私たちは「生きることの重荷」、あるいは「被投性の重み」について、どのように考えたらよいのだろうか。この問題を「良心の呼び声」との関連において掘り下げるために、今回の記事では、『コリント人への第二の手紙』第12章におけるパウロの言葉を参考にしてみることとしたい。この章の5節において、彼は次のように言っている。 「しかし、自分自身については、弱さ以外には誇るつもりはありません。」 自分に与えられた啓示について語った後、パウロは自らが抱えている「弱さ」について書き始める。そこで彼が語るのは、彼を悩ませ続けている「肉のとげ」についてである。 この「肉のとげ」の具体的な内容は明かされていないが、パウロの抱えているいかんともしがたい身体の不調、あるいは病のことであったことは間違いない。つまり、「自分には、果たすべき務めがある!」という確信に突き動かされながら生きていたこの人物にも、どうにもならない悩み