20日の米トランプ政権の発足でますます先行きが危ぶまれる米中関係。対中強硬派が居並ぶ政権の中で異彩を放つのが、実業家のイーロン・マスク氏だ。経営する電気自動車(EV)大手「テスラ」は中国市場に根を張り、李強首相など習近平指導部との関係も良好。中国では本人だけでなく母親まで知名度抜群のマスク氏は、今後の米中関係のカギを握るかもしれない。 中国女性の「憧れ」 2024年の米大統領選でトランプ氏の当選確実が伝わった2日後の11月8日、上海市で開かれた寝具メーカー「aise宝褓」のイベントで白いコートに身を包んだ白髪の女性が登場すると、集まったメディア関係者が一斉にカメラを向けた。 この女性はメイ・マスク氏(76)。マスク氏の母親でブランドの広報大使を務める。その後行われたトークショーでは「中国に来ることが大好きです」と語った。 メイ氏は24年、中国のアパレルブランド「JNBY」のイベントにも参加