日本電気(NEC)と東北大学は18日、身の回りにある熱から発電する“熱電変換素子”において、新原理「スピンゼーベック効果」を用いて、発熱部分にコーティングすることで利用できる新しい素子を開発したことを発表した。 「スピンゼーベック効果」とは、温度差をつけた磁性体において、温度勾配と並行に電子の磁気的性質であるスピンの流れ(スピン流)が生じる現象。東北大学(当時は慶應大学)の齊藤英治教授らにより2008年に発見された。一方、社会のなかでは、さまざまな場所で熱が大量に発生しており、廃熱から発電できる“熱電変換素子”の利用が進められていたが、素子の構造が複雑・大面積化が困難などの課題があり、利用シーンが限られていた。 新たに開発された素子では、塗布を用いて広い面積の熱源から大きな発電量を得たり、さまざまな形状の熱源上に素子を形成することが可能となる見込み。そのため、家庭や工場、電子機器や自動車な