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大阪万博
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超刺激的な作品集『すべての原付の光』がついに発売! 刊行を記念して、著者の天沢時生さんへのインタビューを掲載いたします。 『すべての原付の光』――小説を書き始めたきっかけを教えてください。 天沢 初めて小説を書いたのは二十代後半、ノベルゲームのシナリオライターをしていた頃です。『カイジ』の地下強制労働のような職場で、文庫十冊分のボリュームのシナリオを半年で書けと鬼詰めされ、オフィスの机の下に段ボールを敷いて仮眠をとる毎日でした。ある朝、誰もいないオフィスでインスタントコーヒーを淹れている時、ふと「このままだと心壊れちゃう」と思い、現実逃避のための怪文書を書き始めました。それが初めての小説です。 ――SFというジャンルを選んだ理由はなぜですか? 天沢 ジャンルとしてのSFを最初に意識したのは「ゲンロン 大森望 SF創作講座」に応募した時でした。僕はもともと東浩紀さんの読者で、『動物化するポス
ベストセラー『調べる技術』著者・小林昌樹氏の新刊『立ち読みの歴史』(ハヤカワ新書)が2025年4月23日に刊行されます。これまで注目されてこなかった資料を発掘し、「立ち読み」という習俗から謎多き近代出版史を描き出す野心作です。この記事では本書のプロローグとなる「零.立ち読みは日本だけ⁉──「出版七つの大罪」の筆頭」を公開します。 『立ち読みの歴史』小林昌樹零.立ち読みは日本だけ!?──「出版七つの大罪」の筆頭誰もが一度は見たことも、したこともあるだろう「立ち読み」。新刊書店の店頭で、立ったまま試し読みをするアレである。昭和生まれだと、ハタキで店主に追い払われる場面とセットで思い出す。ところがこの立ち読み、どうやら海外になかったらしいのだ。昭和時代に「洋行」した人たちの紀行文や案内記に、立ち読みが海外にないということが述べられている。 ■洋行した知識人「海外に立ち読みなし」戦後のある紀行文に
天沢時生氏の短篇集『すべての原付の光』が4月23日発売! 超刺激的なSF作品集の刊行を記念して、4月30日までの期間限定で表題作の全文無料公開を行ないます! 舞台は滋賀。とある不良の取材が、想像を超えた彼方へと驀進していきます。 SFマガジン2022年8月号・小説扉 公民館で車をいったん停めると、記者はスマホの電話帳を開いた。登録名「不良」にコールする。 「目印の公民館に着きました」と記者は告げた。 「向かって左手の細道に入れ」と不良が応答する。 言われた通り車を小道に突っ込む。地区掲示板に貼られた、二期前の首相のポスターのそばを通り過ぎる。長らく剥がし忘れたまま放置されて色褪せ、落書きだらけだ。人物の目元はサングラスで覆われ、口にはギャングの極太の葉巻、お腹の前で組んだ腕の上にはアニメ調の下手くそな猫のイラストが描かれており、その口元からマンガのフキダシが伸びている。セリフは「ニャー」で
全英ベストセラー1位! 金融市場をハックし億万長者になった男の末路とは? ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』5月9日発売 早川書房はギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』(千葉敏生訳)を2025年5月9日に発売します。元トップトレーダーが自身の体験を告白し、全英ベストセラー1位となったノンフィクションです。 『トレーディング・ゲーム』(装幀:川名潤)投資銀行が主宰する登竜門「トレーディング・ゲーム」。その先に待ち受ける激務、脅迫、向精神薬、青天井の報酬。そして……。 ハイテンションなストーリーテリングと赤裸々すぎる内容が話題を呼び、『トレンスポッティング』の著者アーヴィン・ウェルシュも「良心の備わった『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だ」と激賞した本作。日本版でも、各分野の方々から推薦文が届い
根拠なし、効果なし、捏造あり……再現性危機に揺れる「行動経済学」のゆくえは? 川越敏司『行動経済学の死』はじめに ノーベル経済学賞の受賞で脚光を浴び、政策やビジネスにも活用されている行動経済学。だが近年、有名な研究が「追試」で再現されず、問題視されている。行動経済学は本当に科学的に信頼できるのか――。行動経済学会・現会長が相次ぐ疑惑の真相に迫る川越敏司『行動経済学の死――再現性危機と経済学のゆくえ』(ハヤカワ新書)が4月23日に発売します。本記事では発売に先駆け、「はじめに」を公開します。 はじめに──「行動経済学の死」と再現性危機経済学に心理学的な洞察を取り入れた行動経済学は、現在、専門の研究者だけでなくビジネスの現場でも不可欠となってきている。行動経済学の知見をビジネスに取り入れる企業が増え、専門のコンサルティング会社もある。書店にはビジネスパーソン向けから専門家向けまで、「行動経済学
