ブックマーク / president.jp (476)

  • イラつかせるメール、無視されるメール

    「男から貰った“イラッとした”“キモい”“頭悪い”メールってない?」女性たちにきいた途端、「あるある!」「あ、これだこれ」「削除しなきゃよかったぁ」。……出るわ出るわ。男たちは知らぬ間に、これだけ自爆しているのか( ~_~;)。 メールには、書き手特有の様々な癖が出る。書式や挨拶の常套句、行替えの“間”、私的なメールに頻出する顔文字や(笑)のような感情表現。そもそも、個々人の特徴の出ないパフォーマンスなどありえない。 ただ、対面や手書きの手紙と比べて、交換する情報量が圧倒的に少ない。ちょっとした言い回しの違いやミス、おかしな習慣が必要以上にデフォルメされ、無意味なストレスが生じる。まして、男女間のコミュニケーションにこの歴史の浅いメディアを挟み込むことで起きる悲喜劇は、推して知るべしだ。以下は某30代女性が交際男性から貰った映画の待ち合わせのメール。 「明日はかぐや姫(の物語・編集部注)は

    イラつかせるメール、無視されるメール
    songanman
    songanman 2022/04/16
  • 「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (5ページ目)

    40万円かかる司法解剖に12万円しかしはらわない警察庁 しかも、調査法解剖は、新たな弊害を生んでしまっている。 この法律を作るにあたり、当時、警察庁の金高雅仁・刑事局長が、神奈川県のある解剖医のところに視察に行った。 神奈川県は日で他の追随を許さないほど極端に多くの解剖を行っている地域だからだ。神奈川県では1人の解剖医が信じられないほどの解剖数をこなしているのである。神奈川県のやり方は、法医解剖で来必要とされる、写真や血液、臓器の保管を含めた証拠保全の面や客観性の面などから医学界では長く物議を醸している。 ところが、刑事局長は、そこで大量に実施されている解剖の手際にいたく感心したようだ。10万円程度で短時間に大量の解剖を請け負っているそのやり方を基準にして、調査法解剖を行うよう指示したという。 「死因・身元調査法が施行になってから、われわれ大学に警察庁が12万円ほどの安い値段で解剖(調

    「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (5ページ目)
    songanman
    songanman 2022/02/26
  • 「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (4ページ目)

    解剖の呼び名と予算の流れが変わっただけの新法 しかし、である。 岩瀬はこの2法についてこう嘆く。 「委員として同意もしてないのに時間切れを理由に同意したことになって、あの2法ができたんです。最も大事な部分で、法医学側の意見は聞き入れてもらえなかった。びっくりですよ」 岩瀬や法医学会は、新しい法律を議論するにあたり、新しい解剖制度を作る以前に、死因究明を専門的に行う機関として死因究明医療センターという海外の法医学研究所にあたるものを設立すべきであると主張していた。 だが国は、それは難しいと判断し、新しい解剖制度は設けるが、専門機関については死因究明等推進法の中で、体制整備を「推進する」という言葉を盛り込むだけでお茶を濁した。死因究明等推進法は、死因究明の基的な考え方を示すだけの理念法にとどまっている。 もう一つの死因・身元調査法は、制度を実際に変える実施法として翌2013年に施行されたが、

    「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (4ページ目)
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    songanman 2022/02/26
  • 「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (3ページ目)

    地域によって明確な差がある遺体の解剖率 法医学者が抱えている根的な問題の三つ目が、地域格差だ。地域の大学などの状況によって、解剖率や解剖の質が変わってしまうことである。 解剖率だけを見ても、その差は歴然だ。すでに述べた通り、東京と広島では大きな差があるが、それ以外でも解剖率のばらつきは顕著になっている。たとえば2019年の九州だけを見ても、福岡県は7.7%、佐賀県は8.8%、長崎県は10.8%、熊県は4.6%、大分県は3.3%、宮崎県は4.4%、鹿児島県は6.7%だ。その明確な差がわかってもらえるだろう。 千葉県では当時から、異状死体の解剖はほとんどを千葉大学の医師が1、2名で担当してきた。一方で、東京23区には監察医制度があるため、監察医務院に出入りする何人もの法医学者が解剖を行う。司法解剖も都内のいくつかの大学が担当できる体制がある。しかし地方に行けば、異状死体を解剖できる法医学者

    「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (3ページ目)
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    songanman 2022/02/26
  • 「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (2ページ目)

