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インフレ――――『ドラゴンボール』を基盤とするジャンプ・バトル漫画には避けられない諸要素だが、『幽遊白書』においても急激なインフレは避けられなかった。その典型的なものが「戸愚呂(弟)がB級妖怪」だという一文である<注1> 作中で最強キャラだった戸愚呂(弟)がB級だというだけでなく、続くボスキャラの仙水がS級クラス、何よりも飛影&蔵馬がかつてA級妖怪だったことが読者の気持ちを複雑にさせた。元A級妖怪がB級妖怪にあんなにビビっていたのは何故なんだ、と。 その為、「戸愚呂(弟)のB級説は霊界の測定ミスだ」などといった説が飛び出る始末。それほどに急激なインフレが違和感だらけだったのだ。 だが、ちょっと待って欲しい。そもそも、この妖怪の“〜級”という判定は何なのかを考えてみよう。この判定を行っているのは間違いなく霊界側である。ムーディーズの格付けのように、幾ら現場から「えぇっ!?戸愚呂(弟)が
90年代前半のジャンプを支えた超有名作ながら、幾度の方向転換と作者と編集部のゴタゴタで尻切れで終わった為に評価の難しい作品。 この作品を区切るならば、大きく5つに分けられる。 1.霊体となった幽助が他人の悩みを解決する霊体編 2.バトルを根底にした妖怪退治をする霊界探偵編 3.トーナメントバトルへと移行した暗黒武術会編 4.人間の命運をかけた魔界の扉編 5.各キャラが別々の道を歩みだした魔界の三竦み編 この中で最もオススメなのが、4の魔界の扉編。人間の諸悪を背負い込んでしまった敵達との戦いは、一片の無駄もない構成で読むものを惹きつける。作品自体が中途な状態で頓挫してしまう哀しさと、この作品があったからこそジャンプの無闇な延命措置に歯止めが効くようになったという意味で“忘れてはならない作品”だったのではないだろうか。作品終了から10年経った現在なら思える。 あ、でもジャンプを
初めに私のスタンスをはっきりさせておきたいのだが―――私は、他の作品に影響を受けることは悪くはないと思っている。どんなに作り手にオリジナル精神が溢れようとも、作り手もまた他の作品の受け手であるので、何らかの影響を受けるのも無理はない。その上、雑誌媒体で作品を発表する為にはマーケティング向けの要素も必要なので、編集部からの指示を受けることもあるだろう。 あだち充『タッチ』が国民的ヒットになった直後では、他の出版社でも「あだち充みたいな漫画を描いて」という編集者と作家のやり取りがあったという。時代の流れを見ても、鳥山明の後には鳥山明風の漫画が、大友克洋の後には大友克洋風の漫画がわんさか登場している。『マジンガー』後にはロボットに搭乗するアニメが増え、『ガンダム』後にはロボットが戦争に利用されるアニメが増えた。資本主義の中ではそれが当たり前のことだし、決して責められるものではない。 『幽遊白
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