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TGS2024
peoplesstorm.hatenablog.com
1.はじめに 2.「在日」というステレオタイプ─W.リップマンの『世論』から 3.「群衆」としての右翼─ル・ボンの『群衆心理』から 4.終わりに 5.参考文献 1.はじめに 2018年現在、ネット内では現在右翼と左翼が活発に戦っている。ツイッターや5chを見たことがある方は経験した、あるいは目にしたことがあると思われる。そんな中、右翼側の「一部」が国内で何か事件が起こるたびに根拠なく犯人を在日韓国・朝鮮人と認定する行為(在日認定)がたくさん見られる。この記事では在日認定がなぜ行われるかを考えていきたい。繰り返すがあくまで右派の「一部」が行っている行為であり、右派全員がこのような差別的言動を行っているわけではないとご了承願いたい。 2.「在日」というステレオタイプ─W.リップマンの『世論』から 初めに結論を言うと在日認定は一種のステレオタイプの「防御」である。ステレオタイプに関しては政治学者
作品のアニメ化などで話題になっているサイト、『小説家になろう』では多くの「異世界転生モノ」が見られる。これらのテンプレートは、「異世界転生して現代知識で『チート』をし、異世界を発展させるとともに現地の少女たちと恋愛をする」といった具合だ。 私は、この「異世界でチートをする」という構造は現実の植民地主義の比喩であると私は考えている。文明の劣ると考えられたアフリカその他で自国の文化や文明を伝えて、「啓蒙」する。この図式は実に爽快である。何と言っても自国の優位性が明白であり、愛国心─愛する自国の優位性から来る圧倒的満足も含め─を満たせるのだ。そして現地の少女─彼ら植民地支配を行う側からしたら絶対的に弱者である─を手篭めにする。まさしく植民地政策真っ只中の西洋諸国の夢やロマンス願望を煮詰めたものであるのだ。 日本は朝鮮半島を植民地支配したが、「西洋の植民地の本場」であるアフリカ大陸ではそれは叶わな
1.はじめに 2.豚について 3.宗教的戒律と豚 4.反芻動物と豚 5.中東で豚を飼うベネフィット 6.終わりに 参考文献 1.はじめに 世界各国の宗教には色々なタブーがある。例えばユダヤ教やイスラム教では豚が禁じられた食材となっている。このようなタブーについてインターネット上では「豚は寄生虫(繊毛虫)がいるので食べてはならないと定められた」という言説が見られる。一方人類学者のマーヴィン・ハリスは全く別の理由で食べないのだとその著書で述べている。ここではハリスの意見を簡単に紹介し、豚のタブーについて説明していきたい。 2.豚について 豚は飼うのに実に合理的な生き物である。豚は餌に含まれるエネルギーの35%を肉に変えることができる。一方羊は13%、牛に至ってはわずか6.5%である。雌牛は一頭の仔牛を産むのに九ヶ月の妊娠期間が必要であり、また仔牛は400ポンド(180kg)に達するのに四ヶ月か
1.はじめに 2.食の魔術性 3.菜食主義の再誕 4.まとめ 参考文献 1.はじめに 最近、ネット上でにわかにベジタリアニズムやヴィーガニズム*1についての話題が盛り上がっている。例を上げれば下記のまとめがあろう。このまとめでは猫にまで菜食主義を強要することが非難の的になっていた。 togetter.com 「肉食禁止」という言葉を聞くと人々は古典的な宗教のタブーを思い出すだろう。しかし現在の─西洋的な─菜食主義(それがベジタリアンであれヴィーガンであれ)の根底は実は近代に入ってからのものなのである。この記事では簡潔にこれを書いていきたい。 2.食の魔術性 食に対する問題を論じる前に「食の魔術性」について述べる必要がある。これはフェリペ・フェルナンデス=アルメストが詳しく論じているが、要するに食事をする際に栄養摂取以上の意味を食に見出すことである。日本で言えば戦国武将たちが勝ち栗や打ち鮑な