大阪・関西万博がいよいよ開幕!ということで、万博直前の2025年を描いた2023年執筆の短篇、長谷敏司さんの「準備がいつまで経っても終わらない件」を10月13日まで無料公開します! ――――― 2025年1月中旬、4月から開催する大阪万博の事務局スタッフである墨田幸太郎は、淀屋橋の万博事務局オフィスで胃を痛めていた。経産省から万博事務局に係長として出向した彼は、テーマパビリオンのひとつ、《パビリオン大阪5.0》の展示を担当している。 30分ほど悩んだ結果、墨田は、上司に苦渋の報告をした。 「パビリオン大阪の展示は、完成しません。学者の先生が、『このままでやるなら、責任者を降りる』と言い出しました。準備が間に合わなくなるので、なんとか続行してほしいと頼みましたが、聞き入れてくれません」 つまり、関西を中心に日本の叡智を結集した学者たちが、展示の完成に待ったをかけたのだ。 上司であるテーマ事業
「SFは、ここではないどこかへ連れていき、これまでになかった視点を与えてくれるもの──」宇多田ヒカルがアルバム『Science Fiction』を発表した際にSFマガジンに語った言葉だ。 そのSF的視点をまさに体現していたのが、2月末に行われたFloating Points(フローティング・ポインツ)の単独来日公演だった。Floating Pointsことサム・シェパードは、英国出身の電子音楽プロデューサー/DJ/作曲家であり、神経科学の博士号も持つ異色のアーティスト。クラブ・ミュージックとジャズ、クラシックを自在に行き来する独自の音楽性で知られ、宇多田ヒカルのアルバム『BADモード』のプロデューサーも務めた。 今回の来日公演では、新作アルバム『Cascade』を引っ提げ、日本のアーティスト・中山晃子とコラボレーション。東京・大阪・札幌で、音楽とビジュアルが融合する特別なライヴ・パフォーマ
トランプ、ヴァンス台頭の根源にあるものとは?『平等について、いま話したいこと』(トマ・ピケティ&マイケル・サンデル)より第5章「能力主義」を全文公開 アメリカ副大統領のJ・D・ヴァンスは白人労働者階層の出身で、「ラストベルト」と呼ばれる中西部の貧困地域で育ちました(その詳細はヴァンスの著書『ヒルビリー・エレジー』に克明に描かれています)。そのような境遇から、彼が現在の地位に上り詰めることができたのはなぜか。その要因は、ふたつの意味で「能力主義 メリトクラシー」にあるといえるのではないでしょうか。第一に、能力主義社会であることで、階層移動が可能になっているということ。もしもアメリカが身分制社会であれば、「ヒルビリー(田舎者)」の男が副大統領になることは決してありませんでした。第二に、マイケル・サンデル教授が指摘するように、能力主義エリートの傲慢が大衆に屈辱と怒りを生み、トランプ支持につながっ
SFが読みたい! 2025年版: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ 早川書房オフィシャルサイトのSFが読みたい! 2025年版ページです。当サイトでは、ミステリ、SF、海外文学、ノンフィクシ www.hayakawa-online.co.jp 早川書房翻訳SF・ファンタジイ編集部も「このSFを読んでほしい!」欄に参加! 担当部分を再掲いたします。 2025年に80周年を迎える早川書房、海外SFはデュナの軌道エレベータSF『カウンターウェイト』から。このほかSF文庫は倪雪婷(ニー・シュエティン)編の中国SFアンソロジー『宇宙墓碑*』、北清夢(キタセイ・ユメ)の宇宙SF『深遠な空*』などを予定しています。 単行本はヒューゴー賞受賞の二作、エミリー・テッシュの『とある絶望の栄光*』とT・キングフィッシャー『いらくさと骨*』のほか、キム・チョヨ
