サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
デスク環境を整える
www.tonao.net
このドメインは、お名前.comで取得されています。 お名前.comのトップページへ Copyright © 2019 GMO Internet, Inc. All Rights Reserved.
コンクワ… 「昔の私は物を言う時は桜皮を巻いた弓の弓柄の央を鳴らす様に言ったものであったが、衰えてしまったものよ・・・ 年老い、弱ったものだから天国へ行こうと思うのだけども、人間の国に飢饉があってな。猟に行っても鹿も無い、漁に出ても魚もない。」 腹を立てた私は鹿の神と魚の神に使者を立てる事とした。 「誰か雄弁で使者として自信がある者は、天国の五ツ半の談判を言いつけてやりたいものだ」 たがつきのシントコ(※1)の蓋の上を叩きながら私は言った。そうしたところ誰かが入口で答えました。 「私をおいて誰が使者として雄弁で自信があるものがあるでしょう。」 見ると鴉の若者であった。私は家に入れ、たがつきのシントコの蓋の上を叩きながら鴉の若者を使者に立てるためその談判を言い聞かせ3日たち3つ目の談判を話しながら鴉を見ると鴉は炉緑の後ろで居眠りをしている。 それを見ると癪に障ったのか羽ぐるみひっ
むかしむかし、丹後の国に浦島太郎という24、5歳の息子がいました。 明けても暮れても魚をとって父母を養っていましたが、 ある日、手持ち無沙汰に釣りでもしようと出かけました。 あちこちの浦や島や入江の隅々で釣りをし、貝を拾い、海松布を刈っていると、 絵島が磯というところで亀を一匹釣り上げました。 「『鶴は千年亀は万年』といって、お前は命の長い生き物だ。 ここで命を断つのも気の毒だから、助けることにしよう。 いつもこの恩を覚えていておくれ」 浦島太郎はそう言うと、この亀をもとの海にかえしました。 次の日また釣りに出かけると、はるか海の上に小船が浮かんでいました。 小船には美しい女性がひとり乗っており、波にゆられて浦島太郎の立っているところにやってきました。 「あなたはなぜこんな海に、一人で船に乗っているのです」 「あるところへ行こうと船に乗っていたら、急に風が強くなって
高天原を追放された須佐之男命(スサノオノミコト)は、まず食料を得るために大宜都比売(オオゲツヒメ)のもとを訪いました。 大宜都比売は須佐之男命を歓待しました。 羹(あつもの)や強飯(こわめし)、酒などが振る舞われました。 食べ物が少なくなってきたところで、 「料理をもっとお出ししますので、少し失礼します」 と言って大宜都比売は円坐から席を立ちました。 中々戻って来ない様子の大宜都比売のことが気になり、須佐之男命は調理場を覗きに行きました。 そこで須佐之男命の見たものは、大宜都比売が口、鼻、尻から様々な味物(ためつもの)を出している姿でした。 「なんて穢らわしい。私はこんなものを食べさせられていたのか」 須佐之男命は刀を抜きました。 「おやめ下さい。私は食物を司る女神です。私がいなくなったら……」 命乞いする大宜都比売の言葉も聞かず、須佐之男命は刀を振るい、ふくよかな身体
聖武天皇の御代、人々は口々に謡ったという。 汝をぞ嫁に欲しと誰、庵知の此方の万の子 南无南无や、仙酒も石も、持ちすすり、法申し、山の知識、余しに余しに ナレヲゾヨメニ ホシトタレ アムチノコムチノヨロズノコ ナムナムヤ ヒジリビト サカモ サカモ モチススリ ノリモウシ ヤマノチシキ アマシニ アマシニ…… ***** 大和国十市郡庵知(あむち)の村の東に、裕福な家がありました。 姓を鏡作造(かがみつくりのみやつこ)。その一人娘に万(よろず)の子という、見目麗しい女がおりました。未だ嫁がず、男を知らない女でございます。 家柄の良い男が求婚したが、断り続けて年月は過ぎていきました。 ところが、ある男が結婚を申し込み、幾度と無く様々な品物を送って寄越しました。 色鮮やかな絹布が車三台。娘はそれを見て心を奪われ、心を許し、男の言葉に従って白い手を靡かせ男を閨に招き入れました。
