1.「マスメディアにおどらされること」を非難することは妥当であるか? コミュニケーションによって主体と主体の、主体と社会の、社会と社会の間で接続がおこなわれているシステム上、あらゆるところにコミュニケーションの交通路となるメディアが存在していることは否定できない。我々はメディアを利用しなければコミュニケーションをすることができない。正確に言うならば、我々はコミュニケーションすることしかできないのである。コミュニケーションを放棄すること――「非コミュ」を表明すること――もまた「コミュニケーションを放棄する」というメッセージを伝えてしまう。 そうであるがゆえに、メディアを批判することには困難さがつきまとう。なぜならば、その批判もまたメディアを通しておこなわれるからである。また、「俺はマスメディアを信じない。スイーツ(笑)は馬鹿である。何故ならあのようなマスメディアを信じ込んでいるからだ」という