新刊エッセイ『理系の読み方』が注目を集める京大卒の作家・大滝瓶太さん。 小説家としてデビューするまで「8浪」かかったという大滝さんが、「受験としての新人賞」について綴ってくださいました! イメージ画像:PIXTA 10浪で現役!? おいでよ 新人賞多浪の森 デビューしてもう何年も経つのにまだ新人賞の話をしている恥ずかしい作家がいる。私である。 これがどれくらい恥ずかしいかを作家を目指したことがない皆さんに説明すると、「もう就職したのに大学受験の話を一生くっちゃべってるおっさん」みたいな感じです。「すばる文学賞で最終候補の一歩前までいったことがある!」という話をするのは「東大に10点足らずに落ちた!」とほぼ同じとみていいでしょう。 ところで、皆さんは作家になる方法を知っているでしょうか? たぶんよっぽど興味がない限り知らないと思います。実際に私が作家になってから、知人友人に一番訊かれるのも「