    「警察手帳をかざしながら無銭飲」 千葉大学の教授になった岩瀬は、法医学界の窮状を改善すべく働きかけを始めた。 当時、法医学者が抱えていた根的問題はたくさんあったが、ここでは三つに絞って紹介したい。 一つ目は司法解剖の費用。司法解剖とは、警察が発見された異状死体に事件性があると判断した場合に、裁判所からの令状を取って大学の法医学教室に依頼する解剖のことだ。 司法解剖をきちんと行えば、千葉大学では薬毒物検査などを含め40万円くらいはかかるという。だが当時、司法解剖に必要な経費は一銭も大学に支払われていなかった。執刀した医師に「司法解剖謝金」という形で解剖一体につき7万円ほどが支払われていたが、あくまで謝金という扱いだったという。 岩瀬は以前に、そんな状況について、「警察手帳をかざしながら無銭飲されているようだ」と表現していた。解剖室の管理や備品などの費用はすべて大学側が泣き寝入りして負担

    「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない (2ページ目)
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    songanman 2022/02/26
  • 「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない

    大学病院などで行われている「司法解剖」は、きちんとやるには40万円ほどの費用がかかる。ところが警察などは12万円ほどしか支払われていない。国際ジャーナリストの山田敏弘さんは「大学が費用を泣き寝入りして負担しているケースもあり、これでは適切な死因究明はできない」という——。 ※稿は、山田敏弘『死体格差』(新潮社)の一部を再編集したものです。 犠牲者からサリンを検出できなかった地下鉄サリン事件 千葉大学法医学教室の岩瀬博太郎には、日の法医学に失望した忘れられない事件がある。1995年3月に発生した地下鉄サリン事件である。 事件の当日、東京の地下鉄の構内でオウム真理教によるテロ事件が起きた。猛毒ガスのサリンが電車内に散布され、乗客や地下鉄の職員など14人が犠牲になった。 遺体の一部は東大の法医学教室に運ばれた。当時助手だった岩瀬は、事件の翌日に東大の地下にある解剖室で、被害者の司法解剖を補助

    「本当はビール瓶で殴られていた」日本の司法解剖が相撲部屋の暴行死を見逃した根本原因 必要な費用が支払われていない
    songanman
    songanman 2022/02/26
  • 「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (4ページ目)

    「裁判では法医学者は代理戦争の駒」 そして大野は、現在日では冤罪ではないかと揉めるケースが、「数多く出てきている」と指摘する。 そのなかには、到底、冤罪とは考えにくい事件もあるし、「念のために」というニュアンスで再審請求をしている場合もあるので注意が必要だが、それでも冤罪の可能性が検証されている事件は100件を超えるほどだという。 そうした冤罪疑惑が取り沙汰されるケースで、法医学者の提供する法医学的な証拠が時に軽視されたり、思惑をもって利用されたりすることは決して少なくない。 2019年7月、東京地裁は、佐藤被告に対して殺人罪で懲役17年の判決を言い渡した。判決文では、佐藤被告が阿部さんに睡眠薬を飲ませたうえ、首を圧迫して窒息死させたとして殺人を認定している。検察の選んだ証拠を採用し、検察側が勝利した。 だがそこから急展開があった。弁護側は判決を不服として控訴。その際の協議で、弁護側は大

    「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (4ページ目)
    songanman
    songanman 2022/02/17
  • 「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (3ページ目)

    警察・検察の主張をサポートする法医学者を連れてくる 首を絞めて人を殺害するのと、睡眠導入剤の中毒による死では、刑事事件においてその意味合いは大きく変わる。 大野はこう話す。「首を絞める行為には明確な『殺意』があり、殺人罪で判決も重くなる傾向があり、睡眠導入剤の中毒なら『過失』だとも考えられる」と。つまり、警察と検察の見立てでは、これは殺意ある首絞め事件だということになっていた。 公判で検察側は、執刀医が行った司法解剖の鑑定書は採用しなかった。代わりに、別の法医学者に依頼し、自分たちの主張をサポートするような鑑定を採用する展開となった。実は、検察が都合のいい鑑定結果を自分たちで持ってくるのも、日ではよくある話だという。 そこで鍵となったのは「歯」だった。大野が言う。 「執刀医の解剖所見には、確かに、遺体の歯が少しピンク色に着色していると書かれていたし、もちろんそれを示す写真もあった。これは

    「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (3ページ目)
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    songanman 2022/02/17
  • 「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (2ページ目)

