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ノーベル賞
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霞ヶ浦でしかアサザは実生ができないとか、水位操作によってアサザが衰退したなどと、いい加減な論文を書いて霞ヶ浦の湖岸生態系を破壊した生態学者が、「『アサザ』で検索してここ数日の話題が少し見えた。一番驚いたのは『もともと霞ヶ浦には無かったんでしょ?』という意見。山室氏の書いたもののうち、もっとも単純な間違いがかなり流布していることにも驚いた。」とツイートしていました。 この人、「アサザは霞ヶ浦でしか実生ができないというのは間違いですよ、ちゃんと琵琶湖に流入する水路に2型ありましたよ。」と伝えていたのに、その後に開催された陸水学会で「霞ヶ浦でしかアサザは保全できないから、あの緊急対策は意味があった。」などとヌケヌケと話したので、師匠だけではなく本人も自分の想像したストーリーでデータを作ってしまうタイプの研究者だと気づきました。 そもそも霞ヶ浦は、逆水門が運用されるまでは汽水湖だったんです。今の宍
日本生態学会は「自然再生ハンドブック」という本で、霞ヶ浦でアサザを植えっぱなしにする事業を紹介しています。同書では宍道湖のヨシ植栽も「宍道湖にふさわしい自然再生」と紹介しています。このヨシ植栽は、科学的根拠が皆無であったことが住民に露呈してきたこともあり、昨年10月で中止になりました。 アサザに関する誤解はかなり以前から、宗教のように全国に広まっています。中学校の理科の教科書に「アサザを植えれば微生物が水を浄化し、魚や鳥の住み場所になる」なんて記載があるほどです。 こんなことを理科で教えられた生徒さん達は、「よい細菌をいれたEM団子による水質浄化」を正しいと信じることでしょう。水質浄化に役立つとしてEM団子が広まってしまった一因は、科学的には自然再生にも水質浄化にもならない霞ヶ浦のアサザ植栽を、批判するどころか本まで出して紹介するような日本生態学会の見識にもあると私は思っています。 最近、
今日は水環境学会のシンポジウム「水に関する情報発信・啓発の課題とその解決策」に参加しました。 ニセ科学問題に詳しい菊池誠先生からは「科学とニセ科学:特に水をめぐって」とのタイトルでご講演いただきました。水環境学会会員で自治体職員の少なからずの方にとって悩みの種になっているのがEM団子による川の水質浄化ですが、これのニセ科学性について説明いただきました。EM菌については、ご高著「もうダマされないための科学講義」でも取り上げられているので、ご参考になると思います。 寿楽浩太先生からは「科学技術に関する社会的意思決定の変化と専門家に求められるもの」とのタイトルで原発問題などを例に、トランス・サイエンスの領域が増える中で、専門家(科学者)は意志決定における役割をどう変えればよいかについてご提案いただきました。 主催者側からは山田一裕先生が「科学的思考にもとづく水環境保全活動を阻む教育的課題」とのタ
霞ヶ浦では昭和55年以降、COD(赤線)で示される水質は悪化していません。下水道(緑の線)が普及することで、人口(青線)が増えても湖に流入する負荷が増えていない為です。 しかし今年度、全国100万人の中学生に配られる地図帳には、アサザには水質浄化機能があって、霞ヶ浦流域の子ども達がそれを植えたから水質が悪化していないという、デタラメな内容が示されています。 ビオトープ設置校の図は、茨城県の資料ではありません。アサザ基金のデータがそのまま使われています。 (アサザ基金のホームページで2011年10月までフリーにダウンロードできた資料から) そしてアサザ基金は2011年6月10日、まだ印刷にもなっていないこの地図帳について、「アサザプロジェクトが流域全域まで及んでいることがよく分かる地図となっております」との宣伝記事を掲載しました(3月1日付記事)。 一方でアサザ基金は保全関係のメーリングリス
アサザ基金を好意的に見る人は、「アサザを植栽することで、やがて霞ヶ浦の生態系が再生する」「アサザという植物を絶滅から救った」と評価しています。本当でしょうか。 ここではまず「アサザを植栽することで、やがて霞ヶ浦の生態系が再生する」が正しいのかを検討します。 再生すべき霞ヶ浦の生態系とはどういう状態でしょう。霞ヶ浦では、日本の他の平野部の湖沼がそうであったように、1950年代半ばまで、生態系の基盤である一次生産者は沈水植物でした(「里湖モク採り物語」参照)。また霞ヶ浦では戦前からアオコが発生していますが、懸濁物を食べる二枚貝がたくさんいたこともあり、今日のようにひどくなることはありませんでした。 霞ヶ浦は、琵琶湖や宍道湖同様、広くて砂が供給される湖です。そして琵琶湖や宍道湖では波当たりが強いため、湖岸の大部分に抽水植物(ヨシなど)も浮葉植物(アサザなど)もない、砂浜が広がっていたことが分かっ
