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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (12)

  • どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書

    意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く (講談社現代新書) 作者:渡辺正峰講談社AmazonSFの世界ではよく人間の意識をアップロードして肉体の縛りから解放される、「マインドアップロード」と呼ばれる技術が扱われる。実際、人間の意識とはけっきょく脳内の化学的な作用の結果生まれるものであるという立場に立つのであれば、その作用をデジタル上でも機械上でも再現できればそこに「わたし」が宿るはずである。 今はまだSFの中の話にすぎないが、現実でもBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)技術や脳神経科学の進展もあり、徐々に現実味を増してきている──ときて、書『意識の脳科学』はまさにそうした「意識のアップロード」をテーマにした一冊だ。著者の渡辺正峰は神経科学を専門とする東京大学大学院工学系研究科の准教授で、研究だけでなく自身でも意識のアップロードを目指すスタートアップ「MinD in a Dev

    どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2024/07/10
    時空一体の宇宙において空間認識をしてるわけだから意識の根源が脳にあるとは思わないんだよね。意識の根っこは宇宙の外にあって、脳はあくまで端末で、同一性はIDで管理されてると思う。
  • 現代人(WEIRD)はなぜかつての社会と大きく異なる心理状態を獲得するに至ったのか?──『WEIRD「現代人」の奇妙な心理:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源』 - 基本読書

    WEIRD(ウィアード)「現代人」の奇妙な心理 上:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazonこの『WEIRD「現代人」の奇妙な心理』は、西洋を中心とした現代人が人類進化の途上で存在してきた社会の人々と、神経学的にも心理学的にも大きく異なっていることを解き明かしていく一冊である。同時に、なぜ現代人が歴史の過程で「WEIRD(奇妙)」になってしまったのか、その起源を追うことで、産業革命が起こった理由や、ヒトの社会を突き動かす遺伝子や環境以外の要因についても明らかになっていく。 上下巻で分厚いが、経済から民主制、個人主義まで、幅広いテーマを一の筋でまとめていく、明快でエキサイティングなノンフィクションだ。 WEIRDな人々の特徴。 重要な前提から紹介するが、複数の集団から得られた文化的データを分析すると、西洋人のサンプルは必ず分布の最端部に位置することが

    現代人(WEIRD)はなぜかつての社会と大きく異なる心理状態を獲得するに至ったのか?──『WEIRD「現代人」の奇妙な心理:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2024/01/05
    日本はなんか古代からドライな個人主義社会なイメージある。死者に感傷を抱かないからだろな。ほとんどは墓も作らないし。
  • 資金洗浄し放題になると何が起こるのか──『クレプトクラシー資金洗浄の巨大な闇―世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ』 - 基本読書

    クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇: 世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ 作者:ケイシー・ミシェル草思社Amazonこの『クリプトラシー資金洗浄の巨大な闇』は、米国でこれまで行われてきた資金洗浄の実態について書かれた一冊である。僕のような一般市民からすれば資金洗浄、マネーロンダリングと言われても一部の汚いカネを持った富裕層はそういうことを演る人もおるんやろなぐらいの認識で、特段それについて深く考えたり、問題に思ったことはなかったが、書を読むとなかなかに被害の大きい行為であることがわかる。 副題に「世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ」と入っているように、書の事例はアメリカのみなので(資金洗浄を行いたい日人も出てこない)日人読者からすれば距離のある話ではあるが、アメリカでいかにマネーロンダリングが盛大に行われてきたのか。それを許してきた司法のシステム、抜け穴とは何なのか。

    資金洗浄し放題になると何が起こるのか──『クレプトクラシー資金洗浄の巨大な闇―世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2022/09/15
  • すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書

    Slowdown 減速する素晴らしき世界 作者:ダニー・ドーリング東洋経済新報社Amazonこの『Slowdown 減速する素晴らしき世界』は、世界人口の増加も、経済の発展も、平均寿命も、負債も、技術革新も、すべての「加速」が終わって減速、あるいは停滞に向かうことを各種データから示していく一冊だ。加速する世界がいいもので、停滞は悪いものだとする価値観があるが、書は副題に「素晴らしき世界」と入っているように、決して次にくる停滞の世界が「悪いものである」という立場をとらない。 たとえば世界の人口はこの先一度100億〜110億あたりで天井へと至り、その後急速に減少していく。個々の国々からしてみれば人口が減少することは生産年齢人口が減ってGDPも税収も減少し国内市場が減少しと良いことがないが、世界的にみればこれは朗報だ。人数が少なければ少ないほどスムーズな意思決定が可能になる。ゴミを出し、エネル

    すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2022/08/28
    もともと成長なんかしてない(定期)
  • リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』 - 基本読書

    リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか 作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazon はじめに どのように人々は集まってきたのか? 自由な町にヤバいやつらが集まってくる。 リバタリアンらは町を良い方向に変えたのか? おわりに はじめに 他者の身体や私的財産を侵害しない限り、各人が望むすべての行動は自由であると主張する、リバタリアンと呼ばれる人たちがいる。すべてを自由にすべきと考える原理的な人から、条件的に制約を認める人まで無数の思想的内実があるわけだが、そうした思想を持つ人々にとっては多くの国家・地域は制約だらけにみえるだろう。 自分たちの思想を社会に反映させるためには、民主主義の場合にはリバタリアン的思想を持つ候補者に票を投じたり、自分自身が立候補して国の方針を地道に変えていかなければいけないわけだが、それは当然ながらなかなかに大変な

    リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2022/02/27
  • 世界初のペンギン学者と、ペンギンの奔放な性行動について──『南極探検とペンギン』 - 基本読書

    南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態 作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス発売日: 2021/04/26メディア: Kindle版この『南極探検とペンギン』は、1910年頃から格的に実施された別々の二チームによる南極点到達の冒険譚と、その冒険に同行し、旅の途中でペンギン研究に目覚めた、世界初のペンギン学者であるマレー・レビックについて書かれた一冊である。 南極点到達の冒険譚については、アムンセン率いるノルウェー隊とスコット率いるイギリス隊の二つがほとんど同時期に乗り出している。結果的にノルウェー隊が先に人類初到達を成し遂げ、それを知らずに南極点へと向かったスコット隊5人は、到達したのはいいものの帰路にて一人、また一人と(凍傷や栄養不足により)隊員を失い、最後にスコット含む三人はおそらく飢えと脱水症状により、テントの中で息絶えた。スコットは最後に、小さなノートに

    世界初のペンギン学者と、ペンギンの奔放な性行動について──『南極探検とペンギン』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2021/05/21
    どちらかというと鳥類の中では集団であるがゆえにそれが抑制されているという印象。
  • 絶滅は本当によくないことなのか?──『絶滅できない動物たち 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ』 - 基本読書

    絶滅できない動物たち――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ 作者: M・R・オコナー出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/09/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る人間の活動やそれに伴う気候変動によって物凄い数の生物が絶滅しており問題だ問題だ、なんとか動物たちを絶滅から救わねば──というのは一般的な論調であるが、実際のところ当に絶滅はよくないことなのだろうか。もちろんよい、わるいというのは誰の視点でみるかによってかわってくるものであって、たとえば地球の視点に立っていえば、あらゆる生物が死滅しようが関係ないしどうでもいいことだろう。 一方、人間的観点からいうと、絶滅はよくないことだろう。特に我々のせいで絶滅されたとあっちゃあ気まずいし申し訳ない。現在、1年間に約4万種もの生物がこの地球上から姿を消しているというし、そんなに絶滅したとなるといろ

    絶滅は本当によくないことなのか?──『絶滅できない動物たち 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2018/11/03
  • 共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書

    反共感論―社会はいかに判断を誤るか 作者: ポール・ブルーム,高橋洋出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/02/02メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る他者にたいして共感するのはいいことだと思われている。ひどいめにあった人をみて、強く感じ入り、そのつらさを共有する人は、一般的には善良な人だ。より多くの人がもっと他者に共感するようになれば、他者に暴力をふるったりすることもなくなるのではないかという考えもある。”もちろん、共感には利点があるけれども”、しかし全体を通してみると害も大きい。単純化すれば、それが書の主張となる。 私自身も、かつてはそう考えていた。しかし今は違う。もちろん共感には利点がある。美術、小説、スポーツを鑑賞する際には、共感は大いなる悦楽の源泉になる。親密な人間関係においても重要な役割を果たし得る。また、ときには善き行いをするよう私たちを導くこと