今年も恒例のSFガイドブック『SFが読みたい! 2025年版』が発売となりました! 2024年の国内・海外SFを総括する同書。作家や書評家などSFのプロが選出した年間ベストSFの発表やベスト1作家からのメッセージ、2025年のSF刊行予定などを掲載しています! 本欄ではランキングの一部を特別公開します。全ランキング&詳細につきましてはぜひ本誌をご覧ください! ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ベストSF 2024[国内篇]1『 一億年のテレスコープ』春暮康一/早川書房……301点 2『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』円城塔/文藝春秋……261点 3『奏で手のヌフレツン』酉島伝法/河出書房新社……248点 4『銀河風帆走』宮西建礼/創元日本SF叢書……246点 5『マン・カインド』藤井太洋/早川書房……212点 6『ここはすべての夜明けまえ』間宮改衣/早川書房……155点 7『射手座の香る夏』松樹凛/創元
2/25発売の、SFマガジン2025年4月号「SF少女マンガ特集」(監修=長山靖生)の内容を公開します。70~80年代のジャンル黄金期に発表された、萩尾望都、大島弓子、坂田靖子の名作SF短篇の再録を雑誌掲載時の質感をそのままに収録。後進世代で日本SF大賞および星雲賞を受賞した、永野のりこ、吟鳥子、白井弓子の描き下ろし短篇を掲載。その他、作品ガイド、評論でジャンルが育んできた豊饒な物語世界を掘り下げます。(編集部) SFマガジン2025年4月号 SF少女マンガ特集(監修:長山靖生) 表紙カット:萩尾望都、大島弓子、坂田靖子 表紙デザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ。 ■短篇コミック再録萩尾望都「金曜の夜の集会」大島弓子「サマタイム」坂田靖子「ノスタルジー」■描きおろしコミック永野のりこ「地球をわれに」吟鳥子 ショートショート「SFアリ」「少女の書くSF」「AIのSF」白井弓子「あみ手
2024年1月~12月までの翻訳SF・ファンタジイ(と関連ジャンル)のリストを作りましたので、読書のお供にどうぞ! 刊行月別のリストです。 参考:[SF] ハヤカワ文庫SF [FT] ハヤカワ文庫FT [NV] ハヤカワ文庫NV 無印 単行本 〈宇宙英雄ローダン〉シリーズについては、ページの下のほうにリストにしています。 1月デイヴィッド・ウェリントン『妄想感染体』(上・下)中原 尚哉 訳[SF]
【フェア順次開催中】「ヒデミス!2024 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン」大発表!! 全国の書店で12月末よりフェア開催!! 『METAL GEAR SOLID』『DEATH STRANDING』などの名作を生み出し、世界中のゲームファンから人気を集めているゲームクリエイター・小島秀夫さん。業界でも屈指の読書家でもある小島さんが、その年に一番面白かったミステリ12作品を選んだフェア「ヒデミス!」が、今年も開催されます!! 今年は新作ゲーム「DEATH STRANDING2」制作で多忙を極め、フェア開催も危ぶまれましたが、激務を縫って読んで選んだ12作品はどれも格別の面白さです! 12月末より順次、全国主要書店にて「ヒデミス! 2024」フェアが開催されます。小島さんファンのほかにも「年末年始に抜群に面白いミステリを読みたい!」というかたにもおすすめです! そして今年もスペシ
藤井太洋氏が、第二内戦後の2045年北米を舞台に描いた進化テーマSF『マン・カインド』(早川書房)が、第41回織田作之助賞にノミネートされました。選考会は12月19日(木)に、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われます。本作は史上初めて、単行本化前の〈SFマガジン〉連載で、星雲賞日本長編部門も受賞した傑作です。今回のノミネートを記念して、〈SFマガジン〉12月号(2024年10月25日発売)に掲載のインタビューを再録します。 『マン・カインド』書影 ■書籍化までの変化──『マン・カインド』は2045年の主にアメリカを舞台にした小説ですが、そもそも本書を着想したのはいつごろですか。 藤井 2015年の『伊藤計劃トリビュート』で「公正的戦闘規範」を書いたあと、2016年の『AIと人類は共存できるか?』で「第二内戦」を書いて、この話は「公正的戦闘規範」とも繫がるなと思いました。同じ設定の物語が書け
ウォール街を知り尽くしたジャーナリストによる警世の書『金融ディストピアーーカネはなぜ超富裕層に集中するのか』(ノミ・プリンス、藤井清美訳、早川書房)が12月4日に発売になります。金融市場を牛耳るエリートによって経済的に二極化された世界は一体どこへ向かうのか。地域エコノミストの藻谷浩介さんによる本書の解説を、特別に試し読み公開します! 『金融ディストピア』解説 藻谷浩介「金融ディストピア」とは何か。どこか宇宙の彼方のことでも、歴史上の話でも、空想された異世界でもない。われわれが生きている、2020年代のこの人類社会。これこそが金融ディストピアである。 金融ディストピアとネズミ講金融ディストピアの基本構造は、「ポンジ・スキーム」だ。本書第1章の冒頭に、「われわれはみな楽に手に入るお金をほしがる。しかも大量にだ」という、米国人チャールズ・ポンジの言葉がある。1920年代に一世を風靡ふうびした投資
