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仕事には人生の大半の時間を費やすとよく言われます。 では、どんな職業に就くと人は幸せに感じるのでしょうか。 エストニアのタルトゥ大学(UT)で行われた大規模研究によって、医療職や聖職者、作家など達成感と自律性に富む仕事が満足度ランキングのトップを飾る一方、厨房や倉庫作業、コールセンターなど反復的でストレス要因の高い職種は下位に沈み、自己決定感が幸福度を強く押し上げるという傾向が示されました。 また意外なことに、仕事の満足度を左右するのは高い給料や肩書きよりも、「やりがい」や「自律性」といった要素であることが示されています。 あなたは今の仕事から十分な達成感を得られているでしょうか? 研究内容の詳細は2025年5月6日に『PsyArXiv』にて発表されました。 目次 なぜ今「仕事×幸福」を科学するのか5.9万人が答えた「仕事満足度」の真実収入と満足度の相関は薄い なぜ今「仕事×幸福」を科学す
あなたも「ポジティブな言葉で自分を励まそう」と言われたことはありませんか? 「私は誰かに必要とされている」「私は大切な存在だ」 そんな言葉を毎日自分に言い聞かせることで、気持ちが前向きになり、自己肯定感が高まると言われています。 自己啓発本やSNSでも、こうしたポジティブ思考の大切さが盛んに紹介されています。 けれど、そうした言葉を唱えても「なぜか余計に苦しくなる」「逆に落ち込んでしまう」という経験をした人もいるのではないでしょうか? 実は、これらの言葉はすべての人に効果的とは限らず、むしろ自尊心の低い人には逆効果になる可能性があることが報告されています。 こうした事実は、カナダのウォータールー大学(University of Waterloo)とニューブランズウィック大学(University of New Brunswick)の研究チームから報告されています。 研究の詳細は2009年7
「“絶対に分解しない”と信じられてきたナイロン製の釣り糸の一部が、海水中ではまさかの速さで分解していた」——そんな衝撃的な発見が、今、世界の研究者たちをざわつかせています。 釣り糸や漁網など、海に漂う使い捨て漁具(ゴーストギア)は、ウミガメや海鳥が絡まって命を落とす原因になるだけでなく、細かく砕けてマイクロプラスチック汚染を広げる厄介な存在でした。 しかも、これらの素材で主流となっているナイロンは、教科書的に「海ではほとんど分解しない」と考えられていたのです。 ところが今回、日本の東京大学(UTokyo)で行われた研究によって、実際の海で釣り糸をテストしたところ、なんと一部の市販されているナイロン製釣り糸が、代表的な生分解性素材であるセルロース並みにサクサクと分解していたのです。 この結果は、従来の常識を根底からひっくり返す大逆転劇といえます。 もし本当に、強度を保ちながら海洋環境で自然に
三毛猫とサビ猫の毛色はどうやって生まれるのか?三毛猫 / Credit:Canva「三毛猫」とは、オレンジ(または茶)、黒、そして白の3色を持つ猫を指します。 模様の出方はさまざまで、大きく分かれたパッチ模様の子もいれば、細かく散ったような柄を持つ子もいます。 この三毛模様は、実は「メスの猫」にほとんど限られる現象です。 オスの三毛猫は極めて珍しく、自然界では数万匹に1匹とも言われています。 一方、「サビ猫」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? サビ猫は、オレンジと黒の2色だけを持ち、白が入らない点で三毛猫と区別されます。 毛の色が混ざり合って、まるで錆びた鉄のような印象を与えることから、この名がつきました。 そしてこのサビ模様も、「メスの猫」にほとんど限られます。 どちらも見た目は個性的で、猫好きの間では人気のある柄です。 サビ猫 / Credit:Canva では、なぜ三毛やサビは
海に出たサケは数年後に生まれた川に戻り、川の流れをさかのぼって産卵します。 その姿は自然界の力強さと生命の神秘を感じさせてくれます。 しかし、文明はその偉大な旅路に思わぬ障害を生みました。 巨大なダムや堰がサケたちの遡上を妨げ、生態系に深刻な影響を与えているのです。 そんな問題に立ち向かうべく、アメリカのWhooshh Innovations社が開発したのが、通称「鮭大砲(サーモンキャノン)」です。 これは、サケを安全かつ迅速にダムの上流へ“ぶっ飛ばす”装置として注目されています。 “Salmon cannon” successor continues to give fish tube-rides over dams https://newatlas.com/environment/whooshh-passageportal-2025-update/ Whooshh Innovation
