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Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール 生成AIは文章を作る道具から、業務そのものを動かす道具へと変わりつつある。AIエージェントとして注目を集める「Claude Code」で何ができるのか。そして業務に取り入れる際には、何に気を付けるべきなのか。 AIが自ら状況を判断し、考えながら作業を進める「AIエージェント」。その一つが、Anthropicの「Claude Code」だ。「Claude」を利用した経験はあっても、Claude Codeまで使ったことがある人は、まだそう多くないかもしれない。 本稿では、「Claude Codeを使ってみたいものの、始め方や何から試せばよいのか分からない」という人に向けて、その基本を分かりやすく解説する。大阪でシステム開発やDX支援を手掛けるHELATH(ヘラス)の代表取締役・三谷憩氏の講演を基に、Claude Cod
北海道南部に位置する八雲町では、上限6TBのオンプレミス型Windowsファイルサーバの容量逼迫やバックアップ運用に2人の情シスが頭を悩ませていた。既に「Microsoft 365」を導入していたことから、まずは「SharePoint」への移行を試みたものの、速度や運用面で壁に直面する。この窮状を打破したのが、オンラインストレージサービス「Box」の全庁導入だった。 失敗が許されない状況の中で全庁クラウドシフトを成功させ、今では全庁データを活用したRAGの運用までにも取り組もうとしている。そのプロセスについて、八雲町政策推進課の中村達哉氏(主幹)と志賀昭仁氏(情報政策係 係長)に直接取材し、プロジェクトの全体像を聞いた。 「有料ストレージじゃないと立ち行かない」危機感 北海道南西に位置し、太平洋と日本海の二つの海に面する北海道八雲町。政策推進課は課長を含めた3人体制だが、課長は他業務との兼
開発支援ツール「Claude Code」は、コードの作成だけでなく、既存コードの調査や修正、テストまでこなすようになっている。最近では、人間が細かな作業を一つずつ指示しなくても、与えられた目標に向けて自ら作業を進めるケースも報告されている。 そんな中、「Claude」の開発元であるAnthropicは、Webサービス版「claude.ai」とデスクトップアプリの利用体験を「2週間で約3倍高速化した」と発表した。ところが、今回の高速化を支えたのは、人間の開発者だけではない。その過程では、Claude自身が改善すべきポイントを見つけ、修正を重ねていたという。単にAIにコードを書かせるだけではない、少し意外な開発手法が使われていたようだ。 Claudeは、ボトルネックの発見から性能試験の作成、修正、公開後の監視までを行い、3000件を超える変更を加えたという。 その詳しい内容を明らかにしたのが、
神戸市、Copilotの弱点を「Dify」でどう解決? あえて自前でAI環境を構築した理由 神戸市は2026年4月、Difyで生成AI基盤「KOBE AI PORT」を構築した。Microsoft Copilotを利用していた神戸市は、なぜ一から生成AI環境を作ることを決めたのか。 自治体における業務効率化の切り札として生成AIの活用が進む中、神戸市は「Microsoft Copilot」の活用を進めてきた。しかし、自治体特有のネットワーク環境や機密情報・非公開データの取り扱いが活用拡大のハードルになっていた。 こうした課題を打破するために同市が導入したのが、オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォーム「Dify」を活用できる生成AI基盤「KOBE AI PORT」だ。導入の結果、わずか2カ月で利用者の9割が業務の効率化を実感した他、業務の品質向上や心理的安全性の確保といった変化も起き
2026年7月、Googleは「NotebookLM」を「Gemini Notebook」へと名称変更した。旧NotebookLMの特徴は、ユーザーが指定した情報源を基にAIが回答を生成する点にあった。PDFや「Googleドキュメント」など、自分で用意した資料を読み込ませ、その内容をAIに分析・要約させる使い方が中心だった。 だが、Gemini Notebookへの名称変更を境に、その役割は少しずつ変わり始めている。2026年8月~9月にかけても、利用上限の変更や情報源の拡張など、サービスの使い勝手に関わるアップデートが続いた。 こうした直近の変更に加え、名称変更に至るまでの機能拡張も振り返りながら、Gemini Notebookがどのように変化しているのかを整理する。 コード実行に対応、情報の分析や成果物の作成も可能に 2026年6月には、ノートブック内でコードを記述・実行できる機能が
