0.6と前期と同じ伸びだったので、高めの物価上昇が響いた形だ。日銀・消費活動指数も、実質が前期比-0.2、名目が+0.3と同傾向である。名目はなんとか保っているものの、実質が弱く、消費減税のような度外れたものは論外にせよ、可処分所得を強化するための負担減は必要なところである。 (図) ……… 総
12月の労働力調査は、雇用者が前月比-5万人で、2025年の平均は6,185万人となり、前年比+62万人だった。増加数は、前年より14万人多く、女性が49万人と8割を占める。他方、2025年の外国人労働者は、前年比+27万人の257万人で、医療福祉が26%増の15万人、建設業が17%増の21万人だった。外国人労働者は、雇用者の4割超の規模で増えており、人手不足を踏まえれば、いまや、経済成長に欠かせない存在と言えよう。 また、2025年の出生数は70万人程だから、外国人労働者の増加は、合計特殊出生率1.13人を一気に1.55人に引き上げるくらいのインパクトがある。急速な人口減で日本経済は衰退するという見立ての修正を迫るものだ。もっとも、外国人労働者の制限とか、消費減税をやって結婚難の低所得者の負担減を疎かにするとか、選挙の人気集めに使われているから、衰退に変わりはないのかもしれない。 (図)
積極財政派も、財政再建派も、とにかく、実態を見ずに印象だけで主張する。精神論ばかりで現実味に欠けるのが、この国の特徴だ。そもそも、合理性にかんがみれば、日本の財政の選択の余地は限られるので、実態を見ていたら、議論にもならない。経済は、政策で良くするのは難しいが、悪くするのは際限がない。選挙での減税競争を見るにつけ、停滞から破綻へと「日本化」から「南米化」するのかなと思ったりもする。 ……… 1/23に中長期の経済財政の冬の試算が出たので、その図を見れば分かるように、アベノミクスとコロナ後は、急速に財政赤字が改善しているから、高市首相が「行き過ぎた緊縮財政を変える」と言うのは、アベノミクスの否定になるにせよ、間違っているとまでは言えない。しかし、変える先が消費減税というのは、安倍首相が苦労して築いた財政と社会保障の土台をも壊すことになってしまう。 現下の財政の課題は、インフレで地方や社保を含
12月の消費者物価は前月比-0.1だった。2025年は、冬場の上昇率の高まりから年の後半に落ち着いてきたという展開だった。特に、農畜産物の落ち着きぶりが目立つ。それなのに、これから、食料品の消費減税をやろうというのだから、ズレている。食料品は、価格が需給に敏感に反応するので、便乗値上げは、防ぎようがないどころか、見わけもつかない。人気の愚策の典型だ。愚かぶりを競う選挙になっているのは、やるせない。 それに、財源に政府基金を使うのというのも、筋が悪い。結局、年金の流用になるのではないか。減税で社会保障を削るなんて、新自由主義的で、庶民や労働者の代表が主張するものとは思えない。右派の高市首相が消費減税が悲願と言うのは分からなくはないけれど。年金を使うなら、年金の前払いとして非正規の育児休業給付に使えば良い。出生率が上がるから、経済合理性がある。そう、良策は分かり難いということだ。 (図) (今
減税ポピュリズムが猖獗を極め、つくづく、この国もダメになったと思う。けれども、国民がさもしくなったからではあるまい。家計GDPで分かるように、収入は増えても負担が重いという実感から来るものだろう。国民党の躍進は、消費減税より手取りを増やすだったことを思い起こしてほしい。すなわち、政府が経済的に適切な再分配の政策を打ち出せていないので、変な方向に行っている側面があるのだ。 ……… 7-9月期の家計GDPでは、可処分所得の名目前期比が+0.3%で、所得・報酬の寄与度は+0.9%だったから、公的負担で目減りしているわけである。定額減税で逆のときがあっても、目減りのときは実に多い。一般政府の財政赤字を示す資金過不足で見ても急速に改善していて、円安による物価高もあり、何でもいいから負担を軽くしてくれと願うのは、おかしなものではない。問題は、適切な方法を示せない政府の愚鈍さである。 岸田政権は、増税メ