ルートに頼らない代数学――計算機アルゴリズムはどう変わる?ルートに頼らない代数学――計算機アルゴリズムはどう変わる? / Credit:Canva今回の研究成果が意味するところは、「高次方程式を一貫した手法で解く方法が見つかった」というだけではありません。 むしろ、これまで当たり前に使ってきた“無理数”や“無限”の概念に固執しなくても、具体的な図形や組み合わせの数え上げを手がかりに、新しい計算の仕方を組み立てられるという可能性を示しているのです。 たとえば正多角形をいくつかの多角形に分割する、というとてもイメージしやすい方法を通じて、多項式方程式のような一見抽象的な問題を初心者でも視覚的に理解しやすくなります。 さらに実用面でも、コンピュータに方程式を解かせる際にこれまで当然のように用いてきた「無理数(√のようなルート計算)」を、段階的に加算していく級数ベースの方法に置き換えられるなら、新
図形と数列で5次方程式の解を作る図形と数列で5次方程式の解を作る / Credit:Canva新しいアプローチのキーポイントは、「組み合わせの数を数える特殊な数列」を活用することです。 まず、たとえば「カタラン数」と呼ばれる有名な数列があります。 これは大きな多角形を何本かの線で三角形に切り分けるときに、その線が交わらないようにする方法がいくつあるかを数え上げるものです。 実はこのカタラン数には2次方程式(高校数学で習う)との間に深いつながりがあることがわかっています。 論文著者であるワイルドバーガー教授によれば、「カタラン数は2次方程式と密接に関係しているので、5次以上を扱うにはもっと進化した“カタラン数の仲間”を探す必要がある」というわけです。 教授らはさらに発想を広げ、三角形だけでなく四角形や五角形などを含む形で多角形を分割する場合の数を表す「ハイパーカタラン数」を定義しました。 こ
「子どものしつけに叩くのは必要なのか?」――多くの親が一度は抱く問いかもしれません。 ところがアメリカのニューヨーク大学(NYU)で行われた世界各地の大規模調査によると、いわゆる“体罰”(叩く・殴る・揺さぶるなど)には、子どもにとって有益といえる効果は一切見当たらず、むしろ幅広い領域で悪影響を及ぼすことが明らかになりました。 実際に調べられた19項目のうち16項目で親子関係の質から学力、成人後のメンタルヘルス、さらには暴力の被害・加害リスクまでもが悪化する一方、プラスの影響が確認された指標はゼロだったのです。 高所得国の研究で「百害あって一利なし」と言われてきた現象が、経済水準も文化も大きく異なる国々でも同様に再現された今回の報告。 いま改めて、子どもの健全な成長をどう支えるか、そして体罰が世界共通で何をもたらしてしまうのかを知る必要がありそうです。 研究内容の詳細は2025年05月05日
遥か過去から数学者たちは「方程式を解く」ことに全力を注いできました。 2次方程式は紀元前1800年頃に解の仕組みが発見され、ルネサンス期には3次や4次の解法も確立しました。 しかし、5次以上の多項式だけは、どうしてもルートを使って表せないことが、19世紀に判明します。 すなわち2次、3次、4次方程式と同じように「5次は解けない」ということが、長らく数学界の定説だったのです。 ところがオーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)で行われた研究によって、ついにその壁を乗り越える新たなアプローチが発表されました。 新たな方法は数列や図形の概念を使うことで、従来なら「不可能」とされていた2、3、4次方程式と共通した手法で5次方程式以上の解を与えられるというのです。 もしこの新手法が本格的に発展すれば、数学史における「5次方程式の不可能性」の概念が大きく書き換えられるだけでなく、コンピュー
