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暑さ対策
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5月から欧米を中心にサル痘の患者が増加しています。 サル痘は天然痘に似た特徴を持つウイルス感染症です。 これまでに分かっている流行状況と、サル痘に関する基本的な情報についてまとめました。 現在の流行状況は?世界におけるサル痘患者の累積報告数(Our World In Dataより) 2022年6月23日現在、世界で3557例のサル痘患者が報告されています。 内訳は、イギリス794例、ドイツ592例、スペイン520例、フランス330例、ポルトガル328例とヨーロッパで症例の大半を占めており、それ以外には、カナダ223例、アメリカ173例と北米でも患者数が増加しています。 現時点では、日本国内ではサル痘患者は報告されていませんが、近隣国である韓国やシンガポールでも報告されており、日本で報告されるのも時間の問題かもしれません。 イギリスで報告されているサル痘患者の年代と性別(UKHSA publ
新型コロナに感染した人の中には、感染してから1ヶ月以上経っても何らかの症状が続くことがあり後遺症と呼ばれています。 現時点で新型コロナ後遺症について分かっていることについてまとめました。 新型コロナ後遺症とは?新型コロナに感染した人の中には、数週〜数ヶ月間に渡って様々な症状が続く方がいます。 海外では「LONG COVID」「Post-acute COVID-19 syndrome」など様々な呼び方がありますが、厚生労働省は「罹患後症状」と呼称し診療の手引きを作成しており、筆者も編集委員を務めています。 日本国内では「後遺症」と呼ばれることが多いため、ここでは新型コロナ後遺症という表現を使います。 感染症による後遺症という病態は、新型コロナだけでなく、これまでもデング熱、エボラ出血熱、SFTSなど様々な感染症で知られていました。 しかし、新型コロナのように感染者が非常に多い感染症で、決して
5月25日から新型コロナワクチンの4回目の接種が始まっています。 接種の対象者は高齢者や基礎疾患のある成人に限定されていますが、これはなぜでしょうか? 現時点での4回目のワクチンの効果や副反応について分かっていることをご紹介します。 新型コロナワクチン 4回目の接種が開始2022年5月25日から、新型コロナワクチンの4回目の接種が始まりました。 厚生労働省の4回目接種についての案内のHPによると、現時点では4回目の接種の内容は以下のようになっています。 接種時期:2022年5月25日から9月30日まで 接種対象者: ①60歳以上の方 ②18歳以上60歳未満で、 ・基礎疾患を有する方 ・その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方 接種間隔:3回目接種から5か月以上空けて 接種するワクチン:1~3回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチン
新型コロナの流行以降、めっきり減ったインフルエンザですが、海外では流行の兆しが見られています。 「今年もどうせ流行らないだろう」とたかをくくらずに、しっかりと備えておきましょう。 2021-2022シーズンも国内ではインフルエンザは流行せず定点当たりのインフルエンザ報告数(厚生労働省発表資料より筆者作成) 新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2019-2020シーズン以降、日本国内ではインフルエンザの報告数が激減しています。 推計で1000万人を超える感染者が毎年感染していたインフルエンザも、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2019-2020シーズンから減少し、2020-2021シーズン以降は感染者が極めて少ない状態で推移しています。 定点当たりのインフルエンザ報告数(厚生労働省発表資料より筆者作成) 2016年から横に並べてみると、劇的に減っていることがお分かりかと思います。
欧米を中心にサル痘の患者が増加しています。 サル痘は天然痘に似た特徴を持つウイルス感染症です。 これまでに分かっている流行状況と、サル痘に関する基本的な情報についてまとめました。 これまでの発生状況は?サル痘の世界における発生状況(BNO News Monkeypox trackerより) 2022年5月29日現在、世界で403例のサル痘患者が報告されています。 内訳は、イギリス106例、スペイン98例、ポルトガル74例の3ヶ国で症例の大半を占めており、それ以外には、カナダ26例、ドイツ22例、イタリア13例と欧米諸国が続いています。 現時点では、日本国内ではサル痘患者は報告されていません。 これまでに分かっている確定例は大半が男性患者であり、20代から40代の比較的若い世代に多いことも特徴です。 また、今回の感染者のうち、ゲイやバイセクシュアルなど男性とセックスをする男性(MSM)の間で
