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理化学研究所(理研)開拓研究所 岩崎RNAシステム生化学研究室の岩崎 信太郎 主任研究員、脇川 大誠 特別研究員、木村 悠介 大学院生リサーチ・アソシエイト(研究当時)、水戸 麻理 テクニカルスタッフⅠ、斉藤 大寛 大学院生リサーチ・アソシエイト(研究当時)、七野 悠一 上級研究員(研究当時、現 客員研究員、筑波大学 医学医療系 教授)らの国際共同研究グループは、細胞が重力を感知して、ミトコンドリアでタンパク質を合成するミトコンドリア内翻訳[1]を活性化させるメカニズムを宇宙空間における実験を通じて発見しました。 本研究成果は、長期的な宇宙滞在中における老化現象だけでなく、一般的な加齢を抑制する薬剤・手法開発に貢献すると期待されます。 今回、国際共同研究グループは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」において微小重力下で細胞を培養し、細胞内でアミノ酸を結合してタンパク質を合
量子HPC連携プラットフォーム向け新スーパーコンピュータ「ROQUO(ろっこう)」運用開始 -量子コンピューティングとHPCの連携を加速- 理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)量子HPC連携プラットフォーム部門(部門長:佐藤 三久)は、量子コンピューティングと高性能計算(ハイパフォーマンス・コンピューティング:HPC)の連携を加速するため、神戸市にあるR-CCSに新たにJHPC-quantum GPUスーパーコンピュータ「ROQUO(ろっこう)」を導⼊し、運用を開始しました。 「ROQUO」は、神戸を象徴する六甲山(ろっこうさん)にちなんで命名された、量子HPC連携プラットフォーム向けの新たな計算基盤です。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託事業「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発」プロジェクト(JHPC-quantumプロジェ
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 認知分散処理研究チームのシュミット・ルーカス・イアン チームディレクター、フォスフォード・パトリック 特別研究員(研究当時)、メイ・ハオ 特別研究員、中島 美保 副チームディレクターらの研究チームは、不確実な状況下で直感を働かせるとき、脳がどのように情報を処理しているのかを解明しました。私たちは、外界から得られる感覚情報が不十分な場合でも過去の経験をもとに、推測(直感)して行動します。本研究はこの判断材料となる「感覚経験」が脳内でどのように保存され、さらに新しい経験によってどのように更新されていくのか、そのプロセスを突き止めました。特に脳内に蓄積された過去の統計的情報が外界の状況変化に応じて少しずつ書き換えられ、新たな情報を取り入れる態勢を整える神経機構を明らかにしました。 本研究成果は、変化の激しい環境でいかに適応していくのかという情報のスクリ
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 思考・実行機能研究チームの宮本 健太郎 チームディレクターらの国際共同研究チームは、未来を想像し計画を立てる、ヒトに顕著なメタ認知[1]能力の進化的起源をマカクサル[2](以下、サル)の脳に発見しました。 本研究成果は、ヒトと他の霊長類の大脳皮質、特に前頭葉を中心とするネットワークのどのような構造の違いが、ヒト特有の知性と人間らしさを生むのかを明らかにするもので、前頭葉の損傷・機能阻害に起因する高次脳機能障害[3]や前頭側頭型認知症[4]の治療法・リハビリテーション技術の開発への貢献が期待されます。 今回、国際共同研究チームは、将来の知覚判断の成功確率を予測し、別の行動を選択した場合の報酬確率と比較する「展望的メタ認知課題」を開発し、この課題を行っているサルの全脳活動を機能的MRI(fMRI)[5]で計測し、サルとヒトで比較しました。ヒトでは前外
理化学研究所(理研)開拓研究所 上野核分光研究室の大島 勇吾 専任研究員、名古屋大学 大学院工学研究科の竹延 大志 教授、東北大学 大学院理学研究科の高石 慎也 准教授らの共同研究グループは、分子性物質[1]に基づくメモリスタ[2]においてコイルを用いずに発振する電子回路を発見しました。 本研究により、従来はコイル[3]によって実現されてきたインダクター[3]機能を、物質の内部ダイナミクスによって代替できることが示され、コイル不要の発振回路が可能となりました。これにより、低周波回路設計の自由度向上や小型・集積化への応用、さらにはニューロモルフィックデバイス[4]など新しい情報処理技術への展開が期待されます。 今回、共同研究グループは分子性モット絶縁体[5]において電気輸送測定およびインピーダンス分光[6]を行い、メモリスタとしての振る舞いを確認しました。さらに、ヒステリシス応答(ピンチドヒ