霞ヶ浦は波が高く砂底が広がり、二枚貝が多かった湖です。琵琶湖(南湖)にしろ宍道湖にしろ、広くて浅い湖沼はそうなります。そんなところで、お花見ができる位のアサザ群落を恒常的に維持するのは不自然です。実際、アサザを保護すると称して波を弱める施設を設置したことで、泥や有機物がたまって湖岸環境が悪化しました。当のアサザも生えなくなりました。私がNPO法人アサザ基金について批判しているのは、その点です。 ところが「原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―」の著者である安富東大教授からすると、これが「『科学的』であるかのように見えるところもあるが、根本的に考えの筋が狂っている。」ことなのだそうです。 下記が安富教授による批判記事のリンクです。 http://anmintei.blog.fc2.com/blog-entry-937.html 安富教授は「アサザ基金の目的が、人々と霞ヶ浦との関係
本日2月29日付けで、化学物質問題市民研究会などが政府に対して「水銀輸出禁止法制定を求める声明」を提出する予定です。以下、化学物質問題市民研究会の会報「ピコ通信」162号の記事から抜粋します。 ――――――――――――― 先進国から輸出される水銀は、アジア、アフリカ、南米の途上国の小規模金採鉱現場に送られ、金鉱石から金を抽出するのに必要な金と水銀の合金(アマルガム)を作るのに使用されているそうです。これにより、世界に数百万人いると言われる金採鉱に従事する貧しい労働者やその家族の健康が水銀により蝕まれ、また使用された水銀は大気や海に放出され、世界中に広がる環境汚染をもたらしています。 このような状況を鑑み、EUや米国は、2008年に水銀輸出禁止法を制定しました。これに日本も続けば、2013 年に制定される水銀条約において水銀の国際貿易の制限を強化し、水銀輸出禁止を実現する道筋が見えてきます。
アサザプロジェクトによるアサザ植栽事業は、霞ヶ浦と子供達を営利目的で食い物にしているに過ぎません。なのに「環境再生運動」との誤解が蔓延していることから、アサザプロジェクトはこれまで経験した中で最も悪質な環境破壊活動とみなしています。 以下がその根拠です。 (1)アサザを植えることで水生植物帯が回復し、湖沼生態系の再生につながるというのは真っ赤な嘘です。科学的にそのようなことはあり得ませんし、実湖沼でもそんな例はありません。 (2)アサザを植えることで水質が浄化することもありません。これはアサザ基金自らが、そのような主張をしたことはないと、ホームページで宣伝しています。 (3)粗朶消波堤は汚濁負荷となりました。漁業にも被害を与えました。このことは報告書として公に公開されているところです(「河川環境総合研究所報告第14号(平成20年12月)」の「霞ヶ浦湖岸植生保全対策のモニタリング・評価と順応
アサザ基金ホームページの2011年6月10日記事に「帝国書院の「中学校社会科地図」にアサザプロジェクトが紹介されています。 」とあります。そこをクリックすると下記の紹介があります。 現時点でのURLはhttp://www.kasumigaura.net/asaza/01about/03media/book/index.htmlです。 (このブログを見て削除するかもしれませんが) 私の娘はまさしくこの地図帳を使っているので探したのですが、アサザプロジェクトの記載はありませんでした。不思議に思って帝国書院に問い合わせたところ、来年度に発行する地図帳の内容で、6月10日は検定に通った直後だったそうです。 まだ世に出ていない地図帳の内容を、なぜアサザ基金は知っているのでしょうか? 確認したところ、「茨城県資料ほか」として、小中学校のビオトープが霞ヶ浦流域に広がっている図があります。しかし茨城県は、
地球環境研究センターニュースVol.21, No.10の生物多様性をテーマとしたインタビュー記事で、分類学の現状に関する見解が紹介されていました。私は高校では生物部に所属していて、顧問の先生は後鰓類(ウミウシの仲間)の世界的な分類学者でした。環境問題の解決には分類学が不可欠だと、この頃に先生から教わる中で考えるようになりました。 今、日本の分類学は危機に瀕していると思っています。インタビュー記事も同様の見解でした。該当部をペーストします。 −−−−−−−−−−−−−−− 分類学者の減少が生む問題 亀山:生物学というと、どちらかというとミクロな方向性を持った学問が主流のような印象ですが、生態学や分類学のような、生物多様性と関りが深中静:分類学は昭和初期までは盛んでしたが、現在は少なくなりました。分類学は生物多様性研究の基礎としても必要な部分ではありますが、一般の人に注目される大発見を目指すよ
アサザ基金のホームページの「ホットニュース」に、「10月3日 『アサザと水質』についての見解を掲載しました。」とありました。リンクは下記です。以下「見解」と略します。 http://www.kasumigaura.net/asaza/01about/13faq/index2.html 「見解」には −−−−−−−−−− アサザプロジェクトでは、アサザを植生帯(多様な在来水草によって構成)の一員として捉え、湖本来の植生帯の再生を目指して取組んでいます。したがって、湖の水質改善効果についても、植生帯とそこに生息する動物や微生物等を含む生態系をトータルに考えて、その水質浄化効果を期待しております。それゆえ、アサザという一種類の水草による水質浄化を期待して実施しているものではありません。 −−−−−−−−−− とありました。 アサザ基金のホームページ(http://www.kasumigaura.
