どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 米国オレゴン州で、未承認の遺伝子組換え小麦が畑で生えているのが見つかったと5月末に公表され、騒ぎとなっている。日本でも報道されているのだが、日米共に、ポイントを押さえていないのでは、と思われる報道がちらほら。簡単に解説しておこう。 ●未承認だが、FDAが食品・飼料としての安全性を確認ずみ 生えていたのは、米モンサント社が開発し、1998年から2005年にかけて16州、100カ所以上のフィールドで栽培試験が行われた除草剤耐性小麦(MON71800)だ。オレゴン州の農家が、農場の休耕地に生えている小麦が除草剤グリホサートをかけても