食品の消費減税をしたが、物価は下がらなかった。こうなるのは、インフレの下では、便乗値上げが起こるからだ。経済政策の怖さは、意図と異なる結果が現れることである。本当に低所得層を助けたいなら、まじめに給付つき税額控除に取り組み、社会保険料の軽減を成し遂げるべきだ。日本の政治家は、こんなことも分からないのか。いや、分かっている。経済がどうなろうと、選挙に勝てれば良いと思っているだけだ。もはや、大衆迎合ですらなく、蒙昧への迎合になっているのである。 ……… 消費減税への第一の批判は、財政を危うくするというものだ。大型の補正予算を組むような一時的なものではないし、予算を付けないより税率を戻すのは難しいので、財政の信用に対する打撃は大きい。しかも、消費減税をすれば、需要増で物価に上昇圧力がかかるのは目に見えているから、すぐに円安や金利高に影響が及ぶ。これは、なかなか厄介である。今のファンダメンタルズか
11月のCTIマクロは、名目が前月比+0.4と好調だった。7-9月期に大きく減速したものの、10-12月期は、そこから少し加速している。GDPに従って改定されたようで、7-9月期の停滞が緩和された形に変わった。現下の景気の焦点は、売上を失速させないことである。これが設備投資や賃上げにつながっている。消費活動指数やソフト指標には停滞が強く出ており、金利上昇を気にして緊縮を望む局面にはない。 ……… 経済には、売れると思うから生産力を増強し、それで所得が生まれるから売れるという、予言の自己成就の要素がある。まったくもって不合理ではあるが、現実を否認したところでしかたがない。今の景気は、コロナの制約を免れて、売上が急増したことを起点とし、名目の成長が加速したものだ。この勢いを弱めないようにしながら、実質化を図っていくのが経済政策の課題であり、それには安定的な財政が求められる。 高市政権は緩い緊縮
リフレで成長とか、財政出動で景気回復とかいうのは、体重を増やせば相撲に勝てるみたいなもので、方向は間違っていないが、粗すぎて、まともに役立たないどころか、膝腰を痛めるような弊害を起こしがちだ。しかも、これらの論者は、問題を指摘されると、根本まで否定されたと感じるらしく、聞く耳を持たないのも特徴である。経済政策の戦略でも、神は細部に宿るのである。 ……… デフレ時代の財政の戦略の誤りは、輸出で景気が回復しかけたところで、補正予算を一気に切ったり、税・負担増をしたりで、急激な緊縮を行い、成長、とりわけ、円安で弱まる消費にブレーキをかけてきたことだ。すなわち、採るべき財政の戦略は、緩やかな撤退を図ることである。コロナ後は、たまたまであるが、従来の拙い戦略に陥らずに済んでいて、高市政権の財政も、その範囲にある。 安倍政権がリフレで上手く行ったのは、円高を是正して輸出を回復させたからで、賃金や消費が
11月の商業動態・小売業は、前月比+0.7ではあるが、1-3月期の水準を超えていない。つまり、この1年、ぜんぜん伸びなかったということだ。他方、CPI財は、+2.3程なので、実質では減っている。第3次産業活動指数は順調だから、サービスが伸びてはいるが、売上の伸びは賃金や成長のカギなので、心配なところだ。こういう停滞感の下で、物価高であっても、高市政権が、石破政権のきつい緊縮から、緩い緊縮に改めたのは妥当であろう。 11月の鉱工業生産は、前月比-2.7ながら、9,10月の高さが効いて、10-12月期はプラスを確保しそうだ。今年は8月までは横ばい状況で、秋に盛り上がったものの、後で戻らないかが焦点になる。これは、トランプ関税の影響で秋に輸出が伸びたことが背景で、これが続くかどうかである。財別で見るとと、資本財は強め、消費財は停滞、建設財は底入れといったところだ。むろん、物価高でも生産に過熱感は
