6月24日、記者会見で西村泰彦宮内庁長官が「天皇陛下は新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配されておられます」「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念されている、心配であると拝察いたします」と述べたのが大きな話題となりました。 皇室のお世話をする役所のトップが「直接そういうお言葉を(天皇から)聞いたことはない」(西村氏)とはいえ「感染拡大に繋がらないか」「懸念」「心配」しているという言葉が長官の「拝察」としても天皇の意思をまったく踏まえない絵空事や空想に基づくとは思えませんから多くの国民は天皇のお考えと認識するでしょう。 菅義偉首相は「長官本人の見解と理解している」と述べました。まあそういうしかありません。「陛下の見解と理解している」などといえば天皇ご自身が憲法違反を犯したとなりかねませんから。