    法医学の鑑定を巡り見解がぶつかり合った そう言って大野は、最近公判で法医鑑定をめぐって争ったケースについて解説を始めた。 神奈川県相模原市にある墓地で、都内在住だった阿部由香利さん(事件当時=以下同=25歳)の遺体が土の中から発見されたのは2015年のことだった。 この事件は14年に阿部さんの父親が、阿部さんと阿部さんの幼い子どもである響輝ひびきちゃんがともに行方不明だと警視庁に相談をしたことで捜査が始まっていた。 警視庁捜査一課はすぐに、阿部さんの元交際相手だった佐藤一麿被告(29歳)を特定。相模原で遺体が見つかったことで、佐藤被告を逮捕した。また、佐藤被告の別の交際相手だった23歳の女性が、佐藤被告とともにレンタカーで阿部さんの遺体を運んで、墓地の空き地に掘った穴に埋める手伝いをしたとして死体遺棄容疑で逮捕された。 事件当時、佐藤被告は東京都渋谷区の高級住宅街にある実家に暮らし、仕事

    「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる (2ページ目)
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    songanman 2022/02/17
  • 「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる

    「警察や検察で事件のストーリーが作られてしまう」 玄関を開けると、はにかんだような柔らかい表情を見せる大野曜吉が、「ああ、こんな所まで足を運んでくれて、ありがとうございます」と言って出迎えてくれた。10年ほど前に知り合ってから全く変わらない。 大野は日の法医学分野で知らぬ者がいない著名な法医学者である。事件史に残る業績を残している人物だ。 私は、新型コロナウィルス感染症の感染状況が小康状態になったタイミングで大野と会うため、こぢんまりとした賃貸マンションを訪問していた。 というのも、2019年3月いっぱいで日医科大学を定年退職した大野が、そこにひっそりと「法医学相談室」なるものを開設したと耳にしていたからだ。 大野と私は、マンションの一室で、お互いの近況を報告し合った。 その流れで、どうして退職後も法医学にかかわる仕事を続けているのかと質問すると、大野は「まあ、やり残したことがあるって

    「冤罪疑惑は100件超」警察が殺人事件の捜査でやたらとごり押ししてくる"ある死因" 明確に殺意を立証できる
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    songanman 2022/02/17
  • 「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症 (3ページ目)

    心の傷と向き合うためには、息の長い支援が必要 山さんは、さまざまな当事者とつながり、話を聞く中で、見えない心の傷と向き合い、前に進むためには、息の長い支援が必要だと感じてきた。 「トラウマのメンタルケアや治療は、完全に治るというわけではなくて、物事の捉え方とか、感情のコントロールが少しずつ上手にできるようになっていく、向き合い方を学ぶということなんです。人たちのつらさや苦しみが完全に消えるということは難しいと思いますが、少しでも生きづらさを軽減してきちんと前を向いて歩いていけるようにするという視点が必要なのかなと思っています」 ただ、こうした心の傷は、必ずしも医療的なケアだけで癒やされるわけではない。まわりの大人のささいな行動の積み重ねが、子どもの心を癒やすこともあると言う。 「生まれてきてよかった」と感じられるようになった 「私自身も、施設を出てから自分の生い立ちを受け止めるのがとて

    「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症 (3ページ目)
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    songanman 2022/01/27
  • 「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症 (2ページ目)

    施設を出たあと、心身に異変が起き始めた アンケートに答えた一人、20代の健太さん(仮名)に話を聞かせてもらった。 健太さんの母親には精神疾患があり、父親は怒りっぽい性格で、常に夫婦喧嘩をしていて、居心地の悪さを感じていた。父親から時折暴力を受けていた健太さんは、家を飛び出して、近くの祖母の家で過ごすことも頻繁にあった。その父親が癌で亡くなったあと、母親が一人で子育てをすることは困難となり、健太さんは小学生のときに児童養護施設に入所することになった。 施設で過ごしていたころは、精神的な不調を感じることはなかった。しかし、専門学校へ進学するために18歳で施設を出たあと、心身に異変が起き始めた。当初は教室にいたときにお腹の調子が悪くなっただけだった。しかし、徐々に症状は悪化していった。わけのわからない恐怖を感じるようになったり、動悸が激しくなって息切れをしたりするようになった。学校に行くのが怖く

    「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症 (2ページ目)
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    songanman 2022/01/27
  • 「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症

