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<欧米13機関の認知戦レポート507件を検証すると、多くの専門家がナラティブや発信者の特定に偏り、資金・ボット・増幅ネットワークなどの「作戦基盤」を見落としている実態が浮かんだ> 認知戦やデジタル影響工作、FIMI(Foreign Information Manipulation and Interference)と向き合う専門家、政治家、ジャーナリストには、国を問わず共通する傾向がある。起きていることの全体像も、実際の影響や被害も把握しないまま戦っている、ということだ。 幻と戦う認知戦の専門家たち 以下、話をわかりやすくするために認知戦、デジタル影響工作、FIMIを総称して認知戦と呼ぶ。 彼らが主に気にしているのは、SNSで広まったナラティブ(流布する言説・物語)と、偽情報の中身と、それを流した主体の名前である。被害がどこにどれだけ及んだのか、数ある事案のどれを優先すべきなのか、という肝
PHOTO ILLUSTRATION BY NEWSWEEK; SOURCE PHOTOS: MASKOT/GETTY IMAGES, FREEPIK 全ての写真・動画を見る 電話が鳴る。一瞬、世界が元に戻る。受話器から響くのは、温かくて聞き慣れた声だ。あなたがコーヒーにミルクや砂糖を入れるかを覚えていて、何年も前に交わした冗談を思い出し、今週は元気だったかと尋ねてくる。 肝心なのは、それがあの人の声に聞こえること。あなたの愛する人、もう亡くなったあの人の声だ。 SF小説の一節ではない。金曜の午後、ジャスティン・ハリソンは亡き母と電話で話している。 ハリソンは、カリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ、ユー・オンリー・バーチャルの創業者だ。故人のテキストメッセージや音声録音、デジタルな痕跡をAI(人工知能)に学習させ、「versona(ベルソナ)」と名付けた故人のレプリカを作っている。
<米グーグルの親会社アルファベットや投資会社バークシャー・ハサウェイが相次ぎ日本円建て社債を発行して日本円での資金調達を加速させているが、これを「日本すごい」と思うのは大いなる勘違い> アメリカの超巨大企業や投資ファンドが相次いで日本円での資金調達に動いている。国際金融市場では今後、激しい円安の進行がほぼ既定路線となっており、金利が安い今のうちに日本円で資金調達をしておき、円安進行後、ドルベースでの返済額を大幅に減らしたい意向がある。 米グーグルの親会社アルファベットは2026年5月、初の円建て社債を発行した。金額は5765億円と海外企業の円建て社債としては過去最高額となった。 世界最大の投資会社の1つであるバークシャー・ハサウェイも日本円での資金調達を年々、加速している。同社は19年から毎年、円建て社債を発行しており、今年に入ってさらに2723億円の大型発行を行う。 日本のメディアは相変
健康な毎日を過ごすには、どうすればいいのか。内科医の奥田昌子さんは「長年、大腸がんは、食の欧米化や加工肉の摂取などが原因として指摘されてきた。だが、別にある可能性が見えてきた」という ※本稿は、奥田昌子『最新 欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』(ブルーバックス)の一部を再編集したものです。 「食の欧米化」で増えた大腸がん 大腸がんは昔から欧米で多いがんで、日本でも1960年頃からぐんぐん増えました。図表1の下の図は、75歳未満の男性のうち、大腸がんで死亡した人の割合を国別に比較したグラフです。日本と韓国の死亡率がうなぎのぼりに上がって欧米に追いつき、とくに日本は欧米各国より高くなってしまいました。1990年代なかばから下降しているものの、欧米各国や韓国より動きが鈍いようです。 出所=『最新 欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』 日本で大腸がんが増えた原因として、必ずあがるのが
頼りの米国も揺らぎ始めた──写真は、日本の京浜工業地帯の石油精製施設(3月17日)REUTERS/Issei Kato 米国の石油備蓄が急速に減少している。原油在庫が数週連続で減少する一方、輸出は急増。さらに、イランとの戦争が世界のエネルギー市場に与える影響を相殺するため、緊急備蓄の取り崩しも進めている。 米エネルギー情報局(EIA)が公表した最新統計によると、5月15日までの1週間で原油在庫は1780万バレル減少した。在庫減少が続くここ数週間のなかでも、過去最大の減少幅だ。その結果、戦略石油備蓄(SPR)を含む総貯蔵量は、ほぼ1年ぶりの低水準まで落ち込んでいる。 ◾️米国の石油在庫は減少している アナリストらは本誌に対し、この減少により、重大な供給ショック時に米国経済や消費者を守るための重要な安全弁が損なわれつつあると指摘した。状況が悪化するほど、対応余地は小さくなる。 2月28日に米国
