【最後の海賊・連載第3回 後編】楽天・三木谷浩史氏とソフトバンク・孫正義氏の人生は、時系列こそずれるが数奇なほど似ている。楽天は携帯電話の完全仮想化技術「楽天・コミュニケーションズ・プラットフォーム(RCP)」を開発し、ドイツのインターネット会社1&1に提供するなど、海外に打って出るための布陣を着々と整えている。 そしていまから15年前、三木谷氏同様大手キャリアに挑み、世界の壁を壊しにかかった孫氏には“コンパス”となる男がいた。週刊ポスト短期集中連載「最後の海賊」、ジャーナリスト・大西康之氏がレポートする。(文中敬称略) * * * 孫正義が世界に打って出たのは1994年11月。米国のコンピューター関連雑誌出版大手、ジフ・デービス・コミュニケーションズの展示会部門を2億200万ドル(約200億円)で買収した。 「俺は情報革命を起こすんだ!」 そう叫んでいた孫が株式を公開して市場から調達した