欧米を中心にサル痘の患者が増加しています。 サル痘は天然痘に似た特徴を持つウイルス感染症です。 これまでに分かっている流行状況と、サル痘に関する基本的な情報についてまとめました。 これまでの発生状況は?2022年5月22日現在、世界で97例のサル痘患者が報告されています。 内訳は、イギリス20例、スペイン40例、ポルトガル14例の3ヶ国が症例の大半を占めており、それ以外には、オーストラリア2例、ベルギー3例、カナダ5例、フランス1例、ドイツ3例、イタリア3例、スウェーデン1例、アメリカ2例となっています。 これまでに分かっている確定例はすべて男性患者であり、20代から40代の比較的若い世代に多いことも特徴です。 また、今回の感染者のうち、ゲイやバイセクシュアルなど男性とセックスをする男性(MSM)の間で発生したケースが多いことが指摘されています。 このアウトブレイクの発端は、2022年5月
流行初期からオミクロン株は従来の新型コロナウイルスと比べて症状が軽いと言われてきましたが、具体的な症状の頻度、持続期間、後遺症の頻度などが分かってきました。 オミクロン株では感染機会から約3日後に発症する従来の新型コロナウイルスとオミクロンとの潜伏期の違い(筆者作成) 従来の新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。 しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも約2日短くなっています。 国立感染症研究所の疫学調査ではオミクロン株の潜伏期は約3日となっており、99%の人が感染してから7日以内に発症しています。 また、感染者と接した場合も7日以上経った後に発症することは稀ということになります。 オミクロン株では咽頭痛、声のかすれ、鼻水が多いオミクロン株感染者の症状の頻度(UKHSA publications gateway numbe
今年は「3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィーク」ということで、久しぶりに旅行や会食を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。 新型コロナの流行から2年以上が経過し、ようやく社会も活気を取り戻しつつあります。 とは言え、まだ完全に元通りの生活とは言い切れません。 これから私たちはどういったことに気をつけながら生活をして行けばよいのでしょうか? 新規感染者数は減少傾向日本国内での新規新型コロナ感染者数の推移(Yahoo!JAPAN 新型コロナウイルス感染症まとめより) 日本国内での新型コロナ感染者数は、2022年2月上旬をピークとした第6波を経て、3月下旬からは横ばい〜微増傾向となりましたが、4月下旬以降再度減少に転じています。 第6波では1日あたりの新規感染者数が10万人を超えたこともありましたが、現在は1日2万人程度まで減少しています。 ただし、感染者数だけを見ると2021年8月頃の第5
現在、南アフリカを中心にBA.4、BA.5という2つのオミクロン株の亜系統が、そしてアメリカではBA.2の亜系統であるBA.2.12.1が拡大しています。 これらの変異株について現時点で分かっていることについてまとめました。 南アフリカで新型コロナの新規感染者数が再増加南アフリカ共和国における新型コロナ新規感染者数の推移(Our World in Dataより) オミクロン株が世界で最初に拡大した南アフリカでは、2021年12月をピークとした第4波を迎え、その後新規感染者数は減少傾向にありました。 しかし、現在南アフリカでは再び新規感染者数が増加傾向となっています。 この感染者数の増加との関係については明らかではありませんが、現在南アフリカではオミクロン株の亜系統であるBA.4とBA.5という2つの変異株が広がっています。 南アフリカにおける変異株の割合の推移(Outbreak.Infoよ
イギリスを中心に、海外で小児の急性肝炎の症例が報告されており、日本国内でもこれまでに3例が報告されています。 現時点で分かっていることについてまとめました。 これまでの報告数は?イギリスが最も多く、2022年4月20日までに111人の患者が報告されています。 また、2022年4月27日までにヨーロッパ12カ国から約55人の患者が報告されています。 さらに、米国から12例、イスラエルからも12例の小児の急性肝炎が報告されており世界的に増加傾向です。 日本からはこれまでに3例が報告されています。 急性肝炎の症例の年齢や性別などの特徴は?イングランドで確認された症例は、ほとんどが3歳から5歳(65.4%)で、年齢の中央値は3歳、54.4%が女性でした。 これまでに共通の病歴、食事、旅行、動物との接触、医薬品や毒物への曝露などは確認されておらず、免疫不全などの病歴もなかったとのことです。 どのよう
