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TGS2024
kus.hatenablog.com
先週末、高田冬彦+平川恒太企画のゲリラ展示が行われた。午前11時から午後4時まで、山手線外回りの二両目を作品が占拠するという静かな暴挙。 郵送されてきたチラシ 山手線到着。二両目の到着位置前で待って、いざ乗車 平川恒太《太陽の王(王冠)》、高田冬彦《春がやってくる、大勢の虫たちと共に!》。平川くんは多摩美3年で僕の一昨年の授業(20世紀芸術論)をきっかけに大学の外で勢力的に活動を展開している。高田冬彦は「高田冬彦祭り」と題した奇抜な売名プロモーション・デモンストレーションで名を馳せ、遠藤一郎やChim↑Pomの実質的な雑誌デビューとなった『美術手帖』2008年5月号にもしっかり載っている。二人がコンビを組み始めたのは僕にとってもうれしい。 左:千ヶ崎慶一《dead tree》、右:岩本謙《入水帽》《日避猿の置物》(顔切れてて失礼!)。作者があくまで「手荷物」として自作を手にして座ったり立っ
少し前の話になりますが、Chim↑Pomの「ピカッ」騒動の顛末とさまざまな意見からなるテキストを収録した本が3月末に出版されました。ぼくも拙稿「ピカとドン―閃光と爆音 あの雲について、蔡國強との対話から」を寄せています。この本です。 なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか 作者: Chim↑Pom,阿部謙一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/03/27メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 83回この商品を含むブログ (31件) を見る 見返しには千羽鶴。帯のコピーは天才バカボン調。辞書風の造本デザインは手にした感じが意外にいい。そもそもハードカバーで立派な本は彼らには似合わないし、ソフトビニールカバー装は学習意欲を刺激するというか、繰り返し調べるように読む行為をアフォードする、のかもしれない。 先週発売された『美術手帖』2009年6月号でChim↑Pomの「広島!
先週、「椿昇GOLD/WHITE/BLACK」展を観てきました。 キューブリックの「博士の異常な愛情」からのインスパイア作品と知ってこれはどうしても見に行きたいと思っていたところ、先週タイミング良く『美術手帖』編集部から椿さんにインタビューしませんかと打診を受け「OK」と即答し、三日後には新幹線に飛び乗っていた。何やら作品の前に強引に引き寄せれるかのような猛烈な磁力を感じる。 京都国立近代美術館のエントランスから吹き抜けまでをロケットの原寸大バルーンが占拠するという圧倒的なインスタレーション。写真は取材目的でメモ代わりに撮影をしたものなので多くを公開することは道義上控えるが、あくまでブログのテキストを補足する参考図版として解像度を下げたものを1枚だけ貼っておく。とにかくエントランスホールはこんなことになっています。 《Mushroom》とタイトルされたこの作品は、展示空間には収まりきらない
いま発売中の『美術手帖』最新号(2009年1月号)に、蔡國強さんにインタビューをした記事が掲載されています(ARTIST INTERVIEW)。北京オリンピックの開会式の花火がCGだったという報道に気を揉んでいた僕としては(8/13付ブログ「北京五輪開会式:蔡國強の花火のCG問題を推論する――真偽を越えて」)、マスコミが煽る中国イメージを越えたところで本人の声が聞きたかったわけで、その希望が今回インタビュー取材というかたちでかなったものです。 ちなみに、29個の足跡の花火は実際に打ち上げていたことも無事本人の口から確認できました。それでもCGを使った理由について、そして、スピルバーグの芸術顧問辞任劇の裏話やチャン・イーモウとの関係などについてもしっかり話してもらいましたので、ことの詳細はぜひ『美術手帖』を読んでみてください。 インタビューはヒロシマ賞受賞記念展(1月12日まで)のために来日