早川書房はトマ・ピケティ&マイケル・サンデル『平等について、いま話したいこと』(原題 Equality: What It Means and Why It Matters)を2025年1月17日に緊急刊行します! 当代一の経済学者と政治哲学者が「平等」をめぐって徹底的に議論した一冊、絶賛予約受付中です(四六判上製、本体価格2,000円)。 原書書影内容紹介●知の巨人同士の対談がついに実現 トマ・ピケティがマイケル・サンデルをパリ大学に招待したことで実現した対談。『21世紀の資本』で富の集中とそのメカニズムを明らかにし、再分配の必要性を訴えたピケティ。『これからの「正義」の話をしよう』ではコミュニタリアニズムの観点から、「正義」とはなにかを分析したサンデル。資本主義の果て、大きな格差に覆われる21世紀で、二人は政治や経済がどのように「平等」へと向かうべきかを問いかける。 ●「不平等」に対して
なんだかよくわからないけどとにかくすごい、圧倒される、高熱が出たときの悪夢みたい、病院に対して「イヤだな」と思うことの全部載せ――など、たいへんご好評をいただいております、韓松『無限病院』。 本欄では、現役医師でもある翻訳家・鯨井久志氏による書評を掲載いたします。SFマガジン2025年2月号(12月25日発売号)の「SFブックレビュー」先行掲載となります。 ポスト『ハーモニー』時代の医療ディストピアSF 鯨井久志 医学の進歩はめざましい。いまや各種検査によって病気の早期発見が可能となり、手遅れになるまえに医療が介入するようになった。「予防医学」という概念も打ち出されている。だが一方で、医学の父権主義パターナリズムが問題となる。医療の専門家たる医者と患者のあいだには、どうしても知識の差が生まれてしまう。それゆえ、患者の意思や決定権はないがしろにされがちになる。 韓松が本作で描く未来世界は、そ
■はじめに 早川書房は1月22日(水)発売予定で『堕天使拷問刑』を刊行いたします。 ながらく品切れ、かつ中古市場価格の高騰により手に入れることが叶わなかった方、著者の飛鳥部さんを推しているファンの皆様、お待たせいたしました。本記事では刊行→限定復刊→文庫化までのあらましをご紹介いたします! ■【刊行~品切期間】中古価格が4万円?!幻のミステリとは? 『堕天使拷問刑』が刊行されたのは、2008年1月。初めて早川書房から刊行したこともあり、2012年ごろには品切重版未定として埋もれてしまっていました。市場流通量が少ないこともあり、中古市場価格が相場で4万円、中には10万円での出品も出ており、高額僅少本、幻のミステリとして名が広まっていくことになりました。 ■【限定復刊】5000部買切!? 書泉・芳林堂書店さん限定復刊! 皆様、本で商売をする時のルールをご存知でしょうか? 基本的に商品は「委託販
そのほか、多数メディアで取り上げられています! ●「オッペンハイマー」キリアン・マーフィー主演で映像化!2023年公開の映画「オッペンハイマー」で、アイルランド出身の俳優として初のアカデミー賞主演男優賞を受賞したことでも大きく注目されたキリアン・マーフィーが主演での映画化が決定。アメリカでは今年の11月に公開予定。キリアン自身も「原作に強く惚れ込んだ」とコメントするなど、アイルランドで愛される小説がどのように映像化されるのか、目が離せません。 映画「Small Things Like These」予告編 ●著者について クレア・キーガン(Claire Keegan)©Philippe MATSAS/Leextra/Hayakawa アイルランドの作家。デビュー作の短編集𝑨𝒏𝒕𝒂𝒓𝒄𝒕𝒊𝒄𝒂(1999年)でルーニー・アイルランド文学賞を受賞。第二短篇集『青い野を歩く』(2
「共同構築」が生む恐怖。廣田龍平『ネット怪談の民俗学』より、第1章「ネット怪談と民俗学」を全文公開!【10月23日発売】 ネット怪談はどのように発生し、伝播するのか。きさらぎ駅、くねくね、リミナルスペース……ネット民たちを震え上がらせた怪異の数々を民俗学の視点で精緻に分析した『ネット怪談の民俗学』(廣田龍平、ハヤカワ新書、2024年10月23日発売)。刊行前から早くも大きな反響を呼んでいる本書より、第1章「ネット怪談と民俗学」を全文公開します。 『ネット怪談の民俗学』第1章 ネット怪談と民俗学共同構築としてのネット怪談──きさらぎ駅「ネット怪談」という言葉には、まだ学問的な定義はない。ここではひとまず「インターネット上で構築された怪談」としておこう。「構築」といっても、ネット怪談が創作だとか捏造だとか、そういうことではない。広い意味で、さまざまな物事がつながり、関係を持ち、組み合わさった結
