猿楽橋は渋谷駅と恵比寿駅の中間にある橋で、国道246号と駒沢通りのあいだで、貴重な「JRまたぎ」ポイントとなっています。 歴史は古く、完成は1934年です。すでに80年が経過し、老朽化が目立ってきました。そもそも当時とは交通量や車両規格が大きく変化し、耐震基準も違います。これまでつなぎの対処も行われてきましたが、検討会で協議した結果「架け替え」の方針が決まりました。2017年のことです。 現在の猿楽橋は、桁と橋脚が一体的なT型鋼材の「ラーメン構造」です。これに対し、新たな橋は箱桁にアーチを合体させた構造になる予定。アーチが荷重を分担することで箱桁がスリムになり、JRの頭上高さを十分確保でき、かといってアーチも主張しすぎない、絶妙なバランスというわけです。あわせて、道路幅も今より広く確保されます。 さて、猿楽橋の架け替えには様々な困難があります。まず、都心のビル群の中を通すため「今の橋を通し