「地方創生」という言葉が登場してから10年。さまざまな取り組みが進められているにもかかわらず、地方の暮らしはますます厳しくなっていると感じる人は多いのではないでしょうか。 その理由の一つが、「インフラ」と「基幹サービス」の急速な縮小です。とりわけ医療・教育・交通といった、地域で生活するために欠かせないサービスが維持できなくなってきていることは、地方で暮らす人々の将来不安を強めています。 この記事では、「インフラ・サービスの縮小」という観点から、なぜ地方創生が困難なのかを深掘りしていきます。 1. 医療体制の限界:病院はあっても医師がいない まず大きな問題は、地方における医療資源の不足です。 人口減少が進む中で、地方の病院や診療所の多くが赤字経営となり、閉鎖や統合を余儀なくされています。特に産科・小児科・救急など、体制維持に高コストがかかる診療科は、地方から急速に姿を消しつつあります。 「病