今もOS論争は尽きない。だが、仕事で使うPCとなれば、話はそう単純ではない。必要なアプリが動くのか、取引先と同じ形式のファイルを扱えるのか、問題が起きたときに容易に解決できるのか。OSそのものの好みとは別に、優先すべき条件は幾つもある。 そんな中、7歳から「Linux」を使い続けてきたユーザーが、メインPCのOSに「Windows 11」を選んだ体験談が話題になっている。Windows 11の新機能に魅了されたわけでも、Linuxに愛想を尽かしたわけでもない。それでも、長年使い続けてきたLinuxではなくWindows 11を選んだ背景には、OSの「好き嫌い」だけではない理由があった。 そのLinuxユーザーとは、「Puzzleheaded-Sky2284」と名乗る人物だ。Raspberry Piをきっかけに7歳からLinuxを使い始め、長年にわたってLinuxをメインのデスクトップOSと
次に、前編で取り上げた「IT資産台帳や手順書、社内ルールの整備」「ユーザー部門のIT導入や業務改善支援」「セキュリティ対策や監視、インシデント対応」などが後回しになる理由を、該当する112人に聞いた。上位は「担当者が不足している」(49.1%)、「日々の問い合わせ対応を優先せざるを得ない」(48.2%)、「障害やトラブルへの対応を優先せざるを得ない」(42.9%)、「必要な知識やスキルを持つ担当者がいない」(32.1%)だった(図1-2)。 一方、「何から着手すべきか判断できない」は8.9%にとどまる。何をすべきか分からないというより、必要な仕事を認識していても緊急性の高い業務を優先せざるを得ない状況が見えてくる。 後回しにするほど属人化が進む 業務が後回しになることで生じている影響では、「特定の担当者への依存が強くなっている」と「手順書や社内ルールが更新されていない」がともに40.2%で
「Gmail」や「Google Meet」「Googleカレンダー」「Googleドキュメント」など、業務に必要なツールをバンドルした「Google Workspace」。最近は、メールの要約や文章作成、会議の議事録、スプレッドシートの分析など、普段の仕事にAI機能「Gemini」も使われるようになっている。 そこから一歩踏み込み、複数のアプリにまたがる業務を自動化するのが「Google Workspace Studio」(以下、Workspace Studio)だ。簡単に言うと、「業務効率化のための、ノーコード型の自動プロセス構築ツール」だ。これまでGoogleアプリ同士を連携させるには、「Google Apps Script」でコードを書くのが一般的だった。Workspace Studioでは、AIとの対話でその仕組みを組み立てられる。 では、Workspace Studioで仕事はど
M365 Copilotを配っても「使われない」 でもAI活用が進んだ福島県庁の"逆張り"戦略 福島といえば喜多方ラーメン。毎日でも飽きないスープのように、生成AIも職員が日常的に使う存在にできるのか。有償アカウント100件と研修を用意しても利用が二極化した福島県が、それでも約6000人への全庁展開に踏み切った理由を追う。 生成AIを全社展開する前に、まずは一部の従業員に有償アカウントを与えて実証する。そこで効果や課題を確認し、対象を広げていく――。企業の生成AI導入では、こうした進め方が一般的だろう。 だが、十分な数のアカウントを用意し、研修まで実施しても、全員が使うとは限らない。福島県では2025年度、生成AIの有償アカウントを100用意して実証した。業務効率化や品質向上の効果が確認された一方、日常的に活用する職員と、ほとんど使わない職員の二極化も起きた。利用頻度を分けたのは、部署や業