「無責任な積極財政で金利が上昇」と散々に煽られてきたが、2026年度予算を開けてみれば、基礎的財政収支を2.1兆円も改善して、1.3兆円の黒字となり、めでたく財政再建に到達である。金利上昇と円安は、門間一夫さんが12/3のロイターに書いているとおり、財政でなく金融政策に起因するものだ。財政赤字は危険のバカの一つ覚えでは、安定的なマクロ経済の運営はできない。 ……… 再建到達の理由は、税収が前年度比5.9兆円(+7.6%)も伸び、一般歳出が2.0兆円増(+3.0%)に止まるからだ。減税で大穴を空けたり、歳出でバラ撒いたりは、しなかったわけである。むろん、補正予算の段階で基礎収支は赤字に戻るだろうが、本予算と同様、前年度より収支が改善されるなら、十分ではないか。高圧経済論者のナイーブな主張を真に受け、大幅に悪化させる予想を立てるのは、逆に不自然だろう。 むしろ、視野を広げるなら、財政再建は、も
10月の人口動態速報では、出生が前年同月比-0.4%と、前月に続き、下げ止まり傾向が見られた。2025年の合計特殊出生率は1.13人くらいになるだろう。前年の1.15人からは-0.02差で、コロナ後の毎年-0.05も減るトレンドからようやく脱することになる。出生の先行指数である婚姻は、過去1年の前年同月比が+4.1%まで回復した。やや出来過ぎだが、少し先になるけれど、出生が底打ちする可能性が高まっている。 最悪を脱しつつあるせいなのか、少子化対策への意欲は薄れつつある。大きな効果の期待される低所得層の社会保険料軽減や非正規への育児休業給付は、所得税減税が実現したことによって、むしろ、遠のいた感がある。給付つき税額控除は、社会保険料軽減という正解にたどり着けるか、心もとない。ポピュリズムでバラマキはできるのに、肝心なところに行かない。ポピュリズムでさえ、低所得層には優しくない。では、メリーク
7-9月期資金循環では、財政赤字を示す一般政府の資金過不足が、4四半期移動合計の名目GDP比で、-0.5%まで縮んだ。このトレンドだと、新年度には財政黒字に達することになる。すなわち、石破政権下で財政再建がほぼ完了し、高市政権の積極財政は、黒字を拡げないような位置づけになる。緊縮を無用にしただけで、インフレだ、高金利だ、財政破綻だと騒ぐのは、大仰に過ぎる。経済を方向性だけで語るのはナンセンスだ。 ……… 財政再建がほぼ完了しているのに、そう思えないのは、「国」の財政赤字はGDP比で-2.2%もあるからだ。他方、地方が+0.4%、社会保障が+1.2%もの黒字になっていて、差し引きが-0.5%になる。地方は健全で、社会保障が雇用増と賃上げで潤っているという認識が欠けている。そうでなければ、わずかとはいえ協会けんぽが保険料率を下げたりはしない。全体像を見ないという、日本のいつもの悪癖が発揮されて
10月のCTIマクロは、名目が前月比+0.3と7か月ぶりの高い伸びだった。4~9月に伸びが弱まっていたので、ここから戻せるのか、意外に重要な局面にある。実質が-0.3と、物価高の強い影響と併せて注目されるところだ。こういう状況を受けて、財政・金融政策はどうあるべきか、現実的に考えなければならない。どうも、財政・金融政策は、理論闘争に走りかちで、地に足がついていないように思える。 ……… 財政再建は何のためにやっているかというと、長期金利が跳ねないようにするためだ。財政破綻の前に、これが来るわけだし、クリントン政権の初めのように、財政再建に取り組むことで長期金利を低下させ、成長を加速させたこともあり、欧州危機の際のイタリアのように、基礎収支が悪くなくても、国債金利の高まりで行き詰まることもある。高市政権は、若干ながら基礎収支を前年度より改善したのに、「無責任」と叩かれるのは、長期金利の高まり
2025年度予算の補正が決まり、前年度の補正後と比較すると、基礎収支の赤字は4.1兆円の改善であった。すなわち、若干の緊縮財政が行われ、緩やかながら財政再建は進んでいるわけだ。どうして、これで財政破綻の危険だの、インフレの加速だのと叫ばれなければならないのか。雰囲気で議論するのではなく、中身を測って議論したいものだ。積極財政派の主張の粗さが雰囲気を悪くしてもいるけどね。 ……… 10月の商業動態・小売業は、前月比+1.8と伸びたが、夏場の低下で、今年前半の水準にも達していない。GDPの消費は、サービスで支えられていて、モノほど悪くはないが、2024年の勢いは失われている。こうして見ると、イシバノミクスで定額減税をやめたのは拙かったと思えてくる。物価高での財政出動は間違いという人も多いが、現実は、緊縮でブレーキをかけるのに成功していたのであり、補正は、それを戻すような位置づけになる。 10月
