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電気グルーヴのシングル“虹”が1995年4月21日にリリースされてから30周年を迎えた(初出は前年発表のアルバム『DRAGON』)。“虹”は、電気グルーヴのキャリアを代表する一曲として数多くのリスナーに愛され続けているのはもちろん、さまざまなアーティストがカバーやリミックスを手掛けたほか、世界中のDJたちによってかけられ、フロアを揺らしてきた歴史を持つ。そこで今回は、そんな“虹”がどんな軌跡を辿ってきたのかを簡単ではあるが振り返っていきたい。 ★連載〈名盤アニバーサリー〉の記事一覧はこちら 海外に飛び火し、90年代のテクノアンセムとなった名曲 前述した通り、“虹”はオリジナルアルバム『DRAGON』で初お披露目された。当時の電気といえば、1993年のアルバム『VITAMIN』で本格的な〈テクノ覚醒期〉に突入したものの、ファン以外の音楽好きからはやもすれば〈色物キャラ〉的な見られ方も少なくは
春、CD再生委員会の春。今回は100円CDの深淵を覗き続ける男、デラさんへのインタビューをお届けします。 歌謡曲、声優、企業ノベルティ、謎の自主制作盤……サブスク化されることもなく、リサイクルショップの100円コーナーで眠る、前世紀の忘れ形見のような中古CDたち。そんなCDを大量に買い占め、独自の高速ハウスミックスでスピンするベテランDJ、それがデラさんです。 XへのポストをまとめたZINE「100円CDガイドブック①」も評判を呼ぶ中、この謎多きDJの素顔を探るべく、関東某所のデラ邸宅へ突入。部屋という部屋はもちろん、廊下から階段まで、空間を埋め尽くすCD・CD・CDの山に圧倒される委員会。「いや~、わざわざ家までどーもどーも」。マニア・おたくにありがちな無愛想さ、刺々しさとは全く無縁のデラさんの笑顔は、反射するディスクのように、キラキラと輝いていた……。 ★連載〈CD再生委員会〉の記事一
想像力の血が1人で鳴らす多様性 佐藤優介「自分にとって、慶一さんの影響っていうのはやっぱりすごく大きくて……慶一さん自身の音楽はもちろん、慶一さんから教えてもらった音楽もたくさんあるので。ヴァン・ダイク・パークスだったり、ピーター・ガブリエルもそうだし……」 鈴木慶一「今回のアルバム、いろんな音がちょっとずつ出てくる感じは、ヴァン・ダイク・パークス的だね。『Song Cycle』の」 佐藤「『Song Cycle』、大好きです。何回聴いても聴いた気がしないっていうか……。 言われてみれば確かに、ちょっとずついろんなものが聞こえてくるっていう、そういう音の使い方が好きなのかもしれないです。異物を紛れ込ませるみたいな……それで異物まみれになっちゃうときもあるんですけど」 鈴木「ふつう、異物だらけだと、逆に平坦になってくるんだけど、そこがうまくできてる。異物の取り扱いが。想像力の血は」 佐藤「あ
谷村有美の名作群が現在ソニーミュージックから絶賛リイシュー中だ。オリジナルアルバムがLP/CDでそれぞれ新規カッティング/新規リマスター音源でパッケージし直され、特にLPは予約の段階から注文が殺到、入手困難なアイテムとなっているそうだ。 近年のシティポップブームの影響もあり国内外で再評価が進む谷村有美について、当時の〈ガールポップ〉の文脈も含め、その優れた音楽性などを音楽ライターの桑原シローに掘り下げてもらった。 *Mikiki編集部 シティポップブームがもたらした谷村有美の音楽的ルーツへの言及 シンガーソングライター谷村有美の全盛期作品の初アナログ化を含むリイシュー企画が粛々と進んでおり、盛況を博している。2024年6月、第1弾としてファーストアルバム『Believe In』に始まり、現在のところ4作目の『PRISM』まで進行しているが、愛すべき作品たちをアナログで聴ける日がくるのを手ぐ
牛尾憲輔、初の公式本「定本」が2025年2月27日に刊行されました。劇伴作家活動10周年を記念した本書では、生い立ちから現在までを語ったロングインタビューをはじめ、石野卓球&ピエール瀧(電気グルーヴ)や山田尚子、湯浅政明ら総勢26名の豪華ゲストが〈音楽家・牛尾憲輔の魅力〉について語っています。 そこで、今回は本書や関連アイテムなどを紹介。該当作品のTOWER RECORDS ONLINEの商品ページのリンクなどもあわせて掲載していますので、ぜひお役立てください。なお、TOWER RECORDS ONLINEでの取り扱いが終了している場合もございますので、ご了承ください。タワーレコード店頭での取り扱いは各店舗にお問い合わせください。
