貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで 作者: カビールセガール,Kabir Sehgal,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る貨幣の歴史について語った本は数多い。 それだけに「新」といえるほどの新機軸を打ち出せるものかと思っていたのだが、本書は貨幣の定義を通常よりも拡張し『そこで私は、お金は価値のシンボルだという定義にたどり着いた。』としてみせることで、より広い視点、それも生物学、宗教、脳科学と一見貨幣とはあまり関係なさそうな分野まで内包し、様々な角度から光を当てた貨幣史を語ることを可能にしてみせた。 貨幣史というよりは、貨幣を通した人類史──といったほうが正確かもしれない。貨幣を使いみちのみで考えると「価値のあるモノやサービスと交換する」ために存在している。が、お金が手に入ると期