なぜ、赤字なのに本を書くのか本を書くのは、端的に言って割に合わない。はじめて単著を出してから約15年になるが、ますますそう感じる。 たとえば定価1000円、印税10%の本が1万部出たとして、著者に入る印税は100万円だ。 しかも、いまでは新書でも初版が1万部に届かないこともある。印税率もかならずしも10%とは限らない。つまり、一冊の本を書いて著者に入るお金が100万円以下、というケースは珍しくない。 もちろん、最初から数万部を刷り、それ以上に売れる著者もいる。だが、それはやはり一部の売れっ子だろう。 では、その100万円を得るために、どれだけのコストがかかるのか。 取材に出かける。資料を買う。文献を読む。何カ月、ときには何年もかけて原稿を書く。さらに編集者とのやりとりを重ね、さらに校正をする。 時給に換算すれば、かなり厳しい数字になるのではないか。 同じ時間を使うなら、動画を配信したり、記