若い頃はスリムだったのに、中年期に入ると体重が増えて腹囲が膨らむことは珍しくない。厚生労働省の2019年「国民健康・栄養調査」によれば、肥満の目安であるBMI(体重kg÷身長m2乗)「25以上」の男性の割合は33%。年齢別に見ると、20代が約29%であるのに対し、40代は約40%、50代は約39%と、40代や50代の割合が高くなっている。 この「中年太り」にも、男性ホルモンのテストステロン低下が関わっている。 「内臓脂肪が増えるとテストステロンが低下し、テストステロンが下がると内臓脂肪が増えるという『負のスパイラル』が臨床的に証明されています。メタボリックシンドロームとの関係が深いのです」 こう話すのは新古賀病院(福岡県久留米市)糖尿病・甲状腺・内分泌センター長の明比祐子医師。新古賀クリニック(同)で「男性更年期外来」を開設している。日本メンズヘルス医学会の理事で、『LOH症候群(加齢男性