函館本線の長万部―小樽間の存廃を話し合う北海道新幹線並行在来線対策協議会の後志ブロックで最後まで鉄道の存続を訴えかけていた余市町を含む余市―小樽間の廃線が決定された。 輸送密度が2000人を超えている余市―小樽間が廃線決定された理由は「国からの運行経費の補助がないこと」と「バスを中心とした新たなネットワークを構築」するという北海道庁の口約束だけだった。 なぜ、このような意思決定が行われるに至ったのか、その背景を取材した。 余市町の鉄道存続の意思表明 余市町が公式に鉄道路線の存続の立場を表明したのは2019年7月に開催された第6回並行在来線対策協議会でのことだった。この時に初めてJR北海道側から余市―小樽間の輸送密度が公開され2144人であることが判明した。 JR北海道が「単独では維持が困難」と発表した路線や、JR西日本がローカル線見直しの意向を示した路線の輸送密度は、いずれも2000人未満