理化学研究所(理研)開拓研究所のステファン・ウルマー 主任研究員(Ulmer基本的対称性研究室)を研究代表者とする欧州原子核研究機構(CERN)の国際共同研究グループ「BASE実験グループ」は、反陽子[1]を閉じ込めたトラップをトラックに乗せ、輸送することに世界で初めて成功しました。 実験グループは、可搬型の極低温ペニングトラップ[2]に92個の反陽子を閉じ込め、これを反陽子減速器から切り離してトラックに乗せ、CERNの主要サイト内を移動した後、実験を行ったところ、実験を継続することができました。 この研究の最終的な目標は、反陽子の生成が可能な世界で唯一の施設であり、スイス・ジュネーブからフランスとの国境にまたがるCERNの「反物質[1]工場」から反陽子を運び出し、ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドルフなど、欧州の遠く離れた研究機関へ輸送することです。CERNの反物質工場の近くで
理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター 核化学研究開発室の重河 優大 特別研究員(研究当時、現 客員研究員、筑波大学 数理物質系 助教)、羽場 宏光 室長、光量子工学研究センター 時空間エンジニアリング研究チームの山口 敦史 専任研究員、大阪大学 大学院理学研究科の笠松 良崇 教授、東北大学 先端量子ビーム科学研究センターの菊永 英寿 准教授、同金属材料研究所の白崎 謙次 講師(研究当時)、高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所の和田 道治 名誉教授らの共同研究グループは、原子核の周りにある電子の数を変えて、励起状態のトリウム229[1]原子核の半減期を大きく変化させることに成功しました。 本研究成果は、未発見の核壊変過程(励起状態から基底状態へ脱励起する過程)である「電子架橋遷移[2]」の直接観測に向けた大きな一歩となり、原子核時計[3]の実現に向けた貢献も期待されます。
理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センターの中村 泰信 センター長、萬 伸一 副センター長、大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB)の北川 勝浩 センター長(同特任教授(常勤))、森 俊夫 特任研究員(常勤)らの共同研究グループは、144量子ビットチップを搭載した新型量子コンピュータ「叡-Ⅱ(エイツー)」の量子計算クラウドサービスを3月26日に開始しました。これは、2023年3月に公開した64量子ビットチップを搭載した国産量子コンピュータ「叡」と比べて、量子ビット数を2倍以上に増加させ、古典コンピュータでは実現しえない規模の量子計算を可能にします。サービスのユーザーは、従来の「叡」と量子シミュレータ「Qulacs」に加えて、「叡-Ⅱ」も利用できるようになります。 「叡-Ⅱ」に搭載されている144量子ビットチップは、量子ビットの寿命も大幅に増加させます。また、機器を冷やす冷
理化学研究所(理研)情報統合本部(工藤 知宏 本部長)は、理研が開発・運⽤する約70の公開データベースに関する情報を集約し、分野横断的な検索機能を持つポータルサイト「理研公開データポータル」を公開しました。このポータルサイトにより、理研が公開する生命科学、環境科学、物理科学、数理・計算・情報科学などの分野における多様かつ大量の研究データに国内外の研究者や企業らが一元的にアクセスすることが可能になり、AI for Science(AI利活用研究)、データ駆動型科学、さらにはオープンサイエンスの推進に貢献することが期待されます。 背景 生成AIの急激な進化は、社会生活だけでなく科学研究のあり方にも変革をもたらしており、世界をリードする研究開発においてもAIを利活用する研究開発、すなわちAI for Scienceが主流になりつつあります。AI for Science、データ駆動科学の推進には良