現在、家電の世界王者は中国のハイアール。日本は「ものづくり大国」復活を諦めたようにも思えるが、本当にそれでよいのか。 冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった白物家電で、世界シェア1位がどのメーカーかご存じだろうか。 答えは、海爾(ハイアール)集団。1984年、山東省青島で創業した中国の家電メーカーだ。日本のお家芸だった家電産業が凋落して久しいが、現在は中国企業が世界1位であることを知らない読者は意外と多いのではないだろうか。 このゴールデンウイーク、ハイアールは六本木の東京ミッドタウンでイベントを開催していた。 私は初日に開かれた式典を取材したが、日本市場参入24年目の今年、日本での家電販売台数が累計3300万台を超えたほか、昨年秋にはヨーロッパの2つの名門サッカークラブとパートナーシップ契約も締結し、世界1位の自信にあふれたイベントだった。 ゴールデンウイークの初日、東京ミッドタウンで開催され
独占インタビューに応じた東京科学大学栄誉教授の大隅良典氏(5月11日、横浜市緑区) TOMOHIRO SAWADA-NEWSWEEK JAPAN <日本の科学行政・大学政策の問題点、若手研究者が基礎科学を志しにくくなっている今日の状況、基礎研究とAIの関係──2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京科学大学栄誉教授はこれらをどう見ているのか。独占インタビューで聞いた> ノーベル生理学・医学賞を2016年に受賞した大隅良典・東京科学大学栄誉教授は、現在も研究を続けながら、自ら17年に立ち上げた大隅基礎科学創成財団の理事長として基礎科学研究を支援しています。 支援の気持ちを実際の行動に変えるのは「言うは易く行うは難し」です。財団は毎年10数件、およそ6000万円の研究助成をし続け、今年で10期目をむかえます。 日本が基礎科学を軽視し、十分な研究費を配分しないことに危機感を持つ
5月6日にウクライナ軍がモスクワに行った大規模ドローン攻撃。ゼレンスキー大統領がXに投稿した動画のスクリーンショット Screengrab from a post on X by Ukrainian President Volodymyr Zelensky 全ての写真・動画を見る ウクライナが先週末に行ったモスクワへの大規模で致命的なドローン攻撃は、ロシアを「絶望→否認→話題そらし」という今やお決まりとなった反応に追い込んだ。 クレムリンは攻撃の重要性を過小に主張し、迎撃が成功したと強調したが、その一方で、ロシアで最も厳重に守られた首都がこれほど無防備だった理由の説明に奔走しなければならなかった。また真実が国民に届かないよう検閲にも力を入れた。 ロシア国防省は、24時間でウクライナのドローン1054機を撃墜したと主張した。一方、モスクワ市長は首都近郊だけで81機を撃墜したと発表し、複数の空
これまで、「われわれは戦争に引き出されることはない」と高をくくり、戦争景気を享受してきたロシア市民の心象が、今年に入って暗転している。直接のきっかけは、公安警察(連邦保安庁)が戦争を口実に、携帯電話やインターネットの使用を制限・停止し始めたこと。これで市民はメールやキャッシュレス決済、タクシーの呼び出しもできなくなり、不満が社会に満ちている。 美しすぎる人気インフルエンサーのビクトリア・ボーニャは4月中旬、安全なモナコからSNSで、プーチンに「あなたはロシア社会から遊離している。インターネット封鎖とかインフレが起きていること、知らないでしょう」と呼びかけ、これが大きな反響を呼んだ。 保守派の弁護士兼ブロガーのイリヤ・レメスロは何を思ったか3月中旬、プーチンを「戦争犯罪人」と公言し、退陣と裁判を求めて精神科病院に1カ月間、強制収容された。さらに彼は「出所」後に米ワシントン・ポストのインタビュ