8月8日の北京オリンピックの開会式の「演出」に関して、意外な事実が事後報道された。 開会式の足跡花火…実はCGの合成映像でした《読売新聞》 8日に行われた開会式の際にテレビで放映された、北京市内の上空を歩く、花火で描かれた巨大な足形「歴史の足跡」は、実はコンピューターグラフィックス(CG)による合成映像だったことが分かった。 「歴史の足跡」は、北京五輪が29回目の夏季五輪に当たることから、歴史の巨人(=五輪)が北京に到着したことを表現。足跡の形を打ち上げ花火で作り上げ、天安門広場からスタートして29歩目にメーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)に到着する演出だった。映像は開会式の冒頭で55秒間流されたが、最後に「鳥の巣」から打ち上げられたもの以外はすべてコンピューターによる映像だった。花火は各地で実際に打ち上げられていたが、映像自体は約1年間かけて製作された合成映像だった。規制で上空からの撮
[ゲストなし] この授業は「20世紀」の「美術」を「論」じるものです。「美術」といっても広く芸術(ART)としてとらえ、純粋美術や視覚芸術以外の周辺ジャンルの表現をも含めて扱っていきます。 私たちは20世紀に生まれました。では、20世紀とはどんな時代だったのか? 世界大戦と革命、暗殺と虐殺、核兵器と環境破壊などを見れば人類史上最も野蛮な世紀といえるでしょうし、動力飛行機の発明から月面着陸までを見れば人類の活動圏が飛躍的に拡張された世紀であり、大量生産と大量消費と大量輸送によって実現したものからは物量と速度の世紀といえるでしょうし、写真や映画やラジオやTVからインターネットまでを見れば視聴覚メディアの世紀といってもいいでしょう。 同時に文化史的に見れば、20世紀初頭から世紀末までの流れは、先鋭的なアバンギャルドが芸術動向としてさまざまに展開され、大衆に受容されながらやがてポップ・カルチャーや
TOKYO ART BOOK FAIR 2019の一週間前に、小さなアートブックフェアを緊急開催します。TOKYO ART BOOK FAIRに出展参加申し込みをしながらもあえなく落選したZineクリエーターを中心に、リアルなアーティストが集い、新しいもうひとつのアートブックの交流市場が東京・北千住のオルタナティブスペースを使って実験的に行われます。 ステートメント 開催情報 参加アーティスト(五十音順) 会期中連日イベント開催 ステートメント REBORN TO EDIT 編集して再生せよzineカルチャー ただ作るだけがzineじゃない! Zineによるコミュニケーションの形をセルフで創ろう。 リアルなアートのブックフェアはリトルじゃなきゃ! 自分が読みたい雑誌や本は、自分で作り・自分で売る──電子メディア化する出版ビジネスとは対照的に生まれた同人誌、Zine、リトルプレスなどの小さな
イスラエル軍によるレバノン空爆によって中東情勢が悪化するなか、YouTubeやMySpaceにおいてイルコモンズによる映像の抗議行動が展開されていたことを知らされた。いまやだれもが放送局になることを可能とした動画ポータル・サイトは、いまのところまだコピーライト侵害への対策が徹底していない分、アナーキーな映像の宝庫として魅力的なのだが、それが使い方次第では市民による政治的なアピールやデモンストレーションの場にもなる可能性を潜在していることを、この映像は気づかせてくれる。 「SOMEDAY OVER THE WINDOW」はYouTube上で見つけた2つの映像(レバノンのホテルの窓から撮影された空爆シーンと、キース・ジャレットの「Over the rainbow」の演奏)をリミックスしたもの。作者であるイルコモンズは、ビデオに付けた英文のコメントの中で「これはジャック・デリダの『テレビのエコー
「カーズ」の予告編を最初に見たとき、激しいレース・シーンと大自然の中でのドライブ・シーンの印象的な対比に、往年のアーケード・ゲーム「ウイニングラン」と「アウトラン」を思い出した。「カーズ」は、CG黎明期からシミュレータやゲームにおいて進化を続けてきたドライビング映像の集大成に違いない、というのが今回のぼくの読みだったが、その期待は心地よく裏切られた。もちろんレースとドライブのシーンは、この作品の両腕の力こぶとして誇示されるものではあるが、いずれも予告編以上の見せ場はない。どんなにスピードが出ようが、CGにはスリル(危険性、ヤバさと言い換えてもいい)が欠落している。映画館のスクリーンで観るのなら、「タクシー」のスタント運転(VFX一切なしの実写)のほうに軍配が上がる。 代わりに目を見張ったのは、地形的リアリティーだ。たとえば、起伏した丘陵地帯を真っすぐに貫く高速道路の切り通しがつくる波模様。
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