高評価をよそにリラックスしたムードとドメスティックな雰囲気の新曲 藤井 風が2025年3月14日にEP『真っ白』をリリースした。本作は2月28日に配信リリースした楽曲“真っ白”にアカペラやインストバージョン、ベースとしても参加しているKOBY SHY(小林修己)によるリミックスが収録された4曲入りEPとなっている。“真っ白”は日本コカ・コーラシステム〈い・ろ・は・す〉のCMソングとなっており、また藤井 風は〈い・ろ・は・す〉の新アンバサダーとして楽曲提供だけでなく山田智和監督によるコマーシャルにも出演している。 シングル“真っ白”は2024年7月にリリースした“Feelin’ Go(o)d”以来7ヶ月ぶりの新曲で、また昨年3月にリリースした“満ちてゆく”がテレビ朝日系音楽番組「EIGHT-JAM」内の〈プロが選ぶ年間マイベスト10曲〉にて蔦谷好位置・川谷絵音の2名によって1位に選出されると
深沼元昭(ギター)、藤田顕(ギター)、高桑圭(ベース)、渡辺シュンスケ(キーボード)、小松シゲル(ドラムス)――優れたミュージシャンシップを持つ5名から成るバンドがTHE COYOTE BANDだ。2005年に結成され、佐野元春のバックを20年にわたって務めている彼らは、それ以前に佐野を支えたHEARTLAND、The Hobo King Bandと同等……いやもはやそれにも増して、佐野元春サウンドの形成に貢献していると言っていい。 そして、このたびリリースされる佐野元春 & THE COYOTE BAND名義でのニュー・アルバム『HAYABUSA JET I(ハヤブサ・ジェット・ファースト)』は、その印象をさらに強く印象付ける作品だ。“ヤングブラッズ”、“ガラスのジェネレーション”、“約束の橋”など佐野が80~90年代に発表してきた10の名曲を、THE COYOTE BANDで再録音。オ
〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉で初来日公演をおこなうカトリエル&パコ・アモロソ(CA7RIEL & Paco Amoroso)。近年、国際的に注目を集めるようになったアルゼンチン発のヒップホップデュオだ。2024年10月に公開されたNPRミュージック〈Tiny Desk Concerts〉でのライブ動画が話題になっており、フジロック出演決定を機にここ日本でも注目を集めつつある。そんな2人に惚れ込んだミュージシャン/ライターKotetsu Shoichiroに、彼らのことを紹介してもらった。 *Mikiki編集部 陽性の狂気や毒気あるラップでキャラ立ち抜群なデュオ 〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉のラインナップが発表された。フレッド・アゲインとヴルフペック、ヴァンパイア・ウィークエンドを筆頭に、今年も豪華な来日アクトがずらりと並んでおり、例年以上の盛り上がり
個性派アーティストを魅了する影響力 そんなTommy february6の、デビューから20年の月日を経ての人気再燃だが、熱狂しているのはTikTokの若者たちだけではない。ドージャ・キャットはTommy heavenly6の“Wait till I can dream”をXでシェアし、TWICEのナヨンがInstagramにTommy februrary6インスパイアの写真をアップしている。また、チャーリーxcxは昔からJ-POPを愛聴しており、あるインタビューではフェイバリットとしてPerfumeとともにTommy february6の名前を挙げたこともある。 日本でもラッパーのvalkneeが、ラジオや連載にて自身のTommy愛を語っている。みな一癖も二癖もあるアーティストばかりだが、Tommy february6の世界観は、そんな個性派たちも魅了するだけの独創性を持っているとも言え
入れ子構造のY2Kリバイバル Tommy february6の音楽性やビジュアルは明らかに80年代のポップカルチャーの影響を受けているが(2000年代初頭、第2期SPANK HAPPYで80年代リバイバルを掲げていた菊地成孔は当時のインタビューなどで冗談めかして「Tommy february6にはやられた」と語っている)、〈80年代リバイバルのリバイバル〉ではなく、あくまで〈Y2Kリバイバル〉として楽しまれているようだ。そもそも80年代は80年代で50年代のリバイバルが当時あった訳で、こういう〈リバイバルの入れ子構造〉はなかなか興味深い。 Tommy=川瀬智子本人を、最盛期に比べればメディアで見る機会が少なくなったこともあり、今回のバイラルでの急浮上は〈初めて知った若い世代〉と〈久しぶりに聴いた当時のリスナー〉にとって、同じようなフレッシュな衝撃をもたらしていると言えるだろう。ライブやリリ