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 触知覚生理学研究チームの村山 正宜 チームディレクター、大本 育実 基礎科学特別研究員、東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻の大泉 匡史 准教授、清岡 大毅 大学院生(博士課程)、横浜市立大学 大学院データサイエンス研究科 データサイエンス専攻の北園 淳 准教授、生理学研究所 行動・代謝分子解析センターウィルスベクター開発室の小林 憲太 准教授らの共同研究グループは、無意識状態では、意識状態時と異なり脳の大脳皮質の機能的ネットワーク[1]が複数のサブネットワークに分離していること、サブネットワークを構成する神経細胞は脳の複数の領域に混在し、領域を越えた神経細胞間のつながりが存在すること、多数の神経細胞と協調的な活動を示すハブ細胞と考えられる細胞群は、ネットワーク構造の形成に大きな貢献をしているものの、意識・無意識状態における脳のネットワー
この度、一部の報道機関において、弊所理事長 五神 真について日本化粧品協会との関係に係る報道がなされましたが事実誤認を与える内容が報道されたことは、大変遺憾です。 研究所において確認したところ、事実関係は以下の通りです。これらの事実は当該報道機関からの取材に対し経緯を含めて真摯に説明したものです。 1.五神 真は、これまで一般社団法人日本化粧品協会と直接かかわりを持ったことはないこと。また、当該協会や関係者に何らかの要求をしたり、先方から要望を受けたりしたことは一切ないこと。 2.また、弊所において2024年9月以降に、報道されているような事案を契機とした理研と当該研究者、または東京大学 大学院医学系研究科の皮膚科講座との共同研究契約はないことを確認していること。 3.報道されている東京大学病院の研究者(以下、当該研究者)との間で、五神の夫人(以下、五神夫人)は、同病院における過去の治療の
感情に伴う表情と主観経験の脳内ネットワークを解明 -顔の表情が喜び、悲しみ、怒りなどの感情経験を生み出す- 理化学研究所(理研)情報統合本部 ガーディアンロボットプロジェクト 心理プロセス研究チームの佐藤 弥 チームディレクターらの共同研究グループは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)[1]を用いて、喜び、悲しみ、怒り、不安などの感情に伴う「顔の表情」と「主観的な感情経験(主観経験)」が、それぞれ異なる脳内ネットワークに支えられ、さらに顔の表情が主観経験を生み出す方向で相互作用していることを明らかにしました。 本研究の成果は、100年以上議論されてきた「感情における身体と経験の関係」に新たな神経科学的証拠を与えるものであり、心理学・神経科学の基礎的理解に加え、感情調節障害の新たな治療法の開発や、人間の感情を理解するAIの開発、ロボット開発への貢献が期待できます。 本研究では、実験参加者が感情
すべての生物は細胞からできており、細胞は生命の最小単位といえます。宮﨑 牧人 チームディレクターの研究チームは、一つ一つの細胞をいったんばらばらにし、必要と思われる最低限のパーツを組み合わせて細胞機能が再現される条件を探ることで、生命の仕組みの解明に取り組んでいます。この方法は構成論的手法と呼ばれ、2025年8月に発表した研究成果「「アクチン3Dプリンター」の開発」は、その手法による成果の積み重ねによるものです。 物理の手法を生物に応用 「小学生のころから生き物が好き、特にチョウが大好きでした」。チョウの中には、羽が緑に見えたり青に見えたりするものがいる。なぜ色が違って見えるのか。高校1年のとき、自分で採取したチョウの羽の鱗粉を電子顕微鏡を借りて観察したところ、一つ一つの鱗粉の形が違っていた。色の違いは色素によるものではなく、光の干渉によって起こることを知り、「自然界の事象が物理学で説明で
理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター 統合情報開発室の田中 信彦 開発研究員(研究当時)、マウス表現型研究開発室の田村 勝 室長、統合発生工学研究開発室の的場 章悟 専任研究員、バイオリソース研究センターの小倉 淳郎 副センター長らの研究グループは、マウスの全身を対象とした表現型(形質)[1]解析とY染色体[2]遺伝子ノックアウトを組み合わせることで、複数のY染色体遺伝子が体サイズや臓器重量などの「性差」に寄与することを明らかにしました。 本研究成果は、Y染色体遺伝子が全身の性差形成に関与し得ることを示すとともに、性差を定量的に評価するための解析の枠組みを提供するものです。将来的に、男女差の生まれる仕組みの理解を深める研究に貢献すると期待されます。 今回、研究グループは、マウスのオスとメスについて、個体の特徴である表現型を網羅的に解析し、その中から体重、臓器重量、代謝、免疫など「