4月上旬から海外で10歳未満の小児における原因不明の肝炎の症例の報告が増えています。 現時点で分かっていることについてまとめました。 肝炎ってどんな病気?(提供:イメージマート) 肝炎とは、名前の通り肝臓に炎症が起こっていて、肝臓の細胞が破壊されている状態を指します。 肝炎を起こす原因には、 などがあります。 このうち、日本国内で最も頻度が高いのはウイルス性肝炎です。 ウイルス性肝炎の特徴(筆者作成) ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こります。 A型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。中でもB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性肝炎という持続的に肝臓に炎症を起こす病態に移行することがあり、肝硬変、肝がんへと至ることがあります。 ウイルス性肝炎に感染したときに急性肝炎という激
4月11日、海外から日本に入国した人から「XE」と呼ばれるオミクロン株BA.1とBA.2の組替え体が初めて検出されたことが発表されました。 この「XE」とは、どういった特徴を持つウイルスなのでしょうか。 新型コロナウイルスの組換え体とは?組換え体は、2種類以上の変異株に同時に感染することで、感染者の体内でそれらの遺伝子が混ざり合って発生するものです。 新型コロナウイルスはヒトだけでなく動物にも感染することがあるため、動物の体内で組み換えが起こることもあります。 複数の変異株が同時に流行している状況下における新型コロナウイルスの組換えは珍しいことではなく、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから、いくつかの組換え体が確認されています。 日本でも2021年10月にアルファ株とデルタ株との組換え体が見つかっています。 しかし、これまではこれらの組換え体が他の変異株よりも感染力が強く拡大したと
オミクロン株を主流とした第6波は2022年2月上旬にピークに達しましたが、少し遅れて後遺症の相談件数も増えているようです。 新型コロナ後遺症にはどういった症状があり、どれくらいの頻度で、いつまでみられるのでしょうか? 新型コロナ後遺症とは?新型コロナに感染した人の中には、数週〜数ヶ月間に渡って様々な症状が続く方がいます。 これらは海外では「LONG COVID」「Post-acute COVID-19 syndrome」などと呼ばれていますが、厚生労働省は「罹患後症状」と呼称し診療の手引きを作成しています(筆者も編集委員です)。 日本国内では「後遺症」と呼ばれることが多いため、ここでは新型コロナ後遺症という表現を使います。 なぜ新型コロナに感染した後に後遺症が起こるのか、まだ良くわかっていませんが、ウイルスに感染した組織(特に肺)への直接的な障害、感染によって免疫の調整機能に影響が起こるこ
2月上旬をピークに新規感染者数は緩徐に減少していましたが、年度を挟んで再増加に向かいつつあります。 第7波の規模を抑えるために、今後私たちが気をつけるべきことについてまとめました。 全国の新規感染者数が再増加に転じる全国の新規感染者数の推移(第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より) 全国の新規感染者数は、直近の1週間では10万人あたり約240人で、今週先週比が1.04となり、増加傾向となっています。 首都圏、関西圏、中京圏、その他の地域のいずれでも同様の傾向となっており、今後のさらなる増加が懸念されるところです。 東京での検査陽性率のの推移(東京都 モニタリング項目の分析 令和4年3月31日公表) なにかの間違いで増えたわけではなく、実際の流行状況を反映する指標である検査陽性率や接触歴等不明者数・増加比といった指標も東京都や大阪府で再増加しており、リバウンドの可能