生成AIは、さまざまな文書を読み取り、要約や分析などをしてくれる便利な技術だ。だが、その文書に書かれた文字列を、単なる「情報」ではなく「命令」として受け取ってしまうことがある。この性質を悪用し、「Microsoft Copilot」が読み込む「Word」文書に悪意のある指示を仕込み、感染を広げる「AIワーム」が報告された。 従来のウイルスのようにプログラムを実行する必要はない。Copilotに文書を読み込ませるだけで、悪意のある命令が別の文書にもコピーされ、その文書が社内で繰り返し利用されれば、利用者が気付かないうちに、悪意のある指示が次々と別の文書へ広がる可能性がある。生成AIを仕事で使う企業が増えているだけに、情報システム部門も、これまでのウイルス対策とは少し違うものとして、警戒した方がよさそうだ。 この問題を公表したのは、応用AIや機械学習を専門とするノルウェーのデータサイエンティス
現役情シスに聞いた「忙しすぎる理由」 やりたいけど手が回らない仕事とは? 228人調査 問い合わせ対応に追われる情シス。だが本当に足りていないのは、その問い合わせを減らすための整備作業だった。キーマンズネットが228人に聞いた調査から、負担の重い仕事と後回しにされる仕事の“ねじれ”が見えてきた。前編では、人数・担当体制・担当業務の実態を読み解く。 問い合わせや障害対応は待ってくれない。その一方で、台帳や手順書の整備、業務改善、IT戦略の策定にも取り組まなければならない。情シスに求められる仕事が広がる中、現場では何が負担となり、何が後回しになっているのか。 キーマンズネットは「情シスの業務負荷と運用体制に関する調査/2026年」(実施期間:2026年7月30日~8月23日、回答件数:228件)を実施した。前編では、情シスの人数や担当体制、担当業務を確認した上で、「負担が重い業務」と「後回しに
SOAPはRESTに負けたのか? 「古いAPI」を残すか見直すか Web APIといえば定番はRESTになった。一方、既存の基幹システムや企業間連携にはSOAPも残っている。「古い」という理由だけで置き換えるべきなのか。SOAPが選ばれ、RESTへ主役が移った経緯から、維持・刷新の判断軸を考える。 基幹システムの刷新やクラウド移行を進める中で、既存システムに残るSOAP(Simple Object Access Protocol)連携が課題になることがある。クラウドサービスでは、他システムとの連携に「REST API」(REST:Representational State Transfer)が使われることが多い。この機会に、SOAPもRESTへ置き換えるべきではないか――。そんな議論が持ち上がっても不思議ではない。 だが、長年安定して動いてきた連携方式を変更すれば、接続先を含めた改修やテ
導入は段階的に進んだ。2024年9月に100ユーザー限定の検証を開始し、初期セキュリティレビューを並行して走らせた。2025年4月にはレビューが完了し、希望部署単位へトライアルを拡大、各種アプリの公式利用とハンズオンもここから始まった。2026年2月にはAIガイドラインを導入した上で全正社員へのアカウント配布に着手した。完了は2026年10月を予定する。 注目したいのは、ガイドラインの投入時期だ。グループ全体のAIガイドラインは早期に制定されていたが、Geminiに特化した個社のガイドライン策定を、同社は戦略的に遅らせた。 「初期段階から厳格な規制を設けると、現場での利用が抑制される」と吉田氏は理由を説明する。まずは利用促進を先行させ、ユーザーからの問い合わせには個別に回答する運用を取った。 結果としてツールが先行して浸透し、「生成した画像は対外的に使って良いか」といった実務上の疑問が表面
企業への取材では、システムの検討プロセスや導入、運用の状況を聞く機会が多い。そのため、取材には運用担当者が同席するケースが圧倒的に多い。ところが、先日の取材では、対応いただいたのは役員の方だけだった。 こうしたケースでは、「システムのことはあまり詳しくないので」と話が進みにくくなることも少なくない。今回も少し嫌な予感がしたものの、それは取り越し苦労に終わった。 もっとも、その理由は、単にその役員の方がITに詳しかったから、というだけではない。システムそのものの知識にとどまらず、その導入に至った背景や検討のプロセス、さらには現場での運用までを的確に捉えておられたからだ。 セキュリティ担当者の稟議に役員があぜん…… お盆前の暑い日、取材のため金沢へ向かった。今回のテーマは、セキュリティ関連の取材で取り上げる機会も多い「仮想ブラウザ」だ。 仮想ブラウザとは、サーバや隔離されたコンテナでWebブラ
