東京電力福島第一原発事故による放射性物質を含む「指定廃棄物」を、栃木県塩谷町(しおやまち)が最大水位3メートル以上の洪水浸水想定区域で一時保管していることが分かった。地上約50センチの盛り土の上に置かれている状態。町は安全対策を施す方針だが、保管と処分の責任を負う国は新たな対策に応じていない。原発事故に伴う負担が地域に押し付けられる構造は、事故から6年が迫っても変わっていない。 (大野暢子) 同県内の指定廃棄物は一万三千五百三十三トン。放射性物質汚染対処特措法によると、保管や処分の費用は国が東電に求償する。国による処分場建設の目途が立たない中、各自治体での分散保管が長引いている。 塩谷町の洪水浸水想定区域にある指定廃棄物は町の全量に当たる二二・八トンの牧草で、放射性物質濃度は一キログラム当たり一万六〇〇〇ベクレル。農家から町が引き取り、二〇一四年二月から町有地に置いている。 約百五十