2022年後半に日本で主流となっていたデルタ株と、現在日本で広がっているオミクロン株との組換え体の変異株、通称「デルタクロン」が話題になっています。 現時点でデルタクロンについて分かっていることについてまとめました。 新型コロナウイルスの組換え体とは?組換え体が出現するメカニズム(Cell. 184(20). 2021. pp. 5179-5188.e8.より筆者作成) 組換え体は、2種類以上の変異株に同時に感染することで、感染者の体内でそれらの遺伝子が混ざり合って発生するものです。 新型コロナウイルスはヒトだけでなく動物にも感染することがあるため、動物の体内で組み換えが起こることもあります。 新型コロナウイルスの組換えは珍しいことではなく、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから、いくつかの組換え体が確認されています。 日本でも2021年10月にアルファ株とデルタ株との組換え体が見つ
日本では現在ブースター接種とも呼ばれる3回目の新型コロナワクチンの接種が進められています。 イスラエルではすでに4回目の接種が行われており、その結果の一部が報告されています。 残念ながら目覚ましい効果は確認されず、この結果によってワクチン政策は大きな岐路に立たされることとなりそうです。 4回目のmRNAワクチン接種後、抗体はどれくらい増えるか3回目までファイザーのmRNAワクチンを接種した後、4回目にファイザーまたはモデルナのワクチンを接種した場合の抗体価の推移(DOI: 10.1056/NEJMc2202542) 医療従事者を対象にしたイスラエルでの4回目のワクチンの効果と安全性を評価した研究が報告されています。 1250人の医療従事者のうち、ファイザー3回目接種から4ヶ月後以降に154人がにファイザーの4回目の接種を受け、120人がモデルナの4回目を接種しました。 図はワクチン接種後の
日本ではすでに500万人以上の方が新型コロナに感染しています。 過去に新型コロナになった方も再び感染することがあるため、一般的にワクチン接種が推奨されます。 新型コロナには何度でも感染する 世界では4回感染した人も新型コロナに感染すると、免疫ができます。 一度新型コロナに感染すると、しばらくの間は感染しにくくなります。 これまでの研究によると、 ということが分かっています。 しかし、長期的に保たれるものではなく、新型コロナに感染したことがある方も再び新型コロナに感染することがあります。 すでに新型コロナの流行が始まって2年以上が経っていますが、2回感染したことがある人は多数いますし、世の中には3回、4回と新型コロナに感染した人もいるようです。 過去の感染による再感染予防効果はオミクロン株には不十分過去の感染による変異株ごとの再感染の予防効果(DOI: 10.1056/NEJMc220013
日本国内における新型コロナ 第6波の流行は、ピークは過ぎたと考えられるものの過去最大の感染者・死亡者となり大きな爪痕を残しました。 第7波で同じことを繰り返さないために、今我々は何をすべきでしょうか。 第7波はそう遠くないかもしれない現在、日本全体での新規感染者数は減少傾向となっていますが、第5波のときのようには急速な減少は見られていません。 第5波のときは、急激に新規感染者数の減少が見られました。これは、第5波で主流であったデルタ株にはワクチン接種による感染予防効果が高かったことから、ワクチン接種が急速に進んだことが寄与したものと思われます。 しかし、第6波で主流となっているオミクロン株に対しては、重症化予防効果は保たれているものの、感染予防効果は大きく減弱していることから、第5波のときのような急激な減少は起こっていないものと考えられます。 沖縄県での新型コロナ新規感染者数の推移(Yah
オミクロン株「BA.2」が日本国内でも報告が増えてきています。 従来のオミクロン株「BA.1」と比べてどのような特徴があるのでしょうか? BA.2について現時点で分かっていることについてまとめました。 BA.2とは? 現在、オミクロン株(B.1.1.529)は、 の4つの下位系統に分かれています。 このうち、日本を含め世界で主流になっているのはBA.1です。 しかし、BA.2も世界各国で報告が増えてきており、日本国内でも東京、大阪、神奈川など複数の地域で市中感染が確認されています。 人口100万人当たりの新規感染者数の推移(Our World in Dataより) 日本よりも先にオミクロン株による流行を迎えた欧米の中でも、特にデンマークは一時期非常に多くの感染者が報告されていました。 現在はピークを過ぎていますが、2月中旬には1日の感染者数が人口100万人当たり約8000人を記録しており、
第6波の新規感染者数は減少傾向になっていますが、医療機関や高齢者施設のクラスターが多発しており、重症化・死亡する人が急増しています。 現場では今何が起こっているのでしょうか。 新規感染者数は減少しているが施設クラスターが増加している新型コロナウイルス感染症の新規感染者数と死亡者数の推移(Yahoo!JAPAN 新型コロナウイルス感染症まとめより) 日本国内の新規感染者数は1月下旬〜2月下旬にピークを迎え、現在は緩やかに減少傾向となっています。 一方で、1日あたりの死亡者数はまだ増加中であり、300人を超える日も出ています。 新型コロナでは重症者や死亡者は遅れて増えてくるため、新規感染者数がピークを越えた後もしばらくは重症者や死亡者は増える、というのはこれまでの流行でも経験してきたことです。 大阪府の第6波における死亡者の内訳(第70回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議資料より) 特に大阪