    「医療的な支援」を求める当事者の声 社会的養護出身者の集まる場を提供する取り組みは、各地のNPOなどの支援団体が始めているが、都市部での活動が中心となっていて、全国どこにいてもこうした集まりに参加できるとは限らない。今後、自治体でこうした取り組みをサポートする体制も必要となるだろう。 そして、当事者の声を国に届けることも大きな意味を持つ。2021年度から、社会的養護自立支援事業に追加されたメニューの一つに、「メンタルケア等医療的な支援が必要な者が適切に医療を受けられるよう、医療連携に必要な経費補助」がある。新たにメニューが追加された背景には、医療的な支援を求める当事者の声が大きかった。 虐待の後遺症などで抱える「生きづらさ」 声をあげた一人、山昌子さんは、関東を中心に支援活動をしている団体、「ACHAプロジェクト」の代表をつとめている。自身も親のネグレクトによって乳児院や児童養護施設で育

    「殴られるかもしれない恐怖で職場に行けない」児童養護施設を出た男性の"その後" 退所後に突然襲う虐待の後遺症
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    songanman 2022/01/27
  • 「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった (3ページ目)

    社会保障が性産業に敗北している その後、女性はインターネットを通じて「ゆずりは」の存在を知った。ようやく高橋さんたちのもとで保護されたときには、心に深い傷を負っていたという。高橋さんは、現在ではアフターケアの重要性への理解が広がってきているが、この女性のようなケースは決して珍しくはないと話す。 「施設にも頼れない、役所にも見捨てられる。いわば社会保障が性産業に敗北した事例です。施設の子どもたちは、一度社会に出たら、その生きづらさにショックを受けることが多いですね。学歴の低さやおよそ理想的とは言えない劣悪な成育環境を生きてきた子どもたちは自分に自信を持つことができません。『初めての一人暮らし』は誰しも大変ですが、そうした子どもたちは一層強いストレスを感じます。“緊張と不安”の中に長年身を置いていたことでメンタルが弱く、朝起きられなかったり、『なぜ他の人ができるのに自分はできないの?』といった

    「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった (3ページ目)
    songanman
    songanman 2022/01/22
  • 「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった (2ページ目)

    「寝泊まりできる場所がない」から水商売や性産業で働く 「ネットカフェを転々としたり、公園で寝泊まりしたり、男性の場合はそれで耐えられます。一方で、女性の場合は、外で寝泊まりすることはできないので何らかの形で出会った異性のもとに身を寄せるか、従業員寮が付いている水商売や性産業で働くことになるケースが多々あるんですね」 以前、高橋さんが支援にあたった20代の女性も児童養護施設の出身だった。 施設を退所した後、女性は正社員としてビジネスホテルに就職した。社宅も完備されていた。女性は平均週休1日のペースで働いたが、月収は手取りでおよそ12万円だった。 女性は激務がたたり、過労により腰を痛めてしまう。そして緊急手術と入院療養が必要になったことを会社側に伝えると、一方的に解雇を通告されたのである。それは社宅からも追い出されることを意味していた。 ある日突然、路頭に迷うことになってしまった女性は、まず出

    「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった (2ページ目)
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    songanman 2022/01/22
  • 「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった

    カードローンで400万円を超える借金 18歳での施設からの退所は、衣住をさまざまなスタッフに支えられていた暮らしから、ある日を境に、自分一人で日常生活を切り盛りしなければならなくなることを意味する。家庭からの独り立ち。それは誰しもが人生で一度は経験する壁でもある。しかし身近に頼れる存在がいなかったとしたら、それはより高い壁となって立ちはだかることになる。 次に記すのは、退所後の相談支援に特化した、アフターケア相談所「ゆずりは」の高橋亜美さんが以前、支援にあたった事例だ。生活になくてはならないお金にまつわる問題である。 その女性(当時22歳)は、18歳で就職とともに児童養護施設を退所。 2年後、成人した女性はクレジットカードを持ったことがきっかけで思わぬ事態に直面していく。初めて手にしたカードは、経済的に恵まれて育ってきたとは到底言えない女性にとって打ち出の小槌のように思えたという。 金遣

    「ビジネスホテル社員→性風俗店勤務」児童養護施設を出た20代女性が味わった"二度の絶望" 雨風をしのげる場所が他になかった
    songanman
    songanman 2022/01/22
  • 毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」 (3ページ目)