経済対策の顛末をめぐる日経の報道が本当なら、高市首相・片山財相のコンビは、なかなかやるね。ポイントは、積み上げるためのタマ(施策)を自分で探し、どこまでならインフレにならないかを意識しつつ、国債の新規発行ラインを24年度の発行総額を下回る形にしたところだ。基本ができていて、バラマキのインフレ加速で円安・債券安と囃すエコノミストよりは、ずっと賢いと思うよ。 ……… バラマキで困るのは、長期金利が跳ねてしまうことだが、補正予算の規模が大きくなることと、国債発行が多くなることは、必ずしもリンクしない。税収・税外収入や不要が増えていたり、特別会計とのやり繰りなどで、小さく済むことがあるからだ。そうなれば、国債の需給が引き締まって長期金利が高騰するわけもなく、経済対策を材料にした目先の金利上昇も思惑に過ぎなくなる。それで儲ける高等戦術もあるとは思うが。 補正予算の評価が難しいのは、どれだけ実物や資金
昔、経済対策で全生徒にパソコンを配ってはどうかという愚策があった。そんな一気の供給力はないし、需要の急増と急減で産業を壊しかねない。馬鹿な思いつきだけど、安全保障の投資でAIを構築するとして、GPU半導体は確保できるものなのか。このように、補正予算で規模を膨らますのは簡単でも、予算執行のフィージビリティも考えないと、ここ数年のように予算を使い切れずに多額の繰越を出し、空回りするはめになる。 ……… 高市首相が電気・ガス代補助を深堀りすると答弁したとき、妙に感じた。世間的な盛り上がりが薄いのに、なぜなのか。おそらく、補正予算を膨らますにあたって、予算の積み先に困っているのだろう。経済対策で給付金を積み上げるのなら、執行上も可能だが、今年は、やらないことになった。代わりを探すのは、規模からいって容易ではない。実務を担ぐ役所の苦労がしのばれる。 補正予算というと公共事業が定番だが、今は建設会社も
高市首相は基礎収支の黒字化を数年単位で判断すると言うし、諮問会議のメンバーも変わるしで、財政管理の方法は変化するようだ。従来の欠点は、黒字化の年限を切ったことで無理な緊縮が求められること、税収の見積もりが過少なこと、社会保険が度外視されて全体的管理が欠如していたことの三つである。どれも財政による安定的な需要管理を阻害するものだった。 ……… 日本の財政が拙いのは、景気が上向いたときに、一気に補正予算を切って成長にブレーキをかけていたことだ。財政再建を焦る気持ちは分かるが、徐々にやらなければならない。岸田政権の定額減税は成長を支えたのに、石破政権はあっさりやめて、消費の不調を招いている。高市政権も定額給付を切るのは良いが、ガソリン減税がその代わりになるのかは、よく考えなければならない。 財政による安定的な需要管理が重要なのは、設備投資は需要を見ながらなされるからである。せっかく、投資して生産
株高、円安でスタートしたサナエノミクスだが、売上は落ちるし、輸出は減るしで、散々な状況だ。11/17に公表される7-9月期GDPは、6四半期ぶりのマイナス成長が予想され、景気は悪化している。目指すべきは、売上の拡大を図りつつ、物価を落ち着かせることだ。それには、可処分所得を増やし、円安を是正する必要がある。サナエノミクスの経済政策は、これからスタートするにせよ、不十分さが感じられる。 ……… 9月の商業動態・小売業は前月比+0.3だったが、7,8月の落ち込みが響いて7-9月期は-1.9と大きな低下となった。前期のほぼ横ばいから今期は低下へと転じた。CPIの財の物価上昇は前期比+0.5と緩んでいるのに、着いて行けなくなっている。飲食料品の推移が典型で、前期-0.2、今期-0.8である。また、今期、燃料が前期比-6.2と低下したのは仕方がないにしても、自動車も-3.8に落ちており、輸出に加え、
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