2013-10-12 太宰治「人間失格」感想(前編) 今日のエントリも例によってほとんど自分語りですが、ネタバレにはあまり配慮していないので、興味があって未読の方は、先に読了されることをオススメします。 太宰治「人間失格」 - 青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html 初めて「人間失格」というものを知ったのはいつだったか…多分高校生の頃だったと思うのですが、その時言われた言葉は今でもはっきりと覚えています。 「お前はあれを読まない方が良い」 その人は、こう言って、代わりに中島らもさんの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」を貸してくれました。 その人はこうも言いました。 「あれを読んだら、お前はきっと死んでしまうだろう」 今にして思うと、それは正しかったように思います。当時の脆弱な──いわゆる「自分」というもの