歴史に名を残す王の中でも最も有名な人物の一人、アレクサンダー大王。 その父であるピリッポス2世が埋葬されていると長年考えられていた墓が今回、ギリシャ国立科学研究センター・デモクリトス(NCSR Demokritos)のチームによって新たに調査されました。 その結果、実際に埋葬されていたのはピリッポス2世ではなく、まったく別の男性だったのです。 墓に埋葬されていたのは一体誰だったのでしょうか? 研究の詳細は2025年4月24日付で学術誌『Journal of Archaeological Science』に掲載されています。 Famous tomb said to hold Alexander the Great’s father actually contains younger man, a woman and 6 babies, study finds https://www.live
海水から核燃料のウランを手軽に取り出せるとしたら――そんな夢のような技術が現実に近づいています。 中国の湖南大学(HNU)で行われた研究によって、超希薄な海水中のウラン(約3ppb)を電気化学的に一気に取り出す画期的なシステム「Bipolar EUE」が開発されました。 必要な電圧はわずか0.6ボルトと低く(単三電池の電圧1.5Vの半分以下)、模擬海水中でほぼ100%回収、天然海水でも85%以上の選択的回収を示しました。 またエネルギー面でも従来法に比べ25~1000倍の省エネを実現し、ウラン1kgを集めるにあたり約83ドルにまで低減しました。 もしこの技術が普及すれば、ウランは海から採取する時代がやってくるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年5月13日に『Nature Sustainability』にて発表されました。 Bipolar electrochemical uranium
ダイソン球とは何か? 夢と現実のギャップ典型的なダイソン球は強固なフレームで 恒星を完全に覆ってしまいます / Credit:Canva恒星の周囲を無数の人工物で取り囲み、その放射エネルギーを余すところなく回収するという発想が「ダイソン球」です。 1960年代に物理学者フリーマン・ダイソンが提唱した概念で、人類よりはるかに進んだカルダシェフ・スケールII(タイプII)の文明が、自らの恒星から膨大なエネルギーを得る手段として想定しました。 極端に言えば、地球上のエネルギー問題を解決する究極策として太陽を丸ごと発電所にするようなものです。 SF作品でもたびたび登場するロマンあふれるアイデアですが、実現には途方もない工学技術が必要になるため、現実にはまだ遠い未来の話です。 ただアイディアの発展は続いており、ダイソン球として様々な構想が提示され、亜種が増え続けています。 その中で最も有力視されてい
アメリカのスタンフォード大学が運営するSLAC国立加速器研究所(SLAC)で行われた研究によって、「光子の状態が2通りしかない」という従来の常識を覆し、実は無数に存在することを証明する方法が開発されました。 研究では、もし光子の自転(スピン)状態が無数にあるとしたら、現代の物理学の基礎となる標準模型では禁じられた「光のあり得ない動き」がみられるとの理論が示されています。 これまで光子は「右か左にしか回転しない、偏光が二択」という“常識”のもとで研究されてきましたが、無数の回転モードを持つとわかれば、光の振る舞いを支える根本的な法則そのものを見直し、より上位の理論へ拡張する必要が出てくるでしょう。 そして電磁気力や量子情報の基盤となる理論、さらには重力を扱う理論まで、すべてがある意味で「近似にすぎなかった」という事実を突きつけられる可能性もあります。 新たに解き放たれる無限の偏光状態は、通信
“仕方ないセックス”は敵か味方か“仕方ないセックス”は敵か味方か / 面倒だと思いつつ仕方なしにコスプレと性行為に応じる例/Credit:clip studio . 川勝康弘「望まない同意(性的コンプライアンス)」とは、自分自身はその時あまり欲していないにもかかわらず、パートナーとの性的行為に同意することを指します。 強制されたわけではなく基本的には自発的な行動ですが、義務感や罪悪感や相手を失望させたくない気持ちなど、微妙なプレッシャーが背景にある場合もあります。 パートナーを満足させたい、関係を維持したい、ケンカを避けたいといった思いからこのような同意がなされることが多いと報告されています。 より簡単に言えば相手の希望に沿うための「仕方ないセックス」や「受け身のセックス」あるいはネットスラング的に言えば「義務ックス」とも言えるでしょう。 (※望んでいるわけではないけれどもセックス自体には