世の中には、長年にわたって使われている「定番」と呼ばれる製品や技術がある。利用者が多く、周辺機器や関連サービスも充実していて、ブームに左右されずいつでも安心して選ばれる。コンピュータの世界における定番の一つが「C言語」だ。 C言語は1970年代に誕生し、現在もOSや組み込み機器などの開発に広く使われている。半世紀以上も世界のシステムを支えてきた一方、多くの開発者が「C言語より扱いやすく安全な言語」を目指し、代替言語を生み出そうとしてきた。 だが、ある開発者が「Cに代わる言語を作っても使われない」と言い切った。なぜ、代替言語に勝ち目がないというのだろうか? C言語は半世紀以上にわたって使われ続け、今なお定番のプログラミング言語として重要な地位にある。もちろん、欠点がないわけではない。メモリ管理をプログラマーに委ねる部分が多く、文字列や配列の扱いにも注意が必要だ。わずかなミスが、プログラムの停
前回の記事では、ひとり情シスの退職をきっかけに、それまで見えていなかったIT運用上の課題が一気に表面化するケースを取り上げた。では、現役で情シスとして働いている人たちは、日々の仕事をどう感じているのだろうか。 そこで今回は、日本ビジネステクノロジー協会が運営する「情シスSlack」に、思い切って突撃してみた。「ちょっとした愚痴でも構いません。今の体制や仕事について、言いたいことはありませんか?」。そんな軽いノリで現役情シスに聞いてみたところ、返ってきたのは、普段なかなか表に出てこない現場のホンネだった。 ※本稿で使用しているイメージ画像は「Nano Banana」で生成した。 「根回しがしんどすぎる」――情シスを疲れさせるのは、技術だけじゃない 情シスといえば、サーバやネットワーク、クラウド、セキュリティなど、ITに関する専門知識を駆使して仕事をするイメージが強い。ところが、実際の現場で時
TBSは「Gemini」をどう現場に組み込んだ? AIを「社員に配るだけ」で終わらせない仕掛け 生成AIは、現場で使われてこそ意味を持つ。コストや時間、人手の課題を抱えていたTBSでは、現場主義を重要視することでその活用を推進させたという。同社の内製プラットフォームが系列局まで広がった、普及の舞台裏が語られた。 生成AIの導入は、ツールを配るだけでは進まない。とりわけ映像制作のように、品質の判断が職人的な感覚に支えられてきた領域では、現場の抵抗感を取り除き、当事者意識を持ってもらえるかどうかが問われる。 TBSテレビは自社開発のAI音声プラットフォームを2025年に本リリースし、1年間で800人以上が500時間分を超える音声を生成するまでに広げた。音声にまつわる業務だけでも、20人月ほどの削減効果があるという。 この普及を支えたのは、現場視点を重視し、系列局を巻き込んだ推進方法にあったとい
対話型AIを自社サービスに組み込む企業が増えている。だが、既存のIP(Intellectual Property:知的財産)やブランドの世界観を維持しながらAIを組み込むには、単にAIを導入する以上の難しさがある。AIはあらかじめ設定した通りの発言や応答を常にするとは限らず、想定外の発言や応答の失敗が起こり得るためだ。さらに、利用量に応じて変動するコストも見通しにくく、こうした課題はいずれもユーザー体験を損なう要因となる。 「ドラゴンクエストX オンライン」の開発チームは、この課題に正面から取り組んだ。2026年3月末にゲーム内で参加者を募り、同年4~5月にクローズドベータテスト(CBT)として、ドラゴンクエストX オンラインに組み込んだ対話型AIパートナー「おしゃべりスラミィ」を配信した。スクウェア・エニックス AI&エンジン開発ディビジョンの佐久間隆友氏(プログラマー)と深澤優鷹氏(A
「社内情報をAIに食わせればいい」だけでは足りない、情報検索精度向上の鉄則 「RAGを導入すれば業務が変わる」。そう信じて始めたのに、検索精度は上がらず、複雑な権限制御にも阻まれる――。Skyもまた、その壁にぶつかった一社だ。だが同社は「取りあえずRAG」を捨てることで前に進んだ。何でもベクトル化するのをやめたSkyの判断とは。 社内に散らばる情報を生成AIで検索できるようにしたい。そう考えたとき、まず思い浮かぶのが「RAG」(検索拡張生成)だろう。社内文書をベクトル化して検索し、その結果を基に生成AIが回答する。仕組みだけを見れば、これで従業員が必要な情報をすぐに探せるようになる。 ところが、実際の社内データはそれほど単純ではない。情報の保存先が複数に分かれているだけでなく、部署や役職によって閲覧できる範囲も異なる。大量のデータを、意味の近い文章を探せる「ベクトルストア」に取り込んだとし
