13 July 2012 視覚刺激が「見える・見えない」といったもっとも基本的な意識が、視覚情報の脳への入口に当たる第一次視覚野とはほとんどかかわりがないことが、脳機能イメージングにより示された 純粋に直観的な観点からすると、私たちが何かの対象に能動的に注意を向ける能力は、その対象を意識的に知覚する能力と密接に結びついていると考えるのが自然である。しかしながら、この考え方の正否については、研究者間で今なお活発な議論が続けられている。このたび、東京大学、理研およびマックス・プランク研究所(ドイツ)からなる国際共同研究チームが予想外の知見を得たことで、この議論はさらに激化することだろう。知覚のこうした側面がどのように脳の中で実現されているかを明らかにするには、視覚中枢が情報を処理する過程を詳しく解明する必要がある。第一次視覚野(V1)として知られる脳内領域は、網膜から伝えられるシグナルを受け取