〈SFマガジン〉は本年12月25日発売の2025年2月号で、創刊65周年を迎えることになりました。これを記念して「2025オールタイム・ベストSF」アンケートを募集します。 結果発表は本誌2025年2月号にておこないます。みなさんの参加をお待ちしております。 【ご応募は下記のフォーム、あるいはハガキにて】 2025オールタイム・ベストSF アンケート募集 (google.com) ●応募規定◆項目 以下の6項目を対象とする。 1、国内長篇ベスト5 2、国内短篇ベスト5 3、国内作家ベスト5 4、海外長篇ベスト5 5、海外短篇ベスト5 6、海外作家ベスト5 ◆内容規定 1、過去に日本で出版された国内作家の独立した長篇に限る。シリーズに含まれる個別の長篇およびシリーズ全体のどちらも独立した長篇とみなす。シリーズ全体への投票の場合、その旨を明記する。 (例:『戦闘妖精・雪風〈改〉』と《戦闘妖精・
哲学者と子どもたちによる資本主義の改革は実現可能か? マルクス・ガブリエル『倫理資本主義の時代』書評 by 斎藤幸平 世界的哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の「日本書き下ろし」となる著作、『倫理資本主義の時代』(斎藤幸平[監修]土方奈美[訳]、ハヤカワ新書)。刊行直後から各書店でベストセラーとなり、話題を呼んでいます。 「エコ・ソーシャル・リベラリズム」や「最高哲学責任者(CPO)」、「新実在論」などのキーワードが頻出する本書の読みどころは、いったいどこにあるのか? 現代社会が抱える問題に対して、本書はどのような回答を提示しているのか? 本記事では、本書の翻訳監修をつとめた斎藤幸平(東京大学大学院総合文化研究科准教授)さんによる書評を公開します。 マルクス・ガブリエルが掲げる「倫理資本主義」と、斎藤氏が標榜する「脱成長コミュニズム」は、どちらがより今の世界に求められているのか。本書が刊
〈SFマガジン〉2024年8月号掲載「大森望の新SF観光局[第95回]」にて、漫画家の永野のりこ氏による挿絵が2023年8月号に掲載済みのものとなっておりました。誠に申し訳ございません。本欄にて、正しい挿絵と今回の連載全文を掲載いたします。 大森望氏、永野氏、読者の皆様にお詫び申し上げます。 SFマガジン編集部大森望の新SF観光局[第95回] BLの夜明け前 六月に亜紀書房から出た佐川俊彦の回顧録『「JUNE」の時代 BLの夜明け前』がたいへん面白かったので、今回はその話。BLとSFの関係についてはよく知らないが、本誌で二度にわたって「SFとBL」特集が組まれているくらいだから、浅からぬ縁があるのはまちがいないだろう。 BLがまだBLと呼ばれず、男性同士の関係を描く(主に)女性向けコンテンツが「少年愛」とか「耽美」とか「やおい」とか呼ばれていた時代、このジャンルの求心点となったのがサン出版
数年前、一冊の自主制作本が文芸フリマや全国各地の独立系書店を中心に話題を呼びました。友田とん『『百年の孤独』を代わりに読む』。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』を、4年かけて読んだ記録。ではあるのですが、本を開いた読者は困惑するかもしれません。だって、その脱線ぶりときたら……。しかしそうすることが著者にとって、『百年の孤独』という作品の、そして「読書」という行為の正体をつかむための、必然的な方法だったのです。 この度、同書が加筆修正の上、ハヤカワ・ノンフィクション文庫より刊行されます。文庫用に書き下ろされた「まえがき」を、発売に先がけ全文公開します。 『『百年の孤独』を代わりに読む』『『百年の孤独』を代わりに読む』まえがき本書はガブリエル・ガルシア゠マルケスの長編小説『百年の孤独』を、まだ読んでいない友人たちの代わりに読む、という試みを綴ったものである。しかし、「代わりに読む」と
現在開催中の「早川書房 夏のKindle超ビッグセール」では、早川書房の電子書籍3,000点以上が50%OFF! セール期間は6月25日(火)から7月17日(水)までです。本記事ではセール対象からオススメの映像化作品をご紹介します! 今回紹介する作品を映像化したものは、すべてAmazon Prime Videoで配信中ですので、気になる方はそちらもご覧ください。 夏のKindle超ビッグセール開催中! まずは、1999年にデヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピットとエドワード・ノートン主演で映画化され、アメリカ中で熱狂的な支持を得た20世紀最強のカルト・ロマンス作品、チャック・パラニューク『ファイト・クラブ〔新版〕』です。