2000年代のJ-POPシーンを席巻した川瀬智子(the brilliant green)のソロプロジェクト、Tommy february6。2024年から海外を中心にTikTokなどで人気が再燃、突然のリバイバルに当時を知るファンは驚き、新たなファンはその80sサウンドと独自のビジュアルに夢中になっている。各メディアですでに話題になっているTommy february6の再ブームだが、1stアルバム『Tommy february6』(2002年)のアナログ盤再発も決まったいま改めてその背景に迫る。 *Mikiki編集部 2000年代、登場時の凄まじいインパクト シティポップブームはもはや完全にひとつのスタイルとして定着し、NewJeansやIVEといったK-POP第4世代が代表的なY2Kリバイバルの波も到来しつつあるが、アラサー・アラフォーの音楽ファンには「懐かしい!」と思わず声が出てし
the pillowsが解散した。〈the pillows〉と〈解散〉という言葉は、永久に並ぶことなどないと思っていた。しかし、the pillowsは解散した。 解散を告げるバンドからのコメントにも書かれていたthe pillowsにとっての〈幸せな35年間〉を、しっかりと脳裏に刻みつけたい――そんなMikikiからの想いを受けて、彼らに幾度となく取材し、リスナーとして純粋に向き合い続けたライターの田山雄士に思いの丈を綴ってもらった。 *Mikiki編集部 不遇の時代とミッシェルとの出会い 山中さわお(ボーカル/ギター)、真鍋吉明(ギター)、佐藤シンイチロウ(ドラムス)からなる3ピースバンドのthe pillows(以下、ピロウズ)が、2025年1月31日に行なわれたライブをもって解散したことを発表。突然とも言えるアナウンスを受け、同業のミュージシャンはもちろん、さまざまな著名人による別
トッド・ラングレンの来日公演が2025年2月28日(金)にビルボードライブ横浜で、3月3日(月)にビルボードライブ東京で開催される。1960年代から活躍し、日本でも特に人気が高い彼のライブとあって、早くも完売している人気公演だ。今回はこれにあわせ、“虹の都へ”“ベステン ダンク”といった名曲をトッドのプロデュースで作り上げ、彼から影響を受け続けてきた高野寛に特別寄稿してもらった。高野は一人のリスナーとしてトッドの音楽をどのように聴いてきたのだろうか? *Mikiki編集部 僕がトッド・ラングレンの名前を知ったのは多分高校生の頃、1980年代前半だったと思う。エンジニアリングに興味があった僕は、中期ビートルズ以降発展していった〈多重録音〉という手法を知った。当時の録音機材・テープレコーダーを使い、いろいろな音を重ねて、時間を飛び越える作り方だ。 中でも、一人で音を重ねる〈一人多重録音〉に興味
BUCK-TICKの8作目のアルバム『Six/Nine』がリリースされたのは1995年5月15日で、もうすぐ30周年を迎える。日本やイギリスなど各地のスタジオで膨大な時間をかけ録音されたこと、故ISSAY(DER ZIBET)が参加したこと……とトピックは多いが、特にダークな歌詞世界と電子音楽やインダストリアルミュージックの要素を取り入れたサウンドのアプローチは彼らのディスコグラフィの中で独自の輝きを放っている。そんな名盤の深奥に李氏(音楽ZINE「痙攣」編集長)が踏み込んだ。 *Mikiki編集部 ★連載〈名盤アニバーサリー〉の記事一覧はこちら グランジ以降の折衷的音楽性と内省的な歌詞 「大げさに言うと、自分では神がかったかのような、何かが乗り移っちゃったかのような作品」――当時のツアーの打ち上げでボーカル櫻井敦司が自らこう語ったように(「WORDS BY BUCK-TICK 1987-