24年に「正々堂々と総裁選を戦い抜いてまいりたい」とXに投稿した高市首相だが、昨年の総裁選での林総務相(左)と小泉防衛相(右)に対する中傷動画問題が陣営から噴出 POOL-ZUMA-REUTERS 昨年秋の自民党総裁選で有力候補だった小泉進次郎・現防衛相と林芳正・現総務相を誹謗中傷し、揶揄嘲笑するSNSショート動画の作成に高市早苗首相事務所が関与していたと週刊文春が報じ、波紋が広がっている。総裁選では自身のステマ疑惑が浮上した小泉候補が失速した一方、国民的人気を得た高市候補が党員票で圧勝して総裁の座をつかんだ。 その裏で、高市陣営による別のステマがあったとなると「これが永田町の常識か」と嘆息する声も聞こえてくる。 文春によると、2月の総選挙で中道改革連合の幹部を揶揄する動画が拡散した件にも高市首相の秘書が関与。自民党の歴史的大勝に終わった選挙後、「旧立憲民主の害獣を沢山駆除する事ができまし
米中首脳会談では、半導体やレアアースなどで大きな進展はなかった。ホワイトハウスの発表によると、習近平(シー・チンピン)は、イランがホルムズ海峡を軍事化しようとするいかなる動きにも、また、その利用に通行料を課そうとするいかなる試みにも、中国は反対することを明確にした。 中国は発表の際、イランにも同海峡にも一切触れなかったが、アメリカの説明を否定しなかった。 中国がアメリカの説明を黙認したことで、中国、ロシア、イランからなるいわゆる「枢軸」の実態を露呈させた。三者の結束は、互いの利害がぶつかればすぐに崩れる程度のものなのだ。 【動画】中国もロシアもイランを助けなかった理由 当然、次に何が起きるのかという疑問が沸き上がる。中国をイランから引き離せるのなら、ロシアからも引き離せるのだろうか。この問題を考える際は、ロシアはすでに、自らが表に出している以上にはるかに中国を恐れているという、西側の政策担
民主党の「勝利」が怪しく…米中間選挙、「ゲリマンダー作戦」でトランプ共和党が逆転の可能性 2026年05月15日(金)13時08分 <トランプ大統領の支持率が過去最低となり、今秋に行われる中間選挙では民主党の下院奪還が既定路線とみられていたが……> 秋の中間選挙と2028年大統領選の前哨戦とも言うべき緊迫したやりとりだった。5月5日にロサンゼルスで開催されたシンポジウム。次期大統領選出馬を狙う民主党のラーム・エマニュエル前駐日大使は共和党の「全面的腐敗」を猛批判。やはり次期大統領候補の1人と目される共和党のグレン・ヤンキン前バージニア州知事と激しく対立した。 エマニュエルはトランプ大統領のホワイトハウスを「縁故資本主義」まみれだと断じ、「法の支配より一個人による支配」を優先するトランプ流の政治システムをアメリカ国民は拒否するだろうと主張した。 両党の穏健派を代表する2人は論戦が始まる直前、
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』が4月10日に公開され、大ヒットのスタートを切った。劇場版29作目の今回は、横浜を舞台に華麗なバイクチェイスが繰り広げられる。初日から3日間で動員231万人、興行収入35億円、シリーズ過去最高の滑り出しとなった。 近年、劇場版『名探偵コナン』の興行成績に大きな関心が集まっている。1997年の第1作『時計じかけの摩天楼』から2010年代初めまでは10億円台~30億円台だった興行収入は、14年に40億円を超えると勢いに乗り、16年に60億円台、23年には100億円の大台を突破する。 24年の『100万ドルの五稜星』の興行収入は158億円で、この年の国内公開映画のトップに立った。スタートから約30年、いまだに拡大を続けていることが驚異だ。 ところで、拡大を続ける観客たちは一体どこから生まれているのだろうか。 4月の公開直後の映画館を訪れてみた。見渡すと、観客の
男性の年収中央値は420万円、女性は290万円……今の日本ではフルタイムで働いても「普通」の暮らしができない 2026年05月13日(水)11時15分 <女性はフルタイムで働いても半数以上が年収300万円未満> 数年前に、『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』という本が話題になった。443万円というのは、日本で働く人の平均年収のことかと思うが、この数値が「フツー」の年収と言えるかどうかは怪しい。 年収のように分布が歪なデータの場合、「フツー」を表す代表値としては平均値よりも中央値が望ましい。日本の全有業者6489万人の年収分布から中央値を計算すると301万円(総務省「就業構造基本調査」2022年)。先述の443万円よりだいぶ低いが、こちらのほうが「フツー」の年収に近いだろう。雇用の非正規化が進んでいるだけになおのことだ。 この中には、扶養の範囲内でのパート労働も含まれているが、自活で