世界的哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の「日本書き下ろし」となる著作、『倫理資本主義の時代』(斎藤幸平[監修]土方奈美[訳]、ハヤカワ新書)が本日発売しました。 本記事では、その刊行を記念して本書の序文を全文公開します。資本主義が行き詰まりとなり、「入れ子構造の危機」に瀕している現代の世界。その打開の鍵は資本主義の放棄ではなく、道徳的価値と経済的価値を再統合し、「善」の組み込みによってアップデートを施した「倫理資本主義」の実装であると説く本書。こうした発想は、いったいどこから生まれたのか? そして、なぜ彼は世界に先駆けて日本で倫理資本主義の価値を表明しようと考えたのか? その秘密の一端が、明快に語られます。 私たちは先例のない危機の時代に生きている。新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲い、あちこちで戦争が勃発している。それを受けて多くの国々は急速な軍備増強に資金をつぎ込んでおり、
「数学」を避けるあまり、「計算」まで避けて、損したり苦しんだりしていませんか? このふたつはまったく別の能力です。ぜひ、この本で「計算」能力を身につけてください――必要なのは、スマホを横にすることだけです。「数学嫌い」で「文系」のあなたに贈る、画期的思考法変革書『関数電卓がすごい』(芝村裕吏、ハヤカワ新書)から、「はじめに」を公開します。 芝村裕吏『関数電卓がすごい』(ハヤカワ新書)はじめにこの項の4行まとめ ・この本は数学とも関数電卓とも縁遠い人向けに書かれた初心者本である。 ・数学が何の役に立つのかという疑問にもある程度は答えることを目指す本である。 ・世界的な関数電卓の隆盛と日本の現状には大差があり、これは教育制度の差である。 ・この本を読むことで、関数電卓を少し使って人生によい影響をもたらすことを願う。 本書が編まれた理由まとめは上にありますから、少しの回り道、経験をお話しすること
「世界で最も価値ある」企業・GEはなぜ凋落したのか?『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』序章特別公開 20年間にわたり、ゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼CEOを務めたジャック・ウェルチと、その経営手法「ウェルチズム」の闇に迫った衝撃作『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』(デイヴィッド・ゲレス著、渡部典子訳)が本日発売しました。刊行を記念し、今回の記事では本書の序章の一部を特別公開いたします。 かつては国内外で模範的かつ理想の経営者として称揚されていたジャック・ウェルチ。しかし、彼がGEと世界経済に与えた影響は、はたしてよいものばかりだったのでしょうか。本書では、その真実の一端が明かされます。 『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』 デイヴィッド・ゲレス:著 渡部典子:訳 早川書房 2024年5月22日発売 2750円(税込)198
芦沢央さんの最新作、『魂婚心中』が6月19日に発売! ベストセラーを連発する書き手による、斬新なアイディアで読者の意表を突くSFミステリ傑作集です。「もしも死後結婚用のマッチングアプリがあったら?」という発想から推し文化を描く表題作をはじめ、読めば情緒を狂わされること間違いなし、極上の人間模様&どんでん返しが繰り広げられます! 装画:Q-TA/ 装幀:坂野公一(welle design)【あらすじ】ここ数年で死後結婚のイメージは大きく変わった。KonKonというマッチングアプリが社会に広まり、若者たちの間で登録者が激増したのだ。そして、私の推しである神宮寺浅葱じんぐうじあさぎがKonKonのリア垢を持っていることを、私だけが知ってしまった。このままでは私は、死ねば推しとマッチングして結婚できてしまうかもしれない──。表題作のほか、未来のゲームRTA大会を描く「ゲーマーのGlitch」、地獄
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