DXの必要性を認識しながら、情報システム部門の人員増強には踏み切らない。中小企業経営者を対象にジー・ブーンが実施した調査では、情シス人材の不足を認識する企業の多くが、正社員を新たに採用する予定はないと回答した。 一方で、こうした企業はDXを断念しているわけではない。採用予定がない企業の中にも、DXを推進する意向を持つ経営者は一定数いる。人を増やさないのであれば、どうやったDXを進めるのか。調査では、経営者が想定する具体的な進め方と、その方法に伴う懸念も明らかになった。 情シス不在を何で補う? 経営者が考える代替策
AIの評価は、もはやランキングだけでは語れなくなっている。求められる能力は用途によって異なり、推論や数学、プログラミング、実務処理など、それぞれに適した評価方法が必要だ。また、AIの進化があまりにも速いため、既存のベンチマークが学習対象となり、最新モデルの本当の実力を測りにくくなるケースも増えている。 そんな中、物理モデリングやシミュレーション能力を評価する「物理AI」向けのベンチマーク結果が公開された。実験で最高スコアを獲得したのは、Anthropicの「Claude Fable 5」だった。ただ、ある部分において、企業にとっては痛い点もあるという。Claude Fable 5はなぜ性能トップでも、企業にとって選びにくいAIなのか。 まず、本稿で物理AIとして評価されているのは、ロボットなどが現実世界を認識して行動する、いわゆる「フィジカルAI」と呼ばれる技術そのものではない。主な評価対
退職前に引き継ぎの時間を確保できたソフトウェア企業 担当者の退職申し出から最終出社までは約2カ月あった。だが、その時点ではシステム構成図や手順書、資産台帳が整備されておらず、老朽化したサーバのリプレースと新拠点の開設も同時に進んでいた。IT環境を把握する担当者がいなくなる直前という危うい状況だった。 亀田氏は2カ月間で担当者へのヒアリングを重ね、運用手順やノウハウを文書化した。さらに約1カ月間、並走しながら運用を引き継いだという。その結果、退職後も業務が止まることはほとんどなかった。その後は運用代行やインフラ更新を進め、新任担当者への引き継ぎを経て、着手から約1年で、次の担当者が運用できる状態まで立て直した。 担当者退職後に支援へ入った医療機関 ある医療機関では、相談を受けた時点で前任の担当者は既に退職していたという。後任者は配置されていたものの、ITの経験は乏しく、十分な引き継ぎはなかっ
「HDD/SSDの値上がり」に関する企業調査 「廃棄するPCからSSDをはぎ取る」コスト高で追い詰められた、限界情シスの延命テク 「予算を超えても怒られ、スペックを削っても怒られる」――。HDD/SSD高騰に直面する読者139人の声から、数字だけでは見えない調達現場の苦しさと工夫を探った。 サーバやストレージなど、必要なIT機器を調達すれば予算を超え、調達や更改を先送りすれば障害発生時の責任を問われかねない。HDD/SSDの価格高騰に直面する情報システム部門は、どの選択肢を取っても責められる立場に置かれている。 キーマンズネットは2026年7月、HDD/SSDの値上がりに関するアンケートを実施した(有効回答件数:139件)。このうち107人が自由回答欄に、価格高騰に翻弄される職場の実情をつづった。価格が高いから買うなと言われても、業務上必要な機器は調達しなければならない。予算を確保した後に
改正案は、労働政策審議会が審議して答申をまとめ、国会で可決されて初めて成立する。議論自体はかなり進んでいたが、政府内には労働時間規制の在り方を巡る別の方針もあり、すり合わせがつかない論点が多く残った。今回の見送りは、その整理のための一時停止とみられる。 では、何が決まっていて、何がまだなのか。 上田氏は、現在決まっていない論点こそ、制度化された場合に備えて先に準備する意味があると指摘した。法案は提出されなかったものの、議論が白紙に戻ったわけではなく、その内容は今後の制度設計や実務にも影響し続けるという。 高橋氏は、裁判では条文の文言だけでなく、制度がどのような問題意識からつくられたのかという立法趣旨や議論の方向性も判断材料になり得ると説明した。審議会の議論は、今後重視される可能性のある論点を把握する上でも重要だという。 2人は、法案の提出が見送られたからといって準備を止めるべきではなく、改