国連が警鐘を鳴らす地球環境の3大危機があります。気候変動、生物多様性の損失、そして環境汚染と廃棄物です。この事態を招いた原因の一つが、暮らしの隅々まで浸透しているプラスチックです。生産時だけでなく、焼却処理時にも二酸化炭素(CO2)が大量に排出されるため、地球温暖化の一因となります。燃やさずに廃棄するとマイクロプラスチックと呼ばれる微粒子となって海洋や空気中に拡散し、生態系を脅かします。この難題の解決に一筋の光明をもたらすとして、世界中から熱い視線を注がれているのが、相田 卓三 グループディレクターのグループが開発した新素材「超分子プラスチック」です。 簡便な作製方法も魅力 その光景に、誰もが目を奪われるのではないか。シャーレ内に置かれた厚さ0.12mm、5cm四方のどこにでもある無色透明なプラスチック。見かけも力学的な性質もまさに石油由来のプラスチックそのもの。しかし、これを人工海水に浸
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 創発ソフトマター機能研究グループの相田 卓三 グループディレクター(東京大学卓越教授/東京大学国際高等研究所東京カレッジ)、陳 政宏 研修生(研究当時)、洪 揚 客員研究員、水上 輝市 特別研究員(東京大学 大学院工学系研究科 特任助教)らの研究チームは、豊富な天然資源である木材成分セルロースの誘導体から、しなやかなのに堅牢(けんろう)で、しかも塩水中など自然環境で速やかに分解する新型プラスチックを開発しました。 本研究成果は、従来のプラスチックの代替材料として、マイクロプラスチックによる環境汚染の抑制にも貢献すると期待されます。 今回、研究チームは、米国食品医薬品局(FDA)承認の安全な食品添加物を可塑剤[1]として使い、力学特性を自在に調整できる新型プラスチックを開発しました。さらに、このプラスチックは、使用済みのものから同じ品質のプラスチ
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 脳型知能理論研究ユニットの田澤 右京 大学院生リサーチ・アソシエイトと磯村 拓哉 ユニットリーダーの研究チームは、変分原理[1]の観点からシナプス結合[2]の形成および切断が従うべき方程式を理論的に導出し、その式により神経回路が外界に存在する因果関係のグラフ構造[3]を正しく学習できることを数理解析およびシミュレーションによって示しました。 本研究成果は、生物による構造学習[4]の神経基盤への理解を深め、脳に知性が現れる仕組みの理解や、AIの学習アルゴリズムのさらなる発展に貢献すると期待されます。 私たちの物事の認識は因果関係のグラフ構造に基づいていると考えることができます。例えば、ポケットから着信音が聞こえたら、私たちは服から音が出たとは考えず、自然とその中にあるスマートフォン(以下、スマホ)などの電子機器が原因であると推論します。これは服・ス
理化学研究所オフィシャルグッズ「理研グッズ」に新アイテムが登場です。理研が開発した国産初の超伝導量子コンピュータ「叡(えい)」 の頭脳にあたる量子ビットチップがストラップになりました。 量子ビットチップとほぼ原寸大のチャームに、16倍に拡大した実際の量子集積回路をデザインしています。量子コンピュータは、従来のコンピュータと比べ高速な計算を可能にするだけでなく、地球規模課題の解決への貢献が期待されています。手のひらにチップを乗せて、そこから広がる大きな可能性と未来に思いをはせてみませんか? 2025年11月9日(日)和光市民まつり、11月15日(土)理化学研究所・横浜市立大学一般公開で販売するほか、11月17日(月)から理研所外の一部取り扱い店舗※での販売を開始します。 ※理研所外の取り扱い店舗(2025年11月時点) 株式会社リゾン 和光支店 日本科学未来館 ミュージアムショップ (在庫状
理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センター量子複雑性解析理研白眉研究チームの桑原知剛理研白眉研究チームリーダー(開拓研究所桑原量子複雑性解析理研白眉研究チーム理研白眉研究チームリーダー)は、熱平衡状態(有限温度)[1]における量子もつれ[2]の性質について、長年未解決であった「三者間の量子もつれ[3]が長距離で存在できるのか」という根本的な問いに取り組み、量子系における「条件付き相互情報量(CMI)[4]」と呼ばれる指標がどんな場合でも短距離でしか存在できないという有名な予想が正しいことを数学的に証明しました。これにより、有限温度において巨視的量子性がどの程度残り得るかという問いに対し、「典型的な多者間の量子もつれは長距離では維持できない」という普遍的な答えを与えました。 本研究成果は、量子アルゴリズム[5]やシミュレーションの効率化につながると期待され、量子コンピューティングの応用