第3次中東戦争でエルサレムの「岩のドーム」を占領するイスラエル兵(1967年) UNIVERSAL HISTORY ARCHIVE-UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES 中東は今、大きな転換点を迎えている。イスラエルとアメリカが2026年2月28日に仕掛けたイランへの軍事作戦の影響は、この3カ国にとどまらず、イランが報復としてホルムズ海峡を封鎖したことで世界経済にも及んでいる。 【動画】イラン戦争で宗教を利用するネタニヤフ 中東で起きる紛争の根源は必ずしも宗教間もしくは宗派間の対立ではないが、対立の背景を理解するためには宗教への理解が欠かせない。中東のそれぞれの紛争を宗教的な視点からひもとくと──。 近代の中東史の中心は「パレスチナ問題」である。1948年、建国を宣言したイスラエルをアラブ諸国が攻撃して第1次中東戦争が勃発し、その後も戦争が繰り返された。な
ホワイトハウス執務室でトランプを囲みイラン戦争の勝利を神に祈るアメリカの福音派リーダーたち(3月5日) MOLLY RILEY-THE WHITE HOUSE 全ての写真・動画を見る 精神的なよりどころを求める宗教の在り方を超えて、米政権に大きな影響を与えてきたのがキリスト教プロテスタントの保守勢力「福音派」だ。その存在感は増す一方で、2月末にイラン戦争が始まった後、福音派指導者がドナルド・トランプ米大統領と共にホワイトハウスで祈る姿は世界に衝撃を与えた。 福音派はどのように台頭し、トランプ政権の支持基盤になったのか。福音派研究の第一人者である宗教学者の加藤喜之氏に、ノンフィクション作家の広野真嗣氏が聞いた。(対談の動画は最終ページに記載) 構成・深田莉映(本誌記者)
神風特攻隊には20歳前後の多くの若者がいた(1945年5月15日撮影)ZUMA Press Wire via Reuters Connect 戦後80年。「戦前派」や「戦後派」は、遠い言葉になった。本書『戦中派 死の淵に立たされた青春とその後』 (前田啓介著、講談社現代新書)のタイトルである「戦中派」においておや。しかし、人々はどんな思いで戦地に向かったのか。なぜ戦争を回避できなかったのか…。 多感な時代に出征し、戦死者も多く出した「戦中派」の心情がその解き口となる。いま注釈なしで、戦中派と言ったが、そもそも「戦中派」というカテゴリーはいつ誰によって提起されたのか。 戦中派とは 戦前すでに年嵩の成人だった「戦前派」や戦後に思春期をむかえた「戦後派」という言葉は、「アプレゲール」(のし歩く戦後の若者世代)などとともに、戦後すぐに登場した。しかし、そのはざまにあり、「決死の世代」や「散華の世代
強権的な親ロシアのオルバン政権から、16年ぶりの政権交代なるか──世界的に注目された4月12日のハンガリー総選挙は、マジャル・ペーテル率いる中道右派の野党「ティサ(尊重と自由)」が圧勝。 【動画】道を埋め尽くし、オルバンの敗北を喜ぶハンガリー国民 首都ブダペストの議事堂に臨むドナウ川沿いの広場に大勢の支持者が集まり、勝利を祝した。EUとの関係改善が期待され、欧州首脳は続々と祝福の言葉を寄せた。
政府は4月21日、武器輸出に関する「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、殺傷能力のある武器の輸出解禁を閣議決定した。これまでは非戦闘目的の「5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海)」に限定されていた規制を撤廃し、武器輸出を可能にしたのだ。 平和国家としてのあり方が大きく変わる決定だが、武器輸出の拡大は私たちにどのような影響を与えるのだろうか。『ルポ 軍事優先社会――暮らしの中の「戦争準備」』(吉田敏浩・著、岩波新書)には、武器輸出について以下のような記述がある。 武器輸出は常に世界各地で緊張、対立、紛争が続くことを前提にしている。各国の軍隊は緊張、対立、紛争を理由に軍備を増強する。それにつれて大量の武器も売れる。つまり、他国の人びとが紛争・戦争によって死傷し、血を流すことを前提に利益を得る発想が、武器輸出の根底にはある。(82〜83ページより) だからこそ日本はこれまで、憲法第9条の存在
<富の格差の度合いを測る「ジニ係数」を見ると、今の日本の格差は許容範囲を超えている> 日本は格差社会になりつつあるというが、富の格差の度合いを測る指標として「ジニ係数」がある。人々の暮らしの格差を測るには、個人の収入よりも生計の単位である世帯収入のデータで計算するほうがいい。 2022年の総務省『就業構造基本調査』によると、年収が分かるのは5463万世帯。うち年収200万円台が811万世帯と最も多く、300万円未満の世帯が全体の3分の1を占める。これは世帯の単身化や高齢化が進んでいることによる。年金で暮らす高齢世帯だと100万円台、いや2桁もザラだ。 ここで計算するジニ係数は、各階層の世帯数と、各階層の収入総額の分布のズレを数値化するものだ。「世帯数では●%でしかない富裕層が、富全体の▲%を占有している」といった現実を可視化する。各階層が手にする富(収入総額)は、階級値を使って算出する。年
