『おとうさん、ぎゅうにゅうちょーだい』 息子のこーくんは小学2年生。好きな飲み物は牛乳だ。食事の時にも、給食の要領で牛乳を飲む。麦茶や水をすすめてみても、聞く耳をもたない。 「ちょっと待ってね」 最近、我が家はいつもと違うスーパーで買い物をした。その結果、今日から冷蔵庫にはグリコの牛乳が並んでいる。 グリコの牛乳『おとうさん、ちょっとそれは……』 「こーくん、パッケージは違うけど、中身は牛乳だよ。おんなじだよ」 『いや、でも……』 かなり嫌そうにしている。パッケージを見るのも嫌なようだ。 「いっしょだよ。一回飲んでみたらいいじゃん」 『やだ』 理不尽。同じ牛乳なのに。私はちょっと、苛立ってしまった。 「なんで嫌なの?ちゃんと理由を説明して」 すると、こーくんは思わぬ言葉を口にした。 『うしさんがかわいそうで……』 急にどうした。そういえば、この前、焼肉を食べていた時にお肉になってしまった牛