底引き網漁が与える壊滅的なダメージ底引き網漁は、巨大な網を金属製のビームやチェーンで海底に押し付けながら曳航し、魚介類を根こそぎすくい上げる漁法です。 この過程では、漁の対象としていないサンゴ礁や底生生物までもが破壊されます。 底引き網漁が海にもたらしている被害は宇宙からも確認できるほどです。 漁船が網を海底に下ろし、海底を引きずるたびに、大量の堆積物が巻き上げられ、破壊の痕跡となって衛星写真で捉えられます。 一部の堆積物の跡は数十キロメートルにも及び、それぞれの生態系が回復するには数年もの歳月がかかります。 2017年の研究では、底引き網漁により最大41%の海底生物が失われ、その回復には6年以上かかることが報告されました(PNAS, 2017)。 毎年、天然の魚介類の約4分の1は底引き網漁によって漁獲されており、破壊の規模の大きさを物語っています。 しかし衛星画像から見えるもの以上に衝撃
現代の錬金術です。 CERNのALICE実験コラボレーションによる国際研究チームは、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)で鉛イオンのビーム同士をほぼ光速ですれ違わせることで、億単位の金原子核を生み出すことに成功しました。 生成された金原子核の寿命は一瞬でしたが、中世錬金術の夢を現代物理の力で実証した例と言えるでしょう。 いったいどのような原理で鉛から金が作られたのでしょうか。 研究内容の詳細は2025年05月07日に『Physical Review C』で発表されています。
巨大化の次は“思考強化”──推論エンジン誕生の舞台裏巨大化の次は“思考強化”──推論エンジン誕生の舞台裏 / Credit:Canva近年、AI研究の焦点は単純にモデルを巨大化することから、「推論力」を高める方向へとシフトしています。 従来のGPT-4系モデルがマルチモーダル(テキスト・音声・画像対応)や高速化を追求してきた一方で、OpenAIのoシリーズは複雑な問題解決や論理的思考、コード生成など「考える力」を強化するために設計された系統です。 なぜ推論力の強化が目指されたのでしょうか? 背景には、大規模言語モデル(LLM)が高度な知識を持ちながらも、複数ステップにわたる推論や論理的整合性を要する場面でミスを犯しがちだったことがあります。 モデルを大きくすれば精度は上がるものの、ある段階からは「考え方」を工夫しないと得られる成果に頭打ちが見え始めたのです。 その打開策として生まれたのが、
量子力学の世界では、電子がとれる状態を厳しく制限する「パウリの排他原理」という重要理論があります。 この原理を見つけ、1945 年にノーベル物理学賞を受けたヴォルフガング・パウリは、理性と計算の権化のような存在でした。 ところが彼は、“偶然の一致”や“夢と現実のつながり”という一見非科学的な現象にも強い関心を抱き、無意識と象徴を研究していた心理学者カール・グスタフ・ユングと交流がありました。 物質の最小世界を解き明かした物理学者と、心の深層を探る心理学者。この二人の意外な出会いが生んだのが「共時性(シンクロニシティ)」という概念です。 ユングは集団的無意識など特殊な理論の数々を発表していますが、証拠がなく基本的には正式な科学としては扱われていません。 しかし、現代においても彼の提言には多くの人々が関心を寄せています。 ユングとパウリ。まるで異なる分野の二人は、一体どのようにして出会い、どん
ヒルベルト第六問題ついに崩れる:粒子から台風まで“一本の数学的鎖”で貫通ヒルベルト第六問題ついに崩れる:粒子から台風まで“一本の数学的鎖”で貫通 / Credit:clip studio . 川勝康弘研究チームは、このミクロからマクロへの橋渡しを二段階のアプローチで実現しました。 ニュートンの粒子力学(左)からボルツマンの運動論的方程式(中間)を経て、流体力学の方程式(右)へと至る論理の連鎖。 今回の研究では、この図に示されたミクロ→中間→マクロのすべての段階を一貫して証明した。 ミクロから中間(ニュートン力学 → ボルツマン方程式)まず研究チームは、無数の粒子が飛び交い衝突するミクロな系から、ボルツマン方程式という統計的な記述が現れることを証明しました。 彼らが扱ったのは、直径が極めて小さい硬い球(ビリヤード玉のような粒子)同士が弾性的に衝突する理想化された気体模型です。 粒子数を非常に