1.はじめに 2.産業革命以前の料理 3.ヴィクトリア朝による料理の衰退 4.さらなる苦難─第一次世界大戦と第二次世界大戦 5.イギリス料理の再生と進展─第二次世界大戦終結後 6.おわりに このブログ記事は下記のエントリーの補足ですので、ぜひ下記のエントリーもお読みください peoplesstorm.hatenablog.com 1.はじめに イギリス料理=まずいというステレオタイプは日本において根強く有る。ツイッター、mixi、2ちゃんねる…あらゆるところで毎日のようにネタにされる。しかしなぜイギリス料理はまずいのだろうか。ここではイギリス料理がなぜまずいと言われるようになったかを簡単に論及していきたい。 2.産業革命以前の料理 14世紀に書かれたイギリス料理のレシピ集『The Forme of Cury』を見れば数多くの料理がいきいきと書かれているのに気づくはずだ。当時まだ貴重品だった
1.はじめに 2.横行した食品偽装について a.コーヒー b.紅茶 c.黒砂糖 d.野菜 e.砂糖菓子 f.ビール g.たばこ 3.過酷な労働環境 a.ストリートセラー b.マッドラーク c.ワークハウス(救貧院) d.港湾労働 e.売春 f.児童労働 g.社会保障 4.ヴィクトリア朝の生活 a.家庭での食事 b.医療・衛生 c.余暇 5.終わりに 参考文献 1.はじめに 一般的に優雅で安泰のイメージが持たれる─『シャーロック・ホームズ』や漫画の『エマ』などがいい例である─ヴィクトリア朝イギリス(19世紀-20世紀初頭)であるが、その実庶民の暮らしは過酷そのものであった。我々はどうしてもメイドや執事、そして貴族などの華やかなイメージを持ってしまうが、その裏腹に食品偽装は横行し、産業革命によって花開いた近代的労働は殺人的領域まで達していた。本稿ではヴィクトリア朝イギリスにおける庶民の暮らしに
1.はじめに 2.火の意味するところ 3.調理の意味するところ 4.おわりに 5.参考文献 1.はじめに 最近ネットでけものフレンズというアニメが流行っている。私もDアニメストアで視聴しているが、ユーモラスで可愛いキャラ、そのキャラ同士のやりとり、ほのぼのした(それでいてポストアポカリプスを匂わせる)世界観…いいところを上げればキリがないのだが、ともかくハマっている。そして、先日視聴した7話では料理がテーマの回でそ、の中で火の扱いが出てきた。この描写に私は深く感動し、その感動と解説をここに書き記すものである(大袈裟)。 2.火の意味するところ まず火なるものの意味を考えたい。たいていの文化圏では火の神話が存在する。古代ギリシャにおいて火はプロメテウスが天から盗んだ火である。北米インディアンのダコタ族では最初の火は太陽であり、原始の闇にいた神々が太陽に火をつけたのだという。クック諸島では、マ
1.はじめに 2.四種類の食人 3.戦争におけるカニバリズム(aの場合)とその消失 4.平和的なカニバリズム(bの場合)と食の魔術 5.終わりに 参考文献 1.はじめに 「ネーコってコーモリ食べる? ネーコって、コーモリ、食べる?」そのうちどっちがどっち食べるのかわからなくなって。まあほらどちらにしても答えはわからないから、どっちになっても大して変わりないけど。*1 猫はコウモリを、あるいはコウモリは猫を食べないかもしれないが、人は人を食べる。中世末から今に至るまで我々は「食人(カニバリズム)」*2に強い興味を持っている。ウィキペディアに項目があり、事象が列挙されているのもその一例であるし、現代でも食人が絡んだ事件が有ると大騒ぎになる。また、フィクションでも食人にフォーカスされた作品は多い。マルキ・ド・サドやエドガー・アラン・ポーなどがこのような作品を残している。では食人とはいったいなんだ