オミクロン株は弱毒化しておりインフルエンザや風邪に近づいている、という意見をよく目にしますが、これは本当でしょうか? さらに「このままコロナは弱毒化していって風邪になっていく」という話もよく聞きます。これもどこまで根拠のある話なのでしょうか。 第6波の1日当たりの死亡者数は過去最大日本における新型コロナ死亡者数の推移(厚生労働省 データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-のデータを元に筆者作成) まず、オミクロン株は弱毒化しているということが強調されすぎていますが、「新型コロナ オミクロン株の感染者が重症化しにくいのはなぜか?」でも書いた通り重症化する人が少ないのは感染者の多くがワクチン接種者、過去に感染した人が感染しているからであり、オミクロン株の病原性そのものは武漢市で最初に広がった新型コロナウイルスと同等くらいと考えられています。 ワクチン未接種者、そして2回目のワクチン接種か
当初、オミクロン株が出現した際に「ワクチンの効果が大きく落ちる」ということが注目されました。 オミクロン株の出現から2ヶ月以上が経ち、オミクロン株に対する多くの知見が集まってきました。 オミクロン株に対してワクチンはどれくらい有効なのでしょうか? オミクロン株に対しても2回のワクチン接種はある程度感染を防ぐワクチン接種歴別の新規感染者数(1/24-1/30、厚生労働省 第71回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より) オミクロン株に対しては、ワクチンによる感染予防効果は大きく落ちることから、第6波では2回ワクチン接種を完了している人も多く感染しています。 しかし、オミクロン株では感染を防ぐ効果が全く期待できないというわけではありません。 2022年1月24日から1月30日までに感染した人の中で、ワクチン未接種の人、2回接種済みの人との10万人当たりの新規陽性者数を比べてみ
2022年2月現在、全国で第6波を迎えており、かつてない規模で新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加しています。 オミクロン株による感染ではこれまでとどういった違いがあるのでしょうか。 新型コロナの典型的な症状、持続期間、重症化のリスクや典型的な経過などについて現時点での知見をまとめました。 オミクロン株の感染から発症までの期間は?従来の新型コロナウイルス、オミクロン株、インフルエンザの潜伏期の違い(筆者作成) 従来の新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。 これはインフルエンザの約2日と比較して長い潜伏期になります。 しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも短くなっているようです。 国立感染症研究所の疫学調査ではオミクロン株の潜伏期は約3日となっており、99%の人が感染してから7日以内に発症しています。 従来の新型コロ
第6波ではこれまでの流行よりも重症化率、致死率が低いことが報告されています。 これはオミクロン株が病原性が弱いためでしょうか? ウイルスの病原性の評価には注意が必要であり慎重な判断が求められます。 第6波の致死率はこれまでと比較して大幅に低い第4波から第6波までの変異株と致死率(2022年1月31日時点) 2021年3月〜6月中旬頃を第4波、6月下旬〜9月頃を第5波、そして2021年12月下旬から現在までを第6波とした場合、2022年1月30日時点での致死率はそれぞれ1.9%、0.4%、0.04%となっています(第6波は今後高齢者の感染者が増えていくことが予想されるため、現時点よりも悪化する可能性があります)。 こうして見ると、致死率は経時的に低下していることが分かります。 ちなみにそれぞれの流行における主流の変異株はアルファ株、デルタ株、オミクロン株です。 「そうか・・・やはりオミクロン