LINEやSNSのメッセージで、いつもカラフルな絵文字を欠かさない人、あなたの周りにもいませんか? 実はそうした「絵文字多用派」の人々には、ある共通した性格上の特徴が見られるかもしれません。 アメリカのオクラホマ州立大学(OSU)で行われた研究によって、SNS投稿で絵文字をたくさん使う人ほど、否定語が多く語彙が少なく抽象的な話題が少なく、新しい経験や物事への開放性が低い傾向があることが示されました。 絵文字の賑やかな様子から外交的な人が多用すると思われていましたが、最も関連性が強かったのは開放性の低さでした。 なぜ絵文字を多用する人はこのような特性があるのでしょうか? 研究内容の詳細は『Frontiers in Psychology』にて発表されました。 Emoji use in social media posts: relationships with personality trai
100年以上解けなかった物理学の難問が、ついに数学の力で解けました。 アメリカのミシガン大学(U-M)で行われた研究によって、原子一粒の衝突から台風規模の渦までを貫く“一本の数学的な鎖”を初めて構築し、流体力学における3つの主要理論を統合することに成功したのです。 これまでの物理学では個々の粒子レベル、粒子の集団レベル、巨大な流体レベルを異なる数式で記述しており、まるで別々の法則のように扱われていました。 しかし今回の成果により3つの理論を連結させ、1900年から数学者たちを悩ませてきた「ヒルベルトの第六問題」の重要な部分を解決する大仕事となりました。 三つの理論を連結する“数学的鎖”は、どのように鍛え上げられたのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年03月3日に『arXiv』にて発表されました。
天文学者たちの間で、ある“ちっぽけな天体”が静かに波紋を広げています。 発見されたのは、星の数わずか60個。質量は太陽16個分。そして直径は20光年という超小型の構造体。 しかし、この天体は単なる星の集まり(星団)ではなく、銀河の可能性があるというのです。 もし「銀河」であると確認されれば、それは人類が観測した中で史上最小の銀河ということになります。 「UMa3/U1」と名付けられたこの天体は果たして、銀河なのか、それとも星団なのでしょうか? Did astronomers just discover the smallest galaxy in the universe? https://www.livescience.com/space/astronomy/did-astronomers-just-discover-the-smallest-galaxy-in-the-universe
脳の「思考」だけでYouTube動画を作成この驚くべき映像を公開したのは、アメリカ在住のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者、ブラッド・スミス氏です。 ALSは筋肉を動かすための神経が次第に壊れていく病気で、筋肉の萎縮や麻痺を引き起こします。 あの有名なイギリスの理論物理学者であるスティーヴン・ホーキング博士がALSを患っていたことで有名です。 スミス氏も全身の運動機能を失っており、以前までは話すこともできましたが、すでに声も出せない状態になっているといいます。 スミス氏とその家族/ Credit: Bradford Smith – Elon Musk makes ALS TALK AGAIN || Nonverbal ALS Patient Uses Neuralink to Create & Narrate Video(2025) それでもスミス氏は家族の懸命な支えとともに、Neurali
コウイカは非常に高い知能を持つ海洋生物です。 そしてこのほど、仏・高等師範学校(ENS)、米セントルイス・ワシントン大学(WashU)らの研究で、コウイカが腕のジェスチャーを使って仲間とコミュニケーションを取っていることが明らかになりました。 その「腕ふり」には主に4つのタイプがあったとのこと。 さらにコウイカの腕ふりは視覚的にだけではなく、腕ふりで発生する「水中の振動」によってもコミュニケーションを取っている可能性が示されました。 さて、彼らの腕ふりはどのようなものだったのでしょうか? 研究の詳細は2025年5月5日付でプレプリントサーバー『bioRxiv』に公開されています。 Cuttlefish Wave at Each Other, And It Could Be a Mysterious Form of Sign Language https://www.sciencealert