ノートPCを新調しました。 すべてを移行するためのマニュアルを作ったので、マックほど楽ではありませんが、作業がそれほど苦痛ではなくなってきました。 Windowsを使い始めて7台目になりますが、4台目くらいからメインがWinになって、メーラーをどれにするか結構サーチしました。ポイントは、海外のMLに入っていることから大量の迷惑メールが来るので、迷惑メールフィルターに学習機能があって優秀であること。そしてバックアップができることです。結果、Mozilla Thunderbirdに決めました。 http://mozilla.jp/thunderbird/ Thunderbirdでのバックアップの取り方と復元は下記にあります。 http://www.mozilla-japan.org/support/thunderbird/profile でも、書かれた通りにしないのが私の良い点でもあり、痛い目
外来種駆除技術開発について、企業の方がご相談に来られました。 「。。。ということで、日本ではこの種類が○○国ほど深刻になるケースが限定的だと思いますので、○○国での駆除技術について、時間ができたら調べておきますね」「お忙しいところをすみません」「いえ、こういうのって楽しいですから。ここにいると何に忙しいって、たとえば入試関係の案内書作りとか、全然つまんないことばっかり」「えっ、そういうことを東大の教授がするんですか?」「助成金の会計報告書作りとかもしますよ。」「。。。」 企業の方は絶句され、それは先生の能力を無駄に使ってますねと言われました。同感です。同じ税金から払われる給料なら、私が不得意とするこんな雑用ではなく、水環境の情報収集と提供にもっと時間を使いたいと思います。 私が学生の頃の地理の先生方は、こんな雑用やっていませんでした。私の時代にはシラバスとか入試案内書とかありませんでした。
化学物質問題市民研究会のニュースレター「ピコ通信」127号が届きました。その中から「厚労省シックハウス症候群対策マニュアル問題/厚労省に責任をただす公開質問状出す」との記事をご紹介します。 1 月9 日付けで厚生労働省健康局生活衛生課が、「シックハウス症候群に対する相談とマニュアル」(以下 マニュアル)を各都道府県、政令市、特別区の衛生主管部(局)関係各位にあてて送付しました。送付に当たり事務連絡として「「シックハウス症候群の実ハウス対策の推進に御活用いただけますようお願いします」と書かれていたそうです。 ところがこのマニュアルには化学物質過敏症は心因性疾患であると強く示唆するという問題点がありました。そこで3 月9 日付で化学物質問題市民研究会を含む46 団体名で厚労省あてに公開質問状を送ったそうです(全文はhttp://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_
「医学や工学といった一部を除く」オーバードクターの現状について問題提起している本です。2007年出版。8月26付記事で紹介した城繁幸著「若者はなぜ3年で辞めるのか?」にあった「この国は若者を食い物にすることで既得権を握っている年配者が生き延びる構造になっている」との主張が、アカデミズムではさらに先鋭化されているようです。 ロスジェネ(バブル経済崩壊後の就職氷河期に社会に出た世代)を皮切りに、大学院重点化によって大量生産された博士達が構造的にフリーターとなる仕組みになっていると著者は主張します。なぜ「構造的」なのか。平成18年度の博士課程修了者数は15966名、うち就職者数9147名。就職できなかった者の割合を「失業率」とすれば43%(これに対して平成18年度の完全失業率は10分の1の4.1%)。こうなると本人の努力不足というよりは構造的なものであるとの主張は、特に奇異に感じられません。そし
2024-03-13 新しい巣箱 つぶやき つくば蜂友会で恒例の巣箱作りをしました。材料の板などは師匠がまとめて購入、切り出したものが用意されています。息子さんや巣箱作りに慣れた会員さんに手伝ってもらって、4時間強かけてできあがりました。全部で4段ありますが、最初は2、3段でハチが入る… 2024-03-11 舌下免疫療法 つぶやき 何年続けたか忘れるほど続けてきたスギ花粉症の舌下免疫療法では、シダキュアという薬を毎朝1錠、舌の下に入れてゆっくり溶かして服用します。 昨年5月、担当医から「もう十分期間経ったので、やめてみますか?」と言われて、やめることにしました。そして… 2024-03-10 ミツバチ減少 つぶやき つくば蜂友会今シーズン最初の会合に参加しました。そこで師匠からショッキングなお話をうかがいました。師匠は毎年、どこからか群を譲っていただいて、新人だったり蜂群が消えた人も1群
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