ツイート そこで、建御雷神は大国主神に尋ねました。 「いま、おまえの子の事代主神はあのように申したぞ。ほかに意見をいうような子はいないのか」 「もう一人、私の子に建御名方神(タケミナカタ)がおります。この子をおいてほかにはいません」 大国主命は答えました。 すると、その建御名方神が、千人かかってようやく持ち上がるくらいの大岩を掌の先に軽々と持ち上げてやってきました。 「だれだ、俺の国に来てこそこそとそんな話をするのは!ならばいっそのこと力比べして決着をつけようじゃないか。俺が先にその手を掴んでやる!」 建御雷神は黙って建御名方神に手を握らせたかと思うと、たちまちそれを氷柱に変え、さらには剣の切っ先にまで変えてしまいました。 建御名方神はあまりのことに驚いて手を放しましたが、今度は建御雷神が建御名方神の手を掴みなおしました。まるで生えたばかりの葦をむしり取るかのように軽々と握り
ツイート さて、豊葦原国への使者の派遣はまたもや失敗に終わってしまいました。 天照大御神はまた仰せられました。 「こんどはどの神を遣わしたらよいでしょうか」 思金神とおおぜいの神たちは申し上げました。 「天の安河の上流の天の石屋におられる、伊都之尾張神(イツノオハバリ)を遣わすのがよろしいでしょう。もしこの神でないとすれば、その子の建御雷之男神(タケミカヅチ)を遣わしてはいかがでしょうか。ただし、その伊都之尾張神は天の安河を水をせき止めて道をふさいでおりますので、ほかの神はとても行けません。ですから、水を渡ることのできる天迦久神(アメノカク)を遣わして、行くかどうかお尋ねになるのがよろしいでしょう」 伊都之尾張神は、かの伊邪那岐命(イザナキ)が天之迦具土神(アメノカグツチ)の首を斬られた剣の神なのでございます。 そこで天照大御神は天迦久神を使いとして送り、伊都之尾張神に行くかど
ツイート 五百年程昔、摂津の国豊島群の広台寺というお寺に牡丹花肖栢(ぼたんかしょうはく)という歌人が居りました。 ある日、肖栢は猪名野にある五社神社に立ち寄りました。 この辺りは"秦郷"と呼ばれる梅の名所で、かつて五世紀頃には秦氏の納める土地でした。そこには日本の物とは違う変わった形の古墳があり、誰の物か分らないそれを肖栢は一度見てみたいと思っていたのです。 古墳の前に付くと早速肖栢はその小さい入口へと腰を屈め潜り込みました。 中へ入って行くと、入口から差し込む光も乏しく成り、次第に真っ暗で何も見え無くなりました。 肖栢の耳には水が滴る音だけが響いてきます。その静かにも寂しい音はどこかそら恐ろしくも感じられました。 しかし、暫く耳を澄ませていると、水の滴る音が次第に一定の調子を持って肖栢の耳を楽しくくすぐり始めました。そうして不思議に思った時には肖栢の額を撫でる薄衣の感触、芳しい
ツイート さて、天菩比神が地上に派遣されてから三年のときが経ちましたが、高天原にはなんのご報告もございません。 そこで天照大御神と高御産巣日神は、またおおぜいの神々をお集めになりました。 「豊葦原国に派遣した、天菩比神が長い間なんの報告もよこさず、命令に従わないようです。こんどはどの神を遣わしたらよいでしょうか」 思金神はお答え申し上げました。 「天津国玉神(アマツクニタマ)の子、天若日子(アメワカヒコ)を遣わすのがよろしいでしょう」 天若日子はその名のとおり若く美しく、そして勇気のある神でございました。 そこで、天照大御神と高御産巣日神は、真鹿児弓(まかこゆみ)と天の羽羽矢(あまのははや)という、鹿を射る弓と大きな羽のついた矢を天若日子にお与えになり、地上に派遣されました。 ところが、天若日子は豊葦原国に降ると、すぐに大国主神の娘、下照比売(シタテルヒメ)というたいへん美しい姫
ツイート 昔々、北信濃にある中野鴨ヶ岳の小館城に高梨摂津守政盛というお殿様がおりました。春のある日、政盛は多くの家来を引き連れて東山で花見を催しました。 政盛には、黒姫という大層美しい姫君がおり、政盛はその姫の酌で盃を傾けています。するとどこからか小さな白蛇がひょっこりと現れました。 政盛は、「黒姫、白蛇も盃が欲しいようだ。酌をしてやるがよい。」と戯れた様子で姫に申し付けると姫は恐れる事も無く白蛇の前に杯を持っていきます。 白蛇は、盃の酒を美味そうに飲み干すと黒姫の顔をじっと見つめています。直ぐに白蛇は姿を消します。 その夜、何やら気配を感じて芽を覚ますと枕元に狩衣姿の若者が座り語ります。「私は昼間姫君に盃を頂いたものです。どうか、あなた様を妻に迎えたい」 「そのような事は父に話して頂けねば困ります」と姫が答えると「承知いたしました。では、明日あらためてうかがいます。」と言い残して姿
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『言霊 -日本の物語を語り継ぐ-』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く