一応、この記事の続きです。 peoplesstorm.hatenablog.com 1.はじめに 2.ドイツ軍における覚醒剤の概要 3.具体的覚醒剤製品 a.Panzerschokolade b.Stuka-Tabletten 4.終わりに おまけ:覚醒剤の作用と副作用 1.はじめに 前回の記事では1950年代にまで市販されていた麻薬含有商品を紹介したが、今回の記事では戦争中に多用された覚醒剤*1を取り扱いたい。現在の軍隊でも「痛み止め」としてモルヒネは一部使用されるが、この他に覚醒剤(主にメタンフェタミンとアンフェタミン)は士気高揚やその他の目的で各国で乱用されていた。それらを断片的にであるが紹介していきたい。 2.ドイツ軍における覚醒剤の概要 ドイツにおける覚醒剤の代表例がペルビチンである。 1930年代末、ベルリンのTemmler製薬会社によって開発されたメタンフェタミン*2薬「ペル
1.はじめに 2.動画より理解できること 3.青学サンバの考察I─踊ることの意味 4.青学サンバの考察II─SEIYUの意味 5.まとめ 参考文献 1.はじめに みなさんは今年の初夏にネットを騒がせたこの動画をご存知だろうか。 この動画に対するネットの反応はまさしく「炎上」というに等しかった。瞬く間に青山学院大学(青学)とこのサンバゲーム(通称「青学サンバ」)、そしてそれを踊ったAmiなるサークルが特定され、大学側が見解を述べる事態にまで発展した。 しかし、私はこの騒動を見ていて不満を持った。誰もこの「青学サンバ」に対する真面目な論考をしていないのである。彼らは青学に入れるだけの知能がある。ただ狂信的に踊り狂ったわけがない。何か理由があって、意図があって踊ったのだと考えるのが自然であり、むしろ必然ではないか。この記事では青学サンバに対する一つの考察を提供したい。 2.動画より理解できること
1.はじめに 2.背景 3.コカイン含有商品 『C.F. Boehringer & Soehne (ドイツ)の文鎮広告。』 『コカ・コーラシロップ』 『コカイン歯痛ドロップ』 『コカイン含有のど飴 』 『メトカーフのコカ・ワイン』 『ヴィン・マリアーニ』 『マルティン・コカワイン』 『ワイン・オブ・コカ』 『バーネットのCOCOAINE』 4.アヘン含有商品 『スティックニーアンド・プアーズ・パレゴリック』 『バイエルン社のヘロイン』 『グリコ・ヘロイン』 『Antiasmatico No.4(第四号対喘息薬)』 『Vapor-OL (opium) Treatment no. 6(第六号アヘン蒸気治療薬)』 『VAPO-Cresolene』と『Cresolene』 『ミセスウィンズローのスージング(なだめかし)シロップ』 『納税印紙2セント─アヘン用』 『アヘンパイプ』 5.アンフェタミン
まえがき これから書く文は高校生に、つまりこれから選挙権を獲得し、投票活動、その他政治活動に本格参加する権利を得るあなた達に書くものである。なるべく、簡潔に、民主主義という「理想」に参入するための心構えや知っておいてほしいことを書きたいと思う。そのために、かなり端折って、ある意味では極論じみた記事になることと思う。かかる文で出た疑問点等はツイッターの垢(@teslamk2t)などで質問していただけると幸いである。 1.投票は本当に「あなたの意思」なのか?─扇動に気をつけろ! 2.民主主義における「責任」について─民主主義は完璧な制度ではない! 3.まとめ─理性的な君が国を救う 1.投票は本当に「あなたの意思」なのか?─扇動に気をつけろ! 各国の歴史を紐解くと、個人の場合と同様、国全体が浮かれ、常軌を逸し、興奮に身を委ね、分別を失うという事例にぶつかります。共同体の全ての構成員が狂ったように