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター グリア-神経回路動態研究チームの長井 淳 チームディレクター、出羽 健一 基礎科学特別研究員、加瀬田 晃大 研究パートタイマーⅠ(日本学術振興会特別研究員DC2)、九州大学 生体防御医学研究所の増田 隆博 教授らの共同研究グループは、「強い印象のある出来事はよく覚えている」「繰り返したことは忘れにくい」といった身近な現象について、その背後にある脳の仕組みが、神経細胞ではなく、その隙間を埋めるアストロサイト[1]という意外な細胞によって支えられていることを発見しました。 脳は、神経細胞とそれ以外のグリア細胞[2]で構成されています。長らくグリア細胞は神経細胞の隙間を埋めるだけの存在と考えられてきましたが、近年の研究により脳内の代謝や神経活動の調節など、多様な機能を担うことが明らかになっています。 今回、共同研究グループは、アストロサイトというグリア
理化学研究所(理研)およびNVIDIA Corporation(エヌビディア・コーポレーション(NVIDIA))は、連携・協力に関する覚書を締結しました。 連携・協力内容 研究者等の交流 講演会、共同セミナー、シンポジウムなどの開催を含む科学技術情報の交換 共同研究プロジェクトの計画 その他上記に関連する事業および活動 理研は幅広い自然科学の基礎研究に強みを持ち、産業応用の初期研究が可能な国内唯一の自然科学の総合研究所です。理研では2023年度に立ち上げた所内横断のプロジェクト「Transformative Research Innovation Platform of RIKEN platforms(TRIP)」の中で、理研の最先端研究プラットフォーム群を有機的につなぎ、既存の分野を超えた新しい学理の構築を促すとともに、さまざまな社会課題解決の提案を目指しています。その活動の一環として、
理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 知覚神経回路機構研究チームの染谷 真琴 特別研究員、太田 和美 テクニカルスタッフⅠ、風間 北斗 チームディレクターらの研究チームは、生まれつき持っている(生得的な)匂いの価値(快・不快)を計算する脳内の細胞を同定し、さらに快・不快の情報は異なる回路メカニズムによって生成されることを発見しました。 本研究成果は、感覚刺激の物理化学的情報が価値情報に変換される神経回路の仕組みに関する新たな知見を提供するとともに、脳のデジタルツイン[1]の実現に貢献すると期待されます。 ヒトを含む多くの動物は、初めて嗅いだ匂いであったとしてもそれを快いまたは不快と感じて、匂いの元(発生源)を追従したり回避したりしますが、この生得的な匂いの価値に関する情報が脳のどこでどのように計算されるのかは未知でした。研究チームはショウジョウバエ[2]を使い、カルシウムイメージング
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 上皮形態形成研究チームのヨウチュン・ワン チームディレクター、ビパシャ・デイ 特別研究員、武田 美智子 テクニカルスタッフⅠらの国際共同研究グループは、ハエの初期胚には正常な形態形成の阻害要因となり得る力学的ストレス[1]が存在し、双翅目(そうしもく)[2]昆虫はこのリスクを抑制する二つの仕組みを持つことを明らかにしました。 本研究成果は、限られた空間内で多数の細胞が集まり移動する動物の発生現象において、体の形を適切につくり上げる仕組みがどのように進化したかの解明に貢献します。 ショウジョウバエ[2]の初期胚では、頭部と胴部の境界で上皮[3]の一部が筋状に陥入する「セファリック・ファロウ(Cephalic furrow、CF)[4]」と呼ばれる構造が一過的に出現します。CFはその後、元の平らな状態に戻り体内組織や器官を形成せず、発生における機能
理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 創薬抗体基盤ユニット(研究当時)の齊藤 隆 ユニットリーダー(研究当時、現 免疫器官形成研究チーム 客員主管研究員)、原田 通成 研究員(研究当時、現 創薬タンパク質解析基盤ユニット 技師)、創薬タンパク質解析基盤ユニットの松本 武久 研究員、東京大学 医科学研究所の井上 純一郎 特任研究員(研究当時、現 同大学新世代感染症センター 特任教授)、滋賀医科大学 病理学講座の伊藤 靖 教授らの共同研究グループは、新型コロナウイルス[1]の感染侵入に重要なヒトの酵素TMPRSS2[2]に対するモノクローナル抗体(mAb)[3]を樹立し、この抗体が全ての新型コロナウイルスの感染を生体内でも阻止できることを発見しました。 本研究成果は、2020年にパンデミック[4]となり、いまだに国内で年に百万人ほどの感染が続いている新型コロナウイルス変異株[5]に対する