メタラーにして本職ジャズピアニスト、西山瞳さんによるメタル連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉。今回は、マイク・ポートノイの復帰が話題になっているドリーム・シアターのニューアルバム『Parasomnia』について。結成40周年を迎えたプログレメタルのベテラン、その魅力に西山さんならではの視点で迫ります。 *Mikiki編集部 ★連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉の記事一覧はこちら 凄い作品がきました。 ドリーム・シアターの新作、『Parasomnia』です。 結成40周年にして、ドラマー、マイク・ポートノイの復帰作。 2月7日に発売ということで、メタルファンの皆さんはもうチェック済みかと思いますが、私はこの記事を書くために少し前から聴かせてもらっていたにもかかわらず、何を書こうか思考がまとまらなくて全然書けませんでした。 正直、こんな作品の音楽解析や解説をするなんて野暮の極みで、どこで拍子が変わった
リリース日:2025年4月23日(水) 品番:VSCD3245 価格:4,000円(税込) 初回生産限定三方背BOX仕様 ミニポスター仕様ライナーノーツ&ステッカー封入 ※仕様・内容は変更になる場合がございます。予めご了承ください TRACKLIST 1. English Football At the Prince Hotel 2. Shinjuku Neon 3. Tokyo To Me 4. And Now I Know What Nothing Is 5. French Is Spoken Far From Here 6. Kyoto 7. Coltrane’s Blue World 8. Nobody Can Save You 9. Meiji Shrine 10. Decidedly Kabuki-cho ■参加メンバー 細野晴臣(ベース) 小原礼(ベース) 林立夫(ドラム)
様々な伝統的ピアニズムの流れを止揚しながら、フィリップ・グラスを始め現代音楽の作曲家やビョークやオーラヴル・アルナルズなどとも世界を切り拓く、新世代ピアニスト 既に欧米各地で高い評価を受けているクラシック・ピアノ界の革命家、ヴィキングル・オラフソンは、9月にドイツ・グラモフォンからバッハに焦点を当てたCDをリリース、また10月にはサントリーホールでの公演が決定している。初の来日公演では、高度に理性と詩情が絡み合う、演奏を聴かせ観衆を魅了した。オックスフォード大学でマスタークラスも受け持つ彼は、深く噛みしめるように質問に応答した。 初来日となりますが日本の印象はいかがでしょう。 「6月15、16日に、NHKホールにて、ウラディミール・アシュケナージ指揮によるNHK交響楽団のもと、庄司紗矢香(vn)とメンデルスゾーンの《ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調》を共演し、素晴らしい聴衆とオーケ
マジカル・パワー・マコが死去した。 マジカル・パワー・マコが亡くなったことは自身のレーベル、Andromeda RecordsのXアカウントで発表された。2025年2月7日に亡くなったといい、死因は発表されていない。69歳だった。 【訃報】マジカル・パワー・マコ マジカル・パワー・マコ(@magicalmako)さんは2025年2月7日に永眠致しましたのでご連絡差し上げます。 生前多くの皆様より賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。 Andromeda Recordshttps://t.co/znl7oLlfGD — Andromeda Records (@AndromedaRec) February 11, 2025 マジカル・パワー・マコこと栗田誠は1956年、静岡・修善寺生まれの音楽家。小学生時代からギターやピアノなど多くの楽器に触れ、中学生時代から曲作りとテープレコーダーでの録音
タワーレコード新宿店~渋谷店の洋楽ロック/ポップス担当として、長年にわたり数々の企画やバイイングを行ってきた北爪啓之さん。退社後は実家稼業のかたわら音楽に接点のある仕事を続け、時折タワーレコードとも関わる真のミュージックラヴァ―です。 そんな北爪さんのユーモラスな発想と語り口で、時代やジャンルを問わず様々な音楽を紹介してきた連載〈パノラマ音楽奇談〉が2024年をもって終了。そしてこのたび、北爪さんのリスナーとしての原体験、果てしない好奇心を前面に押し出した新連載〈聴いたことのない旧譜は新譜〉がスタートします。 日々めまぐるしい速さで更新されていく音楽シーンにおいて、瞬く間に新譜(=新作)は旧譜(=旧作)と言い換えられてしまいます。そんな旧譜と称されてしまった作品から、いま現在の耳で聴くべきものを独自の視点を交えて新譜として紹介していくのが、本連載のテーマです。 記念すべき初回は、1984年