オミクロン株の亜種"BA.2"がデンマークをはじめいくつかの国で広がっています。 日本でも市中感染例が報告されており今後の拡大が懸念されます。 BA.2について現時点で分かっていることについてまとめました。 欧米諸国がピークアウトする中、デンマークでは増加が止まらず人口100万人当たりの新規感染者数の推移(Our World in Dataより) 日本よりも先にオミクロン株による新型コロナの流行がみられていたイギリス、アメリカ、イタリアなどの国では感染者数はピークアウトし減少に転じています。 しかし、その中でデンマークは今も感染者が増え続けています。 1日の感染者数が人口100万人当たり7600人を超えており、これは日本で例えると1日90万人の感染者が出ているという凄まじい状態です。 デンマークで感染者が増え続けている原因の一つとして、オミクロン株の亜種「BA.2」の拡大が挙げられています
2022年1月23日現在、16の都道府県で実施されている「まん延防止等重点措置」ですが、大阪府などさらに適用を要請する地域が増えてきています。 第6波は重症化リスクが低いとされるオミクロン株が主流であり、現時点では重症者は少ないにも関わらず、なぜ「まん延防止等重点措置」が必要と判断されたのでしょうか? 大都市圏では軽症中等症病床が埋まってきている東京都の入院患者数の推移 2022年1月22日時点(東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトより) 東京都では1日200人ペースで入院患者が増えています。 都の確保病床数は5015床ですので、現在は48%が埋まっているという状況です。 大阪府の入院患者数の推移 2022年1月22日時点(大阪府新型コロナウイルス感染症対策サイトより) 同様に、大阪府も軽症中等症病床が徐々に埋まりつつあり、現在52.4%に達しています。 重症例は東京都で12人、大阪府
現在、世界中で急激な新型コロナ感染者の増加が観察されており、その背景にはオミクロン株の存在があると考えられます。 日本国内における新型コロナの流行「第6波」においてもオミクロン株が主流になっています。 オミクロン株はなぜこれほどまでに広がりやすいのでしょうか? 世界中で感染者が爆発的に増加している世界における週ごとの新型コロナ患者報告数の推移(WHO. Weekly epidemiological update on COVID-19 - 13 January 2022) 現在、世界で報告されている新型コロナの感染者数がこれまでにないペースで急激に増加しています。 過去2年間の流行では、週当たりの感染者数が600万人を超えることはありませんでしたが、現在は1500万人に達しています。 これは2021年11月に南アフリカ共和国などで見つかり、世界的に拡大したオミクロン株による影響と考えられま
2022年1月現在、全国で第6波を迎えており、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加しています。 オミクロン株による感染ではこれまでとどういった違いがあるのでしょうか。 新型コロナの典型的な症状、持続期間、重症化のリスクなどについて現時点での知見をまとめました。 オミクロン株の感染から発症までの期間は?従来の新型コロナウイルス、オミクロン株、インフルエンザの潜伏期の違い(筆者作成) 新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。 これはインフルエンザの約2日と比較して長い潜伏期になります。 しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも短くなっているようです。 アメリカのネブラスカ州、そしてノルウェーからの報告では、オミクロン株による感染者に接触し後に発症した人の潜伏期は約3日でした。また韓国からも平均潜伏期間は3.6日であったと報
※本記事は2022年1月上旬時点の情報に基づく記事です。オミクロン株の症状、重症化リスクなどに関する情報は最新版である以下の記事をご参照ください 「のどの痛みが多い」「嗅覚・味覚の異常は少ない」 新型コロナ オミクロン株の症状の特徴は? オミクロン株の感染から発症までの期間は?新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。 これはインフルエンザの約2日と比較して長い潜伏期と言えます。 しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも短くなっている可能性があります。 アメリカのネブラスカ州、そしてノルウェーからの報告では、オミクロン株による感染者に接触し後に発症した人の潜伏期は約3日でした。また韓国からも平均潜伏期間は3.6日であったと報告されています。 従来の新型コロナウイルスよりも潜伏期が約2日短くなっている、ということになります。 オ
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