※非常に長いので時間のあるときにお読みください。 はじめに 統合失調症の概説 統合失調症患者はなぜ「鴨」にされるのか1─妄想の根源─ 統合失調症患者はなぜ「鴨」にされるのか2─妄想の統一化─ 統合失調症ビジネスの誕生 終わりに はじめに 統合失調症、それは極めて身近な病気だ。発症確率は全人口のうち1%とも言われ、つまり一学年の中に数人は統合失調症患者がいる(あるいは将来的に発症する)ことになる。 統合失調症患者に対する偏見は数限りない。殺人を犯す、凶暴になる、人格を失う…。これらの世間に流布しているイメージは、実はある一面では事実である。具体的にはネットで有名な林先生ことDr.林(林公一)氏の書いた『統合失調症─患者。家族を支えた実例集』の中に取り上げられている。統合失調症は治療で抑えることはできるのだが、この治療をしなかった場合最悪の出来事が─あなた方が統合失調症に抱くイメージ通りのこと
ツイッターでは毎日「議論」が行われている。例えば右翼と左翼の対立。原発推進派と反原発派の戦い。他にも私が見たのは「かけ算の順序問題」などもあった。かけ算は交換法則が働くので入れ替えれてもいいはずなのに小学校では順番が強制されているというものだ。 これらはほんの一例であり、例えばけもフレなどのアニメ作品でも対立があるし、ほぼ全界隈が日夜敵と大戦争・大議論していると言っていいだろう。 これらの議論は見ていると面白い。たいていツイッターの界隈には「ご意見番」がいる。社会学で言えばオピニオンリーダーだ。このご意見番が議論の方針を決めている。これは無意識の行動かもしれない。しかしご意見番に扇動された社会学における「フォロワー(オピニオンリーダーの影響を受ける者)」─皮肉なことにツイッターでもフォロワーという言葉が使われる─がまるでガンダム世界のファンネルのように敵に攻撃(リプライ)していくのだ。 と
※例によってとても長いです 1.はじめに ネット上ではオタクは攻撃的だという言説に満ちている。私は軍事オタク(ミリオタ)であるので必然的にミリオタとはよく接するのだが、特にミリオタは攻撃性が高いと話題になっている。 例えば、このようなトゥギャッターまとめさえ存在する。 togetter.com このまとめの要旨は大手のミリオタ、つまり「アルファ」が攻撃的であり、我々非アルファは「優しいミリクラの会」を結成し万人に優しくしていこうというものだ。こんなまとめができるほど、そしてTwitter内のミリオタの内部からそれが指摘されるほどミリオタの攻撃性は問題になっているようだ。 ところで、このようなミリオタの攻撃性というものは実はオタク全般に見られる傾向なのである。今回の記事ではなぜオタクが攻撃的なのか、そしてミリオタはなぜその中でも危険視されるているのかを客観的に解説していきたい。 この記事の論
はじめに ガールズアンドパンツァー(以下ガルパン)劇場版が非常に好調である。私も何回も見に行ったのだが非常に優れた娯楽作であると言える。ガルパンはいいぞ。 ガルパンといえばガルパンおじさんなる存在がある。彼らは(あるいは彼女らは)「ガルパンおじさん」という語が使われる時期によって具体的用法は異なるものの、2016年現在では善良なガルパン愛好家を指す名称となっている。 かかるガルパンおじさん達はガルパンの聖地である大洗町に訪れ、そこで受け入れられている。私はここに民族学的特徴を見出した。すなわちガルパンおじさんはマレビトであるのだ。以下具体的論考をしていきたい。 マレビトとは何か マレビトとは簡単にいえば異界から訪れてくる来訪神・客人神である。中世日本の村落社会で生きる者にとって自己の村落共同体以外は「異界」であり、これら異界の者を丁重にもてなした後送り返していた。 先にマレビトは「神」と述
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