「プログラムの著作物」が著作権法で保護される、ということは明文の規定で定められているとおりであり、そこに争いを入れる余地はない。 だが、「著作権法でプログラムが保護された」という事例を裁判例ベースで探そうと思うと、それがなかなか出てこない、という実態もある。 明らかなデッドコピー事案であれば訴訟に持ち込まれるまでもなく決着するだろうし、多少手が加えられていても侵害の事実が明白な事案であれば、判決が出る前にカタが付くことが多いだろうから、公表された判決の少なさだけを取りあげて議論するのはあまり適切なことではないと思うが、一方で、権利者側の視点で見ると、プログラム事件特有の主張立証の難しさがある、ということも否定はできないだろう。 そんな中、プログラムに関する著作権侵害訴訟を遂行することの難しさを象徴するような裁判例が公表された。 以下では、原告にちょっとばかりの同情を寄せつつ、判決の内容をご