2024年にデビューから60周年を迎え、「サイモン&ガーファンクル完全版」や特集誌「アコースティック・ギター・マガジン」が刊行され、さらに2人が久々に再会するなど、何かとサイモン&ガーファンクルが話題になっている。そこで今回、彼らの6枚のオリジナルアルバムをレビュー。1964~1970年に活動した2人の音楽と軌跡を振り返った。 *Mikiki編集部 Wednesday Morning, 3 A.M./水曜の朝、午前3時(1964年) by 天野龍太郎 学生時代にトム&ジェリーとしてロックンロールをやっていたNYCの幼馴染2人が心機一転、フォークデュオのサイモン&ガーファンクルとして再始動。ボブ・ディランの登場でフォークリバイバルが加熱する最中、1964年にリリースしたデビューアルバムが本作だ。しかし、まったく売れずに2人はまたバラバラになってしまった、という逸話は今や伝説のように思える。彼
THE ROOSTERSのアルバム『The Basement Tapes~Studio Session 1980』『The Basement Tapes~Live 1982』が、2025年1月22日(水)にリリースされる。両作は結成45周年記念作品の第2弾で、レコードデビュー直前のバンドがオリジナルメンバーでおこなったスタジオセッションと、同じく4人による東京・新宿LOFTでのライブをそれぞれ収録。そんな貴重音源を編集者/ライターの荒野政寿に紹介してもらった。 *Mikiki編集部 デビュー前の危うい魅力に満ちたセッション メンバー公認のもと、リイシューが活発に続くTHE ROOSTERS。昨年の『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14. 1st show』『The Basement Tapes~Live at Shibuya
CD再生委員会、今回はインタビュー回です! お相手は「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす」「シティポップとは何か」といった名著で知られる、音楽評論家の柴崎祐二さん。MikikiでもAIシティポップの記事などでお馴染みですが、熱心なCDディガーとしても有名。リサイクルショップの片隅に忘れられた一枚の中古CDからも、数十年単位の時代の潮流を大局的に見抜くその慧眼……。古き良き名盤をお小遣いで買っていたロック少年は、CD不況真っ只中の時代にレコード会社に入社した後、なぜ〈CDさん太郎〉として謎のニューエイジCDなどを集めるようになったのか? その謎を突き止めるべく、千葉某所の柴崎邸に突撃した。 ★連載〈CD再生委員会〉の記事一覧はこちら 名盤CDをいかに安く中古で買い揃えるか ――柴崎さんは1983年生まれとのことですが、最初のCD体験と言うとどんな感じでしょうか? 「兄と姉が僕より7歳
PRINCE 『Graffiti Bridge 』 Paisley Park/Warner Bros.(1990) 『Diamonds And Pearls』の前作にあたる、同名映画のサントラも兼ねた一作。その名も“New Power Generation”でロージーが声を重ねているほか、ラッパーの参加やある種のオムニバス感は次作への道筋を引くものでもあったかも。
8月にアルバム『暴動クラブ』をリリースし、渋谷CLUB QUATROでのワンマンライブも成功させた暴動クラブが、年を跨がないうちに1st EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』を届けてくれた。1960年代のR&B、ガレージ、プロトパンク的な音楽性に振り切り、サウンドもアナログヴィンテージ機材による当時のやり方の再現性プラスアルファにこだわったアルバムに対し、タイトル曲はその荒々しい魅力を残しつつ、パワーポップ創世記を思わせるメロディオリエンテッドな方向性に向かっている。カバー曲も、ロックンロールとポップの間に橋を架けるような浜田省吾の“あばずれセブンティーン”をチョイス。作品全体として暴動クラブの新たな魅力を味わうことのできる内容に。今回はバンドのフロントマンである釘屋玄に、アルバムリリース後の活動の流れやEPに込めた想いについて、話を訊いた。 僕らがカッコいいと思う音楽は現在進行