2025年8月28日 理化学研究所 横浜市立大学 長崎大学 明治学院大学 愛知製鋼株式会社 東京大学 農業・食品産業技術総合研究機構 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター バイオ生産情報研究チームの南 杏鶴 研究員(横浜市立大学 客員研究員)、持田 恵一 チームディレクター(長崎大学 情報データ科学部教授、横浜市立大学 木原生物学研究所 客員教授)、明治学院大学の野副 朋子 准教授、愛知製鋼株式会社の鈴木 基史 室長、東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属アイソトープ農学教育研究施設の田野井 慶太朗 教授、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)生物機能利用研究部門の遠藤 真咲 上級研究員らの共同研究グループは、長期間の高温ストレスに対し、温帯性草本植物の適応性を向上させるには、土壌中の鉄吸収の制御機構が重要な役割を担うことを明らかにしました。 本研究成果で得られた知見は、コム
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター フィジカルバイオロジー研究チームの山本 尚貴 研究員(研究当時)、石橋 朋樹 基礎科学特別研究員、柴田 達夫 チームディレクター、分子細胞動態研究チーム(研究当時)の清末 優子 チームリーダー(研究当時)、高次構造形成研究チーム(研究当時)の竹市 雅俊 チームリーダー(研究当時)らの研究グループは、体や器官の左右非対称性の基盤にあると考えられる、細胞の"利き手"ともいえる細胞キラリティ[1]を制御する新しい原理を、実験と理論を組み合わせたアプローチにより発見しました。 本研究成果は、生物の左右非対称な形づくりを駆動するメカニズムの解明への手がかりとなることが期待されます。 ヒトのようなほぼ左右対称な生物であっても、例えば、内臓の形態や位置に左右非対称な特徴が多く見られます。このような形の左右非対称性の成立過程では、細胞スケールのキラリティや、タ
カーボンナノリングやナノグラフェン合成の世界的トップランナー、伊丹 健一郎 主任研究員。「週刊伊丹」と言ってもよいほど、プレスリリースを頻繁に出す活発な研究室を主宰しています。有機化学系の研究室でありながら昆虫を飼育して体内でナノカーボンを合成させたり、不可能だったオールアジンナノリング合成に成功したりするなど、画期的な成果を相次いで発表しました。豊かな発想の源泉はどこにあるのでしょうか。 苦手をワクワクに変えた出会い 唯一無二の分子をつくり出し、その分子を活躍させる。それが伊丹研のテーマだ。「世の中に存在しない新しい分子をつくることはロマンに満ちていて、ワクワクします」 高校3年のとき、暗記ばかりで苦手だった化学で有機化学を学び、六つの炭素原子が正六角形の環状に結合したベンゼン環に出合った。「ベンゼン環は薬品、染料、プラスチック材料などいろいろなものになります。幼稚園のころから、小さなブ
理化学研究所、富士通およびNVIDIAとの国際連携による「富岳NEXT」開発体制を始動 -計算による課題解決を支える次世代「AI-HPCプラットフォーム」構築へ- 理化学研究所(五神真理事長、以下「理研」)は、富士通株式会社(時田隆仁代表取締役社長、以下「富士通」)[1]、NVIDIA Corporation(ジェンスン・ファンCEO、以下「NVIDIA」)[2]とともに、スーパーコンピュータ「富岳」[3]の次世代となる新たなフラッグシップシステム(開発コードネーム:「富岳NEXT」)に関して、理研を開発主体とした国際連携により設計および開発を開始することとしました。日本のフラッグシップシステムとしては初めてGPU(グラフィック処理装置)を加速部に採用し、NVIDIAがそのGPU基盤に関する設計を主導します。全体システムおよび計算ノード、CPU(中央演算装置)の基本設計においては、すでに理
光を使って計算するという夢物語のような「光量子コンピュータ」が、現実の世界に登場しました。米澤 英宏 チームディレクターらの共同研究グループが開発した実機は、量子力学の原理を利用する量子コンピュータの一種。ミラーやレンズが所狭しと並ぶ装置が実現する、光を使った量子計算とはどのようなものでしょうか。光量子コンピュータが、AIの発展や創薬、金融などさまざまな分野で応用される未来が、着実に近づいています。 量子コンピュータが開く新しい計算世界へ 近年、コンピュータの性能が飛躍的に向上した結果、私たちはスマートフォンやAIなど非常に便利なツールを日常的に利用できるようになった。 今、注目を集めているのが、これまでとは全く異なる原理で計算をする量子コンピュータだ。 非常に小さな「量子の世界」では、日常的な感覚では想像しにくい不思議な現象が起こっている。この現象を計算に生かそうという発想から、量子コン
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