千代田区では「Microsoft 365 Copilot」の実証実験を重ね、2025年10月に全庁導入を果たし、業務時間を約2000時間削減したという。同区が全庁導入後にどのように職員のCopilot活用を推進させたのか。その方法をキーマンズネットが独自取材した。 千代田区は、質の高い多様な行政サービスを提供するために、職員が「考える時間」を確保することを重視してきた。一方で、各種会議における議事録作成などは全て人手で行われており、日常的かつ定型的な事務業務の省力化が課題だった。 こうした背景から、千代田区は2023年ごろに「ChatGPT」の利用を開始した。しかし、職員は日常業務の大半で、2022年3月に導入した「Microsoft 365」の各種アプリケーションを利用していた。hatGPTの活用時には、必要な情報や生成された回答をその都度コピー&ペーストする手間が発生していた。 そこで
生成AIは「答える」から「仕事を進める」ツールへと進化している。では、業務で本当に頼れるAIと、単なる生成ツールの違いはどこにあるのか。鍵を握るのは、企業固有の文脈を理解する力だ。 生成AIは「答えるAI」から「仕事を任されるAI」へと進化している。目的を伝えると必要な情報を集め、計画を立て、確認しながらタスクを実行する「エージェンティックAI」の登場により、AIに任せられる範囲は広がった。 だが、業務で本当に“頼れるAI”になるには、単に高い推論能力を持つだけでは不十分だ。企業ごとのルールや過去の経緯、担当者同士の関係性など、その会社固有の文脈を理解できるかどうかが重要になる。 では、AIはどのようにして会社の仕事を「理解」するのか。そこには、単なるモデル性能だけでは説明できない、企業内に蓄積された情報とAIの関係性がある。 内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部、
生成AIによる音声合成の進化で、経営者や上司の声が数秒で複製される時代が訪れた。元警視庁職員やAI音声開発企業のCEOなど3人の専門家が、実演で脅威を体感させながら、最新のボイスフィッシングの手口と、組織が今すぐ取るべき備えを示した。 AIによる音声合成は、動画の吹き替えや通訳といった用途で急速に実用化が進む。だが同じ技術が、経営者や取引先になりすます「ボイスフィッシング」に転用され、法人口座を狙う不正送金の被害が相次いでいる。 警察庁によれば、2025年のインターネットバンキングを巡る不正送金は4747件・約103億9700万円に上り、手口の約9割をフィッシングが占めた。電話という人と人との接点は、メール以上に人の判断を直撃する。この脅威にどう備えるべきか。 オレオレ詐欺は企業こそ気を付けるべき時代に 備えの基本は「PTP」 Fortis Intelligence Advisoryの稲村
ジュラシック・パークと聞いて思い浮かぶのは、やはり恐竜だろう。だが、PCファンが注目すべきは別の場面にある。博士たちの机やコントロールルームに並ぶコンピュータは、実は単なる小道具ではなかった。 コンピュータ表現のリアリティーで高く評価されている映画の一つに、1993年公開の『ジュラシック・パーク』がある。世界興行収入は9億ドルを超え、その後も続編が制作され、シリーズは全7作品に及ぶ人気作となった。リアルな3DCGで描かれた恐竜が印象的だ。 だが、この作品の見どころは恐竜だけではない。コントロールルームや博士たちのデスクに映るコンピュータにも、映画の小道具とは思えないほどのこだわりが詰め込まれていた。公開から30年以上が過ぎた今、あるソフトウェア開発者が劇中に登場するコンピュータやソフトウェアを片っ端から調べ上げ、意外な事実を次々と見つけ出した。これを知ると、もう一度ジュラシック・パークを見
238人に聞いた、現場がホンネで選んだAIサービス 次に、現在、読者企業が注目しているIT製品・サービスについて尋ねた結果をまとめた。 生成AIサービスへの関心が高いことは予想通りの結果だが、自由回答を見ると、想定以上に特定のAIツールへ評価が集まった。2026年の「Microsoft Build」でもAIエージェントをはじめとする最新技術が相次いで発表されたが、重要なのは技術の新しさや生成AIの性能だけではなく、自社の業務課題に対してどのサービスが適合するかという点だ。 最も回答が集中したのが、「Claude」シリーズだ。「『Claude Code』の機能がコードアシスタントとして優れているので、今後の機能向上に注目している」「基本的に非エンジニアが集まる会社のため、それでもある程度の開発ができるのかが気になり、Claude CodeやCursor」「Claude。PCを動かせるAIツー
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