THE ROOSTERSのライブアルバム『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14. 1st show』『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14. 2nd show + Rehearsal』がCDとLPでリリースされた。オリジナルメンバー4人による伝説的ライブを捉えたこの2作は、圧巻の演奏を聴くことができる貴重な音源。バンドに再び注目が集まっているなか発表された両作を、編集者/ライターの荒野政寿に紹介してもらった。なおシリーズ第2弾のリリースも控えているので、あわせてチェックしてほしい。 *Mikiki編集部 ありのままに記録された若々しくパンキッシュな演奏 昨年の全アルバム配信に続いて、今年はシングルの配信、そして今井智子が歴代メンバーと関係者に取材したインタビュ
原点を超えるエレクトロニック・ミュージック 池田亮司の活動がめざましい。表現が賦活化しているといえばいいか。すでに閉幕したが、夏の終わりまで青森の弘前れんが倉庫美術館で国内では東京都現代美術館での2009年の個展以来、13年ぶりとなる大規模展を成功させたかと思えば、岡山や東京での作品展示があり、12月にもデジタルアートと音楽の祭典〈MUTEK.JP 2022〉への参加のアナウンスもあった。 オーディオとヴィジュアル、時間と空間を横断する池田の活動はいまにはじまったことではないとはいえ、極大と極小が背中合わせになったここしばらくの精細かつ壮大なヴィジョンはサウンド/アートの地平にひとつの領野を拓いたといってもいいすぎではない。となれば2013年の『supercodex』以来となる新作にも期待が高まろうというもの。 池田の母屋ともいえる〈音〉の分野におけるおよそ10年ぶり、10作目のアルバム『
世界中にロックバンドの復活劇は数あれど、結成から数えて37年の時を経て初めてのアルバムを制作し、実際にリリースしてしまうなどという例が、過去にどれほどあっただろうか。 VENUS PETERのフロントマンで、現在はソロアーティストとしても活動する沖野俊太郎が、そのキャリアの最初期にあたる1987年、フリッパーズ・ギターとしてデビューする以前の小山田圭吾を誘って結成したバンドが、VELLUDOだ。散発的なライブの他は、1988年に一枚のEPを残したのみで消滅してしまった同バンドは、おそらく、両者のコアなファンには少なからずその名が知られているだろう。しかし、当時そのライブを目にし、レコードを手にしたものはごく少数で、よくある言い方をあえてさせてもらうならば、正真正銘の〈幻のバンド〉だった。 しかし、昨年2023年。そのVELLUDOが突然の復活を遂げ、一夜限りのライブを披露したのだから驚いた
今年でデビュー35周年を迎えたシンガーソングライター、高野寛。新作『Modern Vintage Future』はエレクトロニックなサウンドを全面的に導入して新境地を切り開いた。 そんな高野とかつて一緒に音楽活動をしていたのが、女優/歌手の原田知世だ。高橋幸宏が結成したバンド、pupaに高野と原田は参加。近年では、原田は新作『カリン』と前作『fruitful days』で高野に歌詞を依頼。原田のデビュー40周年記念コンサートで共演するなど交流は現在も続いている。長年の創作パートナー、伊藤ゴローがプロデュースを手掛けた『カリン』は冬をテーマにしたミニアルバムで、円熟味を増しながらも瑞々しさを失わない原田の歌声は唯一無二だ。 それぞれ独自のスタイルを持ちながら「世界観に通じ合うものがある」と語る2人に、新作を中心に語り合ってもらった。 pupaは私にとって生涯で唯一のバンド。宝物です(原田)
2004年のリリースから20周年のアニバーサリーを迎えた今年、スクエアプッシャーの人気作『Ultravisitor』がリイシューされた。超絶技巧の演奏と緻密なエディットを通じて、打ち込み/生演奏、スタジオ/ライブといった境界線をかき乱す意欲作であり、“Iambic 9 Poetry”や“Tetra-Sync”といった人気曲を収録し、ファンからの支持も根強いアルバムだ。 そんな本作をスクエアプッシャーのキャリアを決定づけた作品として熱烈に推すのが、クラムボンのミトだ。以前、『Be Up A Hello』リリース時にスクエアプッシャーの音楽についてインタビューを受けた際には、少なくない紙幅を『Ultravisitor』の話に割いていたほど。今回のリイシューにあたって、本作との出会いからその音楽的なユニークさ、そして今回のリマスターの持つ意義に至るまで、より深く本作について話を聞くことにした。
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