深海とは水深200メートルより深い海域を指し、地球表面の66%を占める最大の生態系です。 特に深海底は多様な生態系を維持しながら、酸素の供給や気候調整を行い、地球の健康を保つうえで欠かせない役割を担っています。 しかし米スクリップス海洋研究所(SIO)らの最新調査で、人類は深海世界をほとんど知らないことが浮き彫りになりました。 研究チームによると、1958年以降に実施された深海探査で、視覚的に観測済みの深海底は全体の0.001%にしかすぎないことが明らかになったのです。 研究の詳細は2025年5月7日付で科学雑誌『Science』に掲載されています。 We’ve Only Glimpsed 0.001% of Earth’s Deep Seafloor, Study Reveals https://www.sciencealert.com/weve-only-glimpsed-0-001-
ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。 量子もつれが最強な理由量子もつれが最強な理由 / Credit:clip studio . 川勝康弘量子もつれとは、たとえ粒子同士が遠く隔たっていてもその性質が切り離せないほど密接に絡み合った状態を指します。 エンタングルメントとも呼ばれるこの奇妙な結合では、一方の粒子を観測した瞬間にもう一方の粒子の状態が即座に決まります。 アインシュタインがかつて「遠隔での不気味な作用」と評したように、距離に関係なく影響し合う様子は古典常識を超えた謎めいたものです。 しかし、この相関がいかに強力でも、情報を光より速く伝えるこ
「子どもは欲しいと思わない」 そんな言葉を耳にする機会が、昔よりずっと増えてきました。 経済的な不安やキャリアの優先、ライフスタイルの多様化など、子どもを持たない理由はさまざまに語られていますが、実はもっと深い心の動きが関係しているのかもしれません。 アメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)の研究チームが、18,000人以上を対象とした大規模調査を行い、ある重要な傾向を明らかにしました。 それは、「親との感情的な距離感」が、将来的に子どもを持つかどうかの判断に影響しているというものです。 研究の詳細は、2025年3月28日付の『Personality and Social Psychology Bulletin』誌に掲載されました。 Avoidant attachment to parents linked to choosing a childfree life, st
――10 mほどの水深に素潜りで潜り、時には妊娠末期まで漁を続ける――。 そんな“超人”ぶりで知られる韓国・済州島の海女さんに、遺伝子レベルでの進化の足跡がある可能性が、アメリカのユタ大学(U of U)で行われた研究によって示されました。 妊娠期の血圧上昇リスクを抑える特定の遺伝子変異が数百~千年スケールで増えてきた結果、本来やや高めになりがちな島民の「下の血圧」を平均10 mmHgほど和らげ、妊娠中に潜水を続ける母体と胎児を守ってきたと考えられています。 一方で、心拍を瞬時に落とす“省エネモード”は、遺伝的なものではなく長年の鍛錬によって身に付けた能力だといいます。 海女さんの進化は人類に何を教えてくれるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年5月2日に『Cell Reports』にて発表されました。
学生時代の勉強方法といえば、「書いて覚える」だったという人は少なくないでしょう。 しかし、デジタル機器が普及した現代、子どもたちは幼い頃からタイピングに触れ、鉛筆で文字を書く機会は減少しています。 では、本当に「書く」ことは学習においてメリットがあるのでしょうか? タイピングとの違いはあるのでしょうか? スペイン・バスク大学(UPV)の研究チームは、識字能力の発達に重要な5~6歳の時期に、手書きとタイピングが及ぼす影響の違いを科学的に検証しました。 研究は2025年2月4日付で『Journal of Experimental Child Psychology』に掲載されました。 New study shows handwriting boosts early reading skills more than typing https://www.psypost.org/new-study-
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