またしても、トランプ政権をめぐるインサイダー取引疑惑が浮上した。だが、より深刻なのは疑惑そのものではない。スキャンダルが相次ぐなかで、人々がそれに慣れ、やがて無関心になっていく──その「感覚の麻痺」こそが、アメリカの民主主義を静かに侵食している またしても、トランプ米政権絡みのインサイダー取引が疑われている。 4月7日、トランプ大統領がイランとの一時停戦を発表する直前のこと。オンライン上で将来の出来事について賭ける予測市場の1つである「ポリマーケット」に50以上もの新しいアカウントが出現し、7日の停戦成立に賭けた。そして、トランプの停戦発表により数百万ドルを荒稼ぎすると、それらのアカウントは姿を消した。 アメリカ国民はこの新しい疑惑に1日か2日は関心を示したが、すぐに興味を失ってしまった。 トランプが「非凡」なのは、言語道断な行動をひっきりなしに行い、アメリカ社会における「当たり前」の感覚
ロシア地方予算に戦費と法人税収減が直撃 26年は赤字27%増で1.9兆ルーブルに達する見通し 2026年04月28日(火)18時40分 サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで会合に出席するロシアのシルアノフ財務相。2025年6月、ロシアのサンクトペテルブルクで撮影 REUTERS/Anton Vaganov ロシアのシルアノフ財務相は27日、2026年は地方予算の赤字総額が27%増加し、1兆9000億ルーブル(254億ドル)に達するとの見通しを示した。法人税収減と社会保障費の増加が主因という。 地方予算は、志願兵と家族に対する手当などウクライナ戦争に関連する支出の相当部分を担っており、債務が増加している。 当局者らは、連邦予算の赤字と債務が財政準備金である国家福祉基金に支えられて比較的抑制されており、西側諸国の制裁に対する重要な緩衝材になっていると強調している。 しかし、より包括的な指標
「鎖国の時代」として知られる江戸時代の日本に、一人のイタリア人宣教師が現れた──この事実は、私たちが抱きがちな「閉ざされた日本」というイメージを静かに揺さぶる。 学校教育では、江戸時代は外国との交流が限られた時代として説明されることが多い。確かに対外関係は厳しく制限されていたが、それでもなお、日本が完全に世界から切り離されていたわけではなかった。 18世紀初頭、その「鎖国」の只中に、ヨーロッパから一人の宣教師がたどり着いている。その人物がジョヴァンニ・バッティスタ・シドティ(Giovanni Battista Sidoti)である。 彼は1708年、屋久島に漂着し、捕えられた後に長崎へ送られ、さらに江戸へと移送された。キリスト教が厳しく禁じられていた時代であり、宣教師の入国は重大な犯罪と見なされていた。それにもかかわらず、彼はヨーロッパから日本へ向かう危険な航海を選んだのである。 シドティ
科学者たちにいったい何が起こっているのか?(写真はイメージ) Shutterstock AI-shutterstock 中国で急成長している人工知能防衛分野の中心人物で、国防科技大学の馮暘赫(フォン・ヤンフー)は2023年7月1日未明、北京で起きた原因不明の自動車事故で死亡した。享年わずか38歳だった。 この早すぎる死には多くの疑問が残っている。 【動画】FBIが捜査している、行方不明または死亡した核研究者11名…亡くなった研究者に関する衝撃的な新情報が明らかに たとえば、中国国営の科学ニュースサイト『Sciencenet.cn』の追悼記事は、「なぜか」馮の死を「犠牲になった」と表現した。さらに、馮は「なぜか」中国共産党のエリートや国家の英雄、革命烈士のための北京の特別な墓地、八宝山革命公墓に埋葬された。 しかし馮の死は、軍事AI、極超音速兵器、宇宙防衛といった極めて機密性の高い分野で働く