    共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書
  • インターネットの大失敗『インターネットは自由を奪う――〈無料〉という落とし穴』 - 基本読書

    インターネットは自由を奪う――〈無料〉という落とし穴 作者: アンドリューキーン,Andrew Keen,中島由華出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/08/24メディア: 単行この商品を含むブログを見るインターネット、それはなくてはならぬ文明の利器! 職がプログラマーたる僕としてもこれがなくなってしまったら即座にいっぱぐれてしまう大切なものだ。とはいえ、そこには負の側面が存在するのもまた事実。便利な通販サイトの存在によって街の小売店は廃業に追いやられ、人々は日夜TwitterやFacebook、Instagramで自身の評判を高めるためにしのぎを削る。漫画音楽の海賊版は横行し金も払わずに多くの人がコンテンツを楽しむようになってしまった暗黒の世界が広がっている! というわけで書『インターネットは自由を奪う――〈無料〉という落とし穴』(原題「THE INTERNET IS

    インターネットの大失敗『インターネットは自由を奪う――〈無料〉という落とし穴』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2017/08/30
  • テクノロジー信仰への解毒剤──『テクノロジーは貧困を救わない』 - 基本読書

    テクノロジー貧困を救わない 作者: 外山健太郎,松裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/11/22メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る 外山健太郎さんという、日人名の方が著者だったので最初日語のと思い読み始めたのだが、文章に違和感を覚え表紙をよくみたら翻訳だった。だからどうだという話ではないのだが、書はマイクロソフト・リサーチ社でインドを筆頭とした貧困地域のためにテクノロジーを活用する仕事を行っていた著者による、体験記である。 インドはITの超大国とは言われるものの、その能力を持っているのは僅かな人々に過ぎず多くの人(8億人)は1日2ドル未満で暮らしている。能力格差、収入の格差、だいぶ前に廃止されたはずのカースト制度の影響も依然として残っている。IT技術の習得による、就職先も国内に存在している。著者を含むプロジェクトチームは、教育の現場にIT

    テクノロジー信仰への解毒剤──『テクノロジーは貧困を救わない』 - 基本読書
    smicho
    smicho 2017/02/11
  • チャイナ・ハッカーズ by ウラジミール - 基本読書

    昨年春に米セキュリティ会社・マンディアントが発表したレポートを読んでから初めてサイバー戦争関連の情報に興味を持つようになった。同レポートによれば、中国人民解放軍直下の大規模なサイバー攻撃部隊が米軍や関連企業にサイバー攻撃をしかけてきているという。調べれば調べるほど今後のサイバー攻撃の激化と影響の大きさが増してくるようで、当時はそのレポートをうのみにして「中国というのはサイバー攻撃をかかんにしかけている国なんだなあ」とだけ考えていたところだが、その後スノーデン氏の告発などもあり調べを進めていくうちにセキュリティ関連については各陣営の発表のどの部分が正しくどの部分が間違っているのかよくわからなくなってきた。 スノーデン氏の告発は正義心の発露、自由への渇望ではなく単なる中国から金をもらった工作員だったのではという話もあるし、米軍や関連企業へのサイバー攻撃がどの程度真なのかも正直よくわからない。セ

    チャイナ・ハッカーズ by ウラジミール - 基本読書
    smicho
    smicho 2014/08/14
  • Poor Numbers by MortenJerven - 基本読書

    2010年にガーナのStatisticalServicesはGDPの上昇率を60%だと見積もった統計を出してきた。成長率60%ってなんやねん、アホか、どうやったんだと疑問に思うところが、単純に前年までの計算が極度に間違っていたからだ。その後より正確さを増した為、60%もの急成長を果たし低所得国から低所得国の中でも真ん中の国家へと格上げされたことになる(low to lower-middle-income country. )。 それがガーナだけの特殊事態かと思ったら大間違い、アフリカのGDP調査におけるそのお粗末な状況、不正確さ、複数の調査機関で出てくる数字に10%以上開きがある上にランク付けしたものなんて、何から何まで順位がばらばらになっている。そのどれを参照したかで議論がまったく変わってくるなど「実際問題、アフリカにおけるGDPの数字はどの程度正確なのか。そして、なんでそんなことになっ

    Poor Numbers by MortenJerven - 基本読書
    smicho
    smicho 2014/01/31
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