    「アルバイトではべていけない、生活するために始める」 詐欺グループには100人ほどのメンバーがいて、入れ替わりも激しかった。新たにメンバーが加わる際には、“採用面接”も実施していた。拓海さんも“面接官”を務めたことがある。面接で事情を聞くと、親が捕まっただけの自分はまだいい方だと感じることもあった。 「親がいなくなった子、そもそも家がない子、あとは、もめ事を起こしたら不良が出てきてお金を請求された子とかいろんなパターンがいましたね。普通に暮らしてる人からしたらわからないかもしれないけど、それができない子からしたら、ただ普通の生活を手に入れたいだけなんですよ。結局若いと雇ってくれるところがない。アルバイトだけではべていけない。生きるため、生活するために始めるんです」 拓海さんは最終的に詐欺グループの上層部である指示役へと昇進。20人くらいの少年の管理を任されるようになり、毎朝起床確認のた

    毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」 (3ページ目)
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    songanman 2022/01/11
  • 毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」 (2ページ目)

    17歳で母親と仕事を同時に失った しかし、新しい生活が始まったわずか1年後、母親と恋人が再び逮捕されてしまう。17歳だった拓海さんは母親も仕事も同時に失うことになった。暮らしていた施設からは離れてしまって頼ることができない。生活のためにすぐにでも働かなければならないが、つてもない中卒の拓海さんを雇ってくれるところはそう簡単には見つからなかった。家賃すら払うことができないと途方に暮れていたときに、地元の先輩が手を差し伸べてくれた。「お金になる“仕事”がある」。紹介されたのは、詐欺の「受け子」として働くという“仕事”だった。 「とにかく生活のためにお金が必要だったので、抵抗はなかったですね。とりあえずスーツを着て“仕事”に行って、たまたまその日に成功して185万、一気にもらって。でもそれを一気に使ってしまって、なくなったらまたやって、という感じでした」 唯一手を差し伸べてくれたのが「地元の先輩

    毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」 (2ページ目)
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    songanman 2022/01/11
  • 毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」

    「受け子」や「出し子」になる少年たち 家庭環境は常に一定ではなく、両親の離婚、引っ越し、病気、事故など、さまざまな理由で突然変化が訪れることもある。10代で、突然親が目の前からいなくなったとき、その先をどうやって生きていくのか。その重みについて考えさせられる取材もあった。 2018年、振り込め詐欺の「アポ電」(家に現金があるかどうかを確認するために身内を装ってかける電話)から強盗につながるケースが都内を中心に相次いで発生。これまでも、振り込め詐欺グループは少年などをうまく取り込み、「受け子」や「出し子」と呼ばれる現金の受け取り役、いわば最も逮捕されるリスクの高い末端のメンバーとして使っていることがわかっていたが、さらに、SNS上でも「闇バイト」などと称して詐欺や強盗の実行犯を募るようになっていた。私たちは取材班をつくって、これまで詐欺グループとは無縁だった人までとりこまれ始めている実態を調

    毎日朝礼をして「きょうも頑張ろう」と言い合う…振り込め詐欺の"仕事"をする少年たちの素顔 「アルバイトでは食べていけない」
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    songanman 2022/01/11
  • 「あんたなんか産まなきゃよかった」母親の声が離れない…児童養護施設を出た20代女性の悲痛な"その後" 不意に襲ってくる"強い孤独と不安" (4ページ目)

    もっと早くから格的な治療を受けたかった しかし、依存した相手に裏切られたことで、精神的にさらに追い詰められていくという悪循環に陥っていった。 「もう自分は生きている意味がないんだと思うようになり、アルコールの大量摂取や自傷行為を繰り返しました」 周囲から病院に行くよう勧められた愛美さん。医師からは精神疾患の診断を受け、処方薬を飲むようになってからは、以前のような自傷行為などは落ち着いている。ようやく友人にも自分の過去を少しずつ話すことができるようになった。しかし、不意に強い孤独や不安に襲われ、衝動的に処方薬を大量摂取してしまったこともある。トラウマケアに詳しい医師の治療を受けたいと考えているが、金銭面からまだ踏み出せずにいるという。 「こんなにひどい状態になる前にもっと早くから格的な治療を受けられていればよかったと思います。施設を出た途端、自分でも驚くくらい身近に頼れる人が突然いなくな

    「あんたなんか産まなきゃよかった」母親の声が離れない…児童養護施設を出た20代女性の悲痛な"その後" 不意に襲ってくる"強い孤独と不安" (4ページ目)
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    songanman 2022/01/06