「まるで外国人ジェノサイド(集団虐殺)だ」。日本暮らしの長いある外国人が、最新の入国管理政策を聞いてそう語った。 4月上旬、出入国在留管理庁のウェブサイトに「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に関する情報が掲載された。中小企業や新設企業で日本語での対人業務などに従事する場合、原則として日本語能力試験でN2以上の証明が必要になるという内容だ。表立った発表はなく運用開始はわずか数日後。在留資格の更新にも同じ要件が適用されるため、日本でキャリアや事業、家庭を築いてきた47万人以上の該当者の生活に重大な影響を与えかねない。 自国民であれば到底容認されない対応だが、外国人となると話は別だ。日本の国内メディアは妊産婦向けのマタハラから麺類をすする音の「ヌーハラ」まで、あらゆるハラスメントに目を光らせている。だが「外人ハラ」だけは無視するだけでなく、むしろ奨励しているようだ。 かつて外国人への嫌がらせ
<世界の民生品市場で完敗した日本の財界は、二次リーグである官需、その中でも武器輸出に頼ろうとしている> 1976年に、当時の外相で後に総理になる宮沢喜一氏は、武器輸出に関連して次のような国会答弁をしました。 「わが国は兵器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれてはいない」 その50年後の2026年3月に、武器輸出に積極的な高市早苗首相は、この宮沢発言について同じように国会の場で、 「落ちぶれたことだとは思わない」 「もう時代が変わった」 などと発言しています。この高市発言は早速実行されました。発言から約1カ月後の4月21日には武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限っていた「5類型」の撤廃を決定しました。事実上、武器輸出を解禁した形です。 武器輸出による大きなデメリット この問題ですが、亡くなった宮沢氏も高市氏も、視点は共有していると思います。武器輸出は戦争に加担する可能性のある行為
氷河期世代が50代を迎える今振り返る、バブル世代との生涯賃金格差 2026年04月22日(水)11時30分 <バブル世代と氷河期世代の生涯賃金では1000万円以上、場合によっては数千万円の違いが生じる可能性がある> 1976(昭和51)年生まれの筆者は今年で50歳になる。これまで色々なことがあったが、世代という括りで見るとなかなか大変な世代だったことが分かる。 子ども期は厳しい管理教育にさらされ、陰湿な「いじめ」が社会問題化した、いじめ第一世代と言われる。団塊ジュニアの少し後の世代で同世代人口が多く、受験競争も激しかった。筆者が大学受験をした1995年春の大学入学志願者は87.7万人、大学入学者は56.9万人、差し引き30.8万人(35.1%)が不合格になっていた。最近の世代では、不合格率はほんの数%でほぼ全入になっているのとは大違いだ。 出口はもっと大変だった。筆者は1999年春に大学を
イエス・キリストは死に、岩をくりぬいた墓に収められ、そして復活した。見よ、イラン領空で撃墜されたわが軍のパイロットも同じではないか。米国防長官ピート・ヘグセスはそう言いたいらしい。 4月3日に撃墜され、行方不明になっていた空軍大佐が無事救出されたのを受けて、ヘグセスは復活祭明けの6日に開いた記者会見で言ってのけた。「撃墜されたのは金曜日、それも聖金曜日だった。土曜日はずっと洞窟に、岩の割れ目に潜んでいた。そして日曜日に救出された。復活の日の朝、パイロットはよみがえり、帰還し、国中が歓喜に沸いている。おお、神(ゴッド)は善(グッド)なり」 気持ちは分かる。あの救出劇はくしくも復活祭の日程と重なっていた。聖書の記述とそっくりなことが、いまイランで起きたと言えなくもない。トランプ政権の財務長官スコット・ベッセントもSNSに、これは「復活祭の奇跡」だと書き込んでいる。 だがヘグセスは度が過ぎる。第
クリストファー・ロバーツ (本誌米国版デジタル出版担当副社長) マイカ・マッカートニー (アジア安全保障担当、台北在住) ディディ・キルステン・タトロウ (国際問題担当) ※この記事は後編です。前編「中国軍には『根本的な欠陥』がある…ベネズエラとイランが変えた、台湾有事のシナリオとは」はリンクからご覧ください。 PHASE 3 制圧から持続的な攻撃へ このフェーズで、締め付けは戦争へと転じる。CSISの封鎖シミュレーションでは、台湾は非軍事的な封鎖には耐えられるが、中国が潜水艦や機雷、限定的な軍事力を投入すると、状況は一気に悪化する。アメリカの介入がなければ、ウクライナのような形で外部から補給が続いたとしても、中国の潜水艦と機雷は海域に入る船舶の40%を破壊する。 【画像】アメリカと中国の戦闘能力比較 それでも以前なら、アメリカは事態の安定化を優先し、船舶の護衛や部隊の増強はしても、中国本
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